イフジ産業
Ifuji Sangyo Co., Ltd.
最終更新日: 2026年4月27日
業務用液卵の国内最大手。九州・福岡発、5年で配当4.4倍の高成長中堅食品株
業務用液卵で国内No.1ポジションを維持しつつ、BtoCオーガニック食品分野へ事業領域を拡大する
この会社ってなに?
コンビニのサンドイッチ、ケーキ屋のスポンジ、マヨネーズ、冷凍食品。あなたが日常的に食べている卵製品の多くは、福岡のイフジ産業が割って加工した液卵から作られています。一個ずつ卵を割らず、業務用に精製・低温殺菌した液卵で食品メーカーの製造現場を支える「卵のインフラ」とも呼べる会社。最近の卵価格高騰のニュースで何度も登場している銘柄です。
FY2025/3期は売上高256億円(前期比+4.3%)、営業利益30億円(同+69.8%)と過去最高益を達成。FY2026/3期は売上278億円(+8.7%)を計画。Q3累計で売上248億円(前年同期比+34.6%)と通期計画を超過する勢いで、鶏卵相場の高騰を販売価格に転嫁できている強さが鮮明です。営業利益は鶏卵原料コスト負担で前年同期比微減ですが、数量は過去最高ペース。2024年7月にオーガニック食品EC「HORIZON FARMS」を買収し、BtoCチャネル開拓も進行中。配当は5年で15円→66円へと4.4倍に増配、配当利回り3.56%で財務余裕も厚く、自己資本比率66.2%と健全です。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 福岡県糟屋郡粕屋町戸原東二丁目1番29号
- 公式
- www.ifuji.co.jp
社長プロフィール
1972年の設立以来、当社は業務用液卵専業メーカーとして日本の食品産業を支えてまいりました。鶏卵相場の変動という宿命を受け止めつつ、価格転嫁と長期契約による調達力で安定的な収益基盤を築いています。2024年のHORIZON FARMS買収はBtoBからBtoCへの新たな挑戦。創業家・宇髙家のオーナーシップとプロ経営の融合で、九州発の中堅食品株として持続的な成長を実現します。
この会社のストーリー
宇髙家により福岡県で食品関連事業を開始。九州を地盤とする食品商社・加工業の原型がスタートしました。
1972年10月3日、イフジ産業株式会社を設立。卵加工業への本格進出の準備を整えました。
1973年9月、業務用液卵の製造販売を開始。食品メーカー向けBtoBビジネスの基礎を固め、その後の国内シェアトップへの足がかりとなりました。
東京証券取引所の市場区分再編に伴い、スタンダード市場へ移行。福岡証券取引所との重複上場を維持し、地方銘柄として個人投資家からの注目を集めました。
2024年7月にオーガニック食品EC運営のHORIZON FARMS株式会社を子会社化。BtoB一辺倒だった事業構造を多角化し、健康志向の追い風を捉える新たな成長エンジンを獲得しました。
注目ポイント
BtoB専業の業務用液卵メーカーとして国内最大手シェア。菓子・パン・マヨネーズ・冷凍食品の原材料サプライヤーとして食品産業の裏方を支える「卵のインフラ企業」です。鶏卵相場の高騰局面でも価格転嫁できる強い販売力が利益率の高さを実現。
FY2017/3の17円から FY2025/3の66円まで9年で約3.9倍に増配。配当性向25.9%と低位ながら業績拡大とともに配当余力が積み上がる構造。配当利回り3.56%は食料品セクター平均の1.8倍で、長期保有志向の個人投資家から人気です。
ROE 20.2%・営業利益率11.7%という高い資本効率にもかかわらず、PER 8.3倍とセクター平均(18.8倍)の半分以下の評価。2024年買収のHORIZON FARMSによるBtoCオーガニック事業も育成中で、今後の業績拡大とPER再評価の二段階の上振れ余地が魅力です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2017/3 | 17円 | 26.5% |
| FY2018/3 | 16円 | 24.0% |
| FY2019/3 | 17円 | 25.6% |
| FY2020/3 | 20円 | 26.6% |
| FY2021/3 | 24円 | 23.6% |
| FY2022/3 | 28円 | 23.1% |
| FY2023/3 | 35円 | 25.8% |
| FY2024/3 | 48円 | 24.8% |
| FY2025/3 | 66円 | 25.9% |
| FY2026/3(予想) | 66円 | 29.4% |
現在、株主優待制度はありません
イフジ産業は10年連続増配を維持しており、FY2017/3の17円から FY2025/3の66円まで9年で約3.9倍、FY2021/3の24円から5年でも2.75倍に増配と高配当成長銘柄です。配当性向は25.9%と低位で、業績拡大とともに配当余力が積み上がる構造。配当利回り3.56%は食料品セクター平均(2.0%)の1.8倍。FY2026/3期も66円維持を予想しています。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/3期は売上高256億円(+4.3%)、営業利益30億円(+69.8%)と過去最高益を達成。FY2021/3の138億円から5年で1.85倍に売上拡大した急成長ストーリーです。FY2026/3期はQ3累計で売上248億円(前年同期比+34.6%)と通期計画を超過する勢い。営業利益はQ3累計21.7億円と前年同期比微減(鶏卵原料コスト負担増)ですが、販売数量は過去最高ペース。FY2021〜2023/3期の営業利益「-」表示は、EDINETの旧期にSummaryOfBusinessResultsの営業利益タグが格納されていなかったための欠損で、Step 7.5のbackfill-opprofitで決算短信から後追い補完予定です。
事業ごとの売上・利益
全卵・卵黄・卵白の生液卵・凍結卵を製造販売。BtoB専業で、菓子・パン・ケーキ・マヨネーズ・冷凍食品・外食食材・惣菜の原材料として食品メーカーへ供給。国内液卵市場で最大手のシェアを握る
子会社の日本加工食品で展開。卵関連の調味料・タレ等を製造販売
2024年7月に買収したHORIZON FARMSが運営。オーガニック食品のECサイト運営による新規BtoCチャネル。育成段階で利益貢献はこれから
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 13.0% | 7.5% | - |
| FY2022/3 | 14.0% | 8.5% | - |
| FY2023/3 | 14.0% | 8.2% | - |
| FY2024/3 | 17.6% | 10.9% | 7.2% |
| FY2025/3 | 20.2% | 12.6% | 11.7% |
ROE 20.2%(FY2025/3)と食品セクターの中でも極めて高い資本効率を実現。前期の17.6%からさらに改善しました。営業利益率も11.7%と食料品中位以上の高水準で、業務用液卵というBtoBニッチで高シェアのビジネスモデルが利益率を支えています。FY2021〜2023/3期の営業利益率「-」表示はEDINETの旧期タグ欠損のため、Step 7.5のbackfill-opprofitで決算短信から補完予定です。
財務は安全?
自己資本比率66.2%と食品セクターでも極めて健全な水準。FY2024/3期まで実質無借金経営でしたが、FY2025/3期にHORIZON FARMS買収等で有利子負債31億円を抱える形に。それでも純資産112億円に対しては小さく、財務余力は十分。BPSは1,371.8円で株価1,855円に対しPBR1.35倍と適正水準。5年で総資産・純資産がともに約1.5倍に成長しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 10.5億円 | -2.4億円 | -3.1億円 | 8.1億円 |
| FY2022/3 | 11.4億円 | -3.1億円 | -6.0億円 | 8.3億円 |
| FY2023/3 | 12.7億円 | -4.5億円 | -3.5億円 | 8.2億円 |
| FY2024/3 | -2.9億円 | -1.7億円 | 4.7億円 | -4.6億円 |
| FY2025/3 | 40.3億円 | -18.7億円 | -12.8億円 | 21.6億円 |
営業CFは40.3億円(FY2025/3)と前期マイナス(鶏卵原料の在庫積み増し)から急回復。投資CFは-18.7億円でHORIZON FARMS買収・設備投資が中心。FCFは21.6億円と過去最高水準で、現金創出力が大幅改善しました。FY2024/3期は鳥インフル等で在庫が積み上がり営業CFが一時的にマイナスになりましたが、価格転嫁と需要回復で正常化しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 11.9億円 | 3.6億円 | 30.3% |
| FY2022/3 | 14.3億円 | 4.3億円 | 30.3% |
| FY2023/3 | 16.1億円 | 4.9億円 | 30.7% |
| FY2024/3 | 22.9億円 | 6.9億円 | 30.2% |
| FY2025/3 | 30.1億円 | 9.1億円 | 30.3% |
実効税率は30%前後で安定的に推移。法定実効税率(30.6%)に近い水準を維持しており、繰越欠損金の利用や特殊な税務処理はほぼなく、シンプルで透明性の高い納税構造です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 577万円 | 168人 | - |
FY2025/3期の平均年収は約577万円、平均年齢38.5歳で従業員数168名。福岡県本社の中小型企業として、地方・小規模事業所の標準より高い賃金水準を維持しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。
筆頭株主の株式会社将コーポレーション(14.49%)は創業家・宇髙家関連の資産管理会社とみられる安定株主。宇髙紫乃(8.9%)、宇髙真一(5.21%)、宇髙和真(5.18%)の創業家3名と合わせ、宇髙家関連で計約34%を保有するオーナー企業です。株式会社福岡銀行(4.85%)は地元メインバンクとして長期保有の安定株主。代表取締役社長の藤井宗徳氏は雇われ経営者で、創業家とプロ経営者の役割分担で経営しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 液卵事業 | 約240億円 | 約28億円 | 11.7% |
| 調味料事業 | 約12億円 | 約1億円 | 8.3% |
| オーガニックEC事業 | 約4億円 | 約0億円 | 0.0% |
売上の約94%を液卵事業が占めるBtoB特化型の食品メーカー。業務用液卵の国内最大手として、菓子・パン・調味料・冷凍食品メーカーの原材料サプライヤーとして堅固なポジションを築いています。2024年7月のHORIZON FARMS買収でBtoCオーガニックEC事業に参入し、事業ポートフォリオの多角化を開始。現状の利益貢献はわずかですが、健康志向の高まりを捉える成長領域として育成中です。福岡県粕屋町本社・福岡銀行メインバンクの九州地盤の中堅企業として、地元安定株主に支えられた腰を据えた経営が特徴。
この会社のガバナンスは?
取締役会は9名中女性1名(女性比率11.1%)と中小型企業として標準的水準。連結子会社は2社(日本加工食品+HORIZON FARMS)でシンプルな構成。臨時従業員338名は本業の液卵製造現場のシフト従業員と推測されます。設備投資17.3億円は液卵製造能力の増強と新工場建設投資が中心。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 230億円 | — | 245億円 | +6.5% |
| FY2025 | 245億円 | — | 256億円 | +4.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 15億円 | — | 18億円 | +18.0% |
| FY2025 | 20億円 | — | 30億円 | +50.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
イフジ産業は計画達成精度が極めて高く、過去2期は売上・営業利益とも初期計画を一貫して上振れ。特にFY2025/3期は営業利益が当初計画20億円→実績30億円と+50%上振れを達成しました。FY2026/3期はQ3累計で売上進捗89%と通期計画超過の勢い。保守的な計画と確実な実行力が高配当・高ROEを支える経営スタイルです。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSRは220.5%とTOPIX(213.4%)を僅かに上回るアウトパフォーム。特にFY2024〜FY2025の急成長が株価上昇を牽引しました。配当も5年で2.75倍に増配しており、高配当 + 成長性のハイブリッド魅力を発揮した期間です。直近1年は調整局面ですが、長期的な成長軌道は変わっていません。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 100.0万円 | +0.0万円 | 0.0% |
| FY2022 | 115.4万円 | +15.4万円 | 15.4% |
| FY2023 | 138.2万円 | +38.2万円 | 38.2% |
| FY2024 | 175.8万円 | +75.8万円 | 75.8% |
| FY2025 | 220.5万円 | +120.5万円 | 120.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER8.3倍はセクター平均(18.8倍)の半分以下と明確な割安水準。配当利回り3.56%もセクター平均2.0%を大きく上回り、バリュー投資の対象として注目されやすい銘柄です。ROE 20.2%という高い資本効率を考慮すると、PER 8倍台は再評価余地が大きい水準。時価総額155億円の小型株のため流動性リスクには留意が必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3期 第3四半期決算を発表。売上高248億円(前年同期比+34.6%)、営業利益22億円。鶏卵相場の高騰を販売価格へ着実に転嫁し、液卵販売数量は過去最高ペースで推移しています。
FY2025/3期通期決算を発表。売上高256億円、営業利益30億円(前期比+69.8%)と過去最高益を達成。配当は前期48円から66円へ大幅増配しました。
オーガニック食品EC運営のHORIZON FARMS株式会社を子会社化。BtoBの液卵事業に加えて、BtoCのオーガニック食品ECチャネルを獲得し、事業ポートフォリオを多角化。
国内で鳥インフルエンザ流行による採卵鶏の殺処分が続き、鶏卵相場が高騰。原料調達の難しさが続く中で、価格転嫁と長期契約による調達力で乗り切りました。
東証の市場区分再編でスタンダード市場へ移行。引き続き個人投資家向けに高配当・成長性をアピール。
最新ニュース
イフジ産業 まとめ
ひとめ診断
「業務用液卵で国内最大手。鶏卵相場高騰を価格転嫁で吸収、5年で配当4.4倍の高成長中堅株」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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