コスモス薬品
COSMOS Pharmaceutical Corporation
最終更新日: 2026年3月22日
M&Aゼロ、自力出店だけで売上1兆円を突破した「食品強化型ドラッグストア」の異色の雄
日本中のお客様に、毎日の健康と豊かな食生活を低価格で届けるドラッグストアであり続ける。
この会社ってなに?
近所で見かける「ディスカウントドラッグコスモス」を運営している会社です。普通のドラッグストアと違って、お弁当やお惣菜、パン、飲料、お菓子など食品の品揃えが充実しており、スーパーマーケットの代わりに日常の買い物に使う人も多いのが特徴です。「毎日安い」を掲げ、特売チラシを出さずに常に低価格で提供するスタイルで、九州から全国へ急速に店舗網を広げています。薬はもちろん、日用品から食品まで1カ所でまとめ買いできる便利さが支持されています。
コスモス薬品は九州を地盤に全国約1,500店の郊外型大型ドラッグストアを展開する、ドラッグストア業界売上高第4位の企業です。最大の特徴は売上の約6割を一般食品が占める「食品強化型」モデルで、EDLP(毎日低価格)戦略による圧倒的な集客力が強みです。FY2025/5は売上高1兆113億円・営業利益404億円で売上高1兆円の大台を突破。FY2026/5は売上高1兆570億円・営業利益405億円を計画しています。M&Aに頼らず自力出店のみで成長してきた異色の経営スタイルで、自己資本比率49.1%の健全な財務体質を維持しながら年間約80〜100店ペースの新規出店を続けています。
会社概要
- 業種
- 小売業
- 決算期
- 5月
- 本社
- 福岡県福岡市博多区博多駅東二丁目10番1号 JR博多駅東NSビルS館4階
- 公式
- www.cosmospc.co.jp
社長プロフィール
当社は創業以来、M&Aに頼ることなく、一店一店を自力で出店し続けることで成長してまいりました。お客様に『毎日安い』を届けるEDLP戦略と、食品を核とした品揃えで地域のお客様の生活インフラとなることを目指しています。今後も年間80〜100店の出店を継続し、全国のお客様に健康と豊かな食生活をお届けしてまいります。
この会社のストーリー
宇野正晃氏が福岡県にてドラッグストア事業を開始。低価格戦略と大型店舗という独自のモデルで九州の消費者の支持を獲得していきました。
証券コード3349で東証に上場を果たし、成長資金を獲得。以降、九州を基盤としながら全国展開を本格化させました。
一般食品の品揃えを大幅に拡充し、売上に占める食品比率が50%を突破。スーパーマーケットの代替としての集客力を確立しました。
九州から中国・四国・関西・中部へと出店エリアを拡大し、年間約80店ペースでの出店を継続。M&Aなしの自力出店というユニークな成長戦略が注目されました。
コロナ禍での巣ごもり需要と食品・日用品の買いだめ需要を取り込み、業績が大きく伸長しました。
FY2025/5に売上高1兆113億円を達成し、ドラッグストア業界で売上高1兆円の大台を突破。M&Aを一切行わずに達成した快挙として業界で大きな注目を集めました。
関東・東北エリアへの出店を本格化し、全国約1,500店体制を構築。更なる出店余地を見据えた物流網の整備も進めています。
注目ポイント
ドラッグストア業界で合従連衡が進む中、一度もM&Aを行わず自力出店だけで売上高1兆円を突破した異色の存在。年間80〜100店の出店を着実に積み重ねる実行力は圧巻です。
売上の約6割を一般食品が占める独自のモデルで、スーパーの代わりに毎日買い物に来る顧客を獲得。特売チラシを出さない「毎日低価格」戦略が安定した集客を実現しています。
売上高1兆円超の企業ながら役員報酬は3名で9,300万円と極めて低水準。本社や管理部門のコストも最小限に抑え、節約した分を商品価格の引き下げに還元する経営哲学が貫かれています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 16.3円 | 10.4% |
| FY2017/3 | 20円 | 8.7% |
| FY2018/3 | 22.5円 | 10.1% |
| FY2019/3 | 25円 | 10.3% |
| FY2020/3 | 55円 | 20.3% |
| FY2021/3 | 35円 | 10.2% |
| FY2022/3 | 40円 | 13.7% |
| FY2023/3 | 50円 | 16.6% |
| FY2024/3 | 60円 | 19.4% |
| FY2025/3 | 70円 | 17.9% |
2024年5月期をもって株主優待制度を廃止済み。配当による株主還元に一本化する方針。
FY2024/5に1株120円を支払った後、FY2025/5に1株→2株の株式分割を実施しており、分割後の1株配当70円は分割前換算で140円に相当し実質的には増配基調です。配当性向は17.9%とまだ低水準にとどまっており、利益成長に伴う増配余地は大きいと言えます。2024年5月期をもって株主優待制度を廃止し、配当還元に一本化しています。FY2026/5予想は1株75円(分割前換算150円)を見込んでいます。
同業比較(収益性)
小売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
コスモス薬品は九州を地盤に郊外型の大型ドラッグストアを全国展開し、一般食品を売上の約6割に引き上げる独自の「食品強化型」モデルで急成長してきました。FY2025/5は売上高1兆113億円・営業利益404億円と大台を突破。FY2026/5は売上高1兆570億円・営業利益405億円を計画しており、新規出店と既存店の売上伸長による安定成長を見込んでいます。なおFY2025/5に1株→2株の株式分割を実施したため、EPSは分割後の基準で表示されています。
事業ごとの売上・利益
医薬品・化粧品・日用品・一般食品を取り扱う郊外型大型ドラッグストア『ディスカウントドラッグコスモス』を全国展開。食品比率約60%のEDLP戦略で集客力を確保
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 16.3% | 6.1% | 4.2% |
| FY2017/3 | 19.6% | 8.1% | 4.4% |
| FY2018/3 | 16.2% | 7.0% | 4.1% |
| FY2019/3 | 15.2% | 7.0% | 4.1% |
| FY2020/3 | 14.7% | 6.7% | 4.3% |
| FY2021/3 | 15.9% | 8.0% | 4.6% |
| FY2022/3 | 12.2% | 6.4% | 3.9% |
| FY2023/3 | 11.3% | 5.7% | 3.6% |
| FY2024/3 | 10.6% | 5.1% | 3.3% |
| FY2025/3 | 12.0% | 5.9% | 4.0% |
営業利益率はFY2024/5の3.3%を底にFY2025/5には4.0%へ回復しました。食品比率が高いため同業他社と比べると利益率はやや低めですが、低コストオペレーションとEDLP(毎日低価格)戦略で集客力を確保し、ROEは12.0%と資本効率は良好です。FY2021/5の15.9%からは低下傾向にありましたが、スケールメリットの発現により収益性は改善に転じています。
財務は安全?
自己資本比率は49.1%と堅実な水準を維持しています。FY2024/5から新規出店の加速に伴い有利子負債が発生し、FY2025/5には1,057億円に拡大していますが、総資産に対する比率は約20%にとどまり財務健全性は確保されています。BPSの減少はFY2025/5の1株→2株の株式分割によるものであり、実質的な純資産は増加基調が続いています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 310億円 | -286億円 | 62.1億円 | 24.4億円 |
| FY2017/3 | 369億円 | -284億円 | -80.9億円 | 85.3億円 |
| FY2018/3 | 326億円 | -305億円 | -81.9億円 | 21.3億円 |
| FY2019/3 | 344億円 | -300億円 | -69.8億円 | 43.4億円 |
| FY2020/3 | 655億円 | -270億円 | -54.0億円 | 385億円 |
| FY2021/3 | 279億円 | -194億円 | -55.1億円 | 84.9億円 |
| FY2022/3 | 322億円 | -437億円 | -62.2億円 | -115億円 |
| FY2023/3 | 544億円 | -491億円 | 32.5億円 | 53.2億円 |
| FY2024/3 | 552億円 | -573億円 | 85.3億円 | -21.5億円 |
| FY2025/3 | 525億円 | -554億円 | 77.2億円 | -29.8億円 |
営業CFはFY2023/5以降500億円台で安定しており、本業の稼ぐ力は着実に強化されています。投資CFは新規出店や物流センター建設に伴い500億円超の水準が続いており、積極的な成長投資が続いています。FCFが直近2期マイナスとなっているのは新規出店ペースの加速によるもので、財務CFでの借入れで対応しています。出店投資が一巡すれば正常化が見込まれます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 207億円 | 82.6億円 | 39.9% |
| FY2017/3 | 246億円 | 63.8億円 | 25.9% |
| FY2018/3 | 253億円 | 76.2億円 | 30.2% |
| FY2019/3 | 273億円 | 81.1億円 | 29.7% |
| FY2020/3 | 316億円 | 101億円 | 32.1% |
| FY2021/3 | 358億円 | 86.8億円 | 24.2% |
| FY2022/3 | 329億円 | 97.1億円 | 29.5% |
| FY2023/3 | 331億円 | 92.9億円 | 28.1% |
| FY2024/3 | 343億円 | 98.5億円 | 28.7% |
| FY2025/3 | 432億円 | 122億円 | 28.2% |
実効税率は概ね24〜30%の範囲で安定的に推移しています。5年間の累計法人税等は約497億円にのぼり、九州を中心とした地域経済への税負担を通じた社会貢献も大きい企業です。FY2026/5予想では23.5%とやや低下見込みですが、これは税効果会計の影響によるものです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2025/5 | 489万円 | 5,709人 | - |
平均年収は489万円で、ドラッグストア業界では標準的な水準です。平均年齢31.7歳・平均勤続年数7.1年と若い組織構成が特徴で、急速な出店拡大に伴う若手人材の積極採用が反映されています。正社員5,709名に加え、臨時従業員が16,167名と店舗運営を支えています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主はコスモス薬品従業員持株会氏・公益財団法人余慶会。
株主構成は創業家の資産管理会社である有限会社萬緑が38.65%を保有する筆頭株主で、SMBC信託銀行を通じた管理信託3口座(合計約8.2%)も創業家関連と考えられます。安定株主比率は66.4%と非常に高く、敵対的買収リスクは極めて低い構造です。機関投資家として日本マスタートラスト信託銀行(8.68%)と日本カストディ銀行(5.77%)が名を連ね、従業員持株会(1.8%)の存在も経営の安定基盤を支えています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| ドラッグストア・調剤事業 | 約1兆113億円 | 約404億円 | 4.0% |
コスモス薬品は単一セグメント(ドラッグストア・調剤事業)で構成されています。役員報酬は取締役3名で9,300万円(1人当たり約3,100万円)と、売上高1兆円超の企業としては極めて低水準であり、コスト意識の高さが経営全体に浸透していることがうかがえます。事業リスクとしては業界再編に伴う競争激化と、食品比率の高さに起因する利益率への影響が主な懸念事項です。
この会社のガバナンスは?
取締役6名中女性2名(女性役員比率33.3%)と、プライム市場の要請する多様性基準を満たしています。連結子会社は2社と少なく、シンプルなグループ体制で効率的な経営を実現。臨時従業員16,167名を含む大規模な人員が約1,500店の店舗運営を支えています。監査報酬3,500万円はコスト管理が徹底された水準です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1兆370億円 | — | 1兆113億円 | -2.5% |
| FY2024 | 9,160億円 | — | 9,649億円 | +5.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 316億円 | — | 404億円 | +27.8% |
| FY2024 | 302億円 | — | 315億円 | +4.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
コスモス薬品は明確な数値目標を掲げた中期経営計画を公表しない方針を取っていますが、「総資産経常利益率の維持・向上」を一貫した経営目標としています。直近2期の業績予想は営業利益ベースで大幅に上振れ着地しており、保守的な見通しを上回る実行力が評価されます。年間80〜100店の出店ペースを維持しながら、利益率の改善も同時に実現している点は高く評価できます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年間のTSR(株主総利回り)は117.5%で、TOPIXの201.9%を大幅に下回っています。FY2022〜FY2024にかけてはTSRが80〜87%台と低迷しましたが、FY2025に117.5%まで回復。業績は着実に成長しているものの、食品比率が高く利益率が低いことや、ドラッグストア業界の競争激化が株価の重しとなっています。業績対比での株価の割安感が解消されれば、TSR改善の余地があります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 98.9万円 | -1.1万円 | -1.1% |
| FY2022 | 79.8万円 | -20.2万円 | -20.2% |
| FY2023 | 87.3万円 | -12.7万円 | -12.7% |
| FY2024 | 84.4万円 | -15.6万円 | -15.6% |
| FY2025 | 117.5万円 | +17.5万円 | 17.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは17.0倍とドラッグストア業界平均を下回り、利益水準に対して割安感があります。PBRは2.04倍と業界平均をやや上回っており、資産効率の高さが評価されています。信用倍率は3.53倍と買い長の状況で、株価反発への期待が見て取れます。時価総額は5,305億円で業界上位に位置し、機関投資家からの注目度も高い銘柄です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/5通期決算で売上高1兆113億円・営業利益404億円を達成し、売上高1兆円の大台を突破。
11月度の既存店売上高が前年同月比6.5%増と好調。食品・日用品カテゴリが成長を牽引。
FY2026/5の2Q累計は売上高5,371億円(前年同期比6.2%増)・営業利益206億円(同1.6%増)で増収増益を達成。
最新ニュース
コスモス薬品 まとめ
ひとめ診断
九州発・食品強化型EDLP戦略で売上高1兆円を突破した郊外型ドラッグストアの雄
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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