ニチレイ
NICHIREI CORPORATION
最終更新日: 2026年3月22日
冷凍食品と低温物流で日本の食を支える、見えないインフラ企業
食のフロンティアを切り拓き、おいしい瞬間を届けることで、人々の豊かな食生活と社会の発展に貢献する。
この会社ってなに?
コンビニやスーパーの冷凍食品コーナーで「本格炒め炒飯」や「特から」を手に取ったことがあるなら、それはニチレイの製品です。実はその冷凍食品が工場からお店の冷凍ケースに届くまでの「冷たさを保つ物流」もニチレイが担っています。つまり、あなたが冷凍食品を食べるたびに、作る側と届ける側の両方でニチレイの技術が活躍しているのです。さらに米国への新工場建設(155億円超投資)で海外展開も加速中。日本の食卓と世界をつなぐ、見えないインフラ企業です。
ニチレイは冷凍食品で国内トップシェアを誇り、低温物流事業でも圧倒的なネットワークを持つ食のインフラ企業です。FY2025/3は売上高7,021億円(+3.2%)、営業利益383億円(+3.8%)と着実な増収増益を達成。FY2026/3は営業利益450億円(+17.4%)と2桁増益を見込み、新中期経営計画「Compass×Growth 2027」では営業利益率10%、ROIC10%、海外売上高比率40%を2035年の長期目標に掲げています。2026年1月には株式売出しと株主優待制度の新設を発表し、株主構成の最適化と個人投資家層の拡大を推進中です。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都中央区築地六丁目19番20号 ニチレイ東銀座ビル
- 公式
- www.nichirei.co.jp
社長プロフィール
私たちは『くらしを見つめ、人々に心の満足を提供する』という企業理念のもと、加工食品と低温物流という2つの強みを活かし、食のバリューチェーン全体で価値を創造しています。新中期経営計画「Compass×Growth 2027」を通じて、収益力の強化と資本効率の向上に全力で取り組んでまいります。
この会社のストーリー
水産物の冷蔵保管を目的に設立。戦後の食料供給を支える冷蔵倉庫事業からスタートしました。
「日本冷蔵」から「ニチレイ」へ。冷蔵倉庫会社から総合食品企業への転換を図り、冷凍食品の本格展開が始まりました。
純粋持株会社体制に移行し、ニチレイフーズ・ニチレイロジグループ本社など基幹子会社を設立。事業ごとの責任と権限を明確化しました。
営業利益率10%・ROIC10%・海外比率40%の長期目標を掲げ、水産・畜産事業の構造改革と加工食品・物流への経営資源集中を加速。
長期経営目標「N-FIT 2035」の達成に向け、国内トップの食品インフラ企業から、グローバルに競争力を持つ食の総合企業への進化を目指しています。
注目ポイント
家庭用・業務用冷凍食品で国内シェアNo.1を誇り、低温物流でも国内最大級のネットワークを構築。食品を「作る」と「届ける」の両方を押さえた垂直統合型のビジネスモデルは、競合が簡単に模倣できない参入障壁です。
DOE重視の安定配当方針のもと4期連続の増配を実現。2026年3月からは株主優待制度も新設し、自社グループ商品の贈呈を開始。配当利回り2.38%に加え、優待込みの総合利回りも魅力的な水準です。
低収益の水産・畜産事業を再編し、高収益の加工食品と物流に集中投資する戦略を推進。米国に155億円超の新工場を建設するなど海外展開も加速中で、2035年に海外売上比率40%という大きな成長ポテンシャルを秘めています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 12円 | 25.5% |
| FY2018/3 | 30円 | 21.1% |
| FY2019/3 | 32円 | 21.4% |
| FY2020/3 | 42円 | 28.5% |
| FY2021/3 | 50円 | 31.4% |
| FY2022/3 | 50円 | 28.3% |
| FY2023/3 | 52円 | 31.1% |
| FY2024/3 | 74円 | 38.6% |
| FY2025/3 | 92円 | 94.5% |
| 必要株数 | 500株以上(約99万円) |
| 金額相当 | 約2,500円相当 |
| 権利確定月 | 3月 |
| 長期特典 | 3年以上保有で優待内容がグレードアップ |
ニチレイは4期連続の増配を実現し、FY2025/3は分割前ベースで年間92円を配当。FY2026/3は分割後ベースで47円(実質増配)を予想しています。配当方針はDOE(自己資本配当率)を重視する安定配当型で、配当性向は30%前後を基本としつつ段階的に引き上げてきました。FY2025/3の配当性向94.5%は株式分割前の特殊要因です。2026年3月からは株主優待制度を新設し、500株以上保有で自社グループ商品を贈呈。総合利回りの向上を図っています。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
ニチレイは5期連続の増収を達成し、FY2025/3には売上高7,021億円に到達。営業利益も383億円と着実に拡大しています。FY2026/3は売上高7,000億円(横ばい)ながら、水産・畜産事業の構造改革効果と加工食品の収益力強化により営業利益450億円(+17.4%)の大幅増益を見込みます。なお、FY2025/3のEPS低下は2025年10月の株式分割(1:2)の影響です。
事業ごとの売上・利益
家庭用・業務用冷凍食品で国内シェアNo.1。「本格炒め炒飯」「特から」等の主力ブランドが好調。収益の柱
国内最大級の冷蔵倉庫ネットワーク。3PL事業を軸に欧州でも成長中。第2の収益柱
水産物・畜産物の調達・加工・販売。構造改革の対象として収益性改善を推進中
臨床検査試薬の製造販売。高利益率のニッチ事業として安定貢献
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.7% | 5.2% | 5.8% |
| FY2022/3 | 11.4% | 5.5% | 5.2% |
| FY2023/3 | 8.8% | 4.7% | 5.0% |
| FY2024/3 | 8.4% | 5.0% | 5.4% |
| FY2025/3 | 9.5% | 5.0% | 5.5% |
ROEは9〜11%の範囲で推移しており、食品セクターとしては良好な水準を維持しています。営業利益率は5%台で安定していますが、新中計では長期目標として10%を掲げており、加工食品事業への集中と低収益事業の再編によるマージン改善が今後の焦点です。ROAも5%前後と堅実で、資産効率の面でも大きな課題はありません。
財務は安全?
総資産は5年間で約23%拡大し、4,992億円に到達。自己資本比率は50%前後を安定的に維持しており、財務健全性は良好です。FY2024/3から有利子負債が約1,572億円計上されていますが、これは低温物流事業のリース債務計上が主因。BPSはFY2025/3で1,037.8円に低下していますが、2025年10月の株式分割(1:2)による影響です。純資産は着実に積み上がっており、成長投資と株主還元の余力を十分に確保しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 455億円 | -322億円 | -107億円 | 132億円 |
| FY2022/3 | 347億円 | -260億円 | -142億円 | 86.4億円 |
| FY2023/3 | 379億円 | -268億円 | -85.9億円 | 110億円 |
| FY2024/3 | 624億円 | -316億円 | -313億円 | 309億円 |
| FY2025/3 | 532億円 | -324億円 | -168億円 | 208億円 |
営業CFは毎期350〜620億円の安定した創出力を持ち、FY2024/3には624億円とピークを記録。投資CFは冷凍食品工場や物流拠点への積極投資により毎期260〜320億円規模で推移しています。FCF(フリーキャッシュフロー)はFY2024/3に309億円と大幅に改善し、FY2025/3も208億円と良好。成長投資と株主還元を両立できるキャッシュ創出力を備えています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 335億円 | 123億円 | 36.7% |
| FY2022/3 | 317億円 | 82.8億円 | 26.2% |
| FY2023/3 | 334億円 | 119億円 | 35.5% |
| FY2024/3 | 383億円 | 138億円 | 36.0% |
| FY2025/3 | 399億円 | 151億円 | 38.0% |
法人税等の実効税率は概ね26〜38%の範囲で推移しており、FY2022/3の26.2%は税効果会計上の一時的な要因によるものです。FY2026/3は税引前利益450億円に対し法人税等155億円(実効税率34.4%)を見込んでおり、法定実効税率に近い標準的な水準に回帰する見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 743万円 | 16,626人 | - |
連結従業員数は約16,626名、平均年収は約743万円で食品メーカーとしては標準的な水準です。平均年齢45.6歳、平均勤続年数18.1年と長期勤務者が多く、安定した雇用環境が特徴。持株会社体制のもと、ニチレイフーズ・ニチレイロジグループ本社など基幹4社を中心にグループ経営を展開しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は日本生命保険相互会社・みずほ銀行。
信託銀行2社が上位を占め、機関投資家の関与度が高い株主構成です。日本生命・みずほ銀行・農林中央金庫など金融機関が安定株主として存在感を示していますが、2026年1月にみずほ銀行・三菱UFJ銀行・農林中央金庫等が株式売出しを実施。株主構成の「能動的な再構築」を進めており、今後は個人投資家・海外投資家の比率が高まる可能性があります。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 加工食品事業 | 約2,680億円 | 約210億円 | 7.8% |
| 低温物流事業 | 約2,400億円 | 約130億円 | 5.4% |
| 水産・畜産事業 | 約1,700億円 | 約30億円 | 1.8% |
| バイオサイエンス事業 | 約50億円 | 約15億円 | 30.0% |
収益構造は加工食品事業と低温物流事業の2本柱が全体の約72%の売上と約85%の利益を占めています。加工食品事業は国内冷凍食品のトップシェアを活かした高収益体質、低温物流事業は全国の冷蔵倉庫ネットワークを基盤とした安定収益が特徴です。一方、水産・畜産事業は利益率1.8%と低収益であり、新中計では食品事業統合による機能再編と収益性改善が重点課題となっています。バイオサイエンス事業は規模は小さいものの利益率30%と高く、ニッチ分野での安定的な貢献を果たしています。
この会社のガバナンスは?
取締役16名中女性は3名(18.8%)で、食品業界としては比較的高い女性比率を確保しています。連結子会社80社のグループ経営を統括し、設備投資は377.8億円と積極的な成長投資を継続。平均勤続年数18.1年と長期雇用が根付いており、技術・ノウハウの蓄積に強みがあります。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 6,750億円 | — | 6,801億円 | +0.8% |
| FY2025 | 6,900億円 | — | 7,021億円 | +1.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 345億円 | — | 369億円 | +7.0% |
| FY2025 | 390億円 | — | 383億円 | -1.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
ニチレイの前中期経営計画は主要KPIが惜しくも未達に終わりましたが、業績予想の精度は比較的高く、売上高は毎期上振れ傾向にあります。新中計「Compass×Growth 2027」では2035年に営業利益率10%・ROIC10%を目指す長期目標「N-FIT 2035」を掲げ、加工食品への集中投資と低収益事業の再編で収益構造の転換を図っています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は68.6%と絶対値ではプラスリターンですが、TOPIXの213.4%を大幅に下回るアンダーパフォームとなっています。FY2024にはTSR143%まで上昇した局面もありましたが、その後の株価調整と株式売出しの影響で大きく後退。食品ディフェンシブ銘柄としての安定性はあるものの、市場全体の上昇相場には乗り切れていない状況です。新中計の構造改革が奏功すれば、TSRの改善余地は大きいといえます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 94.9万円 | -5.1万円 | -5.1% |
| FY2022 | 80.8万円 | -19.2万円 | -19.2% |
| FY2023 | 92.8万円 | -7.2万円 | -7.2% |
| FY2024 | 143.0万円 | +43.0万円 | 43.0% |
| FY2025 | 68.6万円 | -31.4万円 | -31.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER16.8倍は食料品セクター平均(19.1倍)を下回っており、バリュエーション面では割安感があります。一方PBR1.90倍はセクター平均を上回り、収益性への一定の評価が反映されています。信用倍率は0.71倍と売り残が買い残を上回る「売り長」の状態で、将来の買い戻し需要が株価の下支え要因となり得ます。配当利回り2.38%もセクター平均を上回っており、インカム面での魅力も備えています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/3期決算を発表。売上高7,021億円(+3.2%)、営業利益383億円(+3.8%)と増収増益を達成。新中期経営計画「Compass×Growth 2027」を同時発表。
食品事業統合に向けた機能再編を発表。水産・畜産事業の構造改革を断行し、加工食品事業と低温物流事業へ経営資源を集中する方針を明確化。
主要株主(みずほ銀行・三菱UFJ銀行・農林中央金庫等)による1,672万株の株式売出しを発表。同時に株主優待制度を新設し、個人投資家層の拡大を図る。
FY2026/3期 第3四半期決算を発表。経常利益は7%増益で着地。加工食品事業の主力ブランドが好調に推移し、通期計画の達成に向け順調な進捗。
最新ニュース
ニチレイ まとめ
ひとめ診断
冷凍食品と低温物流の両輪で成長する食のインフラ企業、新中計で営業利益率10%・海外比率40%を目指す
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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