メディカル・データ・ビジョン3902
Medical Data Vision Co.,Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが病院で受ける検査や処方される薬の情報、それが匿名化されて巨大なデータベースに集まり、新薬開発や保険商品設計に活用されているのを知っていますか? メディカル・データ・ビジョン(MDV)は全国約500の急性期病院から収集した実患者数約4,500万人(日本人口の約3分の1)のリアルワールドデータを保有する、医療版『情報インフラ』企業です。病院向けには経営支援システム「EVE」「MDV analyzer」を提供し、製薬会社・保険会社・大学にはこのデータを匿名化して販売。さらに個人が自分の診療履歴をスマホで管理できるPHRアプリ「カルテコ」も展開しています。2025年12月、日本生命が1,693円でTOBを発表し総額576億円で買収、2026年4月に上場廃止となりました。あなたが受けた治療が、未来の医療を作る糧になっているかもしれません。
メディカル・データ・ビジョン(MDV)は2003年創業の医療データ・プラットフォーマーで、全国約500の急性期病院から収集した実患者数約4,500万人(日本人口の約3分の1に相当)の国内最大級リアルワールドデータベースを保有。データネットワークサービス(病院経営支援システム「EVE」「MDV analyzer」)とデータ利活用サービス(製薬・保険・学術向けデータ提供)の二本柱で展開しています。2024/12期は先行投資が重なり営業利益0.04億円・純利益▲7.9億円と赤字転落しましたが、2025/12期は売上65.4億円(+10.7%)・営業利益3.5億円と急回復。2025年12月15日、日本生命保険が1株1,693円(公表前終値462円に266.4%プレミアム)で総額576億円のTOBを発表し、2026年2月3日に成立、2026年4月24日付で東証プライム市場から上場廃止となりました。SBIホールディングス保有株もNippon Lifeへの売却によって完全子会社化が完了する見込みです。
会社概要
- 業種
- 情報・通信業
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都千代田区神田美土代町7番地 住友不動産神田ビル10階
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
事業ごとの売上・利益
病院経営支援システム「EVE」「MDV analyzer」を急性期病院約500院に提供。DPCデータ分析を基盤に病院の診療実態を可視化し経営改善を支援。診療データベース構築の源泉となるセグメント。
実患者数4,500万人の匿名化診療データを製薬会社・保険会社・大学・研究機関等に販売。「MDV analyzer」「リアルワールドデータ提供」など。2025/12期は売上を牽引した高成長セグメント。
個人向けPHRアプリ「カルテコ」、企業向け「カルテコworkwell」、医療費決済「MDV Act」、地域医療連携「ちょこつな」など先行投資フェーズの新規事業群。
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 25.8% | 19.6% | - |
| 2022/12期 | 22.3% | 16.7% | - |
| 2023/12期 | 24.7% | 17.6% | - |
| 2024/12期 | ▲21.2% | ▲14.4% | 0.1% |
| 2025/12期 | 8.9% | 5.9% | 5.3% |
2021期〜2023期はROE20%超の高収益体質を維持していましたが、2024/12期は先行投資の重なりで営業利益率が0.1%まで急落し、ROEも▲21.2%と大幅マイナスに沈みました。2025/12期は営業利益率5.3%・ROE8.9%まで回復し、収益基盤の立て直しが進行中。今後は日本生命グループとの連携で高付加価値なデータ分析サービスを拡大し、以前のような高収益体質の再構築が期待されます。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 56.7億円 | — | 10.9億円 | 27.7円 | — |
| 2022/12期 | 61.0億円 | — | 8.7億円 | 22.8円 | +7.6% |
| 2023/12期 | 64.2億円 | — | 9.8億円 | 25.6円 | +5.1% |
| 2024/12期 | 59.1億円 | 400万円 | ▲7.9億円 | -20.7円 | -8.0% |
| 2025/12期 | 65.4億円 | 3.5億円 | 2.8億円 | 7.4円 | +10.7% |
売上は2021/12期〜2023/12期にかけて56億円→64億円と緩やかに成長していましたが、2024/12期は先行投資・データ収集基盤強化のための支出増で営業利益が0.04億円まで急減し、純利益▲7.9億円の赤字に転落。2025/12期は売上65.4億円(+10.7%)・営業利益3.49億円・純利益2.80億円と黒字転換し、データ利活用サービスが回復を牽引しました。2026/12期予想は売上68.6億円・営業利益4.9億円とV字回復を見込んでいますが、日本生命によるTOB成立で2026年4月に上場廃止となるため、上場企業としての業績開示は本決算が最後となります。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
情報・通信業の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| データネットワークサービス | 37億円 | 5億円 | 13.5% |
| データ利活用サービス | 28億円 | 3億円 | 10.7% |
| PHR・新規事業 | 0.4億円 | - | - |
データネットワークサービス(売上比約57%)とデータ利活用サービス(同43%)の二本柱事業モデルで、急性期病院から収集したDPCデータを起点に、製薬・保険会社向けに匿名化データを販売する循環型ビジネス。役員報酬は4名で1.38億円(1名平均約3,455万円)と中堅IT企業として標準的水準。新規事業のPHR「カルテコ」と医療費決済「MDV Act」は先行投資フェーズで、2024/12期の赤字転落の主因にもなりました。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025/12期 | 90億円 | 65億円 | 65億円 | -27.3% |
| 2024/12期 | 80億円 | 60億円 | 59億円 | -26.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025/12期 | 26億円 | 1億円 | 3億円 | -86.6% |
| 2024/12期 | 16億円 | 0億円 | 0億円 | -99.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
近年の業績予想は期初計画から大幅な未達が続いており、特に2024/12期は営業利益16.3億円→0.03億円と99.8%の未達。先行投資のコントロールと計画精度の向上が課題でしたが、2025/12期は売上65.4億円で修正計画65億円を概ね達成し、立て直しが進みました。2026年4月の上場廃止により計画追跡は終了し、日本生命グループとして新たな中長期戦略を策定する見込みです。
最新ニュース
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メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2026年4月24日付で東証プライム市場から上場廃止。日本生命によるTOB成立を経て、最終的に日本生命の完全子会社となる見込み。
日本生命によるTOB(2025年12月16日〜2026年2月3日)が成立。応募株式20,082,496株で買付予定数下限(11,674,800株)を大幅超過。決済開始日2026年2月9日。日本生命の所有割合は52.34%へ。
日本生命保険が1株1,693円(公表前終値462円に対し266.45%プレミアム)で総額576億円のTOBを発表。MDVは賛同・応募推奨を表明、株価はストップ高でサヤ寄せ。SBIホールディングス(37.81%保有)はTOB不応募方針も後にNippon Lifeへ売却。
2025/12期決算で売上65.4億円(+10.7%)・営業利益3.49億円・純利益2.80億円と黒字転換。データ利活用サービスが牽引し、前期の赤字(純利益▲7.9億円)から急回復。
2024/12期通期業績予想を売上80億円→60億円、営業利益16.3億円→0.1億円へ大幅下方修正。2024-2026中期経営計画も発表したが、データ収集基盤の強化に向けた先行投資が重荷に。
診療データベース実患者数が4,500万人を突破し国内最大級に。日本の人口の約3分の1に相当する規模で、製薬・保険・学術への高付加価値データ提供基盤を確立。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
有利子負債ゼロの実質無借金経営を継続しており、自己資本比率は64〜75%と強固な財務体質を維持。2024/12期の赤字決算で純資産は43.2億円→31.5億円へ縮小しましたが、依然として高い水準を保っています。BPS(1株当たり純資産)は2025/12期で81.2円ですが、TOB価格1,693円との乖離が示す通り、純資産価値ではなく医療データベースという無形資産の戦略的価値が評価された買収案件でした。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 10.8億円 | ▲2,700万円 | ▲10.3億円 | 10.6億円 |
| 2022/12期 | 9.1億円 | ▲8.7億円 | ▲9.8億円 | 4,200万円 |
| 2023/12期 | 16.2億円 | ▲4.4億円 | ▲2.3億円 | 11.8億円 |
| 2024/12期 | ▲8.8億円 | ▲5.9億円 | ▲4.0億円 | ▲14.7億円 |
| 2025/12期 | 7.8億円 | ▲9,700万円 | ▲3.2億円 | 6.8億円 |
2024/12期には営業利益悪化により営業CFが▲8.8億円に転落しFCFも▲14.7億円と過去最悪を記録しましたが、2025/12期には営業CF+7.8億円・FCF+6.9億円へ復帰し、本業によるキャッシュ創出能力が回復しました。投資CFは主にシステム開発・データ基盤拡張への支出が中心。財務CFは配当支払いや自己株式取得等の株主還元により一貫してマイナス傾向です。
この会社のガバナンスは?
社外取締役を登用した経営体制を敷いており、ガバナンスの強化に取り組んでいます。女性役員比率は9.1%と発展途上ですが、多様な知見を取り入れるための指名・報酬委員会の活用や、監査体制の整備を通じて、コンプライアンス遵守と経営の健全性を重視する体制を構築しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 622万円 | 336人 | - |
従業員の平均年収は622万円となっており、情報・通信業という業界特性や同規模企業の標準的な水準に位置しています。近年は医療データ基盤の拡大に伴う優秀なエンジニアや専門職の採用・育成を強化しており、継続的な事業成長を背景に従業員への適正な還元と組織の底上げを図るフェーズにあります。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は全期間でTOPIXを大幅に下回る「アンダーパフォーム」。これはIPO時の初値12,220円という過大評価から株価が長期低迷したことが主因で、2025期末でもTSR60.4%(TOPIX213.2%)に留まりました。2026年2月の日本生命TOB成立で1,693円まで急騰し最終的にはプラスリターンを確保しましたが、長期保有者にとっては苦難の10年でした。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2020/12期 | 3.6円 | 20.3% |
| 2021/12期 | 5.6円 | 20.2% |
| 2022/12期 | 6円 | 26.4% |
| 2023/12期 | 6.5円 | 25.4% |
| 2024/12期 | 6.5円 | - |
| 2025/12期 | 0円 | 0.0% |
現在、株主優待制度は実施されていません。過去2024年6月に20周年記念優待としてEJOICA SELECT GIFT 2,000円分が一度実施されました。
2020/12期〜2024/12期は配当性向20〜26%を目安に3.6円→6.5円と緩やかな増配トレンドを維持していました。しかし2025/12期はTOBに伴い従来予想9円の期末一括配当を見送り無配を選択。日本生命との完全子会社化スキームを優先し、株主への利益還元はTOB価格1,693円への一本化となった形です。上場廃止後の配当方針は非公開化後に変更される見込み。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 144.2万円 | 44.2万円 | 44.2% |
| 2022期 | 132.2万円 | 32.2万円 | 32.2% |
| 2023期 | 123.8万円 | 23.8万円 | 23.8% |
| 2024期 | 114.8万円 | 14.8万円 | 14.8% |
| 2025期 | 160.4万円 | 60.4万円 | 60.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER227.6倍・PBR20.74倍と情報・通信業の平均(PER約30倍・PBR約4.5倍)を大幅に上回る極端な割高水準で取引されていますが、これは日本生命によるTOB価格1,693円が株価のフロアとなっているため。実態としては「日本生命の買付価格を市場価格として受け入れた」状態で、純資産価値(BPS81.2円)ではなく医療データベースという戦略的価値が評価された買収プレミアムを反映しています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 15.9億円 | 5.1億円 | 31.8% |
| 2022/12期 | 17.5億円 | 8.8億円 | 50.3% |
| 2023/12期 | 17.0億円 | 7.2億円 | 42.4% |
| 2024/12期 | -5.1億円 | 0円 | - |
| 2025/12期 | 3.6億円 | 8,100万円 | 22.4% |
2022/12期の実効税率50.3%は連結子会社の繰延税金資産取り崩しによる一時的な高水準。2024/12期は赤字により納税は発生せず、2025/12期は22.4%と正常な水準に戻りました。2026/12期予想の44.9%は税効果会計上の引当を含む保守的な見立てです。
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メディカル・データ・ビジョン まとめ
「国内最大4,500万人の診療データを握る『医療版GAFA』、日本生命TOBで非公開化へ」
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