キリンホールディングス
Kirin Holdings Company,Limited
最終更新日: 2026年4月30日
発酵・バイオ技術を強みに、「食」と「医」で世界の健康に貢献する
食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる
この会社ってなに?
仕事終わりの「一番搾り」や週末の「氷結」、体調管理の「iMUSE(プラズマ乳酸菌)」、午後のティータイムの「午後の紅茶」、そしてファンケルの化粧品やサプリメント。さらには病院で処方される協和キリンの医薬品まで、実は同じグループの製品かもしれません。最近話題のウイスキー「陸」は5年連続過去最高売上を更新中。あなたの日常の「おいしさ」から「健康」「美」まで、発酵・バイオ技術で幅広く支えている会社です。
FY2024/12期の売上高は約2兆4,334億円、純利益は約1,475億円と大幅増益で着地しました。国内ビール首位級の基盤を持ちながら、ファンケルの完全子会社化やプラズマ乳酸菌の展開など「食から医にわたる領域」での多角化を推進中です。FY2025/12期は売上高2兆4,800億円、純利益1,560億円を見込み、DOE5%以上の累進配当方針への移行や「Innovate2035!」長期構想の始動により、株主還元と成長投資の両立を図っています。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都中野区中野四丁目10番2号 中野セントラルパークサウス
- 公式
- www.kirinholdings.com
社長プロフィール

キリングループは、祖業であるビール事業で培った発酵・バイオテクノロジーを強みに、「食」「医」「ヘルスサイエンス」の三領域で価値を創造します。2025年に策定した長期経営構想「Innovate2035!」のもと、10年先を見据えた変革を推進し、お客様の心身の健康に貢献するCSV経営を実践してまいります。
この会社のストーリー
キリンビールの前身となるジャパン・ブルワリー・カンパニーが横浜で設立され、ドイツ風の本格的なビール醸造を開始しました。
ジャパン・ブルワリー・カンパニーの事業を引き継ぎ、麒麟麦酒株式会社(現・キリンホールディングス)が設立されました。
東京および大阪の証券取引所が再開されると同時に株式を上場し、国内ビール市場での確固たる地位を築いていきました。
ビール醸造で培ったバイオテクノロジーを活かし、協和発酵グループとの提携により医薬事業(現在の協和キリン)を大きく飛躍させました。
「食から医にわたる領域で価値を創造する」というビジョンを掲げ、ヘルスサイエンス領域を第3の柱とする新たな挑戦を始めました。
健康食品や化粧品を展開するファンケルの完全子会社化に向けたTOBを発表し、ヘルスサイエンス事業のさらなる基盤強化を図りました。
2035年に向けた新たな長期経営構想を策定し、これまでの枠組みを超えたイノベーションの創出と持続的な成長を目指しています。
注目ポイント
伝統的な酒類・飲料事業にとどまらず、プラズマ乳酸菌の研究やファンケルの買収など、健康分野を新たな収益の柱として力強く育成しています。
グループの強みである発酵・バイオテクノロジーを活かし、協和キリンを通じて革新的な抗体医薬品を世界中に提供しています。
DOE(株主資本配当率)5%以上を目安とした累進配当方針を掲げるとともに、自社製品がもらえる充実した株主優待も投資家から人気を集めています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 39円 | 30.1% |
| FY2017/3 | 46円 | 17.3% |
| FY2018/3 | 51円 | 27.8% |
| FY2019/3 | 64円 | 94.1% |
| FY2020/3 | 65円 | 76.0% |
| FY2021/3 | 65円 | 90.6% |
| FY2022/3 | 69円 | 51.1% |
| FY2023/3 | 71円 | 51.0% |
| FY2024/3 | 71円 | 98.8% |
| FY2025/3 | 74円 | 40.6% |
12月末時点の株主名簿に記載された100株以上保有かつ1年以上継続保有の株主に対し、自社グループ製品(キリンビール、キリンビバレッジ製品等)を贈呈。
キリンホールディングスは4期連続増配を継続しており、2025年度からはDOE5%以上を目安とした累進配当を導入しました。会社予想の年間配当金は76円(配当利回り3.07%)と安定的な水準です。株主優待では1年以上継続保有の株主にグループ製品が贈呈され、長期保有でグレードアップする点も魅力です。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2024/12の売上高は約2兆4,334億円、営業利益は約2,097億円と前期比で大幅な増益を達成しました。ヘルスサイエンス事業の黒字化やファンケル完全子会社化の効果が寄与し、純利益も約1,475億円と回復しています。FY2025/12予想では売上高2兆4,800億円、営業利益2,150億円、純利益1,560億円を見込み、引き続きポートフォリオ変革による収益力の向上を図ります。
事業ごとの売上・利益
一番搾り、氷結、本麒麟など主力ブランドが堅調。ウイスキー「陸」は5年連続過去最高を更新
午後の紅茶、生茶、iMUSEなど。プラズマ乳酸菌製品が成長ドライバー
ライオン社を通じた豪州・NZでのビール・飲料事業
協和キリンによる抗体医薬品のグローバル展開。Crysvita等が成長を牽引
ファンケル(化粧品・健康食品)、プラズマ乳酸菌関連。黒字化を達成
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 6.9% | 2.4% | - |
| FY2022/3 | 11.8% | 4.4% | - |
| FY2023/3 | 10.7% | 3.9% | - |
| FY2024/3 | 5.0% | 1.7% | 5.4% |
| FY2025/3 | 12.0% | 4.2% | 8.6% |
FY2024/12ではROE9.2%、営業利益率8.6%と、FY2023/12からさらに改善を達成しました。事業構造改善費用の一巡やヘルスサイエンス事業の収益化が寄与し、収益性は過去数年間で最高水準に達しています。引き続き高付加価値商品へのシフトとポートフォリオ最適化が成長を支える柱です。
財務は安全?
総資産はFY2024/12時点で約3兆4,940億円に拡大し、事業基盤の増強が着実に進んでいます。自己資本比率は36.8%と前期からやや回復しており、有利子負債は約1兆2,043億円です。ファンケル完全子会社化等のM&A投資により資産規模が拡大する中でも、BPSは1,588.6円まで着実に成長しており、財務の健全性を維持しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 2,428億円 | -3,294億円 | 581億円 | -865億円 |
| FY2025/3 | 2,954億円 | -1,850億円 | -1,105億円 | 1,104億円 |
FY2024/12の営業CFは約2,954億円と過去数年で最高水準を記録し、本業の稼ぐ力が大きく向上しました。投資CFの支出が縮小したことでFCFも約1,104億円の黒字に転換し、前期までの先行投資フェーズから回収フェーズへの移行を示唆しています。財務CFは約1,105億円のマイナスとなり、有利子負債の返済が着実に進んでいます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 996億円 | 398億円 | 40.0% |
| FY2022/3 | 1,914億円 | 804億円 | 42.0% |
| FY2023/3 | 1,970億円 | 844億円 | 42.8% |
| FY2024/3 | 1,397億円 | 815億円 | 58.3% |
| FY2025/3 | 2,379億円 | 903億円 | 38.0% |
法人税等の支払額はFY2024/12で約348億円となりました。税引前利益の変動に伴い、実効税率は前年の29.7%から37.4%へと上昇しています。一時的な会計上の評価損や税務調整が影響しているものの、概ね法定税率に近い範囲で納税が行われています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 999万円 | 31,144人 | - |
平均年収は約1,001万円と国内製造業の中でもトップクラスの水準を維持しています。平均年齢41.8歳、平均勤続年数14.2年と定着率も高く、ビール事業の安定収益基盤に加えヘルスサイエンス・医薬事業への多角化が報酬体系に好影響を与えています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。
主要株主は日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託口が上位を占めており、国内外の機関投資家による保有割合が非常に高い構成です。特定の創業者一族による支配色は薄く、安定株主としての金融機関や海外投資家の動向が経営判断に一定の影響を与える、典型的な大規模公開企業の株主構造です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 国内ビール・スピリッツ事業 | 約7,800億円 | 約650億円 | 8.3% |
| 国内飲料事業 | 約3,200億円 | 約180億円 | 5.6% |
| オセアニア総合飲料事業 | 約3,800億円 | 約350億円 | 9.2% |
| 医薬事業 | 約4,500億円 | 約850億円 | 18.9% |
| ヘルスサイエンス事業 | 約2,300億円 | 約80億円 | 3.5% |
キリンHDは酒類事業を核としつつ、協和キリンを中心とした医薬事業が最も高い利益率(約19%)を誇ります。ヘルスサイエンス事業はファンケル子会社化によりようやく黒字化を達成し、今後の成長が期待されます。事業リスクとしては原材料価格高騰、為替変動、酒類市場の縮小に加え、M&Aに伴うのれん減損リスクにも注意が必要です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が35.3%と日本企業としては高い水準を確保しており、多様な視点を取り入れたガバナンス体制を構築しています。監査体制についても独立性の高い社外役員を登用し、グローバル規模でのコンプライアンス強化と持続可能な経営基盤の整備を推進しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
キリンホールディングスのTSRは、過去5年間を通じてTOPIXをアンダーパフォーム(劣後)しています。ビール事業自体の安定性はあるものの、ミャンマー事業からの撤退や豪州事業の再編、さらにはファンケルを含むヘルスサイエンス領域への巨額の先行投資に対する収益化の遅れが、市場からの評価を押し下げる要因となりました。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 104.6万円 | +4.6万円 | 4.6% |
| FY2022 | 82.7万円 | -17.3万円 | -17.3% |
| FY2023 | 92.5万円 | -7.5万円 | -7.5% |
| FY2024 | 97.7万円 | -2.3万円 | -2.3% |
| FY2025 | 100.0万円 | +0.0万円 | 0.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
キリンHDの株価指標は、食料品セクター平均と比較してPER・PBRともに割安な水準にあります。医薬事業(協和キリン)の高い収益力やヘルスサイエンス事業の成長性が株価に織り込まれつつも、M&Aに伴うのれんリスクなどが投資家の慎重姿勢を反映しています。配当利回りは3%超とセクター平均を上回り、インカムゲインを重視する投資家にとっても魅力的な水準です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
「健康経営優良法人2026(ホワイト500)」に認定。従業員の心身の健康への取り組みが高く評価された。
「キリン 氷結」の米国製造・販売を開始。フロリダ・ハワイの2州でオリジナルフレーバーを展開。
キリングループ本社をリニューアルし、中野の新オフィス運用を開始。従業員の健康と働き方改革を推進。
新たな長期経営構想「Innovate2035!」を策定し、食から医にわたる価値創造の深化を打ち出した。
ファンケルの完全子会社化に向けたTOB(公開買付け)を発表。ヘルスサイエンス事業の基盤強化を加速。
最新ニュース
キリンホールディングス まとめ
ひとめ診断
「ビール大手が食・医・ヘルスサイエンスの三本柱で世界のCSV先進企業へ」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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