ホギメディカル
HOGY MEDICAL CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月27日
医療用不織布の国内トップランナー、手術の未来をキットで支える
技術の進化と課題解決力を通じて、変化する地域医療のニーズに応え、病院とその先の患者様の未来を支え続ける企業となることを目指します。
この会社ってなに?
あなたがもし病院で手術を受けることになったら、その時に使われる手術着やシーツ、ガーゼといった衛生用品の多くは、ホギメディカルの製品かもしれません。特にこの会社は、手術に必要な様々な道具を一つのパックにまとめた「キット製品」を得意としています。これによって、お医者さんや看護師さんは準備の手間が省け、より安全でスムーズに手術を進めることができるのです。普段目にすることはありませんが、私たちの命と健康を支える医療現場の重要なパートナーと言える会社です。
医療用不織布首位のホギメディカルは、FY2025に売上高391.4億円、営業利益38.10億円を記録し、利益面での課題を抱えています。この状況を打開すべく、2025年12月に米投資ファンドのカーライル・グループが1株6,700円でのTOB(株式公開買付け)を発表し、非公開化による抜本的な経営改革を目指しています。TOB成立後は上場廃止となる見込みで、それに伴い株主優待の廃止と2026年3月期の無配化が決定されました。
会社概要
- 業種
- 繊維製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区赤坂2丁目4番6号赤坂グリーンクロス
- 公式
- www.hogy.co.jp
社長プロフィール

当社は、顧客視点に立った事業変革を進め、コア事業であるプレミアムキットの安定成長を目指しています。組織力を強化し、存在意義を求心力とする経営へ移行することで、医療現場とその先の患者様の未来を支え、持続的な企業価値向上を実現します。
この会社のストーリー
創業者の保木将夫氏が25歳で起業。当初は医療用記録紙の販売からスタートし、医療分野での事業基盤を築いた。
欧米で普及していたディスポーザブルの概念に着目し、使い捨て手術着の開発を開始。これが後の主力事業へと繋がる大きな一歩となった。
日本証券業協会に株式を店頭登録(現JASDAQ)。企業としての信頼性を高め、さらなる成長に向けた資金調達の道を開いた。
東京証券取引所市場第一部に上場を果たし、日本を代表する医療関連企業としての地位を確立した。
安定した業績と成長期待から株価は9,140円の上場来高値を記録。市場からの高い評価を得た。
川久保秀樹氏が新社長に就任し、事業ポートフォリオの見直しなどを盛り込んだ新中期経営計画を策定。新たな成長ステージへ向けた変革を開始した。
米投資ファンドのカーライル・グループによるTOB(株式公開買付け)を受け入れ、非公開化による抜本的な事業構造改革を目指すことを決定した。
「技術の進化と課題解決力で、病院とその先の患者さんの未来を支える」というありたい姿を掲げ、持続可能な医療への貢献を目指す。
注目ポイント
手術に必要な医療材料を一つにまとめた「プレミアムキット」が主力製品。医療現場の業務効率化と安全性向上に貢献し、国内で圧倒的なシェアを誇ります。
米投資ファンド、カーライル・グループの支援のもとで株式を非公開化。短期的な業績に左右されず、中長期的な視点での大胆な事業構造改革と成長戦略を推進します。
主力製品は医療現場に不可欠な消耗品であり、景気変動の影響を受けにくい安定した需要が特徴です。社会貢献性の高い事業で、持続的な成長が期待されます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 116円 | 30.9% |
| FY2017/3 | 120円 | 32.5% |
| FY2018/3 | 124円 | 73.8% |
| FY2019/3 | 64円 | 32.3% |
| FY2020/3 | 66円 | 36.1% |
| FY2021/3 | 68円 | 41.5% |
| FY2022/3 | 68円 | 44.4% |
| FY2023/3 | 71円 | 39.9% |
| FY2024/3 | 80円 | 69.2% |
| FY2025/3 | 80円 | 117.7% |
株主優待制度は廃止されました。
同社はかつて安定的な利益還元を重視してきましたが、近年の収益低迷による配当性向の急上昇を受け、2026年3月期の配当予想を無配へと修正しました。また、これに伴い株主優待制度も廃止されています。現在は再成長に向けた構造改革の最中であり、企業価値の回復を最優先する経営判断がなされています。
同業比較(収益性)
繊維製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高は391億円前後で底堅く推移しているものの、原材料費の高騰や構造改革に伴う一時的な費用負担が利益を大きく圧迫し、近年の営業利益は右肩下がりの状況が続いています。2025年3月期には純利益が15億円まで落ち込みましたが、2026年3月期は構造改革の進展による収益改善を見込み、純利益で30億円への回復を予想しています。今後は注力するプレミアムキット製品の安定供給とコスト管理の徹底による収益力の回復が成長の鍵となります。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.3% | 4.7% | - |
| FY2022/3 | 5.2% | 4.4% | - |
| FY2023/3 | 5.6% | 4.2% | - |
| FY2024/3 | 2.8% | 2.8% | 10.7% |
| FY2025/3 | 1.3% | 1.6% | 9.7% |
営業利益率は2023年3月期の17.0%をピークに、2025年3月期には9.7%まで大きく低下しており、激しい環境変化の中で収益性の維持が喫緊の課題となっています。ROE(自己資本利益率)も2%台まで低下し、資本効率の悪化が鮮明です。今後は生産プロセスの最適化や組織力強化といった構造改革を通じて、かつての高い収益性を取り戻せるかどうかが投資家から注目されています。
財務は安全?
自己資本比率は75.9%と依然として高水準を維持しており、極めて強固な財務体質を有している点が同社の大きな強みです。2024年以降は有利子負債が373億円まで増加していますが、これは将来の成長投資や事業基盤の整備に伴う戦略的な調達と見受けられます。潤沢なネット資産を背景に、強固な基盤の上で構造改革を推進できる点は同社の優位性と言えます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 68.5億円 | -69.5億円 | -25.0億円 | -9,600万円 |
| FY2022/3 | 85.0億円 | -38.1億円 | -110億円 | 46.9億円 |
| FY2023/3 | 91.8億円 | -19.5億円 | -31.4億円 | 72.3億円 |
| FY2024/3 | 71.2億円 | -32.6億円 | -38.9億円 | 38.5億円 |
| FY2025/3 | 116億円 | -39.2億円 | -54.5億円 | 76.4億円 |
営業キャッシュフローは安定してプラスを維持しており、高いキャッシュ創出力を持つ本業の強さが確認できます。2025年3月期には約116億円の営業キャッシュを稼ぎ出し、設備投資や財務活動を賄いながら約76億円のフリーキャッシュフローを確保しました。安定した資金力を背景に、今後も戦略的な事業投資を継続できる財務体質を有しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 59.9億円 | 10.3億円 | 17.2% |
| FY2022/3 | 62.9億円 | 19.1億円 | 30.5% |
| FY2023/3 | 66.5億円 | 23.4億円 | 35.1% |
| FY2024/3 | 42.5億円 | 14.4億円 | 33.9% |
| FY2025/3 | 36.5億円 | 21.3億円 | 58.3% |
2025年3月期の実効税率は58.3%と高水準でしたが、これは税引前利益が36億円程度に留まる中で固定的な税負担が相対的に大きく響いた結果です。通常時は法定実効税率に近い30%前後で推移しており、業績の回復に伴い税負担率は正常化に向かう見通しです。2026年3月期は利益の改善により、より平準化された納税額となることが予想されます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 665万円 | 1,409人 | - |
従業員の平均年収は約665万円となっており、医療機器・ヘルスケア業界の中では安定した水準を維持しています。原材料価格の高騰や厳しい事業環境下での構造改革に伴い、生産効率化と持続的な成長に向けた人材への投資が経営の重要課題となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主はNIPPON ACTIVE VALUE FUND PLC (常任代理人 香港上海銀行東京支店)・STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505025 (常任代理人 みずほ銀行決済営業部)・STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505012 (常任代理人 みずほ銀行決済営業部)。
主要株主に日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行などの信託口が上位を占めるほか、外資系アクティビストファンド等の保有比率も高く、機関投資家による影響力が強い構成となっています。米カーライル・グループによる公開買付け(TOB)が進行中であり、今後は完全子会社化による上場廃止が予定されているため、株主構成は劇的に変化する見込みです。
会社の公式開示情報
役員報酬
医療用不織布を用いた手術用消耗品「プレミアムキット」を主力事業として展開していますが、市場環境の変化を受け減収減益傾向にあります。事業リスクとして為替変動による調達コストの増加や、少子高齢化に伴う医療現場の構造変化が挙げられ、現在は買収を通じた非公開化による抜本的な経営再建を図っています。
この会社のガバナンスは?
取締役6名のうち女性役員1名を登用しており、女性役員比率は14.2%と多様性の確保に取り組んでいます。社外取締役比率を高く保つことで監督機能を強化しており、今後の非公開化に向けたガバナンス体制の再構築が注目されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 409億円 | — | 391億円 | -4.2% |
| FY2024 | 409億円 | — | 391億円 | -4.4% |
| FY2023 | 387億円 | — | 390億円 | +0.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 47億円 | — | 38億円 | -18.8% |
| FY2024 | 47億円 | — | 42億円 | -11.7% |
| FY2023 | 65億円 | — | 66億円 | +1.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2024年7月に発表された新中期経営計画「HOGY Vision 2035」は、FY2027に営業利益43億円を目指しています。しかし、直近2期(FY2024, FY2025)の業績は期初予想を大幅に下回って未達となっており、計画達成能力には疑問符が付きます。米投資ファンドのカーライル・グループによるTOBはこの業績不振が背景にあり、非公開化後に事業構造改革を加速させ、計画達成を目指す方針です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫してTOPIXのパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」が続いています。特にFY2024以降はTOPIXが大きく上昇する中で、同社の株価は利益成長の鈍化を背景に伸び悩み、その差が拡大しました。株価の低迷が、アクティビストや買収ファンドの関心を引きつける一因となり、今回のカーライル・グループによるTOB提案につながったと考えられます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 102.3万円 | +2.3万円 | 2.3% |
| FY2022 | 100.3万円 | +0.3万円 | 0.3% |
| FY2023 | 100.5万円 | +0.5万円 | 0.5% |
| FY2024 | 120.0万円 | +20.0万円 | 20.0% |
| FY2025 | 153.6万円 | +53.6万円 | 53.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
カーライル・グループによるTOB価格(6,700円)が意識され、現在の株価(6,660円)はそれに近い水準で推移しています。PER・PBRともに業界平均より割高な水準にあり、これはTOBによるプレミアムが株価に織り込まれているためです。信用買い残が売り残を大幅に上回っており、市場参加者の多くがTOB成立を期待していることがうかがえますが、今後の株価はTOBの成否に大きく依存します。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
米投資ファンドのカーライル・グループによる1株6,700円でのTOBが開始され、非公開化が現実味を帯びた。
従業員の安全衛生教育の強化を図るため、LaKeel Online Media Serviceを導入。
収益性改善を目指し、プレミアムキット事業を軸とした新中期経営計画を策定・発表。
最新ニュース
ホギメディカル まとめ
ひとめ診断
「手術室の必需品メーカーが、米投資ファンド主導で非公開化という大手術に臨む」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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