三菱製紙
Mitsubishi Paper Mills Limited
最終更新日: 2026年3月27日
120年超の伝統を力に、高機能素材で新たな価値を創造する製紙メーカー
紙の製造で培ったコア技術を進化させ、機能性材料や環境配慮型製品で社会の持続可能性に貢献し、未来を豊かにするソリューションを提供し続ける企業を目指します。
この会社ってなに?
あなたが普段使っているティッシュやトイレットペーパー、その中には三菱製紙の技術が活かされているかもしれません。同社は王子ホールディングスと協力して、岩手県で『ナクレ』というブランドの家庭紙を生産しています。また、昔ながらの写真プリントに使う印画紙や、雑誌・書籍に使われる印刷用紙も手がける、まさに「紙」のプロフェッショナルです。最近では、水をきれいにするフィルターなど、紙づくりの技術を応用した新しい製品にも力を入れています。身の回りの紙製品の裏側で、100年以上の歴史を持つ企業が活躍しているのです。
FY2025は売上高1759.4億円、営業利益45.67億円と減収減益で着地したが、構造改革の効果で利益体質は改善しつつある。新中期経営計画(FY2025〜FY2027)では、印刷用紙などの従来事業から脱却し、写真感光材や水処理膜といった高機能材料分野の拡大を急ぐ。業界最大手の王子HDとの資本業務提携を強化し、家庭紙やバイオマス発電で協業を進めており、今後のシナジー創出が株価の鍵を握る。PBR0.42倍という割安な水準は、事業ポートフォリオ転換への期待の表れともいえる。
会社概要
- 業種
- パルプ・紙
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都墨田区両国2丁目10番14号
- 公式
- www.mpm.co.jp
社長プロフィール

当社は、長年にわたり培ってきた技術力を基盤に、事業構造改革を断行し、新たな成長ステージを目指しています。特に高機能商品分野に注力し、社会課題の解決に貢献することで、持続的な企業価値の向上を実現してまいります。
この会社のストーリー
三菱合資会社の製紙事業を継承し、神戸製紙所として設立。日本の製紙産業の黎明期を支える存在としてスタートした。
高級印刷用紙であるアート紙・コート紙の本格生産を開始。日本の印刷文化の発展に大きく貢献し、業界での地位を確立した。
製紙技術を応用し、写真感光材料やフィルターなど機能性材料分野へ事業を拡大。事業の多角化を推進し始めた。
インターネットの普及により紙の需要が構造的に変化。厳しい事業環境に直面し、生産体制の見直しなど構造改革が急務となった。
製紙最大手の王子ホールディングスと家庭紙事業で業務提携。業界再編の大きな流れの中で、生き残りをかけた戦略的決断を下した。
王子HDが33%の株式を取得し、同社の持分法適用会社となる。これにより、財務基盤の強化と事業シナジーの創出を目指す新体制が始動した。
2028年3月期を最終年度とする新中期経営計画を発表。高機能商品分野の拡大を柱に、売上高2500億円を目指す成長戦略を打ち出した。
注目ポイント
印刷用紙だけでなく、写真感光材や水処理膜フィルターなど、製紙で培った技術を応用した高機能材料を開発。事業の多角化で新たな成長を目指しています。
製紙最大手の王子ホールディングスと資本業務提携し、持分法適用会社に。原材料の共同調達や生産協力など、業界再編の中でシナジーを追求し、企業体質の強化を図っています。
2026年から株主優待制度を新設。500株以上の保有で、自社ブランドのティッシュなどがもらえるようになり、株主への還元意欲を高めています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2017/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2018/3 | 5円 | 5.3% |
| FY2019/3 | 5円 | 49.8% |
| FY2020/3 | 5円 | 27.8% |
| FY2021/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 5円 | 0.3% |
| FY2024/3 | 10円 | 10.5% |
| FY2025/3 | 15円 | 15.1% |
| 権利確定月 | 3月 |
配当方針として利益成長に応じた株主還元を重視しており、業績の回復に合わせて配当額を段階的に増額しています。2026年3月期には新たに株主優待制度も導入し、中長期的な保有を促す還元姿勢を強めています。今後は配当性向の向上を通じ、資本効率の改善と併せてバランスの良い株主還元策を目指す方針です。
同業比較(収益性)
パルプ・紙の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の業績は、印刷・情報用紙の需要減少という構造的な逆風を受けつつも、高機能商品分野へのシフトと事業構造改革の推進により改善傾向にあります。FY2024/3には営業利益が約54.1億円を達成し、一時的な赤字から脱却して収益基盤の立て直しに成功しました。直近のFY2025/3においても利益水準を維持しており、今後は新たな中期経営計画のもとでのさらなる成長が期待されています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -11.9% | -1.2% | - |
| FY2022/3 | 3.7% | 0.5% | - |
| FY2023/3 | 1.4% | -0.3% | - |
| FY2024/3 | 0.1% | 1.8% | 2.8% |
| FY2025/3 | 17.2% | 2.1% | 2.6% |
収益性については、長年低い利益率に甘んじてきましたが、事業構造の最適化に伴い営業利益率が2%台後半まで回復しています。ROE(自己資本利益率)も過去のマイナス圏からFY2025/3には5.1%まで上昇しており、資本効率を意識した経営への転換が進んでいます。今後は高付加価値製品の拡大を通じ、持続的な利益成長と収益性の改善が課題となります。
財務は安全?
財務健全性は、有利子負債のコントロールが継続的な課題であるものの、自己資本比率がFY2025/3時点で40.9%まで向上するなど改善が見られます。過去数年間の資産構成の見直しや繰延税金資産などの影響により、純資産額は堅調に推移しています。強固な財務体質を構築することで、将来の成長投資に向けた余力を確保することが期待されます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 130億円 | -21.0億円 | -45.1億円 | 109億円 |
| FY2022/3 | 17.0億円 | -25.6億円 | -60.9億円 | -8.6億円 |
| FY2023/3 | -27.2億円 | -35.6億円 | 52.1億円 | -62.9億円 |
| FY2024/3 | 135億円 | 38.3億円 | -163億円 | 173億円 |
| FY2025/3 | 48.5億円 | 48.0億円 | -134億円 | 96.5億円 |
営業キャッシュフローは事業環境の変動により波がありますが、FY2024/3以降は改善傾向にあり、本業での稼ぐ力が回復しています。投資活動においても、資産売却や事業の整理を進めることでキャッシュの流入を確保しています。結果としてフリーキャッシュフローがプラスで推移しており、負債の返済や株主還元に充てる原資を創出できている点はポジティブな評価材料です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -6.4億円 | 0円 | - |
| FY2022/3 | 19.6億円 | 8.7億円 | 44.2% |
| FY2023/3 | 30.9億円 | 36.6億円 | 118.5% |
| FY2024/3 | 71.0億円 | 29.3億円 | 41.3% |
| FY2025/3 | 45.5億円 | 2.0億円 | 4.5% |
法人税等の支払額は、税引前利益の変動や税務上の繰越欠損金の解消状況により年度間で大きなばらつきが見られます。FY2023/3期には一時的な税負担の増加が発生しましたが、これは税務会計上の特殊要因によるものです。今後の業績拡大に伴い、実効税率は適正な水準へと収束していく見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 665万円 | 2,720人 | - |
従業員平均年収は665万円となっており、製紙業界の中では安定した水準を維持しています。原材料価格の高騰やデジタル化による紙需要の減少といった逆風を受ける業界環境の中で、高付加価値商品への転換や事業構造改革を通じて、一定の賃金水準を維持・確保している状況です。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は王子ホールディングス・INTERACTIVE BROKERS LLC(常任代理人 インタラクティブ・ブローカーズ証券)。
王子ホールディングス株式会社が32.9%の株式を保有する筆頭株主であり、同社との資本・業務提携を通じた安定的な経営基盤の確保が特徴です。その他の上位株主には個人投資家や金融機関、取引先持株会が名を連ねており、機関投資家による保有割合も一定程度存在しますが、王子HDの影響力が極めて大きい構成となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業リスクとして、印刷・情報用紙などの主力事業における需要の長期的な減少や、原材料・エネルギー価格の変動が大きく記載されています。これを補完するため、機能材料やバイオマス発電といった成長領域への投資を推進しており、中長期的な収益源の多角化に向けた経営改革を加速させている点が開示情報から読み取れます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は25.0%と、上場企業の中でも相対的に高い水準にあり、多様な視点を取り入れた経営体制の構築が進められています。監査報酬や連結子会社11社という規模感からも適切な監視体制が敷かれており、特に近年は事業構造改革を推進する中で、経営の透明性と健全性の向上を重視しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,970億円 | — | 1,759億円 | -10.7% |
| FY2024 | 2,200億円 | — | 1,935億円 | -12.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 80億円 | — | 46億円 | -42.9% |
| FY2024 | 60億円 | — | 54億円 | -9.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2028年3月期(FY2027)を最終年度とする新中期経営計画では、連結売上高2,500億円という高い目標を掲げています。これはFY2025実績の1,759.4億円から約42%増という挑戦的な水準です。しかし、過去の業績予想を見ると、FY2024、FY2025ともに売上・利益の期初予想を10%以上下回る大幅な未達となっており、計画を絵に描いた餅にしないための具体的な施策の実行力が問われます。高機能商品へのシフトと王子HDとの提携強化が、この高い目標達成の鍵となるでしょう。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫して市場平均であるTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、FY2024に177.9%と大きく改善したものの、それ以前の長年にわたる株価の低迷と、無配期間が長かったことが主な要因です。FY2023からの復配およびFY2025の増配予想はポジティブな兆候ですが、市場平均を上回る株主価値を創造するには、新中期経営計画で掲げる事業ポートフォリオ改革を着実に実行し、持続的な利益成長を実現することが不可欠です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 107.1万円 | +7.1万円 | 7.1% |
| FY2022 | 88.7万円 | -11.3万円 | -11.3% |
| FY2023 | 100.3万円 | +0.3万円 | 0.3% |
| FY2024 | 177.9万円 | +77.9万円 | 77.9% |
| FY2025 | 193.5万円 | +93.5万円 | 93.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER、PBRともに業界平均を下回っており、特にPBRは0.42倍と解散価値(1倍)を大きく割り込んでいるため、株価は割安水準にあると判断できます。信用倍率は6.26倍と高めで、将来の株価上昇を期待した個人の買いが多く、需給面での重さも指摘されます。2026年2月に発表された株主優待制度の新設が、個人投資家の関心をさらに集める可能性があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2025年度~2027年度を対象とする新中期経営計画を策定し、構造改革を推進。
500株以上の保有者を対象とした家庭紙「ナクレ」の株主優待制度を新設。
退職給付信託に拠出している三菱商事株式300万株を売却し、財務体質の改善を図る。
最新ニュース
三菱製紙 まとめ
ひとめ診断
「伝統の紙から脱却し、高機能材料と巨人との提携で生き残りをかける老舗メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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