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キリンホールディングス2503

Kirin Holdings Company,Limited

プライムUpdated 2026/08/04
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どんな会社?

事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ

ひとめ診断

業績
好調
営業益 前年比+67.3%(前期の一過性費用が剥落し、事業利益は3年連続で過去最高を更新)
配当
少なめ
1株 74円(DOE5%以上を目安とする累進配当で、FY2026は年76円へ増配予想)
安全性
普通
自己資本比率 36.8%(FY2025/12末時点)(有利子負債9,234億円に対し親会社所有者帰属持分比率36.8%を維持)
稼ぐ力
高い
ROE 12.0%(FY2025/12実績)(ROE12.0%(有報公式値)。前期5.0%からファンケル100%化と一過性損失の一巡で改善)
話題性
普通
ポジ 45%

この会社ってなに?

仕事終わりの「一番搾り」、週末の「氷結」、午後の「午後の紅茶」、体調が気になる日の「iMUSE」。全部が同じグループの商品です。さらに化粧品の「ファンケル」、豪州のサプリ「Blackmores」、病院で処方される協和キリンの希少疾患薬「クリースビータ」まで──ビール会社の裏側に売上2兆4,334億円・連結従業員3万1,144人が広がります。海外売上比率は47%、米国ではコカ・コーラのボトラーも運営。祖業のビールで磨いた「発酵・バイオ」が晩酌から医薬品までを一本につないでいる会社です。

ビール(一番搾り・氷結)、飲料(午後の紅茶・iMUSE)、医薬(協和キリン55.2%)、ヘルスサイエンス(ファンケル・Blackmores)を束ねる純粋持株会社です。2025/12期は売上収益2兆4,334億円(+4.1%)・事業利益2,518億円(+19.3%)で事業利益は3年連続の過去最高、前期に重かった一過性費用の反動で営業利益2,097億円(+67.3%)・親会社帰属当期利益1,475億円(+153.4%)・ROE12.0%と大きく回復しました。2026年2月13日に長期経営構想「Innovate2035!」を公表し、2028年目標にROIC8.0%以上・EPS3年CAGR一桁後半%を掲げています。同日に98,000,000株(発行済の10.7%)の消却と上限800億円の自己株式取得を決議。一方で協和キリンは2026年3月3日に大型候補薬ロカチンリマブの全臨床試験中止を決定しました。

食料品プライム市場

注目ポイント

利益率20.6%の医薬事業を抱えるビール会社

協和キリン(議決権55.2%)は希少疾患治療薬Crysvitaや抗体医薬Poteligeoをグローバル展開し、2025期は売上4,965億円・事業利益1,023億円と利益率20.6%。連結事業利益2,518億円の4割強を稼ぐ、ビール大手としては異質な収益基盤です。

第3の柱がようやく黒字化した転換点

ファンケルの100%化とBlackmores、プラズマ乳酸菌を束ねるヘルスサイエンス事業が、前期109億円の損失から111億円の黒字へ転換。2028年にはヘルスサイエンス・飲料でグループEPSの約25%を稼ぐ計画で、成長の踊り場を抜けつつあります。

累進配当+発行済株式の10.7%消却

DOE5%以上を目安とした累進配当で2026期は年76円へ増配予想。加えて2026年3月に自己株式98,000,000株(発行済の10.7%)を消却し、Four Roses売却資金を原資に上限800億円の追加取得も進行中です。

会社概要

業種
食料品
決算期
12月
本社
〒164-0001 東京都中野区中野四丁目10番2号 中野セントラルパークサウス
公式
www.kirinholdings.com

サービスの実績は?

2.43兆円
連結売上収益
2025/12期実績
前期比+4.1%
2,518億円
連結事業利益
2025/12期実績
3年連続で過去最高
12.0%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)
2025/12期実績・有報公式値
前期5.0%から改善
31,144
連結従業員数
2025年12月31日現在(単体は1,124名)
臨時従業員4,087名は外数
76
年間配当金(会社予想)
2026/12期予想
DOE5%以上を目安とした累進配当
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なぜ伸びるの?

売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く

事業ごとの売上・利益

酒類事業
1兆753億円44.8%)
飲料事業
5,782億円24.1%)
医薬事業
4,965億円20.7%)
ヘルスサイエンス事業
2,514億円10.5%)
酒類事業1兆753億円
利益: 1,354億円利益率: 12.6%

キリンビール・LION PTY LTD・New Belgium Brewing。一番搾り/氷結/本麒麟/晴れ風。10月発売の「キリングッドエール」が年間130万ケース突破。売上は0.6%減も事業利益は9.1%増。2026年10月のビール類酒税一本化に合わせ生産者価格を改定し、本麒麟を麦100%生ビールへ製法変更(11月4日発売)

飲料事業5,782億円
利益: 677億円利益率: 11.6%

キリンビバレッジ・Coca-Cola Beverages Northeast(米国ボトラー・売上2,999億円)。午後の紅茶と「プラズマ乳酸菌」入りのiMUSE/おいしい免疫ケアが牽引し増収増益

医薬事業4,965億円
利益: 1,023億円利益率: 20.6%

協和キリン(議決権55.2%・東証プライム上場)。Crysvita/Poteligeoの地域拡大で増収増益。ziftomenib(KOMZIFTI)は米国で承認取得。グループ最高の利益率20.6%。2026期中間期(2026年8月3日開示)は売上収益2,636億円(+14.3%)・コア営業利益661億円(+79.6%)と大幅増益

ヘルスサイエンス事業2,514億円
利益: 111億円利益率: 4.3%

ファンケル(2025年3月に100%化)・Blackmores・協和発酵バイオ。売上43.4%増、前期の109億円の損失から黒字転換。プラズマ乳酸菌事業は売上2割増

稼ぐ力はどのくらい?

効率よく稼いでいます

FY2025/12実績

ROE
12.0%
株主資本の利回り
ROA
4.2%
総資産の活用度
Op. Margin
8.6%
営業利益率
会計期ROEROA営業利益率
2021/12期6.9%2.4%3.7%
2022/12期11.8%4.4%5.8%
2023/12期10.7%3.9%7.0%
2024/12期5.0%1.7%5.4%
2025/12期12.0%4.2%8.6%

ROEは有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の会社公式値(親会社所有者帰属持分当期利益率・期中平均持分ベース)で、2025期は12.0%と前期の5.0%から大幅に改善しました。売上収益営業利益率も短信公式値の8.6%(前期5.4%)へ回復しています。改善の主因は前期に集中した一過性費用(ファンケルの段階取得に係る差損183億円、持分法投資の減損193億円など)の一巡と、㈱ファンケルの通年連結・協和発酵バイオのアミノ酸事業等の売却によるヘルスサイエンス事業の黒字転換です。なお経営指標として重視する事業利益率は10.3%(前期9.0%)、資本効率指標のROICは7.6%(2026期計画7.7%)です。ROAは親会社帰属当期利益÷期末総資産で算出しています。

儲かってるの?

順調に稼いでいます
会計期売上高営業利益当期純利益EPS増収率
2021/12期1.8兆円681億円598億円71.7円
2022/12期2.0兆円1,160億円1,110億円135.1円+9.2%
2023/12期2.1兆円1,503億円1,127億円139.2円+7.3%
2024/12期2.3兆円1,253億円582億円71.9円+9.6%
2025/12期2.4兆円2,097億円1,475億円182.1円+4.1%

2025/12期は売上収益2兆4,334億円(前期比+4.1%)、営業利益2,097億円(同+67.3%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,475億円(同+153.4%)で着地しました。上表の利益は日本基準に相当する営業利益ですが、当社が経営指標として重視するのは売上収益から売上原価・販管費だけを差し引いた事業利益で、こちらは2,518億円(同+19.3%)と3年連続で過去最高を更新しています。両者の伸び率が大きく食い違うのはその他の営業収益・費用の差によるもので、前期2024期はその他の営業費用が1,018億円(うち㈱ファンケルの段階取得に係る差損183億円、減損損失134億円)と重く、さらに持分法投資の減損193億円が税引前段階で発生していました。当期はその他の営業費用が486億円へ半減し、持分法投資の減損もゼロだったため、事業利益の増加408億円に対して営業利益は843億円、税引前利益は981億円増えています。2026/12期会社予想は売上収益2兆4,800億円(+1.9%)・事業利益2,350億円(△6.7%)・営業利益2,110億円(+0.6%)・親会社帰属当期利益1,560億円(+5.7%)。事業利益が減益予想なのは、会社が挙げる損要因のうちFour Roses社の譲渡に伴う減少と中東情勢に伴う原燃料高騰影響が事業利益段階に効くうえ、2026年を「変革の起点」と位置づけて人財・R&D・デジタル・マーケティングへの投資を強化する方針を掲げているためです(同予想は2026年2月13日公表で、Four Roses社譲渡益は「その他の営業収益」側の要素であり、5月14日の第1四半期決算時点でも修正されていません)。第1四半期(1〜3月)は売上収益5,730億円(+5.0%)・事業利益500億円(+37.7%)と好スタートを切りました。会社は第1四半期決算説明資料で、通期の益要因として「協和キリンのロカチンリマブ開発中止に伴う研究開発費の減少」「Four Rosesの売却益」「各事業における構造改革に伴う売却益」「コスト削減や費用コントロール」を、損要因として「同開発中止に伴うクロージング費用等」「中東情勢に伴う原燃料高騰影響」「Four Rosesの売却に伴う減少」「各事業における構造改革に伴う売却損等」を挙げ、これらが相殺し合うため予想を据え置き年初目標のEPS193円の達成を目指すとしています。あわせて「BS最適化に向けて、各事業内における構造改革の実行を数件進行させている」と述べており、追加の事業売却が進行中であることを示唆しています。なお為替は通期予想レートが1豪ドル95.00円・1米ドル150.00円であるのに対し第1四半期実績は109.41円・156.45円と円安に振れており、海外売上比率47%の当社には追い風として働いています。

業績の推移

売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。

同業比較(収益性)

食料品の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)

ROE(自社 FY2025/12上回る
この会社
12.0%
他社平均
6.5%
営業利益率(自社 FY2025/12上回る
この会社
8.6%
他社平均
5.3%
自己資本比率(自社 FY2025/12末下回る
この会社
36.8%
他社平均
53.9%
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将来どうなりそう?

公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く

会社の公式開示情報

役員報酬

13億7,600万円
19名の合計
⚠️ 有価証券報告書「役員区分ごとの報酬等の総額」の全区分合計。内訳は取締役(社外取締役を除く)10億9,500万円、社外取締役1億4,400万円、監査役(社外監査役を除く)7,900万円、社外監査役5,800万円。19名は基本報酬の対象員数で、2025年3月28日付で退任した取締役2名分を含みます(当年度末日時点の在籍は取締役12名・監査役5名)。1億円以上の個別開示は磯崎功典 会長CEO 4億6,400万円、南方健志 社長COO 2億9,600万円、坪井純子 副社長1億2,900万円、吉村透留 取締役1億0,700万円
2025/12期(第187期)

事業別の稼ぎ

事業名売上利益利益率
酒類事業1兆753億円1,354億円12.6%
飲料事業5,782億円677億円11.6%
医薬事業4,965億円1,023億円20.6%
ヘルスサイエンス事業2,514億円111億円4.3%

報告セグメントは2024期から「酒類」「飲料」「医薬」「ヘルスサイエンス」の4区分に再編されています(2023期までは「国内ビール・スピリッツ」「国内飲料」「オセアニア酒類」「医薬」の4区分でした)。上表の売上収益は外部顧客からの売上収益、利益は事業利益で、利益率はセグメント間取引を含むセグメント売上収益に対する比率です。4セグメントの外部売上合計2兆4,013億円に加え、報告セグメントに含まれない「その他」320億円(事業利益△11億円)があり、これを足したものが連結売上収益2兆4,334億円になります(連結事業利益2,518億円は4セグメント計3,165億円+その他△11億円に、グループ管理費用等の調整額△636億円を加えたものです)。利益率が最も高いのは医薬事業の20.6%で、その事業利益1,023億円は連結事業利益2,518億円の40.6%に相当します(調整額控除前の4セグメント計3,165億円に対しては32.3%)。長年赤字だったヘルスサイエンス事業は、協和発酵バイオのアミノ酸事業等の売却完了と㈱ファンケルの通年連結により前期の109億円の損失から111億円の黒字へ転換し、グループ第3の柱としての基盤が整いました。地域別売上は日本1兆2,867億円(52.9%)・アメリカ6,575億円・オセアニア2,269億円・その他2,624億円で、海外比率は47.1%です。連結子会社は164社、持分法適用会社は26社(SAN MIGUEL BREWERY INC.48.6%を含む)で、2026年7月には北海道キリンビバレッジの吸収合併(効力発生2027年1月1日)も公表されています。親会社であるキリンHDの2026期中間決算は2026年8月7日発表予定ですが、医薬セグメントの中核である協和キリンは8月3日に中間決算を先行開示しており、売上収益2,636億円(+14.3%)・コア営業利益661億円(+79.6%)・税引前中間利益375億円(+70.5%)・親会社帰属中間利益306億円(+87.6%)と大幅な増益でした(通期予想は売上5,200億円・コア営業利益1,300億円・当期利益750億円で修正なし、中間配当は30円→35円へ増配)。連結事業利益の4割強を稼ぐセグメントの先行指標として注目されます。なお協和キリンは2026期よりコアベースの業績指標の定義を変更しており、前年同期も新定義で再算定された数値です。

会社の計画は順調?

B
総合評価
本業の指標である事業利益は2023期〜2025期の3年連続で期初予想を上回り、特に2025期は+18.8%と大きく上振れました。一方で2024期は最終利益が期初1,310億円→実績582億円と55.6%下振れし、期中に2度切り下げた修正予想(960億円)にも届きませんでした。

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

当社は2025年度から3年計画を毎年見直すローリング方式の経営サイクルへ移行しており、単年度の業績予想(通期予想)と、2026年を開始年とする10年間の長期経営構想「Innovate2035!」および2028年に向けた3年計画は別物です。上表の「当初予想」は各年度の期初(前期本決算と同時)に会社が公表した通期予想、「修正予想」はその後に四半期決算短信の表紙で示された最新の通期予想です。2023期と2025期は期初から期末まで一度も通期予想を修正していません。なお2025期実績は「Innovate2035!」の計画開始前の基準値であり、進捗率の分子ではない点にご留意ください。
長期経営構想「Innovate2035!」/2028年に向けた計画(2026年2月13日公表)
2026年〜2028年(3年ローリング方式で毎年見直し)/2035年Vision
ROIC: 目標 2028年 8.0%以上(長期目標10%以上) 基準値 (FY2025実績 7.6%(計画開始前の基準値)/FY2026計画 7.7%)
計画開始前の基準値
EPS成長率: 目標 2028年まで3年CAGR 一桁後半%(6%以上・為替影響を除くベース) 基準値 (FY2025実績 182.13円(計画開始前の基準値)/FY2026計画 193円)
計画開始前の基準値
営業キャッシュ・フロー(3年累計): 目標 2026〜2028年の3年累計で約8,400億円 基準値 (FY2025単年実績 2,954億円(計画開始前の基準値))
計画開始前の基準値
株主還元(DOE・配当総額): 目標 DOE5%を目安とした累進配当/3年累計の配当総額 約2,400億円 基準値 (FY2025 DOE 4.9%・年間配当74円・配当金総額601億円(計画開始前の基準値))
計画開始前の基準値
設備投資(3年累計): 目標 2026〜2028年の3年累計で約4,400億円 基準値 (FY2025単年の設備投資額 1,359.2億円(有報「設備投資等の概要」・計画開始前の基準値)。FY2026はキリンビバレッジ滋賀工場の小型ペットボトル製造設備増強に約100億円(2026年4月28日公表・2028年7月稼働予定・同工場の年間生産能力を約2割拡大))
計画開始前の基準値

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

売上収益
年度当初予想修正予想実績乖離
2025/12期2兆4,400億円2兆4,400億円2兆4,334億円-0.3%
2024/12期2兆2,700億円2兆3,000億円2兆3,384億円+3.0%
2023/12期2兆1,150億円2兆1,150億円2兆1,344億円+0.9%
事業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
2025/12期2,120億円2,120億円2,518億円+18.8%
2024/12期2,020億円2,020億円2,110億円+4.4%
2023/12期1,920億円1,920億円2,015億円+4.9%
親会社帰属当期利益
年度当初予想修正予想実績乖離
2025/12期1,500億円1,500億円1,475億円-1.6%
2024/12期1,310億円960億円582億円-55.6%
2023/12期1,130億円1,130億円1,127億円-0.3%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

2026年2月13日、当社はKV2027(2019年策定)に続く長期経営構想「Innovate2035!」を公表しました。2035年Visionは「人と技術の力でイノベーションを起こし続けるCSV先進企業として世界をもっと元気にしている」で、酒類/ヘルスサイエンス・飲料/医薬の3領域ポートフォリオを軸にEPS成長とPER向上の掛け算で企業価値を伸ばす構想です。財務目標はROIC:2026年計画7.7%→2028年8.0%以上→長期10%以上EPS:2026年計画193円/2028年まで3年CAGR一桁後半%(6%以上)(ROICは「利払前税引後利益÷(有利子負債の期首期末平均+資本合計の期首期末平均)」と定義され、いずれも在外子会社の換算に係る為替変動影響等を除いたベースで評価されます)。財務方針として2026〜2028年の3年間で営業CF累計約8,400億円・配当総額約2,400億円・設備投資約4,400億円を想定し、M&A資金は原則として事業売却で賄い、不足時は2〜3年以内に健全性を戻せる範囲でグロスDEレシオ1倍超を一時的に許容するとしています。2028年にはヘルスサイエンス・飲料事業のEPS構成比を約25%、アジア・パシフィックのEPS構成比を約30%まで高める目標です。役員報酬の中長期インセンティブ(PSU)も、この計画のROIC(2026年基準値7.7%/2028年基準値8.0%)とEPSの3年CAGR(基準値6.0%=EPS220円以上)に連動する設計に改められています。

最新ニュース

ネガティブ
〈熊本地震〉メルシャン八代工場 一部損傷、稼働停止
8/03 · 食品新聞(報道)
ポジティブ
2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)
8/03 · TDnet(協和キリン・適時開示)
中立
協和ファーマケミカル株式会社の株式譲渡契約の締結について
7/15 · キリンホールディングス(ニュースリリース)
ポジティブ
自己株式の取得状況に関するお知らせ
7/03 · TDnet(適時開示)
ポジティブ
本格ビールの「本麒麟」、誕生 「本格的なうまさ」を追求し、麦100%生ビールへ進化してリニューアル発売
5/27 · キリンビール(ニュースリリース)
ポジティブ
2026年12月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
5/14 · TDnet(適時開示)
ポジティブ
(開示事項の経過)Four Roses 社の持分譲渡完了について
4/02 · TDnet(適時開示)
ネガティブ
ロカチンリマブの臨床試験プログラム中止について
3/03 · 協和キリン(ニュースリリース)

どんな話題が多い?

決算・株主還元32%
事業ポートフォリオ再編24%
医薬パイプライン18%
新商品・ブランド16%
ヘルスサイエンス・研究10%

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「やや好調
報道件数(30日)
340
前月比 +12.4%
メディア数
85
日本経済新聞, 株探, ロイター, 日経バイオテク, ミクスOnline, PR TIMESほか
業界内ランキング
上位 10%
食料品 120社中 12位前後
報道のトーン
45%
好意的
38%
中立
17%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

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この会社のストーリー

創業から現在までの歩みと、代表者の姿

創業ストーリー

1907
麒麟麦酒株式会社の設立と株式上場

1907年2月23日に麒麟麦酒株式会社(現・キリンホールディングス)が設立され、同年7月に東京株式取引所へ上場しました。前身は1885年7月設立のジャパン・ブルワリー・カンパニー(JBC)で、1888年に「キリンビール」の商品名でドイツ風ラガービールを発売しました。

1949
証券取引所の再開と同時に株式上場

東京・大阪各証券取引所の再開と同時に株式を上場しました(1907年7月に東京株式取引所へ上場したのち、戦後の取引所再開に合わせて改めて上場)。

1990
ビールの発酵技術が医薬へ

麒麟麦酒が腎性貧血治療剤「エスポー®」(EPO製剤)を発売。ビール醸造で培った発酵・バイオテクノロジーを医薬品に応用するという、現在のグループの骨格がここで生まれました。

2007
持株会社化と協和醱酵工業への資本参加

7月に純粋持株会社制を導入しキリンホールディングス株式会社へ商号変更。12月には協和醱酵工業に資本参加し、翌2008年10月の合併で協和発酵キリン(現・協和キリン)が誕生しました。

2019
「食から医にわたる領域」を掲げたKV2027

長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」(KV2027)を策定し、ヘルスサイエンスを第3の柱に据えると宣言。同年9月には㈱ファンケルに資本参加しました。

2025
ヘルスサイエンスがついに黒字化

3月14日に㈱ファンケルの所有持分が75.62%から100%となり完全子会社化。協和発酵バイオのアミノ酸事業等の売却も完了し、長年赤字だったヘルスサイエンス事業が111億円の黒字へ転換、連結事業利益は3年連続で過去最高となりました。

2026
「Innovate2035!」始動と資本政策の転換

2月13日に10年間の長期経営構想「Innovate2035!」を公表。同日に自己株式98,000,000株(発行済の10.7%)の消却と上限800億円の取得を決議し、3月には米Four Roses Distillery社の譲渡も決めるなど、事業ポートフォリオと資本政策の両面で舵を切りました。

出来事の年表

2026年7月地震影響

7月28日に発生した「令和8年熊本地震」を受け、当社は7月31日に義援金1,000万円の拠出と清涼飲料水約2万本の供出を公表。報道各社によれば、メルシャン八代工場(熊本県・蒸留酒/原料用アルコール)が建屋の一部損傷により7月29日から稼働を停止し、7月30日時点で製造・出荷とも停止、再開目途は確認中とされています(従業員は全員無事)。会社は工場停止について適時開示・リリースを行っていません。

2026年7月事業譲渡

協和発酵バイオの完全子会社である協和ファーマケミカル(富山県高岡市・CDMO)の全株式を大日本印刷(DNP)へ譲渡する契約を締結(7月15日決定・譲渡実行は2026年第4四半期予定)。Four Roses社に続く事業ポートフォリオ見直しですが、会社は「本譲渡によるキリングループ連結業績に与える影響は軽微」としています。

2026年5月酒税改正

2026年10月1日納品分から酒税改正に伴う生産者価格の改定を公表(ビールは減税、発泡酒・新ジャンル・RTD・樽詰は増税)。あわせて主力の「本麒麟」を新ジャンル(発泡酒②)からビールへ製法変更し麦100%生ビール化(アルコール6%→5%、11月4日発売)。キリンビールは「2026年10月の酒税一本化を機に、ビール類市場は大きな転換点を迎えます」としています(いずれもキリンビール㈱名義の発表)。

2026年4月譲渡完了

米Four Roses Distillery社の全持分譲渡が4月1日(米国太平洋時間)に完了。連結業績には「その他の営業収益」として少なくとも290億円程度を計上する見込み。

2026年3月開発中止

協和キリンがロカチンリマブ(KHK4083)の全臨床試験を中止すると決定。OX40との関連が示唆される悪性腫瘍等の症例を受けた安全性評価によるもので、3月3日に公表。将来の収益源を1本失う一方、研究開発費・販管費の減少により協和キリンのコア営業利益予想は1,000億円→1,300億円へ+300億円上方修正されました。ただしこれは費用の減少によるもので事業成長ではなく当期利益はクロージング費用の見積もりと減損損失で相殺され750億円のまま据え置きキリンHD連結の通期業績予想も修正されていません

2026年3月自己株消却

3月3日付で自己株式98,000,000株(消却前発行済株式総数の10.7%)を消却。発行済株式総数は914,000,000株から816,000,000株へ減少。

2026年2月長期構想

2025期決算と同日に長期経営構想「Innovate2035!」を公表。2035年Visionと2028年目標(ROIC8.0%以上・EPS3年CAGR一桁後半%)を提示し、上限800億円の自己株式取得も決議。

2026年1月提携終了

協和キリンが1月30日、Amgen社の戦略的ポートフォリオ見直しを背景にロカチンリマブの開発・商業化提携契約を終了し、グローバルプログラムの全権利を再取得。自社単独での開発体制に移行した直後の3月に臨床試験中止が決まった。

2025年3月完全子会社化

2024年9月に連結子会社化していた㈱ファンケルについて、株式併合に伴う端数株式の売却が3月14日に完了し、所有持分が75.62%から100%=完全子会社化となった。追加取得の対価は現金826億円で、非支配持分が628億円、資本剰余金が198億円減少している。

代表者プロフィール

南方 健志
南方 健志
代表取締役社長COO 最高執行責任者
変革の実行者
祖業のビール事業で100年以上磨いてきた「発酵・バイオ」の技術力を強みに、飲料、医薬、ヘルスサイエンスへ領域を広げてきました。2027年の創業120年を前に、KV2027に続く長期経営構想「Innovate2035!」をスタートさせ、「人と技術の力でイノベーションを起こし続けるCSV先進企業として、世界をもっと元気にしている」を新たなビジョンに掲げます。全従業員とともに経営にまい進していきます。
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安心して投資できる?

財務・透明性・株主構成・リスクを点検

財務は安全?

やや注意が必要です
自己資本比率FY2025/12末時点)36.8%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%

※ 有利子負債・純資産はいずれもFY2025/12末時点

Interest-bearing Debt
9,234億円
借金(有利子負債)
Net Assets
1.3兆円
会社の純資産

総資産は2025/12期末で3兆4,940億円と前期末から1,399億円増加しました。協和キリンの開発品導入等に伴う無形資産(期末残高6,947億円、前期末比+351億円)と工場建設の進行に伴う有形固定資産(同7,390億円、+650億円)の増加が主因で、のれんも5,333億円を計上しています。上表の「純資産」は親会社の所有者に帰属する持分(1兆2,870億円)で、非支配持分3,082億円を含む資本合計は1兆5,951億円です。親会社所有者帰属持分比率は36.8%と前期の35.2%から回復し、BPS(1株当たり親会社所有者帰属持分)は1,588.59円まで伸びました。有利子負債は連結財政状態計算書の社債及び借入金(非流動8,424億円+流動810億円)=9,234億円で全期同じ定義に統一しています(リース負債は含めていません)。前期末8,576億円から659億円増えたのは、1,000億円の社債発行と280億円の長期借入があった一方、㈱ファンケルの非支配持分取得に818億円を支出したためです。会社は2028年に向けた財務方針で「安定配当を維持しながら財務健全性を確保するために有利子負債の返済を実施していく」としつつ、M&A時には2〜3年以内に健全性を戻せる範囲でグロスDEレシオ1倍超を一時的に許容する方針を示しています。

お金の流れは?

健全なお金の流れです
Operating CF
+2,954億円
本業で稼いだお金
Investing CF
-1,850億円
投資に使ったお金
Financing CF
-1,105億円
借入・返済など
Free CF
+1,104億円
手元に残ったお金
会計期営業CF投資CF財務CFFCF
2021/12期2,193億円▲564億円▲1,805億円1,629億円
2022/12期1,356億円▲104億円▲1,678億円1,252億円
2023/12期2,032億円▲2,261億円359億円▲229億円
2024/12期2,428億円▲3,294億円581億円▲865億円
2025/12期2,954億円▲1,850億円▲1,105億円1,104億円

2025期の営業CFは2,954億円と前期比526億円増え、過去5年で最高水準となりました。税引前利益が981億円増えたことに加え、法人所得税の支払額が178億円減ったことが効いています(減価償却費及び償却費は1,019億円)。投資CFの支出は1,850億円と前期から1,444億円縮小しました。前期はBlackmores・ファンケルなどの買収で子会社株式の取得に1,598億円を投じましたが、当期は149億円にとどまり、有形固定資産・無形資産の取得も1,756億円と50億円減っています。この結果FCFは1,104億円の黒字に転換し、2023期・2024期と2年続いた先行投資フェーズから回収フェーズへ移りました。財務CFは1,105億円の支出(前期は581億円の収入)で、社債発行1,000億円・長期借入280億円の収入に対し、㈱ファンケルの非支配持分取得818億円、配当金の支払735億円、社債償還350億円、長期借入返済300億円、リース負債返済209億円を支出しています。なお現金及び現金同等物の期末残高1,253億円のうち、ミャンマーチャット建て預金は外貨兌換規制により利用に一定の制限を受けています。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 12名)
女性 4名(33.3% 男性 8
33%
67%
監査報酬
7億400万円
連結子会社数
164
設備投資額
1,359.2億円
平均勤続年数(従業員)
13.6
臨時従業員数
4087

当社は監査役会設置会社で、有価証券報告書提出日(2026年3月27日=第187回定時株主総会の日)現在の取締役会は12名(男性8名・女性4名、女性比率33.3%)、うち社外取締役は7名です。取締役会の議長は社外取締役が務めます。これとは別に監査役5名(うち社外3名)を置いており、有価証券報告書の役員区分値である「男性11名・女性6名(女性比率35.3%)」は取締役12名+監査役5名=17名を数えたものです。経営体制は代表取締役会長CEO 磯崎功典氏(グループ経営統括担当)と代表取締役社長COO 南方健志氏(グループ事業執行統括担当)の2トップ制で、決算短信・適時開示の代表者は南方社長COOです。指名・報酬諮問委員会は独立社外取締役が過半数(社外3名・社内2名)を占め、委員長は社外取締役の塩野紀子氏が務めます。同委員会は2025年度に計12回開催され、うち1回は外部の報酬コンサルタントが同席しました。役員報酬は基本報酬・賞与(短期)・信託型株式報酬(中長期)の3本立てで、代表取締役CEOは基本報酬:業績連動報酬を概ね30:70(賞与30・株式報酬40)に設定。2025期の報酬総額は取締役(社外除く)10億9,500万円・社外取締役1億4,400万円・監査役(社外除く)7,900万円・社外監査役5,800万円の合計13億7,600万円です。株式報酬にはマルス・クローバック条項(非違行為等の場合の没収・返還請求)を設けています。2025期の賞与は、会社業績評価指標である連結事業利益が基準値2,120億円・上限値2,438億円に対して実績2,518億円、事業業績評価指標のヘルスサイエンス領域事業利益も基準値70億円・上限値91億円に対して実績111億円といずれも上限値を超え、指標別の支給率はともに200.0%、個人業績評価を加えた最終支給率は175.0〜200.0%となりました。監査証明業務に基づく監査報酬は7億400万円(前期6億3,000万円)。企業集団は連結子会社164社・持分法適用会社26社で構成され、有価証券報告書「設備投資等の概要」ベースの設備投資額は1,359.2億円(連結セグメント注記の資本的支出は1,960億円)、連結の臨時従業員数は年間平均4,087名です。なお当社は2026年3月30日、SSBJ基準に準拠したサステナビリティ関連財務開示を日本企業で初めて2025年度から日英同時に開始したと公表しています。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主33%
浮動株67%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関30%
事業法人等3.04%
外国法人等25.85%
個人その他35.37%
証券会社5.75%

創業家や親会社を持たない典型的な大規模公開企業。安定株主33.0%は金融機関30.00%+その他の法人3.04%+政府0.00%で、その大半はパッシブ運用の信託口です。なお有報の「個人その他」35.37%には議決権のない自己株式(発行済株式総数の11.18%)が含まれており、2026年3月3日の98,000,000株消却で自己株式は大きく減っています。

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)(141,758,000株)17.46%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)(54,803,000株)6.75%
明治安田生命保険相互会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)(31,346,000株)3.86%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(25,279,000株)3.11%
SMBC日興証券株式会社(12,828,000株)1.58%
JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(11,619,000株)1.43%
日本証券金融株式会社(10,578,000株)1.3%
JPモルガン証券株式会社(9,577,000株)1.17%
株式会社日本カストディ銀行(信託口4)(8,837,000株)1.08%
MOXLEY AND CO LLC(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)(6,820,000株)0.84%

第187期有価証券報告書(2025年12月31日現在)の大株主は、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)17.46%日本カストディ銀行(信託口)6.75%、明治安田生命保険相互会社3.86%、STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001が3.11%と続き、上位10名の合計は38.61%です(比率はいずれも発行済株式(自己株式を除く)の総数に対する割合)。創業家や親会社は存在せず、信託銀行の名義に集まったパッシブ運用資金が上位を占める典型的な大規模公開企業の株主構成で、株主総数は446,532名にのぼります。所有者別では金融機関30.00%・外国法人等25.85%・個人その他35.37%・金融商品取引業者5.75%・その他の法人3.04%。ただし「個人その他」には議決権のない自己株式102,252,874株(発行済株式総数914,000,000株の11.18%)が含まれている点には注意が必要で、この自己株式は2026年3月3日に98,000,000株が消却されたため、現時点の実質的な個人比率はこの表より高くなります。なお三井住友トラスト・アセットマネジメント等が共同保有者として5.07%(2025年9月15日現在)、ブラックロック・ジャパン等が共同保有者として大量保有報告書を提出していますが、実質所有株式数を把握できないため大株主表には反映されていません。有報の基準日以降では、2026年4月21日に野村證券および共同保有者が保有割合5.09%(報告義務発生日2026年4月15日)の大量保有報告書を提出しており、これも上表には含まれていません。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

1酒類規制と若年層のアルコール離れに関するリスク。WHOは世界的な規模で酒類の販売・広告宣伝に関する規制強化を議論しており、国内でも飲酒と健康への関心が高まっている。売上の44%を占める酒類事業の消費減少は業績に直結する(会社は機会としてノンアルコール・低アルコール商品の拡大を挙げている)
22026年10月のビール類酒税一本化に伴う市場構造変化のリスク。キリンビールは2026年10月1日納品分から生産者価格を改定すると公表しており、ビールは減税、発泡酒(淡麗グリーンラベル等)・新ジャンル(本麒麟、のどごし<生>等)・RTD(氷結、本搾り等)・その他樽詰は増税となる。会社は「2026年10月の酒税一本化を機に、ビール類市場は大きな転換点を迎える」とし、ビール類市場が高価格/スタンダード/エコノミー/オフ・ゼロ系の4カテゴリーへ分化すると予測。主力の「本麒麟」を新ジャンルからビールへ製法変更し麦100%生ビール化(11月4日発売)するなど対応を進めているが、増税カテゴリーの需要減や価格転嫁の巧拙が酒類事業の収益を左右する
3ヘルスサイエンス事業のシナジー実現とのれん・無形資産の減損リスク。Blackmores・㈱ファンケルの買収でのれん5,333億円・無形資産6,947億円まで積み上がっており、既存展開国の法規制変更や新規展開国での対応遅れ、事業を担う人財・組織能力の不足でシナジー創出が進まなければ高収益モデルを構築できない
4医薬事業のパイプラインと薬価に関するリスク。協和キリンは2026年3月3日にアトピー性皮膚炎等を対象としたロカチンリマブ(KHK4083)の全臨床試験中止を決定した(研究開発費・販管費の減少により2026期のコア営業利益予想は+300億円上方修正されたが、これは費用の減少であって事業成長ではなく、当期利益予想は据え置かれている。パイプラインの厚みという意味では後退である)。グローバル戦略品の上市準備の遅延や市場浸透の難航、各国の医療費抑制策による薬価引き下げ・後発品移行も収益に直結する
5為替変動リスク。地域別売上の47%が海外(アメリカ6,575億円・オセアニア2,269億円・その他2,624億円)で、豪ドル・米ドルの変動が円換算後の売上収益と事業利益を左右する。中長期の財務目標(ROIC・EPS)は為替変動影響を除いたベースで評価される
6原材料・エネルギー価格と調達に関するリスク。地政学リスクに起因する麦芽・ホップ等の原材料や燃料の価格高騰が調達コストを押し上げ、製造原価に影響を及ぼす。会社は長期契約や為替ヘッジ、調達先の分散、原材料在庫率の引き上げで対応している
7情報セキュリティとサプライチェーン分断のリスク。外部からのサイバー攻撃による事業活動の停止や重要データの漏えい・改ざん、自然災害・感染症・地政学リスク・委託先の被災によるサプライチェーンの分断が想定される。KIRIN-CSIRTの設置とオールハザード型BCPで備えているが、直近では2026年7月28日の「令和8年熊本地震」により、報道各社によればメルシャン八代工場(蒸留酒・原料用アルコール)が建屋の一部損傷で7月29日から稼働を停止しており(再開目途は確認中)、自然災害リスクが現に顕在化している

社員の給料はどのくらい?

平均年収
999万円
従業員数
1,124
平均年齢
41.6歳
平均年収従業員数前年比
2025/12期999万円1,124-

平均年間給与・平均年齢・従業員数は有価証券報告書「従業員の状況」の提出会社(キリンホールディングス単体)の値です(2025年12月31日現在)。当社は純粋持株会社であるため単体従業員は1,124名(前期1,067名)にとどまり、グループ経営戦略・経営管理に特化した人員構成です。平均年間給与は998万5,539円(賞与および基準外賃金を含む)、平均年齢41.6歳、平均勤続年数13.6年。これに対し連結従業員数は31,144名で、セグメント別では酒類8,800名・飲料7,849名・医薬5,161名・ヘルスサイエンス5,643名・その他2,200名・全社(共通)1,491名、これとは別に臨時従業員が年間平均4,087名います。提出会社の女性経営職比率は18.1%、男性育児休暇取得率100.0%、男女賃金差異は全労働者ベースで74.8%です。

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株主リターン・投資成果

リターン・配当・市場データを確認

平均よりも稼げてる?

この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。

株主総利回り(TSR)は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の会社公式値で、2020/12期末を100とした指数です。比較指標は有報が採用する配当込みTOPIXを用いています。5年間で110.8%(+10.8%)とプラスは確保したものの、同期間にTOPIXが213.2%(+113.2%)まで上昇したため約102ポイントのアンダーパフォームとなりました。2020/12期末に100万円を投資して配当を再投資していれば、2025/12期末の評価額は約111万円という計算です。推移を見ると2021期に78.6%まで沈み、その後は2022期 88.1%→2023期 93.3%→2024期 95.5%と5年目まで2020期の水準を回復できず、2025期にようやく110.8%へ浮上しました。事業年度末株価は各期末の実取引日終値で2021期末1,847円・2022期末2,011円・2023期末2,066円・2024期末2,049円・2025期末2,348円と、3年間ほぼ2,000円前後で足踏みしています。低迷の背景には国内酒類市場の縮小、Blackmores・ファンケル等の大型買収で積み上がったのれんへの警戒、そしてヘルスサイエンス事業の黒字化が2025年までずれ込んだことがあります。なお2026年に入ってからは株価が2,856円(8月4日終値)まで上昇しており、この指数には反映されていません。

※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。

配当・優待はもらえる?

少しもらえます
1株配当(最新期)
74
方針: DOE(連結株主資本配当率)5%以上を目安とし、原則として1株当たり配当単価は累進配当を実施。自己株式取得は最適資本構成・市場環境・投資後の資金余力を総合的に勘案して機動的に判断
1株配当配当性向
2016/12期3930.1%
2017/12期4617.3%
2018/12期5127.8%
2019/12期6494.1%
2020/12期6576.0%
2021/12期6590.6%
2022/12期6951.1%
2023/12期7151.0%
2024/12期7198.8%
2025/12期7440.6%
2026/12期(予想)7639.4%
1期連続増配
株主優待
あり
キリングループの製品等。継続保有1年以上3年未満は500円相当(1,000株以上は1,000円相当)、3年以上は2,000円相当(1,000株以上4,000円相当・3,000株以上6,000円相当)
必要株数100株以上(約28.6万円(2026年8月4日終値2,856円×100株))
金額相当500〜6,000円相当(継続保有期間と保有株数により変動)
権利確定月12月
長期特典継続保有3年以上で優待品がグレードアップし、抽選でプレミアム優待も進呈。継続保有1年未満は対象外

2025/12期は中間37.0円・期末37.0円の年間74円(前期比3円増配)、2026/12期は中間38.0円・期末38.0円の年間76円(同2円増配)を予想しています。会社はDOE(連結株主資本配当率)5%以上を目安とし、原則として1株当たり配当単価は累進配当(減配せず維持または増配)を実施する方針を掲げており、2025期のDOEは4.9%(前期5.0%)、配当性向は前期の98.8%から40.6%へ低下、配当金総額は601億円でした。2021期(65円据置)と2024期(71円据置)は前期と同額のため厳密な意味での「連続増配」は2025期からの1期ですが、少なくとも2016期以降10期にわたり減配は一度もありません(39円→74円)。表中の利回りは各事業年度末の実取引日終値に対する値、2026/12期予想欄のみ2026年8月4日終値2,856円に対する値です。株主還元のもう一方の柱である自己株式取得は、2026年2月13日の取締役会で上限50,000,000株・800億円(取得期間2026年3月6日〜2027年2月12日)を決議し、2026年6月30日現在の取得累計は13,405,600株・345億円(実額34,543,233,700円)です(3月3,315,400株→4月3,590,900株→5月4,112,200株→6月2,387,100株と毎月「自己株式の取得状況に関するお知らせ」で開示されています)。この取得枠の原資はFour Roses社の売却に伴うキャッシュ・インを活用すると有価証券報告書に明記されています。なお同日に決議された98,000,000株の消却(2026年3月3日実施)は既に保有していた自己株式を消し込む資本政策で、社外への資金流出を伴わないため配当や自己株式取得と同じ「株主還元額」には算入されません(発行済株式数の減少による1株当たり価値・資本効率の向上を狙うものです)。

もし5年前に投資していたら?

+
2021期初めに100万円を投資した場合
100万円が 110.8万円 になりました (10.8万円)
+10.8%
年度末時点評価額損益TSR
2021期78.6万円▲21.4万円-21.4%
2022期88.1万円▲11.9万円-11.9%
2023期93.3万円▲6.7万円-6.7%
2024期95.5万円▲4.5万円-4.5%
2025期110.8万円10.8万円10.8%

※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残264,200株
売り残111,300株
信用倍率2.37倍
2026年7月24日時点
今後の予定
2026年12月期 第2四半期(中間期)決算発表2026年8月7日(予定)
2026年12月期 第3四半期決算発表2026年11月11日(予定)

時価総額は発行済株式総数816,000,000株×2026年8月4日終値2,856円=約2兆3,305億円です(2026年3月3日の98,000,000株消却で発行済株式総数は914,000,000株から減少しました)。PERは会社予想EPS 193.00円(決算短信記載・期中平均株式数ベース)に対する14.8倍で、2025期実績EPS 182.13円ベースでは15.7倍です。株探等の情報サイトは期末自己株式控除後の株数で予想EPSを再計算するため14.6倍と表示されることがあります。PBRは2025/12期末のBPS 1,588.59円に対する1.80倍で、2026年3月末の親会社所有者帰属持分1兆3,176億円を自己株式控除後の806,830,590株で割った1株1,633円ベースでは約1.75倍、株探等が表示する最新の自己株式控除後株数ベースでは1.73倍です。同じビール大手のアサヒGHD(PBR0.79倍)と比べるとキリンHDは1倍を大きく上回る評価を受けており、これは高収益の医薬事業(協和キリン55.2%保有)とヘルスサイエンス事業の成長期待が織り込まれているためと考えられます。信用取引は買残264,200株に対し売残111,300株、信用倍率2.37倍と需給は比較的中立です(2026年7月24日時点)。株価は2026年7月29日に52週高値3,161円をつけたあと調整しています。

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
2021/12期996億円312億円31.3%
2022/12期1,914億円476億円24.9%
2023/12期1,970億円466億円23.7%
2024/12期1,397億円539億円38.6%
2025/12期2,379億円597億円25.1%

税額は連結損益計算書の「法人所得税費用」の実額を、税引前利益は「税引前利益(税金等調整前当期純利益に相当)」を転記しています。2025期の法人所得税費用は597億円、実効税率は25.1%で、前期の38.6%から大きく低下しました。2024期の実効税率が高かったのは、税引前利益が持分法投資の減損193億円などで1,397億円まで縮んだ一方、税負担は各国子会社の課税所得に応じて発生したためです。当社は持分法による投資利益(2025期は358億円)が大きく、これは税引前利益に含まれる一方で法人所得税の課税対象外となるため、実効税率は日本の法定実効税率(約30%)を下回りやすい構造にあります。なお連結キャッシュ・フロー計算書上の法人所得税の支払額は330億円(前期508億円)で、費用計上額とは繰延税金の増減分だけ差が出ます。進行期の2026期第1四半期は税率が前年同期の28.4%から35.4%へ上昇していますが、会社はこれを「2026年4月1日に売却が完了したFour Rosesにかかる留保利益の税効果を認識したことなどの一時的な税率差異」と説明しています。

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キリンホールディングス まとめ

業績
好調
営業益 前年比+67.3%(前期の一過性費用が剥落し、事業利益は3年連続で過去最高を更新)
配当
少なめ
1株 74円(DOE5%以上を目安とする累進配当で、FY2026は年76円へ増配予想)
安全性
普通
自己資本比率 36.8%(FY2025/12末時点)(有利子負債9,234億円に対し親会社所有者帰属持分比率36.8%を維持)
稼ぐ力
高い
ROE 12.0%(FY2025/12実績)(ROE12.0%(有報公式値)。前期5.0%からファンケル100%化と一過性損失の一巡で改善)
話題性
普通
ポジ 45%

「事業利益は3年連続で過去最高。酒類・飲料・ヘルスサイエンス・医薬の4本柱で『Innovate2035!』を始動」

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最終更新: 2026/08/08 / データ提供: OSHIKABU