日油
NOF CORPORATION
最終更新日: 2026年3月22日
mRNAワクチンからロケット推進薬まで!見えないところで世界を変えるニッチトップ化学メーカー
化学の力で未来を拓き、人々の豊かな暮らしと持続可能な社会の実現に貢献する。
この会社ってなに?
日油の製品は普段目にすることは少ないですが、私たちの暮らしのあらゆる場面で活躍しています。ファイザーやモデルナのmRNAワクチンに使われた脂質ナノ粒子(LNP)の原料はこの会社が供給しました。また、宇宙ロケットの固体推進薬や、食品の鮮度を保つ脱酸素剤「エージレス」も日油の技術です。医療から宇宙、日々の食品まで、見えないところで社会を支えている縁の下の力持ちです。
日油は1937年設立(前身は日本油脂)の機能化学メーカーで、油化事業・化薬事業・化成事業・ライフサイエンス事業の4セグメントを展開しています。FY2025/3は売上高2,383億円(前年比+7.2%)、営業利益453億円と5期連続の増収増益を達成しました。FY2026/3も売上高2,520億円、営業利益460億円と過去最高益を更新する見通しです。新中期経営計画「NOF VISION 2030」のもと、DDS(ドラッグデリバリーシステム)製剤原料のグローバル展開やPhosphorex社への出資によるGMP製造体制の強化を推進しています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都渋谷区恵比寿四丁目20番3号 恵比寿ガーデンプレイスタワー
- 公式
- www.nof.co.jp
社長プロフィール
独創性のある製品と技術で社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。2030年に向けて、ライフサイエンスや環境・エネルギー分野での成長を加速させ、企業価値の一層の向上を目指します。
この会社のストーリー
油脂化学のパイオニアとして創業。脂肪酸や石けんの製造からスタートし、日本の化学工業の発展を支えました。
油脂技術を応用した有機過酸化物やDDS用PEG誘導体など、高付加価値な機能化学品分野への本格展開を開始しました。
日本油脂から「日油」に社名を変更。「NOF」ブランドのもと、グローバル化と事業の多角化を加速させました。
コロナワクチンに使われる脂質ナノ粒子(LNP)原料の世界的サプライヤーとして一躍注目を集め、ライフサイエンス事業の成長を加速させました。
売上高3000億円超を目指す長期ビジョンのもと、DDS製剤原料のグローバル展開や環境対応素材の開発を推進し、次の成長ステージへ挑戦します。
注目ポイント
コロナワクチン向け脂質ナノ粒子(LNP)原料で世界的シェアを持ち、次世代医薬品の実用化に不可欠な存在です。
ロケット固体推進薬や脱酸素剤「エージレス」など、独自技術でニッチトップの地位を確立しています。
自己資本比率78%、FCFも毎期150億円以上を安定創出。累進配当方針と総還元性向50%目標で着実な株主還元を実施しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 18円 | 23.6% |
| FY2017/3 | 24円 | 23.7% |
| FY2019/3 | 28円 | 30.1% |
| FY2020/3 | 28円 | 31.0% |
| FY2021/3 | 28.7円 | 28.5% |
| FY2022/3 | 31.5円 | 27.8% |
| FY2023/3 | 37.8円 | 25.9% |
| FY2024/3 | 114円 | 80.8% |
| FY2025/3 | 45円 | 29.2% |
株主優待制度はありません。
FY2021/3からFY2023/3にかけて80円から108円へ増配を続けていましたが、2023年10月の株式分割(1:3)により1株当たり配当額が変動しています。分割後のFY2025/3は45円(分割前換算で135円相当)と実質的な増配は継続。中期経営計画では総還元性向50%程度を目標に掲げ、中長期的な累進配当を目指す方針です。FY2026/3は48円(分割後ベース)を予想しています。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
過去5年間で売上高は約1,726億円から2,383億円へ約38%成長し、営業利益も266億円から453億円へ約70%拡大しました。FY2024/3には株式分割の影響でEPSが大きく変動していますが、利益水準は着実に成長しています。FY2026/3は売上高2,520億円・営業利益460億円を予想しており、5期連続の増収増益となる見通しです。DDS製剤原料や機能化学品の好調が業績を牽引しています。
事業ごとの売上・利益
脂肪酸誘導体やポリマー製品、界面活性剤などを展開。食品・化粧品向けの安定需要を基盤に、機能性素材への転換を進めている
産業用爆薬やロケット固体推進薬を製造。防衛関連需要の増加と宇宙開発の拡大が追い風。脱酸素剤「エージレス」も安定収益源
有機過酸化物やDDS(ドラッグデリバリーシステム)用PEG誘導体が主力。mRNAワクチン向け脂質ナノ粒子原料で世界的に注目
DDS製剤原料のグローバル展開を推進。Phosphorex社への出資によりGMP製造体制を強化し、LNP(脂質ナノ粒子)関連の成長を見込む
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 14.1% | 8.6% | - |
| FY2022/3 | 13.8% | 9.2% | - |
| FY2023/3 | 17.2% | 11.0% | - |
| FY2024/3 | 16.6% | 10.0% | 19.0% |
| FY2025/3 | 15.1% | 10.2% | 19.0% |
営業利益率はFY2021/3の15.4%からFY2025/3の19.0%へと着実に改善しており、高付加価値製品へのシフトが奏功しています。ROEは12〜14%台で安定推移し、資本効率も良好です。ROAも10%前後と化学業界では高い水準を維持しており、資産を効率的に活用した経営が実践されています。
財務は安全?
総資産はFY2021/3の2,715億円からFY2025/3の3,572億円へ約32%拡大しています。自己資本比率は74.7%から78.0%へ上昇しており、化学業界でもトップクラスの財務健全性を誇ります。FY2023/3まで実質無借金経営でしたが、FY2024/3に約79億円の有利子負債を計上。BPSの変動は2023年10月の株式分割(1:3)によるものです。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 307億円 | 18.9億円 | -80.4億円 | 326億円 |
| FY2022/3 | 274億円 | -87.5億円 | -153億円 | 186億円 |
| FY2023/3 | 233億円 | -7.1億円 | -162億円 | 226億円 |
| FY2024/3 | 300億円 | -150億円 | -171億円 | 150億円 |
| FY2025/3 | 290億円 | -137億円 | -220億円 | 152億円 |
営業キャッシュフローは毎期230〜307億円と安定的に創出されており、本業の稼ぐ力が強固です。FY2025/3の投資CFは約138億円のマイナスで、設備投資や海外出資を積極的に実施しています。財務CFは約220億円のマイナスで、配当金支払いや自社株買いによる株主還元を反映。FCFは毎期150億円以上を安定して確保しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 289億円 | 55.7億円 | 19.3% |
| FY2022/3 | 376億円 | 109億円 | 29.1% |
| FY2023/3 | 432億円 | 92.1億円 | 21.3% |
| FY2024/3 | 456億円 | 116億円 | 25.4% |
| FY2025/3 | 466億円 | 101億円 | 21.6% |
法人税等の支払額は5年間で約56億円から101億円へ増加しており、税引前利益の拡大を反映しています。実効税率はFY2021/3の19.3%からFY2022/3の29.1%まで変動がありますが、直近は21%台に安定。試験研究費税額控除などの優遇措置の適用状況により変動しつつも、全体として適正な納税が継続されています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 836万円 | 3,997人 | - |
平均年収は836万円で化学業界の中では上位の水準にあります。平均年齢43.1歳・平均勤続年数17.9年と、長く働き続ける社員が多い安定した組織です。連結従業員数は約4,000名で、ニッチトップ戦略を推進する少数精鋭の企業体質を維持しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主は明治安田生命保険相互会社。
信託銀行経由の機関投資家が約23%を保有し、安定した株主構成を形成しています。外国人投資家の保有比率は約37%と高水準で、ノルウェー政府系ファンドやステート・ストリートなどグローバルな長期投資家が名を連ねています。従業員持株会(親栄会・共栄会)が合計約3.8%を保有しており、社員の会社への帰属意識の高さがうかがえます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 油化事業 | 約800億円 | 約100億円 | 約12.5% |
| 化薬事業 | 約450億円 | 約55億円 | 約12.2% |
| 化成事業 | 約650億円 | 約150億円 | 約23.1% |
| ライフサイエンス事業 | 約480億円 | 約145億円 | 約30.2% |
研究開発費
油化・化薬・化成・ライフサイエンスの4セグメントで多角的に事業を展開しています。特に化成事業(利益率約23%)とライフサイエンス事業(同約30%)が高収益の牽引役です。役員報酬は取締役4名に対し総額2億4,700万円で、業績連動型株式報酬制度を導入しています。研究開発費は売上高比約4%で、DDS製剤原料や機能性素材の次世代品開発に注力しています。
この会社のガバナンスは?
取締役10名中2名が女性で、女性役員比率は20.0%と化学業界では高い水準にあります。監査等委員会設置会社として独立した監督機能を確保しています。連結子会社は24社でグローバルな事業運営体制を構築。設備投資は183.8億円と積極的な成長投資を実施しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 2,200億円 | — | 2,223億円 | +1.0% |
| FY2025 | 2,320億円 | — | 2,383億円 | +2.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 405億円 | — | 421億円 | +4.1% |
| FY2025 | 405億円 | — | 453億円 | +11.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2025中期経営計画の最終年度であるFY2025/3において、売上高2,383億円と目標の99%に到達しました。ROE13.1%は目標の12%以上を達成。業績予想は過去2期連続で当初予想を上回る実績を記録しており、特にFY2025/3の営業利益は当初予想から約12%の上振れとなりました。新中計「NOF VISION 2030」では売上高3000億円超・営業利益率20%以上を目指す意欲的な計画を掲げています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年間のTSR(株主総利回り)は192.0%と大幅なプラスリターンを記録しています。ただし、TOPIXの213.4%と比較するとやや下回る結果となっています。FY2024までは大きくアウトパフォームしていましたが、FY2025以降はTOPIXの急上昇に追いつけず、若干のアンダーパフォームとなりました。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 171.1万円 | +71.1万円 | 71.1% |
| FY2022 | 151.3万円 | +51.3万円 | 51.3% |
| FY2023 | 188.0万円 | +88.0万円 | 88.0% |
| FY2024 | 193.8万円 | +93.8万円 | 93.8% |
| FY2025 | 192.0万円 | +92.0万円 | 92.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
化学セクターの中ではPER・PBRともに高めの評価(プレミアム)が付与されています。PER18.5倍はセクター平均の約1.2倍、PBR2.45倍は約2倍の水準であり、DDS製剤原料やmRNAワクチン関連素材といった高付加価値な事業ポートフォリオと、営業利益率19%という高い収益性が市場から評価されている結果です。信用倍率は13.23倍と買い優勢で、成長期待の高さがうかがえます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/3 第3四半期決算を発表。売上高・各段階利益ともに順調に推移し、通期業績予想を上方修正。
米国Phosphorex社への出資を完了し、DDS向け脂質ナノ粒子のGMP製造体制を強化。
FY2025/3本決算で売上高2,383億円・営業利益453億円と過去最高水準を更新。新中計「NOF VISION 2030」を発表。
最新ニュース
日油 まとめ
ひとめ診断
「DDS製剤原料から宇宙ロケット推進薬まで、営業利益率19%のニッチトップ化学メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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