大王製紙
Daio Paper Corporation
最終更新日: 2026年3月27日
「エリエール」でおなじみ!暮らしに寄り添う総合製紙メーカー
世界中の人々へ やさしい未来をつむぐことを目指し、社会課題の解決と持続可能な社会の実現に貢献します。
この会社ってなに?
あなたが風邪をひいた時に使うティッシュペーパー『エリエール』、実は大王製紙が作っています。スーパーやドラッグストアでよく見かける、肌に優しいティッシュやふんわりしたトイレットペーパーの多くは、同社の製品です。赤ちゃんのおむつ『GOO.N(グーン)』も大王製紙のブランドで、子育て中のご家庭では毎日お世話になっているかもしれません。また、普段あなたが手に取る新聞や雑誌の紙、買い物をした時にもらう段ボールなども手掛けており、私たちの生活に欠かせない「紙」を幅広く提供している会社です。
ティッシュ「エリエール」で知られる製紙大手。FY2025は売上高6,689.1億円、営業利益98.07億円を計上したものの、純損失は111.97億円と最終赤字に転落しました。FY2023に原料価格高騰で巨額の赤字を出し、FY2024に一度は黒字化したものの、再び厳しい経営環境に直面しています。家庭紙事業の収益性を維持しつつ、市況変動の大きい紙・板紙事業の立て直しと、筆頭株主である北越コーポレーションとの提携深化が今後の鍵となります。
会社概要
- 業種
- パルプ・紙
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区九段北三丁目2番11号
- 公式
- www.daio-paper.co.jp
社長プロフィール

当社は、事業環境の大きな変化に対応しながら、企業価値の持続的な向上を目指しています。第5次中期事業計画の最終年度である2026年度での黒字転換を確実に達成し、将来的には積極的なM&Aも視野に入れ、成長スピードを加速させてまいります。
この会社のストーリー
四国中央市(旧・伊予三島市)にて、14の製紙会社が共同出資し、大王製紙株式会社を設立。製紙業の歴史が始まる。
ティシューペーパー「エリエール」を発売し、ホーム&パーソナルケア事業に本格参入。ブランド名はフランス語で「翼」を意味する。
ベビー用紙おむつ「ウォーキーウォーキー」を発売し、後の主力製品「グーン(GOO.N)」へと繋がる事業の礎を築く。
創業者一族による不祥事が発覚。経営陣を刷新し、ガバナンス強化と経営の立て直しという大きな課題に直面する。
業界内での競争力強化を目指し、筆頭株主である北越コーポレーションと戦略的業務提携を締結。協力関係を深める。
植物由来の新素材セルロースナノファイバー(CNF)を用いた複合樹脂「ELLEX-R67」の商用生産を開始。環境配慮型素材で新たな市場を開拓する。
原材料価格の高騰など厳しい事業環境の中、「第5次中期事業計画」を推進。2026年度の黒字転換に向けて全社で取り組みを進める。
注目ポイント
ティシューやトイレットペーパーで国内トップシェアを誇る「エリエール」ブランドを展開。品質の高さで日々の暮らしを支える、生活に不可欠な企業です。
毎年3月末の株主は、保有株式数に応じて自社製品詰め合わせの株主優待を受けられます。生活必需品がもらえるのは嬉しいポイントです。
植物由来の新素材セルロースナノファイバー(CNF)の開発・生産に注力。プラスチック代替など、持続可能な社会に貢献する新事業の成長が期待されます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 10.5円 | 10.5% |
| FY2017/3 | 10.5円 | 12.6% |
| FY2018/3 | 10.5円 | 38.5% |
| FY2019/3 | 10.5円 | 33.1% |
| FY2020/3 | 13.5円 | 10.6% |
| FY2021/3 | 17円 | 12.3% |
| FY2022/3 | 22円 | 15.4% |
| FY2023/3 | 16円 | 0.2% |
| FY2024/3 | 16円 | 59.0% |
| FY2025/3 | 14円 | 0.2% |
| 権利確定月 | 3月 |
配当方針は安定配当を基本としつつ、業績に応じた利益還元を重視しています。直近は収益環境の変動を鑑み、株主への継続的な利益還元を維持する姿勢を示しています。今後も財務基盤を強化しながら、安定した配当水準を維持できる収益体制の構築を目指します。
同業比較(収益性)
パルプ・紙の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
大王製紙の業績は、原材料価格の高騰や円安の影響により、FY2023/3に営業赤字(約214億円)へ転落するなど厳しい経営環境が続きました。その後、製品価格の改定による採算改善が進んだことで、FY2024/3には営業利益が約144億円まで回復しました。FY2025/3は家庭紙・産業用紙の複合展開を強みとするものの、一時的な費用増や市場環境の冷え込みから純利益が赤字となりましたが、FY2026/3予では220億円の営業利益を見込み、着実な業績改善を目指しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 7.1% | 2.6% | 6.6% |
| FY2022/3 | 30.7% | 2.8% | 6.1% |
| FY2023/3 | -7.6% | -3.8% | -3.3% |
| FY2024/3 | 2.4% | 0.5% | 2.1% |
| FY2025/3 | -16.5% | -1.3% | 1.5% |
収益性は、FY2023/3の赤字期に営業利益率がマイナス3.3%へ悪化し、ROE(自己資本利益率)もマイナス14.2%と大きく低下しました。FY2024/3以降は価格転嫁の進展により営業利益率がプラス圏へ戻り、経営効率の再構築が進んでいる段階にあります。今後、高付加価値製品へのシフトやコスト管理の徹底により、適正な収益性を安定的に確保できるかが重要な課題となっています。
財務は安全?
財務健全性は、総資産が約8,861億円規模で推移しており、自己資本比率は26.7%を維持しています。FY2024/3期より有利子負債が約9,517億円規模で計上されており、負債を積極的に活用した事業投資や運転資金の確保が行われていることが特徴です。引き続き潤沢なキャッシュフローを創出し、有利子負債のコントロールと自己資本の蓄積を両立させることが、将来的な財務体質の強化に繋がります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 642億円 | -1,037億円 | 636億円 | -395億円 |
| FY2022/3 | 714億円 | -624億円 | -506億円 | 89.8億円 |
| FY2023/3 | -262億円 | -580億円 | 964億円 | -842億円 |
| FY2024/3 | 593億円 | -265億円 | -136億円 | 328億円 |
| FY2025/3 | 446億円 | -209億円 | -355億円 | 237億円 |
営業キャッシュフローは価格改定の寄与等によりプラス基調を取り戻しており、約450億円の営業キャッシュを創出する力強さを見せています。投資活動では工場の効率化や設備更新に資金を投じつつ、フリーキャッシュフローはFY2024/3以降プラスへ転換しました。安定的なキャッシュ創出体制が構築されつつあり、今後はこの資金源を配当原資や有利子負債の圧縮へ有効活用する方針です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 345億円 | 124億円 | 35.9% |
| FY2022/3 | 377億円 | 140億円 | 37.1% |
| FY2023/3 | -241億円 | 0円 | - |
| FY2024/3 | 96.2億円 | 51.5億円 | 53.5% |
| FY2025/3 | 45.3億円 | 157億円 | 347.2% |
法人税等の支払いは、利益水準の変動に加え、繰延税金資産の取り崩しや調整事項の影響を大きく受けています。特に純利益が赤字となる年度や利益水準が低い年度においては、税効果会計等の影響で実効税率が著しく高まる傾向があります。今後は事業の安定成長に伴い、税負担の平準化と適切な税務コンプライアンスの維持を目指します。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 624万円 | 12,191人 | - |
従業員の平均年収は624万円で、製造業の中では標準的な水準ですが、製紙業界の収益性が原材料費やエネルギーコストに左右されやすいため、経営状況に応じた変動が見られます。長期的な安定雇用を背景に、平均勤続年数が約20年と非常に長く、定着率の高さが特徴です。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は北越コーポレーション・大王海運・伊予銀行。
北越コーポレーションが大株主として24.8%を保有しており、戦略的な資本業務提携関係を構築しています。創業家である井川家との歴史的な関わりが深い一方、現在は金融機関や信託銀行を含む複数の法人株主による構成となっており、特定の個人による支配からガバナンスの正常化が進められています。
会社の公式開示情報
役員報酬
紙・板紙事業と家庭紙・パーソナルケア事業(エリエール等)の二本柱で構成されており、衛生用紙分野での強力なブランド力が収益を支えています。一方で、原材料費の高騰や為替変動、さらにはデジタル化に伴う紙需要の減少が事業継続上の主要なリスクとして開示されています。
この会社のガバナンスは?
連結子会社33社を抱える大企業体でありながら、女性役員比率は13.3%と改善傾向にあります。監査報酬に1億4,300万円を割いており、大規模なグループ全体を網羅する厳格な監視体制を構築することで、ガバナンスの透明性を担保しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 220億円 | — | 98億円 | -55.4% |
| FY2024 | 180億円 | — | 144億円 | -20.2% |
| FY2023 | 250億円 | — | -214億円 | 大幅未達 |
| FY2022 | 380億円 | — | 376億円 | -1.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
大王製紙は第5次中期事業計画でFY2026の黒字転換を掲げていますが、直近のFY2025決算は再び最終赤字となり、計画達成への道のりは極めて険しい状況です。過去数年の業績予想を振り返ると、特にFY2023は期初予想250億円の営業利益に対し、結果は-214億円の大幅な未達に終わりました。市況変動の激しいパルプ・紙業界特有のリスクをコントロールできず、業績見通しの精度に大きな課題を抱えています。投資家としては、会社予想を鵜呑みにせず、保守的な視点を持つことが求められます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫して市場平均であるTOPIXを大幅に下回る「アンダーパフォーム」が続いています。特にFY2024以降はTOPIXが大きく上昇する中で、同社のTSRは低迷し、その差は拡大しています。これは、原料価格高騰による大幅な赤字計上や業績の不安定さが嫌気され、株価が長期的に低迷したことが主な要因です。株価上昇と安定配当による株主還元の強化が、喫緊の経営課題と言えます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 131.9万円 | +31.9万円 | 31.9% |
| FY2022 | 111.6万円 | +11.6万円 | 11.6% |
| FY2023 | 74.9万円 | -25.1万円 | -25.1% |
| FY2024 | 84.8万円 | -15.2万円 | -15.2% |
| FY2025 | 62.5万円 | -37.5万円 | -37.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同社のPBRは0.73倍と業界平均並みで、資産価値から見た割安感は限定的です。一方、PERは34.7倍と業界平均を上回っており、市場は将来の業績回復をある程度織り込んでいる可能性があります。信用倍率は4.43倍と買い残が多く、将来の株価上昇を期待する投資家が多い一方で、需給面での重しとなる可能性も指摘されます。今後の決算で市場の期待に応えられるかが焦点です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
北越コーポレーションとの資本関係を対等化し、協力を深める方針を発表。
トイレ紙の特許権を巡る日本製紙クレシアとの訴訟で勝訴が確定し、優位性を確保。
三島工場にてCNF複合樹脂の新プラントを稼働させ、環境対応素材の商用生産を開始。
最新ニュース
大王製紙 まとめ
ひとめ診断
「『エリエール』の安定感とは裏腹に、市況の荒波に揉まれながら黒字化を目指す製紙大手」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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