中越パルプ工業3877
Chuetsu Pulp & Paper Co.,Ltd.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日読む新聞や、手に取る雑誌の多くは、中越パルプ工業のような会社が作った紙からできています。また、スーパーでお菓子を買うとき、その箱に使われている包装用紙も彼らの製品かもしれません。さらに、同社は環境問題にも取り組んでおり、日本各地の竹林の竹を100%使った環境に優しい「竹紙」を国内で唯一製造しています。普段何気なく使っている紙製品の裏側で、伝統を守りながら新しい技術で地球の未来を考えている会社、それが中越パルプ工業です。
富山を拠点とする製紙中堅企業。2025年3月期の売上高は1,110.1億円、営業利益は48.43億円と増収減益で着地。主力の新聞・印刷用紙はデジタル化で需要が減少する一方、業界最大手の王子ホールディングスとの資本業務提携を背景に経営基盤は安定。今後は、竹を原料とした「竹紙」や植物由来の新素材「セルロースナノファイバー」、木質バイオマス発電といった環境関連事業を成長の柱に据え、事業構造の転換を加速させている。5期連続増配と積極的な株主還元姿勢も投資家から注目されている。
会社概要
- 業種
- パルプ・紙
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都中央区銀座2-10-6 銀座CPCビル
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
2025/03期実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | ▲2.2% | ▲0.9% | - |
| 2022/03期 | 2.6% | 1.0% | - |
| 2023/03期 | 6.1% | 2.5% | - |
| 2024/03期 | 6.9% | 2.9% | 5.7% |
| 2025/03期 | 3.2% | 1.4% | 4.4% |
| 3Q 2026/03期 | 2.1%(累計) | 0.9%(累計) | 1.6% |
収益性は、2021/03期の営業損失から着実に改善し、2024/03期には営業利益率5.7%を達成するなど効率化が進んでいます。製紙業界特有のコスト負担をコントロールしながら、利益率の向上に努めてきました。しかし、市場環境の変化や設備投資の影響からROEは年度により変動しており、利益成長と資本効率のバランスを改善することが今後の課題となっています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 819億円 | — | ▲10.5億円 | -78.8円 | — |
| 2022/03期 | 901億円 | — | 12.7億円 | 95.0円 | +10.0% |
| 2023/03期 | 1,057億円 | — | 30.5億円 | 229.1円 | +17.3% |
| 2024/03期 | 1,078億円 | 61.7億円 | 37.0億円 | 285.9円 | +2.0% |
| 2025/03期 | 1,110億円 | 48.4億円 | 17.6億円 | 136.7円 | +3.0% |
中越パルプ工業は、デジタル化や紙需要の変化に対応しつつ、新聞用紙や印刷・包装用紙の安定供給と高付加価値化を推進しています。2021/03期の赤字を経て、以降は堅調な回復を見せており、2024/03期には営業利益が約61.7億円まで拡大しました。足元では原材料費の高止まりの影響を受けつつも、安定した収益基盤の維持と新規事業への投資により、底堅い業績を確保しています。 【3Q 2026/03期実績】売上811億円(通期予想比72%)、営業利益13億円(同26%)、純利益11億円(同32%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
パルプ・紙の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
売上高1,110億円規模を誇る総合製紙メーカーであり、新聞用紙や包装用紙を主力としています。近年は脱プラスチック関連事業や木質バイオマス発電など、環境負荷低減に注力する一方で、海外市況の悪化やエネルギーコストの上昇が事業リスクとして開示されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 1,120億円 | — | 1,110億円 | -0.9% |
| 2024期 | 1,090億円 | — | 1,078億円 | -1.1% |
| 2023期 | 1,010億円 | — | 1,057億円 | +4.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 49億円 | — | 48.4億円 | -1.2% |
| 2024期 | 32億円 | — | 61.7億円 | +92.9% |
| 2023期 | 15億円 | — | 25.9億円 | +72.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新たな「中期経営計画2030」では、ROE5%以上や配当性向40%以上といった資本効率と株主還元を重視した目標を掲げています。直近の業績予想の精度を見ると、売上高は期初予想に近い水準で着地する傾向がありますが、営業利益は原材料価格やエネルギーコストの変動により、予想から大きく上振れ・下振れする傾向が見られます。進行中の計画は、前期実績ベースでROEが目標未達であるものの、積極的な増配により配当性向は目標を大幅に上回って推移しており、株主還元への強い意志がうかがえます。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2025年3月期の決算発表にて、利益還元を重視した増配方針を公式発表しました。
独自素材「nanoforest®」が腕時計用バンドに採用され、新素材の市場開拓を前進させました。
2030年度を見据えた「中期経営計画2030 基本方針」を策定し、GX推進と事業成長の道筋を明確化しました。
連結子会社の解散と脱プラスチック事業の体制集約を通じた構造改革を実施しました。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q 2026/03期末時点
財務健全性は着実に強化されており、自己資本比率は2021/03期の38.4%から2025/03期には46.7%まで向上しました。有利子負債の管理にも注力しており、持続的な投資を支える強固な基盤を構築しています。純資産の積み上げによって、株主資本の厚みが増している点は長期的な安定経営の観点からポジティブな要素です。 【3Q 2026/03期】総資産1226億円、純資産576億円、自己資本比率43.7%、有利子負債350億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 59.6億円 | ▲39.0億円 | 62.8億円 | 20.7億円 |
| 2022/03期 | 82.6億円 | ▲31.5億円 | ▲58.9億円 | 51.1億円 |
| 2023/03期 | 26.6億円 | ▲51.2億円 | ▲48.0億円 | ▲24.6億円 |
| 2024/03期 | 136億円 | ▲79.0億円 | ▲31.0億円 | 56.6億円 |
| 2025/03期 | 104億円 | ▲60.1億円 | ▲60.1億円 | 43.5億円 |
営業キャッシュフローは、製紙事業の安定的な稼ぎにより2024/03期には135.6億円を創出するなど強力な資金創出能力を示しています。これを原資として設備投資や戦略的な成長投資を行いつつ、財務健全性を維持するために借入金の返済などの財務活動を継続しています。安定したフリーキャッシュフローの創出は、同社の積極的な株主還元を支える重要な源泉となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は12.5%で改善の余地がありますが、社外取締役の積極的な登用により監督体制を強化しています。連結子会社7社を擁する中堅メーカーとして、コンプライアンス遵守と透明性の高い経営体制の構築を図っています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 636万円 | 1,282人 | - |
従業員平均年収は636万円であり、同業界内の中堅・大手メーカーと比較して概ね妥当な水準を維持しています。原材料価格の高騰やデジタル化に伴う市況の変化がある中で、安定した雇用と給与体系を継続しています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。過去5年間の実績を見ると、中越パルプ工業のTSRは一貫して市場平均であるTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」状態でした。これは、製紙業界全体の構造的な需要減少を背景に、株価が長期にわたり低迷していたことが主な要因です。しかし、直近の積極的な増配やPBR改善への期待から株価は上昇基調にあり、今後はTSRの改善が見込まれます。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 5円 | 403.2% |
| 2017/03期 | 5円 | 53.2% |
| 2019/03期 | 50円 | 92.5% |
| 2020/03期 | 50円 | 72.6% |
| 2021/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2022/03期 | 40円 | 42.1% |
| 2023/03期 | 50円 | 21.8% |
| 2024/03期 | 60円 | 21.0% |
| 2025/03期 | 70円 | 51.2% |
現在、株主優待制度は実施していません。
同社は株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、5期連続の増配を実施するなど還元姿勢を強めています。安定配当を基本としつつ、業績の成長に合わせて配当額を引き上げる方針です。資本効率の向上と株主還元の拡充を並行して推進することで、中長期的な企業価値向上を図っています。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 91.8万円 | ▲8.2万円 | -8.2% |
| 2022期 | 71.6万円 | ▲28.4万円 | -28.4% |
| 2023期 | 80.8万円 | ▲19.2万円 | -19.2% |
| 2024期 | 149.7万円 | 49.7万円 | 49.7% |
| 2025期 | 118.5万円 | 18.5万円 | 18.5% |
※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較して、PER・PBRともに大幅に割安な水準にあります。特にPBRは解散価値の1倍を大きく下回る0.42倍であり、株価の割安感が際立っています。一方、配当利回りは4.69%と業界平均を大きく上回っており、高配当株としての魅力があります。信用買い残が売り残を大幅に上回っており、信用倍率は24.32倍と高水準であるため、将来的な需給悪化には注意が必要です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | -3.2億円 | 0円 | - |
| 2022/03期 | 30.8億円 | 18.1億円 | 58.8% |
| 2023/03期 | 34.0億円 | 3.5億円 | 10.2% |
| 2024/03期 | 68.2億円 | 31.2億円 | 45.7% |
| 2025/03期 | 51.1億円 | 33.5億円 | 65.6% |
法人税等の負担率は年度ごとに変動が見られますが、これは税効果会計の影響や一時的な収益の調整などが背景にあります。2025/03期などは一時的に実効税率が高まっていますが、概ね事業利益に応じた妥当な納税が行われています。今後も業績予想に基づき、適切な税務管理を行っていく見通しです。
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中越パルプ工業 まとめ
「伝統的な製紙業から、環境配慮型の新素材とエネルギー事業で未来を抄く、王子HD傘下の堅実メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。