住友精化
Sumitomo Seika Chemicals Company,Limited.
最終更新日: 2026年3月27日
暮らしに不可欠な高機能素材で世界を支える化学メーカー
独自の技術力で、人々の豊かなくらしと地球環境の未来に貢献するグローバルなスペシャリティ・ケミカルカンパニーを目指します。
この会社ってなに?
あなたがドラッグストアで手にする赤ちゃん用の紙おむつ。その薄さからは想像もつかないほどの水分を吸収できるのは、実は住友精化が作っている「高吸水性樹脂」という魔法のような粉のおかげです。この白い粉が、おしっこを素早くジェル状に固めて、赤ちゃんの肌をサラサラに保っています。普段何気なく使っている製品の裏側で、同社の高い技術力が世界中の子育てを支えているのです。他にも、工場の製造ラインで使われる様々なガスなども供給しており、産業の根幹を支える役割も担っています。
紙おむつ等に使われる高吸水性樹脂(SAP)を主力とする化学メーカー。FY2025は売上高1,475.7億円(前期比3.2%増)、営業利益107.12億円(同12.4%増)と増収増益を達成し、堅調な業績を示しています。現在進行中の中期経営計画では2025年度(FY2026)に営業利益120億円を目標に掲げ、事業構造の強靭化を推進中です。しかし、現在の株価はPER 2.5倍、PBR 0.18倍と極めて割安な水準にあり、市場の評価が業績に追いついていない状況です。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪市中央区北浜4-5-33
- 公式
- www.sumitomoseika.co.jp
社長プロフィール

私たちは独自の技術をさらに進化させ、事業構造の強靭化とサステナビリティへの貢献を両立させることで、社会に不可欠な企業であり続けます。従業員一丸となって困難な課題に挑戦し、ステークホルダーの皆様とともに持続的な成長を目指します。
この会社のストーリー
肥料の製造販売を目的として、住友化学工業(現・住友化学)から分離独立し、住友精化株式会社が設立される。
大阪証券取引所、東京証券取引所に株式を上場し、公開企業としての歩みを始める。
現在の中核事業である高吸水性樹脂「アクアキープ」の工業化に成功。紙おむつなどの衛生材料分野へ進出する。
フランスに初の海外生産拠点を設立。その後もシンガポール、韓国、ベルギーへと拠点を広げ、グローバル供給体制を構築。
子会社であったセイカエンジニアリングを吸収合併。ガス・エンジニアリング事業の連携を深め、グループ全体の競争力を強化する。
「事業構造の強靭化」「研究開発の結実」などを掲げた中期経営計画(2023-2025年度)をスタート。持続的成長に向けた変革を加速。
中期経営計画の目標達成を目指し、高吸水性樹脂の安定供給と機能マテリアル分野の成長を両輪に、企業価値の向上を図る。
注目ポイント
紙おむつに不可欠な高吸水性樹脂「アクアキープ」が事業の柱。世界中の人々の快適な生活を支える、高い技術力とグローバルな供給網が強みです。
業績向上を背景に増配傾向にあり、配当利回りは3%を超える水準。6ヶ月以上継続保有の株主にはQUOカードの優待もあり、投資家への還元意識が高い企業です。
高吸水性樹脂で培った技術を応用し、電子材料や医薬・化粧品分野向けの機能性微粒子ポリマーなど、次世代の柱となる事業の育成にも積極的に取り組んでいます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 15円 | 25.8% |
| FY2018/3 | 100円 | 20.6% |
| FY2019/3 | 100円 | 228.2% |
| FY2020/3 | 100円 | 32.2% |
| FY2021/3 | 100円 | 19.4% |
| FY2022/3 | 120円 | 28.0% |
| FY2023/3 | 200円 | 31.4% |
| FY2024/3 | 200円 | 43.6% |
| FY2025/3 | 200円 | 44.4% |
| 権利確定月 | 3月 |
同社は株主還元を経営の重要課題と位置づけており、安定的な配当の継続と向上を基本方針としています。近年の業績拡大に伴い配当額を積極的に引き上げており、配当性向も40%前後の水準で推移しています。今後も収益成長を伴う利益配分により、中長期的な配当水準の強化が期待できる銘柄です。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
住友精化の業績は、主力である高吸水性樹脂事業の安定的な推移により、売上高は1,476億円規模まで拡大しています。近年の利益面では原材料価格の高騰や物流費の上昇といった外部環境の変化に影響を受けましたが、直近ではコスト転嫁が進み収益性が改善傾向にあります。今後も、高付加価値な機能マテリアル事業の拡大を通じて、持続的な成長と利益水準の維持を目指す姿勢が鮮明です。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 6.7% | 6.6% | - |
| FY2022/3 | 5.7% | 4.9% | - |
| FY2023/3 | 9.4% | 6.8% | - |
| FY2024/3 | 7.9% | 4.5% | 6.7% |
| FY2025/3 | 7.7% | 4.2% | 7.3% |
収益性については、営業利益率が概ね6%から9%のレンジで推移しており、製造業として一定の効率性を維持しています。ROE(自己資本利益率)は6%から10%程度で推移しており、資本効率を意識した経営が求められています。今後は高吸水性樹脂以外の成長分野への投資により、収益性の底上げと資本効率のさらなる改善が期待されます。
財務は安全?
同社の財務健全性は極めて高く、自己資本比率は60%台後半を安定して維持しており、強固な資本基盤を有しています。長年無借金経営を継続してきましたが、現在は積極的な成長投資を背景に有利子負債を適度に活用する財務戦略へ移行しています。手元流動性は十分確保されており、今後の事業拡大や株主還元を支える財務的な余力は依然として十分です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 163億円 | -22.3億円 | -32.6億円 | 140億円 |
| FY2022/3 | 90.2億円 | -43.2億円 | -29.9億円 | 47.0億円 |
| FY2023/3 | 67.0億円 | -59.4億円 | -83.0億円 | 7.6億円 |
| FY2024/3 | 120億円 | -104億円 | -57.7億円 | 16.4億円 |
| FY2025/3 | 137億円 | -209億円 | 31.9億円 | -72.3億円 |
営業活動によるキャッシュフローは安定してプラスを維持しており、本業でしっかりと現金を稼ぐ力があります。直近では将来の成長に向けた大型の設備投資を実施しているため投資キャッシュフローが拡大しており、これに伴い財務キャッシュフローも調達に転じています。手元資金と借入を適切に配分し、長期的な企業価値向上に向けた戦略的な投資を実行している段階です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 104億円 | 32.6億円 | 31.4% |
| FY2022/3 | 89.2億円 | 30.2億円 | 33.9% |
| FY2023/3 | 109億円 | 23.4億円 | 21.4% |
| FY2024/3 | 102億円 | 40.8億円 | 39.8% |
| FY2025/3 | 111億円 | 51.5億円 | 46.3% |
法人税等の支払額は税引前利益の増減に伴って変動しており、概ね一般的な実効税率の水準で推移しています。ただし、期によって税効果会計や税額控除等の影響を受け、一時的に実効税率が上下するケースが見られます。直近では利益水準に応じた適正な納税が行われており、大きな税務上の懸念事項は見当たりません。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 656万円 | 1,413人 | - |
従業員平均年収は656万円となっており、化学業界の水準と比較しても安定した給与水準を維持しています。この背景には、紙おむつ用高吸水性樹脂という特定のニッチ分野でのグローバルなシェア獲得と収益性の高さが寄与しており、堅実な業績を背景にした給与制度が構築されています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は住友化学・JP MORGAN CHASE BANK 385632(常任代理人 みずほ銀行決済営業部)。
住友精化の株主構成は、筆頭株主である住友化学が約32%の株式を保有しており、強力な親会社の影響下にある安定的な経営体制が特徴です。また、日本マスタートラスト信託銀行などの信託口が上位を占めており、機関投資家による保有割合も一定水準あります。一方で、浮動株比率は限定的であり、長期的かつ安定的な株主によって構成されているといえます。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報に基づくと、事業は高吸水性樹脂を主力とする「高吸水性樹脂事業」と、機能材料事業の二本柱で構成されています。近年のリスク要因としては、原材料価格の変動や為替相場の影響を受けやすい事業構造があり、グローバルな生産体制を展開する上での地政学的リスクや物流コストの上昇が注視されています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は20.0%(2名/8名)となっており、多様性の確保に向けた取り組みが進められています。監査体制については監査等委員会設置会社を採用し、経営監督機能と業務執行の適正性を担保する仕組みが整備されています。連結子会社11社を抱える企業グループとして、グループ全体での統治を重視しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,450億円 | — | 1,476億円 | +1.8% |
| FY2024 | 1,500億円 | — | 1,430億円 | -4.7% |
| FY2023 | 1,450億円 | — | 1,430億円 | -1.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 90億円 | — | 107億円 | +19.0% |
| FY2024 | 95億円 | — | 95億円 | +0.3% |
| FY2023 | 70億円 | — | 105億円 | +49.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画では、2025年度(FY2026)の営業利益120億円達成を掲げています。FY2025実績は107.12億円と、進捗率は約89%に達しており、目標達成の蓋然性は高いと評価できます。一方で、資本効率を示すROEは目標8.5%に対し実績4.71%と乖離が大きく、収益性の向上が今後の課題です。業績予想は期初予想を上回ることも多く、特に利益面での上振れが目立ちます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
開示されたTSR(株主総利回り)データによると、FY2025には219%を記録し、初めてTOPIXの213.4%を上回るアウトパフォームを達成しました。それ以前の4年間はTOPIXを一貫して下回っていましたが、FY2025の株価上昇と安定した配当がTSRを押し上げ、株主還元の成果が表れ始めています。このパフォーマンスを継続できるかが、今後の市場からの評価に繋がる重要なポイントです。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 104.2万円 | +4.2万円 | 4.2% |
| FY2022 | 83.9万円 | -16.1万円 | -16.1% |
| FY2023 | 119.0万円 | +19.0万円 | 19.0% |
| FY2024 | 142.8万円 | +42.8万円 | 42.8% |
| FY2025 | 219.0万円 | +119.0万円 | 119.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
現在の株価はPER 2.5倍、PBR 0.18倍と、化学業界の平均(PER 22.6倍, PBR 1.71倍)と比較して極端に割安な水準にあります。時価総額も176億円と業界平均を大きく下回っていますが、信用買い残が売り残を上回る状況が続いており、将来の株価上昇を期待する個人投資家が多いことを示唆しています。次回の第1四半期決算で示される今期の見通しが、今後の株価動向を占う上で重要な材料となります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第3四半期決算にて経常利益が前年同期比9.3%増となり、通期の純利益予想を70億円へ大幅上方修正しました。
基幹業務システムをクラウド型「RISE with SAP」へ移行し、全社的なDX推進と業務プロセスの標準化に着手しました。
譲渡制限付株式報酬としての新株式発行を行い、資本効率と株主との価値共有を強化する方針を示しました。
最新ニュース
住友精化 まとめ
ひとめ診断
「世界中の赤ちゃんの快適さを支える『魔法の粉』、紙おむつ用高吸水性樹脂で世界をリードする化学メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「化学」に分類される他の企業
繊維の名門が、液晶フィルムから水処理膜、果てはコロナ診断薬まで手掛ける『素材の総合商社』へ変貌中
基礎化学の巨人が、実は医薬品の超重要プロセスを世界レベルで支えるニッチトップ企業
メタノールから半導体材料まで、世界トップシェア製品を複数持つ総合化学メーカー
自動車の『サビ止め』で世界を駆ける、創業100年目前の堅実化学メーカー
メラミン化粧板国内首位、インド大型買収で建装建材のグローバル展開を加速する化学メーカー
『びっくりするほど良い商品』を武器に高収益を誇ったD2Cの雄が、成長の壁をM&Aで乗り越えようと模索している
創業360年超の老舗が、自動車部品メーカーと化学品商社の『二刀流』でホンダ経済圏を支える企業
『タイヤの素』から『家の顔』まで作る化学の老舗が、M&AとCVC設立で売上1000億円を目指す野心的な拡大フェーズに突入