岩塚製菓(株)
IWATSUKA CONFECTIONERY CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月25日
日本のお米100%にこだわる米菓の匠。40年前に蒔いた種が、アジア最大の食品メーカーに育った奇跡の物語
お米となかよし — 何世代にも続く愛される商品づくり
この会社ってなに?
スーパーやコンビニのお菓子コーナーで見かける「味しらべ」「岩塚の黒豆せんべい」「きなこ餅」「田舎のおかき」。これらはすべて岩塚製菓の商品です。日本のお米100%にこだわった素朴で飽きのこない味わいが特徴で、世代を超えて愛されています。また、約40年前に技術を供与した台湾の旺旺集団は、現在アジア最大級の米菓・食品メーカーに成長しており、岩塚製菓の技術が世界の食文化に貢献しています。
岩塚製菓は1947年に新潟県で創業した米菓専業メーカーで、「味しらべ」「岩塚の黒豆せんべい」など国民的ロングセラー商品を多数展開しています。米菓業界で国内3位のポジションを持ち、約40年前に技術供与した台湾・旺旺集団(中国旺旺)からの配当金収入が経常利益を大きく押し上げる独自の収益構造が特徴です。FY2025/3は売上高250億円・営業利益8.2億円と増収増益。PBR 0.51倍と大幅な割安水準にあり、実質的な資産価値に注目が集まっています。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 新潟県長岡市飯塚2958番地
- 公式
- www.iwatsukaseika.co.jp
社長プロフィール
岩塚製菓は『お米となかよし』な企業として、日本のお米を100%使用したこだわりの米菓づくりを続けています。何世代にも愛される商品をお届けし、お米の可能性を広げてまいります。
この会社のストーリー
新潟県の渋海川沿いで、地元の米を活かした米菓づくりを開始。戦後の食糧難の中、お米のおいしさを届けることを使命とした。
法人化し、本格的な米菓メーカーとしての歩みを始める。新潟の良質なお米を原料に、独自の製法を確立した。
台湾の蔡衍明氏に米菓の製造技術を供与。この決断が後にアジア最大の食品メーカーを生み出すことになる、岩塚製菓最大の転機。
コロナ禍と原材料コスト上昇により、FY2022〜2023に営業赤字を計上。しかし旺旺集団からの配当金で黒字を維持し、事業構造改革に着手した。
中期経営計画(2025-2027年度)を発表。売上310億円・営業利益10億円を目標に、新市場開拓と海外展開の拡大を推進。
注目ポイント
純資産の半値で購入できる超割安水準。旺旺集団の持分価値を考慮すると実質的な資産価値はさらに高く、資産価値の再評価(リレーティング)に期待が持てます。
約40年前に技術供与した台湾・旺旺集団(中国旺旺)からの受取配当金が、毎期数十億円規模の営業外収益をもたらす唯一無二の収益構造。本業以上の利益を安定的に確保しています。
100株保有で1,000円相当の自社製品詰合せ(3月のみ)、200株以上で年2回もらえます。「味しらべ」「岩塚の黒豆せんべい」など人気商品が届く嬉しい優待です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 9円 | 34.9% |
| FY2017/3 | 9円 | 8.2% |
| FY2018/3 | 10円 | 10.9% |
| FY2019/3 | 11円 | 9.4% |
| FY2020/3 | 13円 | 8.2% |
| FY2021/3 | 15円 | 8.4% |
| FY2022/3 | 16円 | 21.7% |
| FY2023/3 | 18.5円 | 5.2% |
| FY2024/3 | 46円 | 26.2% |
| FY2025/3 | 30円 | 10.7% |
| 必要株数 | 100株以上(約33万円) |
| 金額相当 | 1,000円〜5,000円相当 |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
配当はFY2021/3の30円からFY2024/3の46円まで増配が続いていましたが、FY2025/3は株式分割(1:2)の影響で1株30円に調整されました(実質的には増配基調を維持)。FY2026/3も30円を予想しています。配当利回りは0.91%と低めですが、株主優待として自社製品の米菓詰合せがもらえ、200株以上保有で年2回の優待を受けられます。配当性向は旺旺集団からの配当金により純利益が変動するため年度により幅があります。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
岩塚製菓の売上高はFY2022/3に原材料高騰の影響で一時減収となりましたが、その後は3期連続の増収基調を回復し、FY2025/3には250億円に到達しました。営業利益はFY2022〜2023に赤字を計上しましたが、FY2024/3に黒字転換しFY2025/3には8.2億円まで改善しています。なお、純利益は旺旺集団からの受取配当金(営業外収益)により営業利益を大幅に上回る独自の収益構造が特徴です。FY2026/3は売上高290億円を予想する一方、営業利益は3億円に減益予想となっています。
事業ごとの売上・利益
おせんべい・おかき・あられの製造販売。「味しらべ」「岩塚の黒豆せんべい」「きなこ餅」等のロングセラー商品を展開。売上構成比97%を占める主力セグメント。
通信販売事業等。子会社の岩塚製菓オンラインショップを通じた直販を展開。売上構成比3%。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.7% | 2.6% | - |
| FY2022/3 | 1.5% | 0.9% | - |
| FY2023/3 | 6.0% | 4.8% | - |
| FY2024/3 | 3.0% | 2.3% | 2.7% |
| FY2025/3 | 4.3% | 3.2% | 3.3% |
営業利益率はFY2022〜2023にマイナスとなりましたが、価格改定と生産効率改善によりFY2025/3には3.3%まで回復しました。ROEはFY2023/3に旺旺集団からの高額配当により6.4%に跳ね上がるなど、営業外収益の変動が収益性指標に大きく影響する構造です。純資産が厚く自己資本比率が高いため、ROEは構造的に低めとなる傾向があります。
財務は安全?
自己資本比率は一貫して72〜75%の高水準を維持しており、財務基盤は非常に堅固です。FY2023/3までは実質無借金経営でしたが、FY2024/3に設備投資に伴い有利子負債18億円を計上。FY2025/3には10億円に縮小しています。BPSはFY2024/3に株式分割の影響で減少していますが、純資産自体は着実に増加しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 35.7億円 | -58.3億円 | 17.7億円 | -22.6億円 |
| FY2022/3 | 23.8億円 | -17.6億円 | -1.1億円 | 6.2億円 |
| FY2023/3 | 53.4億円 | -15.6億円 | -10.2億円 | 37.8億円 |
| FY2024/3 | 27.6億円 | -18.4億円 | -26.1億円 | 9.1億円 |
| FY2025/3 | 39.4億円 | -20.7億円 | -6.5億円 | 18.7億円 |
営業キャッシュフローは毎期安定的にプラスを確保しており、FY2025/3には39億円を計上しました。FY2023/3には旺旺集団からの高額配当受領によりFCFが38億円に達しています。投資キャッシュフローはR&D・Mセンターや製造設備の更新投資を反映しており、堅実な成長投資を継続しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 29.4億円 | 9.3億円 | 31.7% |
| FY2022/3 | 14.1億円 | 5.8億円 | 41.4% |
| FY2023/3 | 54.5億円 | 14.8億円 | 27.2% |
| FY2024/3 | 28.1億円 | 8.5億円 | 30.3% |
| FY2025/3 | 39.6億円 | 10.6億円 | 26.6% |
税引前利益は旺旺集団からの受取配当金の影響で年度により変動が大きく、FY2023/3には55億円に達しました。実効税率は27〜41%の幅がありますが、受取配当金の益金不算入制度により法定実効税率を下回る年度が見られます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 530万円 | 821人 | - |
従業員の平均年収は530万円で、食料品業界の中では標準的な水準です。平均年齢43.1歳・平均勤続年数17.2年と定着率が高く、長年培われた米菓製造の技術・ノウハウが社内に蓄積されています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は槇氏・第四北越銀行。
筆頭株主は岩塚製菓共栄会(6.03%)で、創業家の槇一族(槇政男3.87%・槇キク3.11%)が合計約7%を保有しています。第四北越銀行グループ(銀行4.93%・JCBカード2.49%・証券2.49%)が合計約10%を保有し、地元金融機関との強い関係が特徴です。個人投資家比率が56.3%と高く、株主優待銘柄としての人気がうかがえます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 米菓事業 | 242億円 | 7.9億円 | 3.3% |
| その他事業 | 7.5億円 | 0.3億円 | 4.0% |
米菓事業が売上の97%を占める専業メーカーです。ただし、経常利益ベースでは台湾・旺旺集団(中国旺旺)からの受取配当金が大きなウェイトを占めており、営業利益の数倍の経常利益を計上する独自の収益構造が最大の特徴です。旺旺集団は岩塚製菓が約40年前に技術供与した会社で、現在はアジア最大級の米菓・食品メーカーに成長しています。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役9名中、女性はゼロで女性登用が今後の課題です。連結子会社4社・持分法適用関連会社1社(旺旺集団関連)のコンパクトな体制で経営しています。平均勤続年数17.2年と高い定着率が特徴で、米菓製造の専門技術を社内で継承しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 229億円 | — | 250億円 | +8.9% |
| FY2024 | 218億円 | — | 220億円 | +0.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
岩塚製菓は2025年5月に発表した中期経営計画で、FY2028/3に売上高310億円・営業利益10億円を目標に掲げています。主力商品の強化、新規市場開拓、海外展開の拡大を3本柱としており、FY2025/3実績はいずれも目標の80%超に到達。売上面は好調に推移していますが、営業利益は設備投資や人件費増加の影響で一時的な減益フェーズにあります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
岩塚製菓のTSRは5年間で181.8%と株価は着実に上昇していますが、TOPIX(188.3%)をわずかに下回るパフォーマンスとなっています。PBR 0.51倍という超割安水準を考慮すると、今後の資産価値の再評価(リレーティング)による上昇余地が期待されます。中期経営計画の進捗や旺旺集団との関係深化がカタリストとなる可能性があります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 134.7万円 | +34.7万円 | 34.7% |
| FY2022 | 122.8万円 | +22.8万円 | 22.8% |
| FY2023 | 149.2万円 | +49.2万円 | 49.2% |
| FY2024 | 174.8万円 | +74.8万円 | 74.8% |
| FY2025 | 181.8万円 | +81.8万円 | 81.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
岩塚製菓の株価指標は、PBR 0.51倍と業界平均(1.8倍)を大幅に下回る超割安水準にあります。これは旺旺集団株式などの投資有価証券が純資産に含まれているためで、実質的な資産価値は時価総額の約2倍です。PERは19.1倍と業界平均並みですが、旺旺配当を含む実質的な収益力を考慮すると割安と評価できます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第3四半期累計で売上高219億円(+17%)、営業利益8.5億円(+25%)と好調な進捗を開示。
通期の純利益予想を18億円から16億円に下方修正。旺旺集団からの配当金が想定を下回る見通し。
中期経営計画(2025-2027年度)を発表。2028/3期に売上310億円・営業利益10億円を目標に掲げる。
最新ニュース
岩塚製菓(株) まとめ
ひとめ診断
「日本のお米100%のこだわり米菓メーカー。旺旺集団への技術支援で海外にも影響力を持つスタンダード企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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