電通グループ
DENTSU GROUP INC.
最終更新日: 2026年3月22日
「人起点の変革」で広告業界の未来を切り拓く、日本最大の広告グループ
人起点の変革を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する。
この会社ってなに?
テレビCMやネット広告、駅の巨大ポスター、SNSで流れてくるプロモーション動画、スポーツイベントの放映権ビジネスまで、あなたが日常で目にする広告やマーケティング活動の裏側には電通グループが深く関わっています。企業のブランド戦略からデジタルマーケティング、データ分析まで幅広く手がけており、広告業界を通じて消費者と企業をつなぐ役割を担っています。
電通グループは、国内最大の広告会社「電通」を中核に、海外では「dentsu」ブランドで世界約145カ国に展開するグローバル広告グループです。FY2024/12期は売上収益1兆4,353億円(前期比+1.7%)を確保したものの、海外事業ののれん減損損失など巨額の一時費用を計上し、営業損失2,892億円・最終損失3,276億円と2期連続の大幅赤字に沈みました。FY2025/12期は構造改革の成果を見込み、売上収益1兆4,915億円(+3.9%)、営業利益1,526億円と黒字転換を計画しています。2025年2月に発表した中期経営計画2025-2027では、オーガニック成長率4%・オペレーティングマージン16-17%を最終年度目標に掲げ、M&A偏重からの脱却と収益性の回復を目指しています。
会社概要
- 業種
- サービス業
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都港区東新橋1-8-1
- 公式
- www.group.dentsu.com
社長プロフィール
当社グループがありたい姿として掲げるビジョンは、『人起点の変革』のパートナーとして事業成長を支え、社会にとってより良い未来を実現することです。
この会社のストーリー
光永星郎が「日本広告」と「電報通信社」を設立。通信社と広告代理業を兼営するユニークな事業モデルから出発し、日本の広告産業の基礎を築きました。
4代目社長・吉田秀雄が通信社部門を分離し、広告専業に転換。「鬼十則」に象徴される猛烈な営業力で戦後の広告業界をリードし、電通を国内最大の広告会社に育て上げました。
英国の広告大手Aegis Groupを約4,000億円で買収し、一気にグローバル展開を加速。世界5大広告グループの一角に名を連ねることになりました。
持株会社体制を強化し、社名を「電通」から「電通グループ」に変更。国内事業は新設の「株式会社電通」に移管し、グローバル経営体制への移行を進めました。
海外事業ののれん減損損失を2期連続で計上し、累計で5,000億円超の赤字を記録。過去のM&A戦略の見直しを迫られ、FY2024/12期は無配に転落しました。
中期経営計画2025-2027を発表し、M&A偏重から脱却してオーガニック成長への回帰を宣言。オペレーティングマージン16-17%を目標に、収益性の回復を目指します。
注目ポイント
日本の広告業界で長年トップシェアを維持し、テレビ・新聞・デジタルなど全メディアに圧倒的な影響力を持つ唯一無二の存在です。国内Japan事業は安定した収益基盤を形成しています。
WPP、Omnicom、Publicis、IPGと並ぶ世界5大広告グループの一角。約145カ国に展開するグローバルネットワークは、海外事業の再建が成功すれば大きな成長ドライバーとなるポテンシャルを秘めています。
巨額減損で株価は大きく調整済み。新中期計画の目標(営業利益率16-17%)が達成されれば、株価の大幅な回復が期待できます。逆張り投資家にとっては注目の局面です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 85円 | 29.0% |
| FY2017/3 | 90円 | 24.1% |
| FY2018/3 | 90円 | 28.1% |
| FY2019/3 | 95円 | 0.3% |
| FY2020/3 | 71.25円 | 0.3% |
| FY2021/3 | 117.5円 | 30.2% |
| FY2022/3 | 155.25円 | 69.5% |
| FY2023/3 | 139.5円 | 0.3% |
| FY2024/3 | 139.5円 | 0.3% |
| FY2025/3 | 0円 | 0.0% |
株主優待制度はありません。
FY2020/12期は年間117.5円、FY2021/12期は155.25円と高水準の配当を実施していましたが、業績悪化に伴いFY2022/12期以降は139.5円に減額。FY2024/12期はついに無配に転落しました。かつては配当利回り5%超の高配当銘柄でしたが、現在の配当利回りは0%です。FY2025/12期の配当予想も未定(0円)とされており、復配の時期は収益回復の進捗次第となります。株主優待制度は設けていません。
同業比較(収益性)
サービス業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2020/12期は営業利益2,418億円と高い収益力を示しましたが、その後は海外事業の不振とのれん減損が重荷となり、FY2023/12期から2期連続で営業赤字に転落しています。FY2024/12期は海外事業関連の巨額減損損失を計上し、営業損失2,892億円・最終損失3,276億円と過去最大の赤字を記録しました。売上収益自体は1.4兆円台で安定成長を続けていますが、過去のM&Aで積み上がったのれんの減損処理が収益を大きく圧迫しています。FY2025/12期は構造改革効果により営業利益1,526億円の黒字転換を見込んでいます。
事業ごとの売上・利益
電通を中核とする国内広告事業。テレビ・新聞等のマス広告からデジタル広告まで幅広くカバーし、国内広告市場でシェア1位を維持。安定的に利益を創出するグループの収益柱。
Merkle等の買収で規模を拡大した米州事業。のれん減損損失の計上により大幅赤字。2025年1月にdentsu Americas会長兼CEO代行にジュリオ・マレゴリが就任し、再建を推進中。
Aegis買収(2013年)を起点に構築した欧州・中東・アフリカ事業。のれん減損の影響で赤字だが、構造改革により2025年以降の収益回復を目指す。
中国・東南アジア・オーストラリア等を中心としたアジア太平洋地域の事業。他の海外事業と比べて減損影響が小さく、黒字を維持。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 18.7% | 6.5% | 22.3% |
| FY2022/3 | 0.5% | 3.1% | 9.4% |
| FY2023/3 | 9.9% | 1.2% | 3.5% |
| FY2024/3 | - | -3.6% | -8.9% |
| FY2025/3 | - | -9.0% | -20.2% |
FY2020/12期はROE11.9%・営業利益率22.3%と高い収益性を示しましたが、その後は急激に悪化しています。FY2023/12期からは海外事業ののれん減損損失により営業赤字に転落し、FY2024/12期にはROE-73.1%・営業利益率-20.2%と危機的な水準に達しました。ただし、これらは主にのれん減損という非現金費用によるもので、本業のキャッシュ創出力は維持されています。FY2025/12期の営業利益1,526億円計画が達成されれば、営業利益率は約10%に回復する見通しです。
財務は安全?
総資産は3.2〜3.7兆円規模で推移していますが、のれん減損により純資産はFY2020/12期の9,095億円からFY2024/12期には4,480億円へ半減しました。自己資本比率も22.7%から11.7%に低下しており、財務健全性は大きく損なわれています。有利子負債はFY2023/12期に5,771億円に増加しましたが、FY2024/12期には5,068億円に削減。BPSは3,088円から1,444円に急減しており、現在の株価2,770円はPBR1.9倍と純資産対比では割高な水準にあります。今後の収益回復による自己資本の積み増しが財務再建のカギとなります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 600億円 | -309億円 | -657億円 | 291億円 |
| FY2025/3 | 1,180億円 | -28.6億円 | -1,805億円 | 1,151億円 |
営業キャッシュフローは600〜1,400億円の範囲で安定的にプラスを維持しており、巨額赤字にもかかわらず本業のキャッシュ創出力は健在です。FY2024/12期は営業CF1,180億円を確保し、投資活動のキャッシュフローもほぼゼロに抑制したことでFCFは1,151億円と大幅に改善しました。FY2020/12期の投資CFが大幅プラス(2,622億円)だったのは、保有資産の売却によるものです。FY2022/12期にはM&A関連の投資で1,463億円の資金流出がありました。中期計画では単年営業CF1,400億円を目標としています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 70.2億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 338億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 673億円 | 220億円 | 32.7% |
| FY2024/3 | 647億円 | 1,897億円 | 293.3% |
| FY2025/3 | 595億円 | 3,488億円 | 585.7% |
FY2023/12期・FY2024/12期は税引前損益が大幅赤字であったため、税負担の分析は困難です。FY2025/12期は税引前利益1,526億円に対し法人税等829億円(実効税率54.3%)を見込んでいます。実効税率が法定税率を上回るのは、海外子会社の税務処理や繰延税金資産の評価に関する調整が影響しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,596万円 | 67,454人 | - |
平均年収は約1,508万円で、全上場企業の中でもトップクラスの水準です。ただし、これは持株会社(電通グループ)単体の数値であり、主に経営幹部やコーポレート部門の従業員が対象です。事業子会社(電通本体)の平均年収とは異なる点に留意が必要です。連結従業員数は約67,700人で、グローバルな広告グループとしての規模を反映しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は電通グループ従業員持株会氏・時事通信社。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)で約18.5%を保有しています。共同通信社(7.3%)・時事通信社(6.2%)といった通信社が大株主に名を連ねるのは、電通が元来通信社の広告代理業から発展した歴史的経緯によるものです。海外ではSilchester International Investors(英国の長期バリュー投資家)が約6%を保有し、リクルートホールディングスも約1.9%を持つなど、事業法人・金融機関・海外投資家がバランスよく分散した構成です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| Japan(国内事業) | 約5,200億円 | 約700億円 | 13.5% |
| Americas(米州事業) | 約4,500億円 | 約-1,500億円 | -33.3% |
| EMEA(欧州・中東・アフリカ事業) | 約3,000億円 | 約-1,200億円 | -40.0% |
| APAC(アジア太平洋事業) | 約1,650億円 | 約100億円 | 6.1% |
訴訟・係争
取締役4名に対する報酬総額は7,600万円と、グローバル広告グループとしては低い水準ですが、これは持株会社の取締役のみの数値です。執行役への報酬は別途支払われています。セグメント別では国内Japan事業が安定した収益を稼ぐ一方、Americas・EMEA事業は巨額ののれん減損により大幅赤字となっています。事業リスクとしては、過去のM&Aで積み上がった約1兆円規模ののれんの追加減損リスクが最大の懸念材料です。
この会社のガバナンスは?
取締役11名中女性は3名(27.0%)と、プライム市場上場企業としては一定の水準を確保しています。社外取締役比率は81%と高く、ガバナンス体制の強化が進んでいます。監査報酬は7億2,800万円と高額ですが、これはグローバルな事業展開に伴う複雑な会計監査に対応するためです。設備投資額256.8億円はデジタルインフラやテクノロジー基盤への投資を反映しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/12 | 1兆4,940億円 | 1兆4,353億円 | 1兆4,353億円 | -3.9% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/12 | 660億円 | — | -2,892億円 | 大幅未達 |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/12 | 100億円 | — | -3,276億円 | 大幅未達 |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
前中期計画(2021-2024)では、オーガニック成長率4-5%・オペレーティングマージン18%を目標に掲げましたが、いずれも未達に終わりました。特にFY2023/12期・FY2024/12期は海外事業の大規模なのれん減損損失を計上し、業績計画を大きく下回る結果となっています。2025年2月に発表した新中期計画(2025-2027)では、M&A偏重の成長戦略を見直し、オーガニック成長への回帰と収益性の回復を目指しています。新計画の達成可否は、海外事業の再建進捗と国内事業のデジタル化推進がカギとなります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
FY2020起点のTSR(株主総利回り)は117.5%で、投資元本の約1.2倍に増加しています。しかし、同期間のTOPIXリターン182.5%を大きく下回り、市場平均に対して約65ポイントのアンダーパフォームとなっています。特にFY2023以降、TOPIXが150%超に上昇する中で電通グループは110%前後に低迷しており、巨額赤字と無配転落が株価に重くのしかかっています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2020 | 83.1万円 | -16.9万円 | -16.9% |
| FY2021 | 113.6万円 | +13.6万円 | 13.6% |
| FY2022 | 118.9万円 | +18.9万円 | 18.9% |
| FY2023 | 108.6万円 | +8.6万円 | 8.6% |
| FY2024 | 117.5万円 | +17.5万円 | 17.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は0.97倍とほぼ均衡しており、売り残と買い残がほぼ拮抗しています。PERは10.3倍とセクター平均(約20倍)の半分程度で、予想利益ベースでは割安に見えますが、これはFY2025/12期の黒字転換予想をベースとした数値であり、実現可能性に注意が必要です。PBRは1.92倍でセクター平均をやや上回っており、自己資本の毀損を反映しています。配当利回りは0%で、無配銘柄となっています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2024/12期の通期業績予想を下方修正し、最終損益を一転赤字に修正。海外事業ののれん減損損失が拡大し、配当予想も139.5円から未定に変更されました。
FY2024/12期の最終赤字見通しを縮小方向に上方修正。構造改革の進展により、当初の下方修正時よりも損失幅が抑えられる見通しとなりました。
FY2024/12期本決算の発表と同時に、中期経営計画2025-2027を公表。オーガニック成長率4%・オペレーティングマージン16-17%を目標に掲げ、収益性の回復を目指す方針を示しました。
最新ニュース
電通グループ まとめ
ひとめ診断
「世界5大広告グループの一角、国内広告業界の圧倒的トップ。巨額減損からの再建途上にあり、中期計画で収益回復を目指す」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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