大森屋
OHMORIYA Co.,LTD.
最終更新日: 2026年4月9日
海苔ひとすじ99年。日本の食卓を支え続ける老舗の底力
海苔を核とした食品総合メーカーとして、日本の食文化の発展に貢献する
この会社ってなに?
朝食やお弁当に欠かせない味付海苔。コンビニのおにぎりに巻かれている海苔。おかずが足りないときにサッとかけるふりかけ。大森屋はこうした「日本の食卓の定番」を支える老舗メーカーです。スーパーの海苔売場で「大森屋」のロゴを見かけたことがある方も多いはず。「バリバリ職人」シリーズはおやつ感覚で楽しめる味付のりとして人気を集めています。毎日の食事で何気なく手に取る商品の裏側にある、この会社の存在に気づくかもしれません。
1927年創業の海苔専業メーカーで、味付海苔・焼海苔・ふりかけなど加工のり製品を中心に展開する東証スタンダード上場企業です。三菱商事・伊藤忠商事を通じた全国販売網が強みで、業務用海苔が売上の約45%を占めます。FY2025/9期は原材料高騰と販管費増により営業損失66百万円と赤字に転落しましたが、FY2026/9期は売上180億円・営業利益371百万円と黒字回復を見込んでいます。PBR 0.39倍・自己資本比率48.9%と資産面の割安感が際立つ一方、創業家・稲野家が経営する安定したオーナー企業です。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 9月
- 本社
- 大阪府大阪市此花区西九条1丁目1番60号
- 公式
- ohmoriya-inc.co.jp
社長プロフィール
大森屋は1927年の創業以来、海苔を中心とした食品事業を通じて日本の食文化に貢献してまいりました。原材料環境の厳しさに直面しておりますが、業務用・家庭用の両チャネルにおけるブランド力と全国販売網を強みに、新たな商品開発と販路拡大に挑戦してまいります。お客様の食卓に安心とおいしさをお届けし続けることが、私たちの使命です。
この会社のストーリー
昭和2年、大阪で海苔の専門商として創業。国産海苔の加工・販売を開始し、品質にこだわった商品づくりの原点を築きました。
法人化し株式会社大森屋を設立。戦後の食料品需要の拡大に合わせ、製造体制の近代化を推進しました。
JASDAQ市場に上場を果たし、加工のり業界で唯一の上場企業となりました。資金調達と知名度向上により事業基盤を強化。
海苔以外の食品事業を強化し、ふりかけ・お茶漬けなどラインナップを拡充。「バリバリ職人」シリーズが人気商品に成長。
事業ポートフォリオを見直し、収益性の改善に取り組みました。売上は減少したものの営業利益率は過去最高水準を記録。
海苔原料の高騰と販管費の増加によりFY2025/9期は赤字に転落。しかしFY2026/9期Q1は大幅増益で黒字回復への軌道に乗りつつあります。
注目ポイント
海苔加工業界で唯一の上場企業であり、三菱商事・伊藤忠商事を通じた全国流通網は他社には容易に構築できない参入障壁です。
BPS 2,314円に対し株価907円と、純資産の約4割でしか評価されていません。もし会社を解散しても理論的には2.5倍以上の価値がある計算です。
1927年創業の老舗で、稲野家が経営する安定したオーナー企業。長期的な視点での経営判断が可能であり、短期的な株価変動に左右されない堅実な経営が特徴です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2019/9 | 15円 | 32.8% |
| FY2020/9 | 15円 | 41.4% |
| FY2021/9 | 15円 | 22.9% |
| FY2022/9 | 20円 | 14.8% |
| FY2023/9 | 15円 | 30.9% |
| FY2024/9 | 15円 | 41.9% |
| FY2025/9 | 10円 | - |
| FY2026/9(予想) | 0円 | 未定 |
| 必要株数 | 1000株以上(約90万円) |
| 金額相当 | 約6,000円相当 |
| 権利確定月 | 9月 |
長年にわたり年間配当15円を安定的に維持してきましたが、FY2025/9期は赤字転落に伴い10円に減配しました。FY2026/9期の配当は現時点で未定です。FY2022/9期は特別利益により記念配当的に20円へ増配した実績があります。株主優待は9月末に1,000株以上の保有で自社製品6,000円相当が贈呈され、優待込みの実質利回りは約1.8%です。最低投資額が約90万円と高めですが、優待品は人気があります。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/9期は売上高165億円と微増ながら、海苔原料の高騰や販管費の増加が重なり営業損失66百万円と赤字に転落しました。FY2022/9期に売上が約21%減少しているのは事業構造の見直しによるもので、営業利益率はむしろ改善しています。FY2026/9期は売上180億円・営業利益371百万円と黒字回復を見込んでおり、Q1実績も好調です。長期的には売上150〜180億円のレンジで推移する安定型の収益構造です。
事業ごとの売上・利益
外食チェーンやコンビニ、スーパーの惣菜向けに加工海苔を供給。売上の約45%を占める主力事業
味付海苔・焼海苔を全国のスーパー・量販店で販売。三菱商事・伊藤忠商事を通じた流通が主力
ふりかけ・お茶漬けなど海苔関連製品。バリバリ職人シリーズがヒット商品
贈答用の海苔・食品詰合せ。歳暮・中元シーズンに需要集中
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2019/9 | 2.2% | 1.8% | 2.0% |
| FY2020/9 | 1.7% | 1.4% | 1.9% |
| FY2021/9 | 3.1% | 2.4% | 2.6% |
| FY2022/9 | 6.0% | 4.6% | 3.9% |
| FY2023/9 | 2.1% | 1.6% | 2.6% |
| FY2024/9 | 1.5% | 1.1% | 1.6% |
| FY2025/9 | -0.6% | -0.3% | -0.4% |
営業利益率は1〜4%のレンジで推移しており、食品業界の中でも薄利型の収益構造です。FY2022/9期はROE 6.0%と突出していますが、これは特別利益の計上によるもの。FY2025/9期は原材料高騰により赤字に転落しました。海苔原料の仕入価格に業績が大きく左右される構造であり、価格転嫁力の向上が今後の収益性改善の鍵となります。
財務は安全?
FY2024/9期まで自己資本比率74〜80%の超健全な財務体質を維持していましたが、FY2025/9期に総資産が235億円へ急増し自己資本比率は48.9%に低下しました。財務キャッシュフローが+71億円と大幅にプラスとなっており、大型の資金調達を実施したと考えられます。BPS 2,314円に対し株価907円でPBR 0.39倍と大幅な純資産割れが続いています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2019/9 | -4.5億円 | -5.4億円 | -1.4億円 | -9.9億円 |
| FY2020/9 | -3.9億円 | -2.4億円 | -1.5億円 | -6.3億円 |
| FY2021/9 | 14.0億円 | -6.0億円 | 2.1億円 | 8.0億円 |
| FY2022/9 | 11.5億円 | 4.0億円 | -1.9億円 | 15.6億円 |
| FY2023/9 | -7.6億円 | -1.9億円 | -2.1億円 | -9.5億円 |
| FY2024/9 | -17.0億円 | -2.6億円 | 10.4億円 | -19.7億円 |
| FY2025/9 | -50.1億円 | -18.7億円 | 71.7億円 | -68.8億円 |
営業キャッシュフローは年度により大きく変動しており、海苔原料の仕入れサイクルが影響しています。FY2025/9期は営業CF▲50億円・投資CF▲18億円と大幅な資金流出となった一方、財務CFが+71億円と大型の資金調達で補填しています。総資産の急増(約80億円)と合わせ、大規模な在庫積み増しや設備投資が行われたと推測されます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2019/9 | 3.7億円 | 1.4億円 | 37.3% |
| FY2020/9 | 3.5億円 | 1.7億円 | 47.9% |
| FY2021/9 | 4.8億円 | 1.5億円 | 31.6% |
| FY2022/9 | 5.8億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/9 | 3.9億円 | 1.5億円 | 37.6% |
| FY2024/9 | 2.7億円 | 9,400万円 | 34.4% |
| FY2025/9 | -9,800万円 | 0円 | - |
実効税率は概ね30〜40%台で推移しています。FY2022/9期の税額ゼロは繰延税金資産の計上による影響と考えられます。FY2025/9期は税引前損失のため課税なし。FY2026/9期は黒字回復に伴い、税引前利益371百万円に対し約175百万円の法人税等を見込んでいます。
誰がこの会社の株を持ってる?
大森屋共栄持株会(8.95%)と創業家・稲野家一族(達郎6.21%、貴之、節子、惠子など合計約20%超)が安定株主の中核。メインバンクの三菱UFJ銀行・三井住友銀行も保有。
株主構成は、創業家の稲野家一族が合計約20%超を保有する典型的なオーナー企業です。筆頭株主の大森屋共栄持株会(8.95%)は取引先持株会で安定的。代表取締役社長の稲野達郎氏が6.21%を保有し、経営と資本が一体となった構造です。メインバンクの三菱UFJ銀行・三井住友銀行も各約2.8%を保有しています。
会社の公式開示情報
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 業務用海苔 | 約74億円 | - | - |
| 家庭用海苔 | 約63億円 | - | - |
| ふりかけ等 | 約21億円 | - | - |
| 進物品 | 約5億円 | - | - |
加工のり唯一の上場企業として、業務用海苔(約45%)と家庭用海苔(約38%)が事業の柱です。三菱商事・伊藤忠商事を通じた全国流通網が最大の強み。セグメント別の利益開示はありませんが、業務用は安定的な取引先が多く、家庭用はブランド力で差別化しています。ふりかけ事業の「バリバリ職人」シリーズは食品産業技術功労賞を受賞するなど、海苔以外の製品開発にも注力しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSRは93.7%とマイナスリターンであり、同期間のTOPIX(168.5%)に対して大幅にアンダーパフォームしています。株価が長期にわたり900〜1,000円のレンジで膠着しているため、日本株全体の上昇相場の恩恵をほとんど享受できていません。ただし配当・優待を含めた実質的なリターンはやや改善します。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 101.5万円 | +1.5万円 | 1.5% |
| FY2022 | 95.0万円 | -5.0万円 | -5.0% |
| FY2023 | 98.5万円 | -1.5万円 | -1.5% |
| FY2024 | 100.0万円 | +0.0万円 | 0.0% |
| FY2025 | 93.7万円 | -6.3万円 | -6.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBR 0.39倍は食料品セクター平均(1.96倍)を大幅に下回る水準であり、純資産の約4割でしか評価されていません。PER 23.0倍はやや割高に見えますが、これはFY2025/9期が赤字でFY2026/9期予想ベースの計算のため。時価総額46億円と小型株であり流動性は低く、信用売りもほぼ存在しません。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/9期第1四半期決算を発表。純利益が前年同期比2.0倍、経常利益208百万円と大幅増益で、黒字回復への軌道が鮮明になった。
FY2025/9期の通期決算を発表。営業損失66百万円、最終損失73百万円と赤字転落。原材料高騰と販管費増が利益を圧迫した。
FY2025/9期の年間配当を15円から10円に減配。業績悪化に伴い株主還元の見直しを余儀なくされた。
FY2025/9期第3四半期累計の決算を発表。営業損失67百万円と苦戦が続き、通期の赤字転落が濃厚となった。
FY2024/9期の通期決算を発表。売上高163億円(前期比+14.5%)、営業利益269百万円と増収増益。ただしFY2025/9期の業績予想は非開示。
最新ニュース
大森屋 まとめ
ひとめ診断
「加工のり唯一の上場企業。海苔・ふりかけで食卓を支える老舗メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「食料品」に分類される他の企業
東洋水産グループの食品製造子会社。だし・調味料・チルド麺を支える“黒子の食品メーカー”
畜産・水産飼料の老舗メーカー。日本の食を支える飼料業界のプライム企業
柿の種でおなじみ、米菓国内シェアNo.1。海外展開とライスイノベーションで成長を目指すプライム企業
ポッキーやアイスで国民に愛される菓子メーカーが、健康志向とグローバル展開で次の成長を描く
国産コンビーフ発祥の老舗が挑む、業務用冷凍食品で全国の食卓を支える山形の食品メーカー
焼肉のたれでシェア首位。創業家3代目が率いる老舗調味料メーカー
焼肉のたれ・鍋スープ・塩コショウで食卓を支える、福岡発の調味料メーカー
ビール大手が食・医・ヘルスサイエンスの三本柱で世界のCSV先進企業へ