クレハ4023
KUREHA CORPORATION
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが料理をするときに使う食品用ラップ「NEWクレラップ」、実はクレハの製品です。箱の刃が特徴的で、スパッと切れるあの使い心地を支えています。また、普段あなたが使っているスマートフォンや、今後ますます普及する電気自動車(EV)にも、クレハの技術が隠されています。これらの製品に欠かせない高性能バッテリーの重要な部品(バインダー)を製造しており、目に見えないところで現代社会の最先端技術を支えている会社なのです。
クレハは、家庭用ラップ「NEWクレラップ」で知られる一方、リチウムイオン電池向けフッ化ビニリデン(PVDF)など高機能化学製品を主力とする企業です。直近の2025期決算では売上高1620.2億円、営業利益94.28億円と、中国の景気減速などの影響で前年比減収減益となりました。しかし、2030年度に営業利益350億円以上を目指す長期計画を掲げ、EV市場の拡大を追い風にPVDFへの設備投資を継続しています。近年は大幅な増配や大規模な自己株取得など、株主還元への積極姿勢も市場から注目されています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都中央区日本橋浜町3丁目3番2号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 7.3% | 5.3% | - |
| 2022/03期 | 7.4% | 5.3% | - |
| 2023/03期 | 8.1% | 5.8% | - |
| 2024/03期 | 4.5% | 3.1% | 7.2% |
| 2025/03期 | 3.6% | 2.3% | 5.8% |
| 3Q FY2026/3 | 5.2%(累計) | 2.9%(累計) | 11.3% |
収益性は、2023/03期まで営業利益率が11%台後半と安定して推移していましたが、直近では需要減退に伴う稼働率低下が響き、営業利益率は5.8%まで低下しています。ROE(自己資本利益率)についても、利益水準の低下により2023/03期の7.8%から2025/03期には3.7%まで縮小しました。今後は高付加価値製品へのシフトを通じ、資本効率と収益力の両面での再強化が経営の重要課題となっています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1,446億円 | — | 135億円 | 230.4円 | - |
| 2022/03期 | 1,683億円 | — | 142億円 | 241.9円 | +16.4% |
| 2023/03期 | 1,913億円 | — | 169億円 | 288.1円 | +13.6% |
| 2024/03期 | 1,780億円 | 128億円 | 97.3億円 | 173.0円 | -7.0% |
| 2025/03期 | 1,620億円 | 94.3億円 | 78.0億円 | 149.7円 | -9.0% |
クレハの業績は、高機能素材分野におけるPVDF樹脂などの好調や原材料価格の安定により、2023年3月期まで順調に売上高・利益ともに拡大してきました。しかし、2024年3月期以降は、世界的な需要調整や原材料市況の変動影響を受け、当期純利益は2023/03期の約169億円から2025/03期には約78億円まで減益傾向にあります。2026年3月期は、製品ミックスの改善とコスト削減策の徹底により、純利益約100億円への回復を見込んでいます。 【3Q 2026/03期実績】売上1178億円(通期予想比71%)、営業利益133億円(同95%)、純利益102億円(同102%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、売上高は「機能製品」「化学製品」の2本柱で安定しており、特にリチウムイオン電池向けPVDF樹脂などの高機能素材が成長を牽引しています。事業リスクには原材料価格の変動や為替リスクが挙げられますが、多角的なポートフォリオにより安定した経営基盤を構築しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 1,700億円 | — | 1,620億円 | -4.7% |
| 2024期 | 1,900億円 | — | 1,780億円 | -6.3% |
| 2023期 | 1,800億円 | — | 1,913億円 | +6.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 140億円 | — | 94億円 | -32.7% |
| 2024期 | 220億円 | — | 128億円 | -41.8% |
| 2023期 | 220億円 | — | 224億円 | +1.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
クレハは2030年度に営業利益350億円以上という長期目標を掲げ、EV向け電池材料(PVDF)への集中投資を進めています。短期的な業績は、中国市場の減速や市況の悪化により2024期、2025期と期初予想を大幅に下回る結果となりました。しかし、株価を意識した経営にシフトしており、PBR1倍超えを前倒しで達成するなど、資本効率改善への取り組みが見られます。足元の業績は厳しいものの、将来の成長に向けた布石を着実に打っている段階と評価できます。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
前期経常利益の一転黒字・最高益への上方修正および上限11.26%の大規模自社株買いを発表しました。
家庭用品ブランド「パチック」および「ダストマン」のブランドリニューアルを実施しました。
クレハサービスを存続会社とするクレハ分析センターとの吸収合併を予定しています。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性は、自己資本比率が60%を超えており、強固な基盤を維持しています。2024/03期以降、戦略的投資に伴い有利子負債が増加し、2025/03期には約849億円の借入がありますが、総資産に対する財務余力は依然として十分です。今後も成長投資と手元流動性のバランスを図りながら、PBR1倍超に向けた資本政策を推進する方針です。 【3Q 2026/03期】総資産3592億円、純資産1840億円、自己資本比率50.7%、有利子負債1180億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2022/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2023/03期 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 2024/03期 | 116億円 | 343億円 | 121億円 | 227億円 |
| 2025/03期 | 295億円 | 394億円 | 84.4億円 | 99.1億円 |
営業キャッシュフローは安定して創出されていますが、成長分野への積極的な設備投資を継続しているため、フリーキャッシュフローは直近でマイナス圏で推移しています。2024/03期以降は投資支出が拡大しており、これらを賄うために調達活動も実施されました。将来的な収益拡大を目指し、足元ではキャッシュの流出を伴う投資を優先する戦略をとっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は11.1%であり、更なる登用が求められる段階です。監査体制については7,400万円の報酬を支払うなど強固な監督機能を維持しており、中長期経営計画ではPBR1倍超を目標に掲げるなど、資本効率を意識した経営ガバナンスに注力しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 749万円 | 4,017人 | - |
従業員平均年収は749万円となっており、化学業界の平均と比較しても高水準に位置しています。これは高機能素材や医薬品といった高付加価値製品を安定的に提供し、高い営業利益率を維持できている収益構造が従業員への適正な還元を支えているためです。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、2021期から2023期にかけてTOPIXを大きく上回るパフォーマンスを示しました。これは、EV向けリチウムイオン電池材料の需要拡大期待を背景とした株価上昇と、安定した配当が要因です。しかし、2024期には市況悪化による業績下方修正が響き、TSRはTOPIXを下回りました。2025期には大幅な増配と自社株買いが発表され、再びTOPIXをアウトパフォームしており、株主還元強化策がTSR向上に直結していることがわかります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 11円 | 25.7% |
| 2018/03期 | 125円 | 24.6% |
| 2019/03期 | 165円 | 24.3% |
| 2020/03期 | 170円 | 24.5% |
| 2021/03期 | 170円 | 24.6% |
| 2022/03期 | 210円 | 28.9% |
| 2023/03期 | 101.3円 | 31.2% |
| 2025/03期 | 86.7円 | 57.9% |
株主優待制度は設けておりません。
配当方針として持続的な利益還元と資本効率の向上を掲げており、業績に応じた適正な分配を重視しています。直近では利益水準の変動に伴い配当額を見直していますが、中長期的には株主還元を強化する姿勢を堅持しています。今後は資本収益性の指標を意識した経営により、配当水準の安定的かつ前向きな維持を目指します。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 177.3万円 | 77.3万円 | 77.3% |
| 2022期 | 231.3万円 | 131.3万円 | 131.3% |
| 2023期 | 206.6万円 | 106.6万円 | 106.6% |
| 2024期 | 205.7万円 | 105.7万円 | 105.7% |
| 2025期 | 214.4万円 | 114.4万円 | 114.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER・PBRともに化学業界の平均とほぼ同水準にあり、市場からは標準的な評価を受けていると言えます。一方、信用倍率は1倍を切り売り残が買い残を上回る「売り長」の状態が続いており、将来的な株価下落を見込む投資家が多いことを示唆しています。これは短期的な業績懸念を反映している可能性がありますが、逆に株価上昇時には買い戻し(ショートカバー)による急騰要因ともなり得ます。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 177億円 | 42.5億円 | 24.0% |
| 2022/03期 | 204億円 | 62.3億円 | 30.6% |
| 2023/03期 | 230億円 | 61.2億円 | 26.6% |
| 2024/03期 | 139億円 | 41.8億円 | 30.0% |
| 2025/03期 | 102億円 | 24.2億円 | 23.7% |
法人税等の支払いは税引前利益の変動に連動しています。2025/03期は利益の減少により税額が一時的に低下し、実効税率も低水準となりました。次期以降は業績回復に伴い、標準的な税率水準へ戻る見通しです。
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