積水化成品工業
Sekisui Kasei Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月27日
発泡技術で暮らしと産業の未来をかたちづくる化学メーカー
感動品質”を創造し続ける企業グループを目指します。
この会社ってなに?
スーパーマーケットでお肉やお魚が乗っている白い食品トレー、あれは積水化成品工業の製品かもしれません。同社は発泡スチロール技術のパイオニアで、私たちの生活に密着した製品を数多く作っています。新しい家電を買ったとき、箱の中で製品を衝撃から守っている緩衝材もその一つです。さらに、あなたが普段運転する自動車にも同社の技術が活かされており、シートのクッション材やバンパーの芯材など、見えないところで私たちの安全と快適さを支えています。
積水化学グループの発泡樹脂素材大手。FY2025は売上高1,370.7億円と増収を確保したものの、欧州自動車部材子会社の事業譲渡に伴う特別損失が響き、最終損益は62.82億円の赤字に転落しました。しかし、この構造改革により、翌FY2026は売上高1,140億円(前期比減)、営業利益18億円へのV字回復を見込んでいます。PBR0.42倍という極端な割安水準は、事業再編後の収益性改善への期待を反映していると言えるでしょう。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市北区西天満2丁目4番4号
- 公式
- www.sekisuikasei.com
社長プロフィール

当社は発泡プラスチックスのパイオニアとして、コア技術を基盤に社会課題の解決に貢献してきました。新中期経営計画『Going Beyond 2027』のもと、既存の枠組みを超えた変革に挑戦し、持続可能な社会の実現を目指します。
この会社のストーリー
積水化学工業株式会社より分離独立し、発泡プラスチックスのパイオニアとして事業を開始。資本金は3億円だった。
創業からわずか3年で東京証券取引所市場第二部に上場し、事業拡大の基盤を築いた。
さらなる成長を遂げ、東京証券取引所市場第一部へ指定替えとなり、社会的な信用を高めた。
滋賀水口工場に技術本部棟(現 研究開発センター)を新設。タイに初の海外生産拠点を設立し、グローバル化を加速させた。
カネカ株式会社よりポリスチレンペーパー(PSP)事業を買収。食品容器分野での国内シェアを拡大し、事業基盤を強化した。
ドイツの自動車部材メーカーProseatグループを買収し、海外事業の強化を図るも、その後の自動車需要の減少などで苦戦を強いられた。
新中期経営計画「Going Beyond 2027」を始動。収益性改善のため、欧州の自動車部材子会社の売却を決定し、事業の選択と集中を進める。
中期経営計画の最終年度。高機能製品へのシフトと事業ポートフォリオ変革を完遂し、営業利益45億円の達成を目指す。
注目ポイント
食品トレーから自動車部材、住宅用断熱材まで、暮らしに不可欠な製品を支える発泡プラスチックのリーディングカンパニー。コア技術を活かした新製品開発にも積極的です。
新中期経営計画「Going Beyond 2027」を掲げ、事業ポートフォリオの変革に着手。不採算事業の整理と成長分野への集中により、収益性のV字回復を目指しています。
PBR(株価純資産倍率)が0.4倍台と、解散価値とされる1倍を大きく下回る水準。今後の業績回復や資本効率改善策次第で、株価の見直しが期待される可能性があります。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 12円 | 35.6% |
| FY2018/3 | 27円 | 35.8% |
| FY2019/3 | 30円 | 43.4% |
| FY2020/3 | 30円 | 58.5% |
| FY2021/3 | 21円 | 84.5% |
| FY2022/3 | 12円 | 0.3% |
| FY2023/3 | 12円 | 120.0% |
| FY2024/3 | 13円 | 54.4% |
| FY2025/3 | 3円 | 0.3% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針として利益成長に応じた適正な還元を基本としつつ、現在は安定配当の維持に注力しています。業績の変動が大きいため、配当性向も年によって激しく振れる傾向にあります。今後は構造改革を完遂し、持続可能な利益成長を実現することで配当の安定化を図る見通しです。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
積水化成品工業の売上高は1,300億円規模で推移していますが、自動車部材事業における海外子会社の再編や原材料価格の変動が利益面に大きく影響しています。特に2025年3月期は、海外事業の構造改革に伴う特別損失を計上したことで、純利益が約63億円の赤字に転落しました。2026年3月期は構造改革の完了により、営業利益18億円への黒字回復を見込んでいます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.9% | 1.3% | 1.8% |
| FY2022/3 | -17.4% | 1.0% | 1.2% |
| FY2023/3 | 0.5% | 0.5% | 0.6% |
| FY2024/3 | -2.1% | 0.9% | 1.0% |
| FY2025/3 | -19.1% | 0.5% | 0.5% |
当社の収益性は、激しい原材料価格の変動や海外拠点の事業コスト増大により、営業利益率が1%前後と非常に低い水準で推移しています。特に2022年および2025年3月期は、特別損失の影響でROEがマイナス10%を下回るなど、自己資本の効率性が著しく低下しました。現在は低収益事業の切り離しを進め、利益率の改善を最優先課題としています。
財務は安全?
財務健全性を示す自己資本比率は約36%まで低下しており、有利子負債の増加が足元の課題となっています。2024年3月期から有利子負債が急増した背景には、事業運営のための資金調達や設備投資の継続があると考えられます。今後は、資産の入れ替えや効率化を進めることで、安定した財務体質の再構築が求められます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 64.3億円 | -30.1億円 | -6.3億円 | 34.2億円 |
| FY2022/3 | 38.3億円 | -31.9億円 | -25.7億円 | 6.5億円 |
| FY2023/3 | 31.1億円 | -9.9億円 | -15.4億円 | 21.2億円 |
| FY2024/3 | 73.8億円 | -37.8億円 | -36.6億円 | 36.0億円 |
| FY2025/3 | 47.5億円 | -56.9億円 | -6.2億円 | -9.4億円 |
営業キャッシュフローは概ねプラスを維持し、本業での稼ぐ力は健在ですが、積極的な投資や海外事業再編の影響でFCF(フリー・キャッシュフロー)が大きく変動しています。2025年3月期は先行投資や特別損失による支出が先行し、フリー・キャッシュフローがマイナスに転じました。安定的な配当維持には、本業のキャッシュ創出力をさらに向上させることが不可欠です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 19.6億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 14.0億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 7.0億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 27.3億円 | 14.7億円 | 53.9% |
| FY2025/3 | 1.0億円 | 0円 | 0.0% |
法人税等の実効税率が極端に高い年度が見受けられますが、これは純損失の計上時など、税引前利益が極めて少額であるにもかかわらず、繰延税金資産の取り崩し等の税務会計上の処理が発生したことによるものです。通常の税負担能力を超えた負担が生じているわけではなく、一時的な損益変動が税率を押し上げています。企業業績の安定化により、今後は実効税率も標準的な水準へ収束することが予想されます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 727万円 | 3,294人 | - |
従業員の平均年収は727万円と、国内の化学業界の中でも比較的安定した水準にあります。平均勤続年数が19.3年と長期であることは、手厚い待遇や福利厚生が定着率の高さに寄与していることを示唆しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は積水化学工業・積水化成品従業員持株会・積水樹脂。
積水化学工業が21.68%の株式を保有する筆頭株主であり、グループの安定的な事業運営を支えています。その他、従業員持株会や取引先持株会、主要な金融機関などが上位株主に名を連ねており、長期的な信頼関係に基づく安定的な株主構成が特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
ヒューマンライフおよびインダストリーの2分野を軸に展開しており、自動車部材の海外事業再編といった収益改善策を推進しています。原材料価格の高騰や自動車需要の変動が主な事業リスクであり、現在は収益性の向上と事業構造の変革に注力しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は7.7%にとどまっており、今後の多様な人材登用が経営課題です。監査報酬として6,100万円を計上しており、37社の連結子会社を抱える規模感に見合った適切な監査体制の構築に努めています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,320億円 | N/A | 1,371億円 | +3.8% |
| FY2024 | 1,300億円 | N/A | 1,303億円 | +0.2% |
| FY2023 | 1,250億円 | N/A | 1,247億円 | -0.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 25億円 | N/A | 6億円 | -74.4% |
| FY2024 | 20億円 | N/A | 13億円 | -37.0% |
| FY2023 | 18億円 | N/A | 8億円 | -55.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中期経営計画「Going Beyond 2027」では、FY2027に営業利益45億円という挑戦的な目標を掲げています。しかし、初年度であるFY2025の実績は6.41億円と進捗は芳しくありません。過去の業績予想を振り返っても、営業利益は3期連続で期初予想を大幅に下回っており、計画達成能力には疑問符がつきます。欧州の不採算事業を売却したことで、FY2026以降の収益性改善が計画達成の鍵となりますが、まずは信頼性の高い業績予想を示すことが求められます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、全ての年で市場平均であるTOPIXを大きく下回る「アンダーパフォーム」となっています。特にFY2024およびFY2025はTOPIXが200%を超える高いリターンを記録する中で、同社は100%を下回る結果となりました。これは、欧州事業の不振をはじめとする長年の収益性の低迷が株価の重石となり、配当利回りだけでは市場平均のリターンを補えなかったことを示しています。株価がPBR1倍を大きく割り込んでいる現状は、このアンダーパフォームの歴史を反映したものと言えます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 110.2万円 | +10.2万円 | 10.2% |
| FY2022 | 83.9万円 | -16.1万円 | -16.1% |
| FY2023 | 82.5万円 | -17.5万円 | -17.5% |
| FY2024 | 101.1万円 | +1.1万円 | 1.1% |
| FY2025 | 74.5万円 | -25.5万円 | -25.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は23.83倍と高い水準にあり、将来の株価上昇を見込んだ買い越し状態ですが、これは将来的な売り圧力にもなり得ます。業界比較では、PBRが0.42倍と業界平均の1.1倍を大幅に下回っており、極端な割安圏にあることが示されています。配当利回りは業界平均を上回っており、株価の下支え要因となる可能性があります。一方で時価総額は業界平均に比べかなり小規模です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
自動車部材事業の採算改善のため、欧州子会社6社をポーランド企業へ譲渡する方針を発表しました。
新中期経営計画「Going Beyond 2027」を公表し、営業利益45億円への成長を目指すロードマップを示しました。
中間決算において連結経常損益が2億円の黒字に転換し、収益回復の端緒を見せました。
最新ニュース
積水化成品工業 まとめ
ひとめ診断
「発泡プラスチックのガリバー、欧州事業の構造改革を経て再浮上を目指す老舗化学メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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