5988プライム

パイオラックス

PIOLAX,INC.

最終更新日: 2026年3月28日

ROE16.9%
BPS2642.6円
自己資本比率73.6%
FY2025/3 有報データ

小さなバネ技術で自動車と医療の未来を支える、世界トップシェアの技術集団

世界の人々に信頼され、なくてはならない会社になる。

この会社ってなに?

あなたが毎日乗っているかもしれない自動車。そのエンジンやドア、シートベルトといった、普段は意識しないけれど安全と快適さを支える重要な部分で、パイオラックスの作った小さなバネや留め具が活躍しています。見えないところでクルマの性能を支える「縁の下の力持ち」のような存在です。さらに、最近ではその精密技術を活かして、病気の治療で使われるカテーテルやステントといった医療機器も開発しており、人々の命を支える分野にも貢献の場を広げています。

自動車用の精密ばね・ファスナーを主力とする老舗部品メーカー。FY2025実績は、主要取引先の減産影響を受け、売上高633.5億円(前期比1.9%減)、営業利益23.82億円(同49.9%減)と大幅な減益を記録。続くFY2026も減収減益を見込む厳しい事業環境にある。一方で、2027年3月期まで連結配当性向100%以上を目標とする積極的な株主還元策を掲げており、高配当利回りが株価の下支え要因となっている。

金属製品プライム市場

会社概要

業種
金属製品
決算期
3月
本社
神奈川県横浜市保土ヶ谷区岩井町51
公式
www.piolax.co.jp

社長プロフィール

山田 聡
山田 聡
代表取締役社長
挑戦者
当社は創業以来培ってきた弾性技術を核に、自動車産業の発展に貢献してきました。現在はCASEという大きな変革期を迎え、既存の枠組みにとらわれない新たな商品開発に挑戦し、自動車生産台数に依存しない強固な経営基盤の構築を目指します。

この会社のストーリー

1933
加藤発條製作所として創業

創業者・加藤正男が横浜市に「加藤発條製作所」を設立。自動車用ばねの専門メーカーとして歴史をスタートさせた。

1939
パイオラックスへ商号変更、日産自動車との取引開始

「開拓者(Pioneer)」と「弾性(Elasticity)」を組み合わせた現社名に変更。日本の自動車産業の黎明期から、主要メーカーと強固な関係を築く。

1962
東京証券取引所第二部に上場

事業拡大と社会的信用の向上を目指し、株式上場を果たす。企業として新たな成長フェーズへと突入した。

1979
初の海外拠点、米国法人を設立

顧客の海外進出に対応するため、米国にPIOLAX CORPORATIONを設立。グローバル展開への第一歩を踏み出した。

1994
東京証券取引所第一部に指定

安定した経営基盤と成長性が評価され、東証一部へ市場変更。日本を代表する部品メーカーとしての地位を確立した。

2010
医療機器分野へ本格参入

長年培った弾性技術を応用し、医療機器事業を本格化。自動車分野に次ぐ新たな事業の柱の育成に着手した。

2024
創業90周年と新たな中期経営計画

創業90周年を迎え、新企業理念を制定。CASE対応や非自動車分野の強化を掲げ、次の100周年に向けた変革を推進する。

注目ポイント

自動車部品で世界トップシェア

自動車の軽量化に貢献する樹脂製ファスナーや、燃料タンク用バルブなど、数多くの製品で世界トップクラスのシェアを誇ります。その高い技術力は世界中の自動車メーカーから信頼されています。

弾性技術で医療分野へ挑戦

ばね作りで培った精密な弾性技術を応用し、医療機器事業を育成中。特に内視鏡治療で使われる製品など、人々の健康に貢献する新分野での成長が期待されます。

驚異の株主還元「配当性向100%」目標

2027年3月期まで「連結配当性向100%かつ1株当たり配当金92円以上」という非常に高い株主還元目標を掲げています。安定した高配当が魅力です。

サービスの実績は?

92
1株当たり配当金
FY2025実績
-28.1% YoY
174.6%
連結配当性向
FY2025実績
+66.9pts YoY
-1.9%
売上高成長率
FY2025実績 (YoY)
104.4百万円
従業員一人当たり売上高
FY2025実績ベース
3.8%
営業利益率
FY2025実績
-3.6pts YoY

ひとめ診断

業績
普通
営業利益 前年比↓
配当
少なめ
1株 92円
安全性
安定
自己資本比率 73.6%
稼ぐ力
高い
ROE 16.9%
話題性
不評
ポジティブ 20%

配当・優待はもらえる?

しっかりもらえます
1株配当(最新期)
92
方針: 連結配当性向100%かつ1株当たり年間配当92円以上目標
1株配当配当性向
FY2016/328.313.6%
FY2017/310044.7%
FY2018/34519.8%
FY2019/34521.7%
FY2020/34530.5%
FY2021/33530.8%
FY2022/34537.0%
FY2023/3100100.9%
FY2024/3128108.6%
FY2025/392174.7%
株主優待
あり
権利確定月3月

当社は現在、2027年3月期まで連結配当性向100%かつ年間配当92円以上を目標とする強気な還元方針を掲げています。業績が低迷する中でも高水準の配当を継続することで、株主への利益還元を最優先する姿勢を強く示しています。ただし、配当性向が100%を大きく上回る状況は持続可能性に課題があるため、将来的な業績改善が不可欠です。

同業比較(収益性)

金属製品の同業他社平均と比べると…

ROE上回る
この会社
16.9%
業界平均
8.7%
営業利益率下回る
この会社
3.8%
業界平均
7.2%
自己資本比率上回る
この会社
73.6%
業界平均
47.5%

業績推移

儲かってるの?

まあまあです
売上高
FY2022/3551億円
FY2023/3584億円
FY2024/3646億円
FY2025/3634億円
営業利益
FY2022/30円
FY2023/30円
FY2024/347.6億円
FY2025/323.8億円

当社の売上高は自動車業界の生産変動に伴い推移しており、2024年3月期には645億円と過去最高水準を達成しました。しかし、直近の2025年3月期および2026年3月期(予想)では、主要取引先の減産影響が直撃し、営業利益が20億円台前半まで低下するなど、業績の低迷が続いています。今後は自動車生産台数に過度に依存しない事業構造への転換が急務となっています。

稼ぐ力はどのくらい?

効率よく稼いでいます
ROE
16.9%
株主のお金でどれだけ稼いだか
ROA
1.7%
会社全体の資産の活用度
営業利益率
3.8%
売上のうち利益になった割合
ROEROA営業利益率
FY2021/35.9%3.7%-
FY2022/34.2%3.9%-
FY2023/34.4%2.9%-
FY2024/35.3%3.3%7.4%
FY2025/316.9%1.7%3.8%

収益性については、安定期には8〜9%台の営業利益率を確保していましたが、2025年3月期には3.8%まで大きく悪化しました。これに伴い、株主資本利益率(ROE)も2.0%と低水準に留まっており、資本効率の低下が明確です。売上規模の縮小とコスト負担が重なる中で、効率化を通じた利益率の回復が極めて重要な経営課題です。

財務は安全?

財務は安定しています
自己資本比率73.6%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%
借金(有利子負債)
0円
会社の純資産
918億円

当社は自己資本比率が85%を超えて推移しており、財務体質は極めて強固です。有利子負債はゼロで実質無借金経営を継続しており、外部環境の悪化にも耐えうる高い安全性を有しています。豊富な内部留保を背景に、将来的な成長投資や株主還元を柔軟に実施できる盤石な財務基盤を維持しています。

お金の流れは?

健全なお金の流れです
本業で稼いだお金
+81.2億円
営業CF
投資に使ったお金
+33.4億円
投資CF
借入・返済など
-64.7億円
財務CF
手元に残ったお金
+115億円
FCF
営業CF投資CF財務CFFCF
FY2021/373.4億円-25.8億円3.0億円47.6億円
FY2022/364.4億円-38.6億円-46.9億円25.8億円
FY2023/360.7億円-50.0億円-24.4億円10.7億円
FY2024/383.7億円-85.7億円-47.0億円-2.1億円
FY2025/381.2億円33.4億円-64.7億円115億円

営業キャッシュフローは堅調に推移し、本業で安定して現金を稼ぐ力を維持しています。2024年3月期には積極的な設備投資によりフリーキャッシュフロー(FCF)が一時的にマイナスとなりましたが、2025年3月期は資産売却などの投資活動による収入が増加し、約115億円ものFCFを創出しました。潤沢な資金を背景に、多額の配当支払いや自己株式取得といった株主還元を積極的に実行しています。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

1原材料の価格高騰・調達難 当社グループの製品は、原材料の大部分と一部の部品を外部より調達しておりますが、価格高騰や需給逼迫、調達先の不慮の事故等により、原材料・部品不足が生じ、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクが存在します
2物流の混乱と物流費高騰 地域紛争等の世界情勢の混乱や異常気象に伴い、流通の混乱が発生しております
3環境規制 自動車部品業界は、広範囲な環境その他の法的規制の適用を受けております
4為替レートの変動 当社グループの海外売上高比率は約6割を占め、為替変動は、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
FY2021/354.5億円14.8億円27.2%
FY2022/357.8億円15.5億円26.9%
FY2023/348.7億円14.9億円30.7%
FY2024/356.5億円16.4億円29.0%
FY2025/334.0億円16.1億円47.3%

過去数年間は法定実効税率に近い30%前後で推移してきましたが、直近では利益の急減により実効税率が40%を超える水準まで上昇しています。これは利益の減少過程において、税務上の損金算入できない項目や繰延税金資産の調整などが相対的に影響した結果と考えられます。業績の回復に伴い、税負担率は平準化していく見込みです。

社員の給料はどのくらい?

平均年収
628万円
従業員数
2,895
平均年齢
41.7歳
平均年収従業員数前年比
当期628万円2,895-

従業員の平均年収は628万円であり、製造業の中でも堅実な水準を維持しています。自動車業界の生産動向に業績が左右されるため、中長期的な安定成長と連動した賃金体系が採用されています。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主54.2%
浮動株45.8%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関19.8%
事業法人等34.4%
外国法人等12.6%
個人その他30.2%
証券会社3%

安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は佐賀鉄工所・レノ・シティインデックスイレブンス。

株式会社佐賀鉄工所(4,843,000株)14.09%
日本マスタートラスト信託銀行 株式会社(信託口)(3,878,000株)11.28%
株式会社レノ(2,685,000株)7.81%
株式会社日本カストディ銀行 (信託口)(2,033,000株)5.91%
株式会社シティインデックスイレブンス(1,824,000株)5.3%
株式会社佐賀鉄工所(1,201,000株)3.49%
加藤 一彦(1,100,000株)3.19%
パイオラックス取引先持株会(771,000株)2.24%
合同会社はつき(660,000株)1.91%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(648,000株)1.88%

株式会社佐賀鉄工所が14.09%を保有する筆頭株主であり、安定株主としての影響力が強い構造です。また、日本マスタートラスト信託銀行などの機関投資家や、レノ・シティインデックスイレブンスといったアクティビスト(物言う株主)の保有も確認され、資本効率の改善を求める圧力が働いています。

会社の公式開示情報

役員報酬

2億1,600万円
取締役6名の合計

自動車用精密ばねと樹脂ファスナーが主力ですが、主要OEMの減産影響により収益性の維持が課題となっています。リスク要因として、特定顧客への依存度高さや世界的な原材料価格の高騰が挙げられ、医療機器事業の強化による収益源の多角化を進めています。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 9名)
女性 2名(22.2% 男性 7
22%
78%
監査報酬
5,500万円
連結子会社数
16
設備投資額
62.3億円
平均勤続年数(従業員)
15.8
臨時従業員数
639

女性役員比率が22.0%と国内製造業の中では先進的な登用を進めています。監査等委員会設置会社として取締役会の監督機能を強化しており、連結子会社16社を統括するグローバルなガバナンス体制を構築しています。

会社の計画は順調?

C
総合評価
主力の自動車事業が外部環境に大きく左右され、利益目標の達成は厳しい状況。

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

中期経営計画
FY2024〜FY2026
売上高: 目標 750億円 順調 (633.5億円)
84.5%
営業利益: 目標 55億円 やや遅れ (23.82億円)
43.3%
ROE: 目標 7.0% 大幅遅れ (2.7%)
38.6%
CASE対応商品拡販額: 目標 10億円 やや遅れ
50%
株主還元方針
FY2025〜FY2027
連結配当性向: 目標 100% 順調 (174.6%)
100%
年間配当金(下限): 目標 92円 達成 (92円)
100%

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

売上高
年度当初予想修正予想実績乖離
FY2022580億円551億円-4.9%
FY2023627億円584億円-6.8%
FY2024630億円646億円+2.5%
営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
FY202254億円52億円-3.4%
FY202358億円39億円-31.9%
FY202536億円21億円24億円-33.8%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

現行の中期経営計画は、主要取引先の生産動向や市況の悪化を受け、特に利益面での進捗が大幅に遅れています。売上高は目標の8割強に達しているものの、営業利益は半分以下にとどまっています。一方で、株主還元方針は堅持しており、連結配当性向100%以上という高い目標は初年度から達成しており、投資家へのコミットメントは評価できます。業績予想の精度は低く、特に利益計画は大幅な未達が続いており、計画の信頼性には課題が残ります。

この株を持っていたら儲かった?

この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。

過去5年間のTSR(株主総利回り)は、全ての年でTOPIXのパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、主力である自動車部品事業が主要取引先の生産調整や世界的な半導体不足の影響を受け、業績が伸び悩んだことが株価の低迷に直結したためです。高い配当利回りによってTSRは一部下支えされていますが、株価自体の下落影響が大きく、TOPIXの上昇トレンドに追随できていない状況が続いています。

※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。

もし5年前に投資していたら?

FY2021初めに100万円投資した場合+83.3%
100万円 →183.3万円
83.3万円
年度末時点評価額損益TSR
FY2021109.3万円+9.3万円9.3%
FY2022107.6万円+7.6万円7.6%
FY2023138.9万円+38.9万円38.9%
FY2024199.0万円+99.0万円99.0%
FY2025183.3万円+83.3万円83.3%

※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残125,200株
売り残208,700株
信用倍率0.60倍
2026年3月13日時点
今後の予定
2026年3月期 通期決算発表2026年5月中旬
第110回定時株主総会2026年6月下旬
2027年3月期 第1四半期決算発表2026年8月上旬

PBRは0.63倍と業界平均の0.9倍を大きく下回り、解散価値割れとなっており、株価の割安感が際立っています。一方、PERは36.1倍と高水準ですが、これは直近の純利益が大幅に落ち込んでいるためです。配当利回りは5%を超え、業界平均を大幅に上回っており、これが最大の魅力となっています。信用倍率は0.60倍と売り長(空売りが多い状態)にあり、将来的な株価上昇局面では買い戻しによる株価押し上げ(踏み上げ)が期待される可能性もあります。

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「やや懸念
報道件数(30日)
42
前月比 -12.5%
メディア数
28
日本経済新聞, 株探, Yahoo!ファイナンス, PR TIMES
業界内ランキング
上位 38%
金属製品業 480社中 182位
報道のトーン
20%
好意的
35%
中立
45%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

どんな話題が多い?

決算・業績50%
組織再編25%
製品・技術15%
経営・人事10%

最近の出来事

2025年8月組織再編

グループ再編によりパイオラックスビジネスサービスを吸収合併し、経営効率化を推進。

2026年2月業績修正

主要取引先の減産影響により通期業績予想の下方修正を発表し、投資家心理に影響。

2026年3月ガバナンス

持続的な経営基盤強化を目的に、組織改編及び人事異動を実施。

パイオラックス まとめ

ひとめ診断

業績
普通
営業利益 前年比↓
配当
少なめ
1株 92円
安全性
安定
自己資本比率 73.6%
稼ぐ力
高い
ROE 16.9%
話題性
不評
ポジティブ 20%

「自動車向け精密ばねの老舗が、高配当を維持しつつ医療分野への多角化で活路を探る」

※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

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最終更新: 2026/04/07 / データ提供: OSHIKABU