養命酒製造
YOMEISHU SEIZO CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月27日
400年の伝統と革新、健康を未来へつなぐウェルネス企業
自然の恵みである生薬の力を最大限に引き出し、一人ひとりが健やかに暮らせる社会の実現を目指します。
この会社ってなに?
「なんだか体が冷えるな」「最近、胃腸の調子が悪いかも…」そんな時にドラッグストアで見かける、あの茶色い瓶の『薬用養命酒』を覚えていますか?実は400年以上も前から作られているこの薬用酒を、ずっと作り続けてきたのが養命酒製造です。あなたやご家族が健康を気遣う時、その選択肢の一つを提供してきました。また、長野県を中心に展開するレストラン&ショップ『くらすわ』も運営しており、旅行先で美味しいパンやジャム、地元の新鮮な食材を使った料理を楽しんだとしたら、その裏側にいるのもこの会社かもしれません。
FY2025は売上高100.2億円、営業利益1.28億円と減収減益で着地。投資会社レノによるTOB(1株4050円)を受け入れており、主力事業である「薬用養命酒」をツムラへ68億円で売却し、株式を非公開化する方針です。これに伴い中期経営計画は取り下げられ、株主優待も廃止されるなど、株主構成の大きな変化と共に事業構造の抜本的な転換期を迎えています。今後は非上場企業として、飲食・物販事業「くらすわ」や不動産事業を軸とした再建を目指すことになります。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都渋谷区南平台町16番25号
- 公式
- www.yomeishu.co.jp
社長プロフィール
当社は「生活者の信頼に応え、人々の健康で豊かな生活に貢献する」という経営理念のもと、事業活動を展開しております。主力製品である『薬用養命酒』を中心に、長年培ってきた知見と自然の恵みである生薬の力を活かし、セルフメディケーションの領域で社会に貢献してまいります。
この会社のストーリー
信州伊那の庄屋であった塩沢家の当主、塩沢宗閑によって創製される。これが400年以上にわたる歴史の始まりとなった。
個人経営から株式会社天龍舘として会社組織となる。これにより「養命酒」の安定的供給と全国への販路拡大の礎を築いた。
戦後の復興期に株式を上場。企業の透明性を高め、さらなる成長に向けた資金調達の道を開いた。
長野県の駒ヶ根工場が医薬品の製造管理及び品質管理の基準であるGMP適合の承認を受ける。高い品質管理体制を確立した。
長野県諏訪市に「くらすわ」を開業し、健康をテーマにした新たな事業領域へ挑戦。ブランドイメージの多角化を図った。
長年の筆頭株主であった大正製薬HDが株式を売却。これにより経営環境が大きく変化し、新たな戦略が模索されることとなった。
投資会社レノによるTOBが開始され、株式の非公開化を目指すことを発表。同時に、主力事業である「薬用養命酒」事業をツムラへ譲渡する計画が明らかになった。
事業再編を経て、新たな経営体制のもとで持続的な成長を目指す。長年の歴史で培ったブランド価値と新たなパートナーシップで未来を切り拓く。
注目ポイント
1602年の創製以来、日本の家庭で長く愛されてきた「薬用養命酒」。その圧倒的な知名度と信頼性は、時代を超えて受け継がれる企業価値の源泉です。
TOBによる非公開化とツムラへの主力事業譲渡は、企業にとって大きな転換点です。漢方薬の雄との連携により、ブランドの新たな可能性と成長が期待されます。
「薬用養命酒」だけでなく、クラフトジン「香の森」や食品事業も展開。健康で豊かな暮らし(養生)を提案する企業として、新たな価値を創造し続けています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 40円 | 31.0% |
| FY2017/3 | 40円 | 40.1% |
| FY2018/3 | 40円 | 34.0% |
| FY2019/3 | 40円 | 80.0% |
| FY2020/3 | 40円 | 69.8% |
| FY2021/3 | 40円 | 68.2% |
| FY2022/3 | 40円 | 58.0% |
| FY2023/3 | 55円 | 74.4% |
| FY2024/3 | 45円 | 65.3% |
| FY2025/3 | 45円 | 91.7% |
年1回、継続保有期間に応じて1,500円相当の自社商品セット等を贈呈していましたが、現在は廃止が決定しています。
同社はこれまで安定的な配当維持を重視してきましたが、業績悪化に伴い配当性向が90%を超過するなど厳しい状況にありました。会社は構造改革の一環として株主優待を廃止し、今後は配当方針を含めた抜本的な見直しが行われます。経営の非公開化と事業譲渡に伴い、株主還元策は大きく転換される見通しです。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
養命酒製造の業績は、主力である薬用養命酒の国内販売の停滞に加え、飲食・物販事業の苦戦が響き、直近では減収傾向が続いています。FY2025/3には営業利益が約1.3億円まで落ち込むなど収益性が大きく悪化しました。FY2026/3期は事業構造の変革期として回復を期するものの、経営環境の厳しさが色濃い状況です。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2.0% | 1.7% | - |
| FY2022/3 | 2.3% | 2.0% | - |
| FY2023/3 | 2.4% | 2.1% | - |
| FY2024/3 | 2.1% | 1.8% | 4.6% |
| FY2025/3 | 1.5% | 1.3% | 1.3% |
収益性指標は、営業利益率がFY2023/3の約10.1%からFY2025/3には1.3%まで急速に低下するなど、深刻な水準にあります。これに伴いROE(自己資本利益率)も1.5%と極めて低い水準に留まっています。本業の稼ぐ力が低下しており、収益構造の抜本的な見直しが急務となっていました。
財務は安全?
財務状況は極めて強固で、自己資本比率は一貫して85%以上の高水準を維持しています。有利子負債は長らくゼロの状態でしたが、直近ではわずかな借り入れが発生しています。長年にわたる無借金経営で蓄積された豊富な現預金が、同社の経営を支える最大の安定基盤となっていました。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 14.1億円 | -2.2億円 | -5.5億円 | 11.9億円 |
| FY2022/3 | 18.1億円 | -14.0億円 | -5.5億円 | 4.1億円 |
| FY2023/3 | 17.5億円 | -14.5億円 | -5.5億円 | 3.0億円 |
| FY2024/3 | 6.7億円 | 23.1億円 | -7.6億円 | 29.8億円 |
| FY2025/3 | 4.7億円 | -11.9億円 | -6.2億円 | -7.2億円 |
営業キャッシュフローの減少が続いており、本業からの稼ぎが縮小していることが鮮明です。FY2024/3には資産売却等により投資キャッシュフローがプラスとなりましたが、FY2025/3は設備投資等の影響でフリーキャッシュフローが約7.2億円のマイナスに転落しました。豊富な現預金により当面の運営に支障はありませんが、キャッシュ創出力の低下は懸念材料です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 10.1億円 | 2.0億円 | 20.0% |
| FY2022/3 | 13.6億円 | 4.1億円 | 30.2% |
| FY2023/3 | 14.8億円 | 4.6億円 | 31.1% |
| FY2024/3 | 9.5億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 6.3億円 | 0円 | 0.0% |
過去には30%前後の実効税率で安定して納税していましたが、近年は繰延税金資産の取り崩しや損失処理の影響を受け、法人税等の負担が変動しています。直近の決算では税引前利益が減少傾向にある中、会計上の処理が影響し、実効税率が0%となる期間が続いています。今後、事業再編や特別損失の発生に伴い税務上の取り扱いも複雑化する見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 557万円 | 314人 | - |
従業員平均年収は557万円と、食品業界の中堅・大手と比較して平均的な水準を維持しています。近年は売上減少や事業構造の変革に伴うコスト管理が厳格化されており、持続的な賃上げと事業の効率化の両立が経営課題となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は湯沢・立花証券・八十二銀行。
筆頭株主である湯沢株式会社が23.7%の株式を保有しており、創業家や特定法人による安定的な支配構造が維持されてきました。しかし、直近では村上ファンド系投資会社による介入やツムラによる事業買収・TOB(株式公開買付け)が発表され、長年の安定株主体制が大きく変化する転換期にあります。
会社の公式開示情報
役員報酬
主力である「薬用養命酒」関連事業に加え、飲食・物販事業「くらすわ」や不動産賃貸・太陽光発電などを展開していますが、現在は主力事業の売却を含む抜本的な事業再編が進んでいます。少子高齢化による市場縮小リスクが顕在化しており、収益基盤の多様化が長年の課題です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は22.0%と、日本の上場企業平均を上回る水準で登用が進んでいます。監査等委員会設置会社として監視機能を強化していますが、アクティビストによるTOBを受けた経営の非公開化に伴い、今後は新たなガバナンス体制への移行が見込まれます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 109億円 | — | 106億円 | -2.8% |
| FY2023 | 109億円 | — | 107億円 | -2.4% |
| FY2024 | 112億円 | — | 102億円 | -8.9% |
| FY2025 | 113億円 | 96億円 | 100億円 | -11.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 4億円 | — | 1億円 | -63.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2026年2月に投資会社レノによるTOBを受け入れ、FY2026を最終年度とする中期経営計画は取り下げられました。計画では売上高120億円、営業利益10億円を目標としていましたが、FY2025実績はそれぞれ100.2億円、1.28億円と大幅な未達となりました。近年の業績予想も、期初計画に対して売上高が10%前後下振れすることが多く、計画達成能力には課題が見られます。今後は非公開化され、外部の株主に対する計画開示はなくなります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、FY2025にTOBの発表を受け161.5%と急伸したものの、それ以前はTOPIXを大幅に下回る水準で推移していました。これは、安定はしているものの成長性に乏しい業績と、それに伴う株価の長期的な停滞が主な要因です。FY2025のTSR向上は、事業成長によるものではなく、物言う株主の登場とそれに続く非公開化という特別なイベントに起因するものです。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 99.3万円 | -0.7万円 | -0.7% |
| FY2022 | 93.7万円 | -6.3万円 | -6.3% |
| FY2023 | 102.2万円 | +2.2万円 | 2.2% |
| FY2024 | 105.2万円 | +5.2万円 | 5.2% |
| FY2025 | 161.5万円 | +61.5万円 | 61.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
投資会社レノによる1株4,050円でのTOBが進行中であるため、株価はこの価格付近で固定化されています。信用買い残は多いものの、TOB価格が意識されており、需給の歪みは限定的です。PERは52.4倍と業界平均(19.1倍)を大幅に上回りますが、これはTOBによるプレミアムが株価に反映されているためで、業績成長を織り込んだものではありません。今後、TOBが成立すれば上場廃止となる見込みです。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
クラフトジン「香の森」が国際品評会で金賞を受賞し、ブランド力の高さを証明。
物価上昇等の影響により、通期業績予想を売上高96.3億円へ下方修正。
ツムラへの薬用養命酒事業譲渡と、TOBによる上場廃止が決定。
最新ニュース
養命酒製造 まとめ
ひとめ診断
「400年の歴史を持つ国民的ブランドが、物言う株主主導で事業を切り売りし、非公開化へ向かう過渡期」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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