メディカル・データ・ビジョン
Medical Data Vision Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月27日
医療ビッグデータで、健康な未来をデザインする
すべての人が、最適な医療を受けられる世界を創ること。
この会社ってなに?
あなたが病院で診察を受けたり、薬局でお薬をもらったりすると、その情報が記録されますよね。メディカル・データ・ビジョンは、そうした全国の病院から集めた膨大な診療記録を、個人が特定できないように加工してデータベース化しています。製薬会社が新しい薬を開発する時や、保険会社が新しい保険商品を考える時に、この「リアルな医療データ」が非常に役立ちます。普段あなたが受けている医療の裏側で、同社のデータが未来の医療やサービス作りに貢献しているのです。
国内最大級の診療データベースを基盤に、製薬会社等へデータ提供を行う医療情報プラットフォーマー。FY2024は先行投資が重なり営業利益0.03億円、最終赤字に転落しましたが、続くFY2025は売上高65.4億円、営業利益3.49億円と回復基調です。さらに会社はFY2026に売上高68.6億円、営業利益4.9億円へのV字回復を予想しています。日本生命によるTOB報道など大手との連携が加速しており、データ活用のさらなる拡大が今後の焦点となります。
会社概要
- 業種
- 情報・通信業
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都千代田区神田美土代町7番地 住友不動産神田ビル
- 公式
- www.mdv.co.jp
社長プロフィール

私たちは、膨大な診療データを集積・利活用することで、一人ひとりが最適な医療を受けられる社会の実現を目指しています。国民の健康寿命延伸とQOL向上に貢献し、日本の医療の未来を切り拓いていきます。
この会社のストーリー
医療情報のネットワーク化と利活用を推進するため、東京都千代田区に会社を設立。未来の医療を創造する挑戦が始まる。
病院経営支援システム「EVE」をリリース。DPCデータ分析に基づき、病院経営の質向上に貢献する主力事業の基盤を築く。
患者自身が診療情報を管理・閲覧できるPHRサービス「カルテコ」を開始。生活者視点の医療DXを推進する。
設立から約11年で株式上場を果たす。公開価格5,180円に対し、初値は12,220円と市場から高い期待を集めた。
SBIホールディングスと資本業務提携を締結。医療ビッグデータを活用した金融・ヘルスケア分野での新サービス開発を加速させる。
実患者数が4,500万人を突破し、国内最大級のリアルワールドデータベースを構築。医療データプラットフォーマーとしての地位を確立する。
日本生命保険がTOB(株式公開買い付け)を発表。強固なパートナーシップのもと、ヘルスケア事業のさらなる拡大を目指す大きな転換期を迎える。
2025年12月期に売上高100億円達成を目標とする中期経営計画を推進。データ基盤の強化とオープンアライアンス戦略で持続的成長を目指す。
注目ポイント
日本の人口の約3分の1に相当する、4500万人以上の大規模な診療データベースが強み。この独自データは製薬会社や研究機関、保険会社など多方面で活用され、新たな価値を創造しています。
個人が自分の診療情報をスマホで管理できるPHR(パーソナルヘルスレコード)アプリ「カルテコ」を展開。健康管理や予防医療への貢献が期待される、社会貢献性の高い事業です。
SBIホールディングスや日本生命など、各業界のリーディングカンパニーと提携。それぞれの強みを活かし、医療データ×異業種のコラボで新たなヘルスケアサービスの創出を加速させています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2017/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2018/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2019/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2020/3 | 3.6円 | 20.3% |
| FY2021/3 | 5.6円 | 20.2% |
| FY2022/3 | 6円 | 26.4% |
| FY2023/3 | 6.5円 | 25.4% |
| FY2024/3 | 6.5円 | 0.2% |
| FY2025/3 | 0円 | 0.0% |
現在、株主優待制度は実施されていません。
当社は成長投資を優先する方針をとっており、直近のFY2025/3は業績回復期として無配を選択しました。過去には配当性向20〜30%を目安に安定配当を維持していましたが、現在は事業基盤の強化を最優先しています。今後、業績の本格的な安定化が見えた段階で、株主への還元方針が改めて示される見通しです。
同業比較(収益性)
情報・通信業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の売上高は堅調に推移してきましたが、FY2024/3には先行投資や事業構造の見直しに伴い営業利益が3百万円まで急減し、最終赤字を計上しました。FY2025/3には黒字転換を果たし、医療ビッグデータ事業の回復とともに収益性の改善が進んでいます。FY2026/3予想では売上高68.6億円を見込み、成長路線への回帰を目指しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 24.6% | 19.6% | - |
| FY2022/3 | 22.8% | 17.8% | - |
| FY2023/3 | 25.8% | 15.7% | - |
| FY2024/3 | -25.6% | -16.7% | 0.1% |
| FY2025/3 | 8.6% | 5.9% | 5.3% |
過去には20%を超える高い営業利益率を誇っていましたが、FY2024/3には一時的に利益率がほぼゼロまで低下し、ROEもマイナス25.1%に沈みました。FY2025/3には営業利益率が5.3%まで回復しており、収益基盤の立て直しが進行中です。今後は高付加価値なデータ分析サービスの提供により、以前のような高収益体質の再構築が期待されます。
財務は安全?
有利子負債を持たない無借金経営を継続しており、自己資本比率は60%台を維持するなど強固な財務体質を有しています。FY2024/3の赤字決算で純資産は縮小しましたが、依然として高い水準を保っています。資産構成は流動性が高く、将来の成長投資に向けた余力は十分に確保されている状況です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 10.8億円 | -2,700万円 | -10.3億円 | 10.6億円 |
| FY2022/3 | 9.1億円 | -8.7億円 | -9.8億円 | 4,200万円 |
| FY2023/3 | 16.2億円 | -4.4億円 | -2.3億円 | 11.8億円 |
| FY2024/3 | -8.8億円 | -5.9億円 | -4.0億円 | -14.7億円 |
| FY2025/3 | 7.8億円 | -9,700万円 | -3.2億円 | 6.8億円 |
FY2024/3には営業利益の悪化により営業CFが約8.8億円のマイナスに転落しましたが、FY2025/3には約7.8億円のプラスへ復帰し、本業によるキャッシュ創出能力が回復しました。投資CFは主にシステム開発や事業拡大に向けた支出が中心となっています。財務CFは配当支払いや自己株式取得等の株主還元により一貫してマイナス傾向にあります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 15.9億円 | 5.1億円 | 31.8% |
| FY2022/3 | 17.5億円 | 8.8億円 | 50.3% |
| FY2023/3 | 17.0億円 | 7.2億円 | 42.4% |
| FY2024/3 | -5.1億円 | 0円 | - |
| FY2025/3 | 3.6億円 | 8,100万円 | 22.4% |
利益水準の変動に伴い、法人税等の額も大きく推移しています。FY2022/3やFY2023/3は比較的高い税負担率となりましたが、FY2024/3は赤字により納税は発生していません。今後は収益の安定化に伴い、適正な水準での税負担が見込まれます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 622万円 | 336人 | - |
従業員の平均年収は622万円となっており、情報・通信業という業界特性や同規模企業の標準的な水準に位置しています。近年は医療データ基盤の拡大に伴う優秀なエンジニアや専門職の採用・育成を強化しており、継続的な事業成長を背景に従業員への適正な還元と組織の底上げを図るフェーズにあります。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主はSBIホールディングス・メディパルホールディングス・東海東京証券。
SBIホールディングスが約38.3%を保有する筆頭株主であり、メディパルホールディングスやシミックホールディングスなどの医療・金融関連企業が資本参加する、強固なパートナーシップ体制を構築しています。創業者の鈴木隆啓氏も大株主として名を連ねていますが、機関投資家や事業会社による安定株主の割合が高く、医療ビッグデータを活用した事業戦略を推進する上で戦略的な資本構成となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
医療データ利活用事業を中核とし、病院経営支援や製薬会社向けデータ分析など、医療ビッグデータのワンストップサービスを提供しています。一方で、依存する医療機関のデータ収集基盤の維持や、高度な情報セキュリティ管理、急速な業界環境の変化といったリスクを抱えており、これらを統合報告書等で適時開示することで透明性を高めています。
この会社のガバナンスは?
社外取締役を登用した経営体制を敷いており、ガバナンスの強化に取り組んでいます。女性役員比率は9.1%と発展途上ですが、多様な知見を取り入れるための指名・報酬委員会の活用や、監査体制の整備を通じて、コンプライアンス遵守と経営の健全性を重視する体制を構築しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 90億円 | 65億円 | 65億円 | -27.3% |
| FY2024 | 80億円 | 60億円 | 59億円 | -26.1% |
| FY2023 | 72億円 | — | 64億円 | -10.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 26億円 | 1億円 | 3億円 | -86.6% |
| FY2024 | 16億円 | 0億円 | 0億円 | -99.8% |
| FY2023 | 18億円 | — | 18億円 | -1.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2025年12月期に売上高100億円を目指す旧中期経営計画は、実績59.1億円と大幅未達で事実上の下方修正となりました。近年の業績予想も期初計画から大幅な未達が続いており、先行投資のコントロールと計画の精度向上が急務です。FY2026はV字回復を見込んでいますが、この計画を達成できるかが投資家の信頼回復の鍵となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、全ての年でTOPIXを大幅に下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、成長期待で高い株価が形成されたものの、業績が期待に追いつかず、株価が長期的に低迷したことが主な要因です。特にFY2025はTSRが60.4%に留まる一方、TOPIXは213.2%と市場全体の上昇から大きく取り残されました。今後は、大手資本との連携を通じて安定的な利益成長を実現し、株主への還元を強化できるかが課題となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 144.2万円 | +44.2万円 | 44.2% |
| FY2022 | 132.2万円 | +32.2万円 | 32.2% |
| FY2023 | 123.8万円 | +23.8万円 | 23.8% |
| FY2024 | 114.8万円 | +14.8万円 | 14.8% |
| FY2025 | 160.4万円 | +60.4万円 | 60.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER235.8倍、PBR20.69倍と、情報・通信業の平均と比較して極めて割高な水準で取引されており、市場からの強い成長期待を反映しています。信用倍率は22.58倍と買い残が多く、将来の株価上昇を見込んだ個人投資家の買い意欲が強い一方、将来的な売り圧力も懸念されます。日本生命によるTOB報道が株価のプレミアムを押し上げていると考えられます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
日本生命保険が医療データ事業の強化を目的としてMDVの買収およびTOB実施を発表。
2024-2026中期経営計画の策定および業績予想の修正を適時開示。
SBIホールディングスによる株式追加取得が決定し、金融と医療データのクロスセル強化を推進。
最新ニュース
メディカル・データ・ビジョン まとめ
ひとめ診断
「『お薬手帳』の巨大データベース版を、製薬会社と保険会社に売って稼ぐ会社」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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