伊藤園
ITO EN,LTD.
最終更新日: 2026年3月22日
お~いお茶で世界を潤す、日本茶文化のパイオニア
世界のティーカンパニーとして、お茶の持つ健康価値と文化的価値を世界に届ける
この会社ってなに?
コンビニやスーパーで手に取る「お~いお茶」、仕事の合間に立ち寄る「タリーズコーヒー」、朝の1杯の「1日分の野菜」。あなたの日常に寄り添う飲み物の多くを、この会社がつくっています。世界でも抹茶ブームの追い風を受け、北米・アジアでお~いお茶の存在感が高まっています。
伊藤園は「お~いお茶」ブランドで国内緑茶飲料市場トップシェアを誇り、タリーズコーヒージャパンの運営や野菜飲料など幅広い飲料事業を展開しています。FY2025/4は売上高4,727億円・営業利益229億円と堅調に推移しましたが、FY2026/4は海外子会社における減損損失の計上により通期純利益予想を160億円から10億円へ大幅下方修正。売上高4,950億円・営業利益200億円と増収ながら減益を見込んでおり、構造改革の成否が注目されます。中期経営計画(2025年4月期~2029年4月期)では「世界のティーカンパニー」の実現に向け、お~いお茶のグローバルブランド化とM&Aに300億円を投じる方針です。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 4月
- 本社
- 東京都渋谷区本町3-47-10
- 公式
- www.itoen.co.jp
社長プロフィール
「お客様第一主義」を掲げ、お茶の持つ健康価値を世界に届けることが私たちの使命です。日本の茶文化を礎に、グローバルなティーカンパニーとして成長し続けてまいります。
この会社のストーリー
フロンティア製茶株式会社として設立。日本茶の可能性を信じ、茶葉の生産・販売からスタートしました。
「缶入り煎茶」を世界で初めて商品化。急須で淹れるものだった緑茶を、いつでもどこでも飲めるように革新しました。
「缶入り煎茶」を「お~いお茶」にリブランド。親しみやすいネーミングで国民的飲料へと成長していきました。
米タリーズコーヒーの日本事業を買収し、コーヒー市場に本格参入。飲料事業の多角化を推進しました。
「世界のティーカンパニー」実現に向けた5ヵ年計画を策定。M&Aに300億円を投じ、北米・アジアでのお~いお茶のブランド価値向上を目指します。
注目ポイント
国内緑茶飲料市場でトップシェアを誇り、累計販売本数は400億本を突破。世界でも抹茶ブームの追い風を受け、北米を中心に急成長しています。
有利子負債ゼロの健全な財務基盤に加え、増配と株主優待(自社製品詰合せ)を組み合わせた株主還元を継続。優待込み利回りは約2.24%です。
全国の契約農家と連携した茶産地育成事業を展開。荒廃農地の再生や有機栽培の推進を通じて、サステナブルな原料調達と地域社会への貢献を両立しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 40円 | 59.4% |
| FY2017/3 | 40円 | 36.8% |
| FY2018/3 | 40円 | 40.1% |
| FY2019/3 | 40円 | 34.5% |
| FY2020/3 | 40円 | 65.0% |
| FY2021/3 | 40円 | 72.6% |
| FY2022/3 | 40円 | 38.5% |
| FY2023/3 | 40円 | 38.5% |
| FY2024/3 | 42円 | 33.2% |
| FY2025/3 | 44円 | 37.4% |
| 必要株数 | 100株以上(約28万円) |
| 金額相当 | 約1,500円相当 |
| 権利確定月 | 4月 |
FY2024/4に40円から42円、FY2025/4には44円と2期連続の増配を実施。FY2026/4は48円への増配が予想されており、配当利回りは1.71%です。株主優待は4月末の株主に自社製品詰合せ(100株で1,500円相当)を贈呈しており、優待込みの実質利回りは約2.24%となります。純利益が大幅減益見込みとなるFY2026/4でも増配予想を維持しており、株主還元への意思が示されています。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高はFY2021/4の4,462億円からFY2025/4には4,727億円まで着実な増収を続けています。FY2026/4予想は売上高4,950億円と増収を見込むものの、海外子会社における減損損失の計上により純利益は10億円と前期比93%減の大幅減益を予想。営業利益も200億円と12.9%の減益見通しです。一過性の減損要因を除けば事業の基調は堅調であり、中期経営計画の推進が注目されます。
事業ごとの売上・利益
「お~いお茶」を中心とした緑茶飲料、野菜飲料、コーヒー飲料等の製造・販売。茶葉製品も含む主力事業
タリーズコーヒージャパンの運営。全国約800店舗を展開し、スペシャルティコーヒーの提供とRTD商品の開発を推進
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 6.8% | 3.0% | 3.7% |
| FY2017/3 | 10.0% | 4.5% | 4.6% |
| FY2018/3 | 8.7% | 4.2% | 4.5% |
| FY2019/3 | 9.6% | 4.8% | 4.5% |
| FY2020/3 | 5.2% | 2.7% | 4.1% |
| FY2021/3 | 4.6% | 2.1% | 3.7% |
| FY2022/3 | 7.9% | 3.9% | 4.7% |
| FY2023/3 | 7.5% | 3.8% | 4.5% |
| FY2024/3 | 8.5% | 4.4% | 5.5% |
| FY2025/3 | 8.0% | 4.1% | 4.9% |
ROEはFY2024/4に8.5%まで改善しましたが、FY2025/4は8.0%にやや低下。中計目標の10%にはまだ距離があります。営業利益率はFY2024/4の5.5%をピークにFY2025/4は4.9%に後退。飲料業界は原材料高騰や物流費上昇の影響を受けやすく、価格改定と販売数量のバランスが収益性改善のカギとなります。
財務は安全?
自己資本比率は50.6%と極めて健全な財務体質を維持しています。有利子負債はゼロの実質無借金経営で、BPS(1株当たり純資産)は1,511円と着実に蓄積。FY2025/4は総資産がやや減少しましたが、自己資本比率50%超の安定性は揺るぎません。M&Aに300億円を投じる原資も十分に確保されています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 301億円 | -81.5億円 | -180億円 | 219億円 |
| FY2017/3 | 271億円 | -82.4億円 | -80.1億円 | 189億円 |
| FY2018/3 | 253億円 | -114億円 | -166億円 | 140億円 |
| FY2019/3 | 261億円 | -106億円 | -150億円 | 155億円 |
| FY2020/3 | 247億円 | -92.2億円 | -129億円 | 155億円 |
| FY2021/3 | 254億円 | -75.1億円 | 258億円 | 178億円 |
| FY2022/3 | 222億円 | -74.0億円 | -299億円 | 148億円 |
| FY2023/3 | 238億円 | -86.4億円 | -91.3億円 | 151億円 |
| FY2024/3 | 255億円 | -107億円 | -122億円 | 147億円 |
| FY2025/3 | 180億円 | -133億円 | -232億円 | 47.0億円 |
営業CFはFY2024/4まで安定して200億円超を確保していましたが、FY2025/4は180億円にやや減少。投資活動では成長投資を積極化しており、FCF(フリーキャッシュフロー)は47億円まで縮小しました。財務CFは配当金支払いと自己株式取得で大きなマイナスとなっています。中計で掲げるM&A投資300億円の実行に向け、キャッシュ創出力の回復が重要な課題です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 151億円 | 64.6億円 | 42.8% |
| FY2017/3 | 215億円 | 78.3億円 | 36.4% |
| FY2018/3 | 214億円 | 88.9億円 | 41.5% |
| FY2019/3 | 232億円 | 87.5億円 | 37.7% |
| FY2020/3 | 194億円 | 116億円 | 59.9% |
| FY2021/3 | 170億円 | 100億円 | 58.8% |
| FY2022/3 | 200億円 | 70.4億円 | 35.3% |
| FY2023/3 | 203億円 | 74.5億円 | 36.6% |
| FY2024/3 | 267億円 | 110億円 | 41.3% |
| FY2025/3 | 230億円 | 88.2億円 | 38.4% |
FY2025/4の実効税率は38.4%で、概ね標準的な水準を維持しています。FY2021/4は繰延税金資産の取崩し等の影響で58.8%と異常に高い税率となりましたが、その後は35~41%の範囲に安定。FY2026/4は減損損失の計上がありますが、経常利益ベースでは税負担率に大きな変動は見込まれていません。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2021/4 | 576万円 | 5,200人 | - |
| FY2022/4 | 595万円 | 5,100人 | +3.3% |
| FY2023/4 | 638万円 | 5,000人 | +7.2% |
| FY2024/4 | 667万円 | 4,980人 | +4.5% |
| FY2025/4 | 683万円 | 4,965人 | +2.4% |
平均年収は約683万円で食品業界の中位水準です。単体従業員約4,965名体制で、連結では約7,916名のグループを運営しています。平均年齢42.4歳、平均勤続年数18.5年と定着率が非常に高いのが特徴で、着実に年収水準も向上しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主はグリーンコア・公益財団法人本庄国際奨学財団。
筆頭株主のグリーンコアは創業家の資産管理会社で約20%を保有。公益財団法人本庄国際奨学財団・本庄八郎氏と合わせた創業家関連の持株比率は約28%に達します。機関投資家の保有も一定程度あり、浮動株比率は約61%とやや高めですが、創業家の支配的影響力が経営の方向性を安定させています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| リーフ・ドリンク関連事業 | 約4,450億円 | 約210億円 | 約4.7% |
| 飲食関連事業 | 約270億円 | 約18億円 | 約6.7% |
売上の約94%を占めるリーフ・ドリンク関連事業が収益の柱です。「お~いお茶」ブランドの国内緑茶飲料シェアはトップで、野菜飲料やミネラルウォーターにも展開。タリーズコーヒーの飲食事業は約270億円の売上規模で利益率が比較的高く、グループの多角化に貢献しています。役員報酬は取締役8名で4億5,300万円。海外事業の拡大に伴い、為替リスクや海外子会社の減損リスクが顕在化しており、FY2026/4の大幅減益の主因となっています。
この会社のガバナンスは?
取締役8名中女性2名(25%)とプライム企業の平均を上回る女性比率を確保しています。監査等委員会設置会社として経営監視体制を整備。連結子会社42社を擁するグループ経営で、設備投資は287億円と自販機網や生産設備の更新を継続中です。平均勤続年数18.5年と社員の定着率が非常に高いのが特徴です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/4 | 4,666億円 | — | 4,727億円 | +1.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/4 | 265億円 | — | 229億円 | -13.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026/4 | 160億円 | 10億円 | — | -93.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2024年6月に発表した5ヵ年中期経営計画では、FY2029/4に売上高6,000億円・営業利益率5%台後半・ROE10%以上を掲げています。初年度のFY2025/4は売上は概ね計画線ですが営業利益は未達。2年目のFY2026/4は海外子会社の減損損失により純利益予想を93.8%下方修正する事態となり、中計の信頼性にも影響が出ています。M&Aによる成長投資の実行と収益基盤の強化が急務です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年間のTSR(株主総利回り)は76.2%で、TOPIX(182.5%)を大幅に下回るアンダーパフォームの状態です。FY2024には株価がやや持ち直しましたが、FY2025は減損による業績下方修正の影響で再び大きく下落しました。安定配当や株主優待によるインカム収入はあるものの、キャピタルゲインでは市場平均に大きく劣後しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 92.5万円 | -7.5万円 | -7.5% |
| FY2022 | 78.3万円 | -21.7万円 | -21.7% |
| FY2023 | 85.1万円 | -14.9万円 | -14.9% |
| FY2024 | 101.2万円 | +1.2万円 | 1.2% |
| FY2025 | 76.2万円 | -23.8万円 | -23.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER20.7倍は業界平均18.5倍をやや上回る水準ですが、FY2026/4の減損影響を除いた実力ベースでは妥当な評価です。PBR1.86倍は業界平均1.3倍を上回り、ブランド力への評価が反映されています。信用倍率は2.83倍で買い残がやや多い状態ですが、極端な偏りはありません。配当利回り1.71%は業界平均を下回りますが、株主優待を加味すれば実質利回りは向上します。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
新中期経営計画(2025年4月期~2029年4月期)を発表。「世界のティーカンパニー」の実現に向け、グローバル展開の加速とM&Aに300億円投資の方針を掲げた。
FY2025/4の通期決算を発表。売上高4,727億円(前期比+4.1%)、営業利益229億円と増収増益を達成。配当も44円に増配。
FY2026/4の上期決算を発表。経常利益が前年同期比2%増益で着地し、計画に沿った進捗を示した。
FY2026/4通期の純利益予想を160億円から10億円に93.8%下方修正。海外子会社における減損損失の計上が主因。
FY2026/4の第3四半期累計(5-1月)決算を発表。売上高3,794億円も最終赤字に転落。通期予想は据え置き。
最新ニュース
伊藤園 まとめ
ひとめ診断
「お~いお茶で日本茶文化を世界へ届ける、飲料業界の緑茶パイオニア」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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