日本甜菜製糖(株)2108
Nippon Beet Sugar Manufacturing Co.,Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
スーパーで見かける砂糖やグラニュー糖、実はその多くが北海道産のてん菜から作られています。日本甜菜製糖はその最大手。砂糖だけでなく、お腹にやさしい「ラフィノース」(天然オリゴ糖)や、パン作りに欠かせないドライイースト(国内唯一の製造元)も手がけています。牛の飼料や農業用肥料まで、北海道の農業を幅広く支えている企業です。
日本甜菜製糖は1919年創業、北海道産てん菜(ビート)を原料とする国産ビート糖の首位メーカーです。砂糖事業を中核に、飼料・不動産・食品素材(オリゴ糖・イースト)へ多角化を推進。PBR 0.70倍と純資産割れの割安水準にあり、2025年11月には発行済株式の16.4%に相当する自社株消却を実施するなど株主還元を強化中です。中期経営計画では2028年3月期に営業利益24億円を目標に掲げ、成長事業の拡大と収益体質の改善に取り組んでいます。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区三田三丁目12番14号 ニッテン三田ビル
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
事業ごとの売上・利益
北海道産てん菜を原料としたビート糖の製造・販売。国産ビート糖で国内シェア首位。砂糖市況と作柄に業績が左右される主力セグメント。売上構成比約52%。
天然オリゴ糖「ラフィノース」、国内唯一のドライイースト製造、配合飼料の製造販売。砂糖製造の副産物を活用した高付加価値事業。売上構成比約31%。
旧工場跡地等を活用した不動産賃貸。利益率66.7%と全セグメント中最高の収益性を誇り、安定的な利益の源泉。
てん菜の種子、肥料、農薬等の農業資材を北海道の農家向けに販売。北海道農業のインフラを支える事業。
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 2.4% | 1.7% | - |
| 2022/03期 | 2.9% | 2.0% | - |
| 2023/03期 | 1.9% | 1.2% | - |
| 2024/03期 | 2.6% | 1.8% | 1.3% |
| 2025/03期 | 3.7% | 2.6% | 0.8% |
| 3Q FY2026/3 | 1.0%(累計) | 0.5%(累計) | 2.3% |
営業利益率は2022/03期の3.8%をピークに2025/03期は0.8%まで低下しており、砂糖事業の収益悪化が顕著です。ROEは2025/03期に3.7%と改善していますが、これは自社株消却による純資産減少の影響が大きく、本業の稼ぐ力は弱まっています。中期経営計画では収益体質の改善を最重要課題に位置づけています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 548億円 | — | 16.4億円 | 115.9円 | - |
| 2022/03期 | 585億円 | — | 19.8億円 | 141.8円 | +6.8% |
| 2023/03期 | 650億円 | — | 12.6億円 | 93.6円 | +11.1% |
| 2024/03期 | 693億円 | 9.1億円 | 18.1億円 | 138.5円 | +6.6% |
| 2025/03期 | 648億円 | 5.3億円 | 27.0億円 | 215.2円 | -6.5% |
売上高は2024/03期に693億円でピークを打ち、2025/03期は648億円と減収に転じました。営業利益は2022/03期の22億円をピークに低下傾向が続いており、砂糖事業の収益悪化が重しとなっています。一方、2025/03期の純利益27億円は自社株消却に伴う特別利益が寄与。2026/03期は売上700億円への回復を見込みますが、営業利益6億円と本業の収益力回復が課題です。 【3Q 2026/03期実績】売上513億円(通期予想比73%)、営業利益△12億円(同-197%)、純利益5.8億円(同72%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 砂糖事業 | 340億円 | -5億円 | -1.5% |
| 食品・飼料事業 | 200億円 | 8億円 | 4.0% |
| 不動産事業 | 15億円 | 10億円 | 66.7% |
| 農業資材事業 | 93億円 | 5億円 | 5.4% |
砂糖事業が売上の約52%を占める最大セグメントですが、2026/03期中間期は営業赤字に転落するなど収益面では苦戦中です。一方、不動産事業は利益率66.7%で安定的な収益源となっています。食品・飼料事業はオリゴ糖やイーストなど独自性の高い製品で利益率4%を確保。中期経営計画では成長事業(食品・飼料・農業資材)の拡大により、砂糖事業への依存度低減を目指しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2026期 | 6億円 | — | 中間期で赤字に修正 | - |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 690億円 | — | 648億円 | -6.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画は2028/03期に営業利益24億円・経常利益28億円を最終目標に掲げています。しかし初年度の2026/03期は営業利益6億円予想と目標の25%にとどまる水準。砂糖事業の省エネ・省力化による収益改善と、食品・飼料・農業資材の成長事業拡大が計画達成の鍵です。
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メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2026/03期第3四半期は売上高512億円と前年比+9.9%の増収も、中間純利益は前年比88.5%減の5.7億円と大幅減益。
発行済株式の16.41%にあたる251万株を消却。1株当たり価値の向上を通じた株主還元を実施。
2026年3月末基準より株主優待制度を拡充。長期保有優遇制度を新設し、個人株主への還元を強化。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
自己資本比率は70%前後と極めて健全な財務体質を維持しています。2021期〜2023は実質無借金経営でしたが、2024期から有利子負債が発生(433億円)し、2025期は352億円に減少。BPSは5,929円と株価4,175円を大きく上回っており、PBR 0.70倍の割安さを裏付けています。 【3Q 2026/03期】総資産1136億円、純資産742億円、自己資本比率51.3%、有利子負債115億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1.8億円 | 27.4億円 | 11.2億円 | 29.2億円 |
| 2022/03期 | 25.8億円 | 4.9億円 | 13.8億円 | 30.7億円 |
| 2023/03期 | 18.3億円 | 17.0億円 | 29.7億円 | 35.3億円 |
| 2024/03期 | 130億円 | 13.2億円 | 94.7億円 | 117億円 |
| 2025/03期 | 30.9億円 | 22.1億円 | 36.0億円 | 8.8億円 |
営業キャッシュフローは年度による変動が大きく、製糖業特有の季節性(てん菜の収穫時期に在庫が大きく変動)が影響しています。2024/03期には130億円の大幅な営業CFを計上した一方、2025/03期は-31億円に転じました。2024/03期の財務CF -95億円は自社株取得・消却を反映しています。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役11名中、女性が1名(9.1%)と女性比率は改善の余地があります。連結子会社4社とコンパクトなグループ構成で、平均勤続年数19年と社員の定着率が非常に高いのが特徴です。設備投資は71.3億円と積極的に製造設備の更新を進めています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 673万円 | 775人 | - |
従業員の平均年収は673万円、平均年齢43.5歳です。食品業界の中では標準的な給与水準で、平均勤続年数19年と長期勤続が定着しています。従業員数775名とコンパクトな組織で、北海道を中心に事業を運営しています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
5年間のTSRは149.4%と投資額の約1.5倍に成長していますが、TOPIX(213.4%)を大きく下回るアンダーパフォームとなっています。ただし直近1年は自社株消却の効果で株価が急騰しており、今後のリレーティング余地は残されています。中計達成と収益改善が進めば、TSRの改善が期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 5円 | 52.4% |
| 2017/03期 | 50円 | 46.7% |
| 2018/03期 | 50円 | 57.8% |
| 2019/03期 | 80円 | 85.7% |
| 2020/03期 | 50円 | 52.9% |
| 2021/03期 | 50円 | 43.1% |
| 2022/03期 | 50円 | 35.3% |
| 2023/03期 | 50円 | 53.4% |
| 2024/03期 | 55円 | 39.7% |
| 2025/03期 | 80円 | 37.2% |
| 必要株数 | 100株以上(約42万円) |
| 金額相当 | 1,000円〜2,500円相当 |
| 権利確定月 | 3月 |
2026年3月期から配当下限80円の方針を導入し、株主還元を強化しています。2025/03期には記念配当を含む80円配当を実施。2026/03期も80円を維持予定ですが、EPSが64.2円予想のため配当性向は124%と利益超過配当となる見込みです。加えて株主優待で自社製品がもらえ、長期保有優遇制度の拡充も発表されています。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 98.4万円 | 1.6万円 | -1.6% |
| 2022期 | 99.5万円 | 0.5万円 | -0.5% |
| 2023期 | 105.9万円 | 5.9万円 | 5.9% |
| 2024期 | 132.8万円 | 32.8万円 | 32.8% |
| 2025期 | 149.4万円 | 49.4万円 | 49.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは65.0倍と食料品業界平均(19.1倍)を大幅に上回る割高水準ですが、これは2026/03期の純利益が一時的に低水準であることが主因です。PBRは0.70倍と業界平均(1.5倍)の半分以下であり、純資産面では割安。信用買残が売残の9.3倍と買い需要が旺盛で、株主還元期待の高さがうかがえます。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 23.5億円 | 7.1億円 | 30.1% |
| 2022/03期 | 28.2億円 | 8.4億円 | 29.9% |
| 2023/03期 | 19.9億円 | 7.3億円 | 36.8% |
| 2024/03期 | 18.0億円 | 0円 | 0.0% |
| 2025/03期 | 11.2億円 | 0円 | 0.0% |
2021期〜2023は実効税率30%前後で推移していましたが、2024期以降は税額がゼロとなっています。これは繰延税金資産の計上や自社株消却に伴う会計処理の影響と考えられます。税引前利益は2022/03期の28億円をピークに減少傾向にあります。
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日本甜菜製糖(株) まとめ
「北海道のてん菜から砂糖をつくる、国産ビート糖のトップメーカー。製糖に留まらない多角化で新たな成長へ」
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