(株)野村総合研究所
Nomura Research Institute,Ltd.
最終更新日: 2026年4月30日
「考える力」と「作る力」の二刀流で、日本のDXを最前線で牽引する知のプロフェッショナル集団
経営とテクノロジーの融合で時代を先駆け、デジタル社会資本で世界をダイナミックに変革する
この会社ってなに?
あなたが使っている証券会社の取引システム、コンビニのPOSレジ、銀行のオンラインバンキング――その裏側で動いているシステムの多くを作っているのがNRI(野村総合研究所)です。「名前は知らないけど、実はお世話になっている」という会社の代表格。もともとは経済の未来を研究するシンクタンクとして始まり、今では「どうすればうまくいくか考える(コンサルティング)」と「実際にシステムを作って動かす(ITソリューション)」の両方ができる稀有な会社です。近年はAIやDXの波に乗り、企業のデジタル変革の司令塔として存在感を増しています。
野村総合研究所(NRI)は、1965年設立の日本初の民間総合シンクタンクと1966年設立の野村コンピュータシステムが1988年に合併して誕生した、コンサルティングとITソリューションの両輪で企業の課題解決を担う独立系SIer最大手です。野村ホールディングスが筆頭株主(20.16%)ですが、事業面では独立した経営を行い、金融・流通・製造など幅広い業界にサービスを提供しています。FY2025/3(実績)は売上収益7,648億円(+3.8%)、営業利益1,349億円(+12.0%)、純利益937億円(+17.7%)と増収増益で着地。FY2026/3(通期予想)は売上収益8,100億円(+5.9%)、営業利益1,500億円(+11.2%)、純利益1,040億円(+10.9%)を見込み、中期経営計画(2023-2025)の最終年度に掲げた目標を上回る水準で推移しています。2024年4月に就任した柳澤花芽社長(初の女性社長)のもと、2030年度に売上1兆円・営業利益率20%超を目指す長期ビジョン「NRI Group Vision 2030」を推進中です。
会社概要
- 業種
- 情報・通信業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ
- 公式
- www.nri.com
社長プロフィール
NRIは「未来創発」の企業理念のもと、お客さまと社会の課題に正面から向き合い、コンサルティングとITの力で解決策を提供してまいりました。生成AIやデジタル技術が加速度的に進化する今、私たちは単なるシステム開発会社ではなく、お客さまのビジネス変革のパートナーとして、ともに未来を創っていきます。2030年に向けて、グローバルに通用するプロフェッショナル集団として、さらなる高みを目指してまいります。
この会社のストーリー
野村證券の調査部門を母体に、株式会社野村総合研究所を設立。日本初の本格的な民間総合シンクタンクとして、経済・社会の未来を研究する使命を担って出発しました。
旧野村総合研究所と野村コンピュータシステムが合併し、現在のNRIが誕生。「考える力」と「作る力」を一つにした独自のビジネスモデルが確立されました。
東京証券取引所第一部に上場。コンサル+ITの二刀流モデルが資本市場でも評価され、独立系SIerとしての存在感を確立しました。
米CoreBTSの持株会社を522億円で買収し、北米DX市場に本格参入。豪ASGグループと合わせ、海外拠点を大幅に拡充しました。
柳澤花芽氏がNRI初の女性社長に就任。2030年に売上1兆円・営業利益率20%超を掲げ、生成AI・DXの波に乗って新たな成長ステージを目指しています。
注目ポイント
「どうすればうまくいくか考える」コンサルティングと「実際にシステムを作って動かす」ITソリューションの両方ができる稀有な存在。戦略立案から実行まで一気通貫で支援できることが最大の強みです。
5期連続でROE19〜21%台を維持する驚異的な収益力。営業利益率17.6%、4期連続増配、年間700億円規模の自社株買いと、株主還元にも積極的です。
証券取引システム「STAR」、セブン-イレブンのPOSシステム、ANAの予約管理など、日本の社会インフラを多数運用。「止められないシステム」を任される技術力と信頼性が参入障壁となっています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2018/3 | 38.9円 | 39.5% |
| FY2019/3 | 38.9円 | 41.6% |
| FY2020/3 | 32円 | 29.3% |
| FY2021/3 | 36円 | 31.6% |
| FY2022/3 | 40円 | 33.2% |
| FY2023/3 | 45円 | 34.9% |
| FY2024/3 | 53円 | 38.7% |
| FY2025/3 | 63円 | 38.5% |
株主優待制度なし
4期連続増配を継続中で、FY2026/3は年間74円(前期比+11円、+17.5%増配)を予想。配当性向は31.6%(FY2021/3)から段階的に引き上げており、FY2026/3は40.7%と中期計画の目標「配当性向40%」をほぼ達成する水準です。配当に加え、年間700億円規模の自社株買いも積極的に実施しており、総還元性向は80%近くに達します。株主優待はありませんが、配当+自社株買いによるキャッシュリターンが充実しています。
同業比較(収益性)
情報・通信業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上収益は5期連続の増収で、FY2025/3に7,648億円に到達。営業利益は1,349億円(+12.0%)と二桁成長を継続しています。FY2026/3(通期予想)は売上8,100億円、営業利益1,500億円(+11.2%)を見込み、中期経営計画で掲げた営業利益1,450億円の目標を上回る水準です。3Q累計の営業利益は1,187億円と進捗率79.2%に達し、通期計画の達成はほぼ確実な情勢。DX需要の拡大と高付加価値案件の増加が収益成長を牽引しています。
事業ごとの売上・利益
経営戦略・事業戦略の立案、M&Aアドバイザリー、DX戦略策定など。官公庁から大企業まで幅広い顧客基盤を持つ。生成AIの活用率80%超とデジタル浸透度が高い
証券・銀行・保険会社向けの基幹システム開発・運用。STAR/T-STARなどの共同利用型プラットフォームが安定収益の柱。野村證券向け以外の外販比率が拡大中
流通・製造・通信・官公庁向けのシステム構築。セブン-イレブンのPOSシステムやANA国際線の予約管理システムなど、社会インフラを多数手がける
データセンター運営、クラウドサービス、セキュリティ。マルチクラウド戦略でAWS・Azure・Oracle Cloudに対応し、DXの基盤を提供
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 21.8% | 8.1% | 14.7% |
| FY2022/3 | 21.3% | 9.0% | 17.4% |
| FY2023/3 | 20.7% | 9.1% | 16.2% |
| FY2024/3 | 19.9% | 8.6% | 16.3% |
| FY2025/3 | 22.5% | 10.1% | 17.6% |
ROEは5期連続で19〜21%台を維持し、プライム市場の目安8%を大きく上回る高水準です。FY2025/3は21.4%に改善し、中期計画の目標「ROE20%以上」を達成しました。営業利益率も17.6%と情報通信業界の中でトップクラス。コンサルティングの高付加価値サービスとITソリューションのストック型収益が、安定した高収益体質を支えています。Vision2030では営業利益率20%超をさらに目指します。
財務は安全?
総資産はFY2025/3に9,285億円に拡大。FY2022/3に総資産が約2,600億円増えたのは、米CoreBTS(522億円)や豪ASGグループ等の海外M&Aによるものです。自己資本比率は46.7%と健全で、有利子負債はIFRS上のリース負債を除けば実質ゼロ(無借金経営)。BPSは758.7円まで成長しており、積極的な自社株買い(FY2025/3は約700億円取得)と利益蓄積の両立で1株当たり価値を高めています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 739億円 | -205億円 | -25.3億円 | 534億円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 1,423億円 | -534億円 | -476億円 | 889億円 |
| FY2025/3 | 1,302億円 | -476億円 | -873億円 | 826億円 |
営業CFはFY2024/3に1,422億円の過去最高を記録し、FY2025/3も1,301億円と潤沢なキャッシュを安定創出しています。FY2022/3の投資CFが▲1,305億円と突出しているのは、米CoreBTS等の海外大型M&Aによるもの。FCFは直近2年で800億円超を安定的に生み出し、その大部分を自社株買い(約700億円)と配当(約360億円)による株主還元に充当。財務CFの大幅マイナスは積極的な株主還元の裏返しです。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 711億円 | 182億円 | 25.6% |
| FY2022/3 | 1,047億円 | 332億円 | 31.7% |
| FY2023/3 | 1,085億円 | 322億円 | 29.7% |
| FY2024/3 | 1,172億円 | 376億円 | 32.1% |
| FY2025/3 | 1,342億円 | 404億円 | 30.1% |
実効税率は30〜34%で安定しており、法定実効税率に近い水準で推移しています。FY2021/3の20.8%はIFRS適用に伴う税効果会計の調整が影響した一時的な低水準。FY2026/3の予想では税引前利益1,500億円に対して約460億円の法人税を見込んでおり、日本有数の納税企業としての社会的貢献も大きい会社です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,322万円 | 16,679人 | - |
平均年収は4年間で89万円上昇し、1,321万円とIT業界トップクラスの水準に到達。従業員数も1,157名増(+17.8%)と積極採用を継続。平均年齢は39.9歳とやや低下しており、若手人材の大量採用が進んでいます。コンサル・SIer業界でも最高水準の待遇です。
誰がこの会社の株を持ってる?
野村ホールディングス(20.16%)を筆頭に、野村グループ関連企業と金融機関が安定株主の中核を形成。NRIグループ社員持株会(4.25%)も安定株主に加算。外国人比率34.6%と高く、グローバル投資家の評価が株価に反映されやすい構造です。
筆頭株主は野村ホールディングス(20.16%)で、NRIのルーツである野村證券グループとの結びつきを反映しています。第2位の日本マスタートラスト信託銀行(14.40%)は年金・インデックスファンドの受託分が中心。NRIグループ社員持株会(4.25%)が従業員の安定保有として機能し、野村プロパティーズ(2.81%)も野村グループの一角として長期保有しています。外国人投資家比率は34.6%と情報通信業としては高水準であり、海外からのDX関連銘柄としての評価が窺えます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| コンサルティング | 約600億円 | 約120億円 | 20.0% |
| 金融ITソリューション | 約3,200億円 | 約500億円 | 15.6% |
| 産業ITソリューション | 約2,600億円 | 約450億円 | 17.3% |
| IT基盤サービス | 約1,700億円 | 約250億円 | 14.7% |
NRIの事業は4セグメント体制で構成されています。最大の売上を誇る金融ITソリューション(約3,200億円)は、証券・銀行向け共同利用型プラットフォーム(STAR/T-STAR等)が安定収益の源泉です。産業ITソリューション(約2,600億円)はセブン-イレブンやANA等の大企業向けシステムを手がけ、コンサルティング(約600億円)は利益率20%の高収益事業。IT基盤サービスがマルチクラウドで全事業を下支えしています。4セグメント全てが黒字であり、コンサルからシステム構築・運用まで一気通貫で提供できる点が独立系SIerとしての最大の強みです。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が21.4%と一定水準に達しており、多様性を尊重した経営陣の構成が進められています。監査等委員会設置会社として監視体制を強化し、大規模なITインフラを担う企業として、高い透明性と迅速な意思決定を両立させるためのコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 1,170億円 | — | 1,204億円 | +2.9% |
| FY2025/3 | 1,320億円 | — | 1,349億円 | +2.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026/3 | 1,500億円 | — | 1,187億円(3Q累計、進捗79.2%) | 計画線上 |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画の全4目標が最終年度で達成圏内にあり、経営の実行力は非常に高い評価に値します。特に営業利益は目標1,450億円を上回る1,500億円を予想しており、前倒し達成の見込み。業績予想の精度も高く、過去2期連続で当初予想を上回って着地。長期ビジョン「Vision 2030」の売上1兆円に向けては、現在の成長率(年+5〜6%)が持続すれば射程圏内であり、DX需要の拡大と海外事業の伸長がカギを握ります。
株の売買状況と今後の予定
PER24.5倍は情報通信業セクター平均をやや上回りますが、ROE21.4%という高い資本効率を考慮すれば妥当な水準です。PBR5.87倍は一見割高に見えますが、これはROEの高さとブランド力・人的資本の価値が反映されたもの。配当利回り1.66%は同業並みですが、自社株買いを含めた総還元利回りは4%超と魅力的。信用倍率2.92倍は適度な水準で、需給面での大きな偏りはありません。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
完全子会社のNRI社会情報システムを2026年5月1日付で吸収合併すると発表。AI・デジタル技術領域の事業展開スピードアップが狙い。
FY2026/3 3Q累計の売上収益6,023億円(+6.0%)、営業利益1,187億円(+16.0%)と増収増益。通期計画に対する最終利益の進捗率は80%と好調。
FY2025/3通期は売上収益7,648億円(+3.8%)、営業利益1,349億円(+12.0%)で着地。配当は63円(+10円増配)。FY2026/3は売上8,100億・営業利益1,500億の予想を発表。
柳澤花芽氏が代表取締役社長に正式就任。東大文学部卒のコンサル出身で、NRI初の女性トップ。此本前社長は会長に専任。
Oracle Alloyを活用したNRIデータセンター内にGPU(NVIDIA H100)を導入。生成AI基盤をマルチクラウド環境で提供し、企業のAI活用を後押し。
最新ニュース
(株)野村総合研究所 まとめ
ひとめ診断
コンサルとITの二刀流で日本企業のDXを牽引――初の女性社長が挑む売上1兆円への成長戦略
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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