積水化成品工業4228
Sekisui Kasei Co.,Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
スーパーマーケットでお肉やお魚が乗っている白い食品トレー、あれは積水化成品工業の製品かもしれません。同社は発泡スチロール技術のパイオニアで、私たちの生活に密着した製品を数多く作っています。新しい家電を買ったとき、箱の中で製品を衝撃から守っている緩衝材もその一つです。さらに、あなたが普段運転する自動車にも同社の技術が活かされており、シートのクッション材やバンパーの芯材など、見えないところで私たちの安全と快適さを支えています。
積水化学グループの発泡樹脂素材大手。2025期は売上高1,370.7億円と増収を確保したものの、欧州自動車部材子会社の事業譲渡に伴う特別損失が響き、最終損益は62.82億円の赤字に転落しました。しかし、この構造改革により、翌2026期は売上高1,140億円(前期比減)、営業利益18億円へのV字回復を見込んでいます。PBR0.42倍という極端な割安水準は、事業再編後の収益性改善への期待を反映していると言えるでしょう。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市北区西天満2丁目4番4号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 3.0% | 1.3% | 1.8% |
| 2022/03期 | 2.3% | 1.0% | 1.2% |
| 2023/03期 | 1.4% | 0.5% | 0.6% |
| 2024/03期 | 2.2% | 0.9% | 1.0% |
| 2025/03期 | 1.2% | 0.5% | 0.5% |
| 3Q FY2026/3 | 5.9%(累計) | 1.8%(累計) | 1.9% |
当社の収益性は、激しい原材料価格の変動や海外拠点の事業コスト増大により、営業利益率が1%前後と非常に低い水準で推移しています。特に2022年および2025年3月期は、特別損失の影響でROEがマイナス10%を下回るなど、自己資本の効率性が著しく低下しました。現在は低収益事業の切り離しを進め、利益率の改善を最優先課題としています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1,189億円 | 20.9億円 | 20.9億円 | 24.9円 | - |
| 2022/03期 | 1,176億円 | 14.6億円 | 14.6億円 | -131.0円 | -1.1% |
| 2023/03期 | 1,247億円 | 7.9億円 | 7.9億円 | 10.0円 | +6.1% |
| 2024/03期 | 1,303億円 | 12.6億円 | 12.6億円 | 23.9円 | +4.5% |
| 2025/03期 | 1,371億円 | 6.4億円 | 6.4億円 | -138.3円 | +5.2% |
積水化成品工業の売上高は1,300億円規模で推移していますが、自動車部材事業における海外子会社の再編や原材料価格の変動が利益面に大きく影響しています。特に2025年3月期は、海外事業の構造改革に伴う特別損失を計上したことで、純利益が約63億円の赤字に転落しました。2026年3月期は構造改革の完了により、営業利益18億円への黒字回復を見込んでいます。 【3Q 2026/03期実績】売上904億円(前年同期比-13.0%)、営業利益17億円、純利益△24億円。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
ヒューマンライフおよびインダストリーの2分野を軸に展開しており、自動車部材の海外事業再編といった収益改善策を推進しています。原材料価格の高騰や自動車需要の変動が主な事業リスクであり、現在は収益性の向上と事業構造の変革に注力しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 1,320億円 | N/A | 1,371億円 | +3.8% |
| 2024期 | 1,300億円 | N/A | 1,303億円 | +0.2% |
| 2023期 | 1,250億円 | N/A | 1,247億円 | -0.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 25億円 | N/A | 6億円 | -74.4% |
| 2024期 | 20億円 | N/A | 13億円 | -37.0% |
| 2023期 | 18億円 | N/A | 8億円 | -55.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中期経営計画「Going Beyond 2027」では、2027期に営業利益45億円という挑戦的な目標を掲げています。しかし、初年度である2025期の実績は6.41億円と進捗は芳しくありません。過去の業績予想を振り返っても、営業利益は3期連続で期初予想を大幅に下回っており、計画達成能力には疑問符がつきます。欧州の不採算事業を売却したことで、2026期以降の収益性改善が計画達成の鍵となりますが、まずは信頼性の高い業績予想を示すことが求められます。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
自動車部材事業の採算改善のため、欧州子会社6社をポーランド企業へ譲渡する方針を発表しました。
新中期経営計画「Going Beyond 2027」を公表し、営業利益45億円への成長を目指すロードマップを示しました。
中間決算において連結経常損益が2億円の黒字に転換し、収益回復の端緒を見せました。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性を示す自己資本比率は約36%まで低下しており、有利子負債の増加が足元の課題となっています。2024年3月期から有利子負債が急増した背景には、事業運営のための資金調達や設備投資の継続があると考えられます。今後は、資産の入れ替えや効率化を進めることで、安定した財務体質の再構築が求められます。 【3Q 2026/03期】総資産1260億円、純資産468億円、自己資本比率31.4%、有利子負債407億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 64.3億円 | 30.1億円 | 6.3億円 | 34.2億円 |
| 2022/03期 | 38.3億円 | 31.9億円 | 25.7億円 | 6.5億円 |
| 2023/03期 | 31.1億円 | 9.9億円 | 15.4億円 | 21.2億円 |
| 2024/03期 | 73.8億円 | 37.8億円 | 36.6億円 | 36.0億円 |
| 2025/03期 | 47.5億円 | 56.9億円 | 6.2億円 | 9.4億円 |
営業キャッシュフローは概ねプラスを維持し、本業での稼ぐ力は健在ですが、積極的な投資や海外事業再編の影響でFCF(フリー・キャッシュフロー)が大きく変動しています。2025年3月期は先行投資や特別損失による支出が先行し、フリー・キャッシュフローがマイナスに転じました。安定的な配当維持には、本業のキャッシュ創出力をさらに向上させることが不可欠です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は7.7%にとどまっており、今後の多様な人材登用が経営課題です。監査報酬として6,100万円を計上しており、37社の連結子会社を抱える規模感に見合った適切な監査体制の構築に努めています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 727万円 | 3,294人 | - |
従業員の平均年収は727万円と、国内の化学業界の中でも比較的安定した水準にあります。平均勤続年数が19.3年と長期であることは、手厚い待遇や福利厚生が定着率の高さに寄与していることを示唆しています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、全ての年で市場平均であるTOPIXを大きく下回る「アンダーパフォーム」となっています。特に2024期および2025期はTOPIXが200%を超える高いリターンを記録する中で、同社は100%を下回る結果となりました。これは、欧州事業の不振をはじめとする長年の収益性の低迷が株価の重石となり、配当利回りだけでは市場平均のリターンを補えなかったことを示しています。株価がPBR1倍を大きく割り込んでいる現状は、このアンダーパフォームの歴史を反映したものと言えます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 12円 | 35.6% |
| 2018/03期 | 27円 | 35.8% |
| 2019/03期 | 30円 | 43.4% |
| 2020/03期 | 30円 | 58.5% |
| 2021/03期 | 21円 | 84.5% |
| 2022/03期 | 12円 | - |
| 2023/03期 | 12円 | 120.0% |
| 2024/03期 | 13円 | 54.4% |
| 2025/03期 | 3円 | - |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針として利益成長に応じた適正な還元を基本としつつ、現在は安定配当の維持に注力しています。業績の変動が大きいため、配当性向も年によって激しく振れる傾向にあります。今後は構造改革を完遂し、持続可能な利益成長を実現することで配当の安定化を図る見通しです。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 110.2万円 | 10.2万円 | 10.2% |
| 2022期 | 83.9万円 | 16.1万円 | -16.1% |
| 2023期 | 82.5万円 | 17.5万円 | -17.5% |
| 2024期 | 101.1万円 | 1.1万円 | 1.1% |
| 2025期 | 74.5万円 | 25.5万円 | -25.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は23.83倍と高い水準にあり、将来の株価上昇を見込んだ買い越し状態ですが、これは将来的な売り圧力にもなり得ます。業界比較では、PBRが0.42倍と業界平均の1.1倍を大幅に下回っており、極端な割安圏にあることが示されています。配当利回りは業界平均を上回っており、株価の下支え要因となる可能性があります。一方で時価総額は業界平均に比べかなり小規模です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 19.6億円 | 0円 | 0.0% |
| 2022/03期 | 14.0億円 | 0円 | 0.0% |
| 2023/03期 | 7.0億円 | 0円 | 0.0% |
| 2024/03期 | 27.3億円 | 14.7億円 | 53.9% |
| 2025/03期 | 1.0億円 | 0円 | 0.0% |
法人税等の実効税率が極端に高い年度が見受けられますが、これは純損失の計上時など、税引前利益が極めて少額であるにもかかわらず、繰延税金資産の取り崩し等の税務会計上の処理が発生したことによるものです。通常の税負担能力を超えた負担が生じているわけではなく、一時的な損益変動が税率を押し上げています。企業業績の安定化により、今後は実効税率も標準的な水準へ収束することが予想されます。
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積水化成品工業 まとめ
「発泡プラスチックのガリバー、欧州事業の構造改革を経て再浮上を目指す老舗化学メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。