エバラ食品工業
EBARA Foods Industry,Inc.
最終更新日: 2026年4月8日
「焼肉のたれ」から食卓の未来へ。創業家3代目が挑む、おいしさの再起動
おいしさ、たのしさ、あたらしさで食カテゴリーを創造する企業
この会社ってなに?
夏の焼肉で使う「黄金の味」、冬の鍋に入れる「プチッと鍋」、忙しい日のすき焼きに「すき焼のたれ」。あなたのキッチンにあるエバラの調味料は、実はこの会社の商品です。コンビニのサラダについているドレッシング、居酒屋の焼肉のたれにもエバラ製品が使われていることがあります。「食卓の定番」を支える、知名度抜群の身近な企業です。
FY2025/3期は売上高479億円(前期比+6.1%)と3期連続増収を達成し、営業利益は20億円を計上しました。主力の「黄金の味」をはじめとする焼肉のたれでトップシェアを誇り、「プチッと鍋」「プチッと中華」など個食・簡便調理のニーズに応える商品群を拡充しています。新中期経営計画「Ebara Reboot 2026」では海外売上高比率5%以上、EBITDA40億円を目標に掲げ、東南アジア市場の開拓と製造体制の変革を推進中です。PBR 0.74倍と純資産割れの状態が続く一方、創業家による安定経営と堅実な財務基盤が特徴の銘柄です。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 神奈川県横浜市西区みなとみらい4-4-5 横浜アイマークプレイス14階
- 公式
- www.ebarafoods.com
社長プロフィール

エバラ食品グループは「こころ、はずむ、おいしさ。」の企業理念のもと、食を通じて人々の笑顔と健康に貢献してまいります。祖父が創業したこの会社を預かる者として、変化を恐れず挑戦し続けることが私の使命です。新中期経営計画「Ebara Reboot 2026」では、独自性のある商品・サービスで食カテゴリーを創造し、海外展開や新規事業にも積極的に取り組んでまいります。
この会社のストーリー
創業者・森村國夫が東京都品川区で荏原食品株式会社を設立。「焼肉のたれ」の市場創造に挑みました。
日本初の家庭用焼肉のたれを発売。家庭での焼肉文化を広め、一大市場を切り拓きました。
フルーツベースの焼肉のたれ「黄金の味」を発売。圧倒的な人気を獲得し、焼肉のたれ市場でトップシェアを確立しました。
JASDAQ市場に株式上場(公募価格1,500円)。資本市場からの資金調達で成長基盤を強化しました。
東南アジア市場の開拓に向け、マレーシアの食品企業と資本業務提携を締結。海外展開の足がかりを築きました。
創業者の孫にあたる森村剛士が40歳で代表取締役社長に就任。コロナ禍の逆境の中で若きリーダーが経営を引き継ぎました。
長期ビジョン「食カテゴリーを創造する企業」と新中計を発表。栃木新工場の稼働開始で生産体制を強化し、海外展開と新価値創造に本格着手しました。
注目ポイント
「黄金の味」を筆頭に焼肉のたれ市場で長年首位を維持。「プチッと鍋」「浅漬けの素」など日本の食卓に欠かせないブランドを多数保有しています。
自己資本比率68.5%、実質無借金の健全な財務体質。創業家・森村家が35%超を保有し、短期的な市場圧力に左右されない長期視点の経営を実現しています。
「Ebara Reboot 2026」のもと、東南アジアでのハラル対応商品展開や「プチッと中華」など個食・簡便調理の新カテゴリーを創造。成長の種を次々と蒔いています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 27円 | 27.3% |
| FY2017/3 | 28円 | 24.7% |
| FY2018/3 | 29円 | 25.7% |
| FY2019/3 | 35円 | 22.1% |
| FY2020/3 | 36円 | 25.3% |
| FY2021/3 | 42円 | 17.0% |
| FY2022/3 | 40円 | 14.7% |
| FY2023/3 | 40円 | 18.0% |
| FY2024/3 | 40円 | 21.8% |
| FY2025/3 | 45円 | 31.4% |
自社製品詰合せ(100株以上:1,000円相当、300株以上:2,000円相当、1,000株以上:5,000円相当)
FY2025/3期は1株45円と5円増配を実施し、3期連続の増配となりました。新中期経営計画「Ebara Reboot 2026」では総還元性向50%以上を目標に掲げ、安定的な株主還元を明確にコミットしています。FY2026/3期は1株47円への増配を予想(会社計画)。配当利回りは1.73%と高くはありませんが、配当性向の引き上げ余地は大きく、中長期的な増配が期待されます。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/3期は売上高479億円(前期比+6.1%)と3期連続で増収を達成。主力の焼肉のたれ・鍋つゆが堅調に推移しました。一方、営業利益は20億円(前期比-15.4%)と減益に。栃木新工場への設備投資負担や原材料費の上昇が利益を圧迫しました。FY2026/3期は当初控えめな予想でしたが、2025年11月と2026年2月に相次いで上方修正し、経常利益は前期比18%増を見込んでいます。なお、FY2021-2023/3期は会計基準の違いにより営業利益の開示がありません。
事業ごとの売上・利益
焼肉のたれ「黄金の味」、プチッと鍋、すき焼のたれ、浅漬けの素など主力商品を展開
外食・中食向けのたれ・ソース類、ドレッシング等を供給
マレーシア・中国を中心に東南アジアでの販路拡大を推進中
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 9.5% | 6.2% | - |
| FY2022/3 | 9.6% | 6.5% | - |
| FY2023/3 | 7.3% | 5.0% | - |
| FY2024/3 | 5.7% | 3.8% | 5.3% |
| FY2025/3 | 4.2% | 3.0% | 4.2% |
ROEはFY2021/3期の9.5%から直近FY2025/3期の4.2%へと低下傾向にあります。これは栃木新工場への大型設備投資や原材料費高騰の影響を受けたものです。営業利益率も5.3%→4.2%と低下していますが、食品業界としては標準的な水準を維持。FY2026/3期は通期上方修正が示すとおり、設備投資の一巡と価格改定効果により収益性の回復が見込まれます。
財務は安全?
自己資本比率は68.5%と非常に高い水準を維持しており、実質無借金経営に近い財務体質です。FY2024/3期に栃木新工場への設備投資で一時的に低下(65.8%)しましたが、FY2025/3期には68.5%へ回復。BPSは3,501円と株価2,598円を大きく上回っており、PBR 0.74倍の割安感を裏付けています。有利子負債はFY2025/3期にわずか5億円と極めて健全です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 47.4億円 | -8.7億円 | -12.3億円 | 38.6億円 |
| FY2022/3 | 33.3億円 | -14.3億円 | -16.9億円 | 18.9億円 |
| FY2023/3 | 28.1億円 | -13.2億円 | 2.6億円 | 14.9億円 |
| FY2024/3 | 7.7億円 | -36.4億円 | -4.7億円 | -28.8億円 |
| FY2025/3 | 45.3億円 | -33.4億円 | -6.5億円 | 11.9億円 |
FY2025/3期の営業CFは45億円へと大幅に回復(前期7.6億円)。FY2024/3期は栃木新工場への投資(設備投資約30.8億円)でFCFがマイナスに転落しましたが、投資一巡後は安定したキャッシュ創出力が戻っています。投資CFの-33億円は引き続き設備投資が主因ですが、本業のキャッシュ創出で十分にカバーできる水準です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 37.4億円 | 12.3億円 | 33.0% |
| FY2022/3 | 36.7億円 | 9.6億円 | 26.2% |
| FY2023/3 | 31.8億円 | 10.0億円 | 31.5% |
| FY2024/3 | 26.3億円 | 8.3億円 | 31.4% |
| FY2025/3 | 21.1億円 | 7.1億円 | 33.8% |
実効税率は概ね26〜34%の範囲で推移しており、法定実効税率に近い水準を維持しています。FY2022/3期の26.2%は税効果会計の影響で一時的に低下したもの。FY2025/3期は33.8%とやや高めですが、特別な要因はなく標準的な納税水準です。
誰がこの会社の株を持ってる?
筆頭株主KMST HOLDINGS(35.8%)は創業家・森村家の資産管理会社。従業員持株会(3.6%)も安定株主に含めて算出。創業家による安定した経営基盤が確保されています。
株主構成は創業家・森村家の資産管理会社であるKMST HOLDINGSが35.8%を保有し、圧倒的な筆頭株主として君臨しています。日本マスタートラスト信託銀行(5.5%)、横浜銀行(3.7%)、従業員持株会(3.6%)が続き、取引先の榎本武平商店(2.4%)や東洋製罐グループ(1.3%)も安定保有。創業家が経営と所有の両面で主導権を握る典型的なオーナー企業です。
会社の公式開示情報
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 食品事業(家庭用) | 約310億円 | 約18億円 | 約5.8% |
| 食品事業(業務用) | 約140億円 | 約5億円 | 約3.6% |
| 海外事業 | 約15億円 | 赤字 | - |
エバラ食品グループは家庭用食品事業を主力に、業務用食品と海外事業の3セグメントで構成されています。売上の約65%を占める家庭用事業では「黄金の味」「プチッと鍋」などの看板商品が安定した需要を維持。業務用は外食・中食産業向けに堅調ですが、海外事業は成長投資段階にあり、まだ赤字が続いています。中計では海外売上比率5%以上を目指し、マレーシアを拠点にハラル対応商品の展開も進めています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 466億円 | 480億円 | 479億円 | +2.9% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 15億円 | 20億円 | 20億円 | +33.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中期経営計画「Ebara Reboot 2026」は初年度(FY2025/3期)において売上高は計画を上回る479億円を達成し、好調なスタートを切りました。一方、EBITDA目標40億円に対して進捗は道半ばであり、海外売上高比率も目標5%に対して約3%と引き続き課題があります。FY2026/3期は3Q累計で業績が大幅改善しており、計画達成への期待が高まっています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は93.8%とマイナスリターンとなり、同期間のTOPIX(182.5%)に対して約89ポイントのアンダーパフォームです。食料品業界の構造的な低成長に加え、新工場投資による一時的な減益が株価の重荷となっています。ただし、PBR 0.74倍の割安水準と業績回復トレンドが見えてきており、中計達成と共に見直し買いが入る可能性があります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 100.0万円 | +0.0万円 | 0.0% |
| FY2022 | 96.2万円 | -3.8万円 | -3.8% |
| FY2023 | 115.7万円 | +15.7万円 | 15.7% |
| FY2024 | 103.4万円 | +3.4万円 | 3.4% |
| FY2025 | 93.8万円 | -6.2万円 | -6.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBR 0.74倍は食料品セクター平均(1.96倍)を大きく下回る水準で、BPS 3,501円に対して株価が大幅なディスカウント状態にあります。PERは36.3倍と高く見えますが、これはFY2025/3期の一時的な減益(設備投資負担)によるもの。信用倍率は0.19倍と売り残が買い残を大幅に上回る売り長の状態で、需給面では将来の買い戻し圧力が期待されます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3期3Q累計(4-12月)の連結経常利益が前年同期比13.6%増の32億円に伸長。通期業績予想を上方修正し、経常利益は一転18%増益見通しに。
FY2026/3期の通期業績予想を経常利益58%上方修正。家庭用・業務用ともに好調で、鍋つゆ商品の販売が季節需要を追い風に大きく伸長。
FY2025/3期の連結決算を発表。売上高479億円(+6.1%)、純利益13億円(-22.3%)と増収減益。新工場関連の設備投資負担が利益を圧迫。
FY2025/3期の配当を1株45円に増額(前期40円)。株主優待制度も一部変更し、300株以上の区分を新設するなど個人投資家への還元を強化。
長期ビジョン「おいしさ、たのしさ、あたらしさで食カテゴリーを創造する企業」と新中期経営計画「Ebara Reboot 2026」を発表。
最新ニュース
エバラ食品工業 まとめ
ひとめ診断
「焼肉のたれでシェア首位。創業家3代目が率いる老舗調味料メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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