養命酒製造2540
YOMEISHU SEIZO CO.,LTD.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
「なんだか体が冷えるな」「最近、胃腸の調子が悪いかも…」そんな時にドラッグストアで見かける、あの茶色い瓶の『薬用養命酒』を覚えていますか?実は400年以上も前から作られているこの薬用酒を、ずっと作り続けてきたのが養命酒製造です。あなたやご家族が健康を気遣う時、その選択肢の一つを提供してきました。また、長野県を中心に展開するレストラン&ショップ『くらすわ』も運営しており、旅行先で美味しいパンやジャム、地元の新鮮な食材を使った料理を楽しんだとしたら、その裏側にいるのもこの会社かもしれません。
2025期は売上高100.2億円、営業利益1.28億円と減収減益で着地。投資会社レノによるTOB(1株4050円)を受け入れており、主力事業である「薬用養命酒」をツムラへ68億円で売却し、株式を非公開化する方針です。これに伴い中期経営計画は取り下げられ、株主優待も廃止されるなど、株主構成の大きな変化と共に事業構造の抜本的な転換期を迎えています。今後は非上場企業として、飲食・物販事業「くらすわ」や不動産事業を軸とした再建を目指すことになります。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都渋谷区南平台町16番25号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
2025/03期実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2016/03期 | 4.7% | 4.1% | 14.5% |
| 2017/03期 | 3.6% | 3.1% | 13.5% |
| 2018/03期 | 4.0% | 3.5% | 4.9% |
| 2019/03期 | 1.7% | 1.5% | 5.3% |
| 2020/03期 | 2.0% | 1.7% | 5.7% |
| 2021/03期 | 2.0% | 1.7% | 6.2% |
| 2022/03期 | 2.3% | 2.0% | 9.4% |
| 2023/03期 | 2.4% | 2.1% | 10.1% |
| 2024/03期 | 2.1% | 1.8% | 4.6% |
| 2025/03期 | 1.5% | 1.3% | 1.3% |
| 3Q 2026/03期 | 1.3%(累計) | 0.9%(累計) | 1.8% |
収益性指標は、営業利益率が2023/03期の約10.1%から2025/03期には1.3%まで急速に低下するなど、深刻な水準にあります。これに伴いROE(自己資本利益率)も1.5%と極めて低い水準に留まっています。本業の稼ぐ力が低下しており、収益構造の抜本的な見直しが急務となっていました。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 104億円 | 6.5億円 | 8.1億円 | 58.7円 | -0.9% |
| 2022/03期 | 106億円 | 10.0億円 | 9.5億円 | 68.9円 | +1.9% |
| 2023/03期 | 106億円 | 10.8億円 | 10.2億円 | 73.9円 | +0.7% |
| 2024/03期 | 102億円 | 4.7億円 | 9.5億円 | 68.9円 | -3.8% |
| 2025/03期 | 100億円 | 1.3億円 | 6.8億円 | 49.1円 | -2.2% |
養命酒製造の業績は、主力である薬用養命酒の国内販売の停滞に加え、飲食・物販事業の苦戦が響き、直近では減収傾向が続いています。2025/03期には営業利益が約1.3億円まで落ち込むなど収益性が大きく悪化しました。2026/03期は事業構造の変革期として回復を期するものの、経営環境の厳しさが色濃い状況です。 【3Q 2026/03期実績】売上73億円(通期予想比70%)、営業利益1.3億円(同24%)、純利益4.9億円(同46%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
主力である「薬用養命酒」関連事業に加え、飲食・物販事業「くらすわ」や不動産賃貸・太陽光発電などを展開していますが、現在は主力事業の売却を含む抜本的な事業再編が進んでいます。少子高齢化による市場縮小リスクが顕在化しており、収益基盤の多様化が長年の課題です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 109億円 | — | 106億円 | -2.8% |
| 2023期 | 109億円 | — | 107億円 | -2.4% |
| 2024期 | 112億円 | — | 102億円 | -8.9% |
| 2025期 | 113億円 | 96.3億円 | 100億円 | -11.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 3.5億円 | — | 1.3億円 | -63.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2026年2月に投資会社レノによるTOBを受け入れ、2026期を最終年度とする中期経営計画は取り下げられました。計画では売上高120億円、営業利益10億円を目標としていましたが、2025期実績はそれぞれ100.2億円、1.28億円と大幅な未達となりました。近年の業績予想も、期初計画に対して売上高が10%前後下振れすることが多く、計画達成能力には課題が見られます。今後は非公開化され、外部の株主に対する計画開示はなくなります。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
クラフトジン「香の森」が国際品評会で金賞を受賞し、ブランド力の高さを証明。
物価上昇等の影響により、通期業績予想を売上高96.3億円へ下方修正。
ツムラへの薬用養命酒事業譲渡と、TOBによる上場廃止が決定。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q 2026/03期末時点
財務状況は極めて強固で、自己資本比率は一貫して85%以上の高水準を維持しています。有利子負債は長らくゼロの状態でしたが、直近ではわずかな借り入れが発生しています。長年にわたる無借金経営で蓄積された豊富な現預金が、同社の経営を支える最大の安定基盤となっていました。 【3Q 2026/03期】総資産577億円、純資産489億円、自己資本比率63.6%。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2016/03期 | 11.4億円 | ▲12.8億円 | ▲5.5億円 | ▲1.4億円 |
| 2017/03期 | 16.3億円 | ▲11.4億円 | ▲5.5億円 | 4.9億円 |
| 2018/03期 | 7.6億円 | 7.9億円 | ▲5.5億円 | 15.5億円 |
| 2019/03期 | 13.3億円 | ▲24.9億円 | ▲5.5億円 | ▲11.7億円 |
| 2020/03期 | 13.6億円 | ▲10.3億円 | ▲5.5億円 | 3.3億円 |
| 2021/03期 | 14.1億円 | ▲2.2億円 | ▲5.5億円 | 11.9億円 |
| 2022/03期 | 18.1億円 | ▲14.0億円 | ▲5.5億円 | 4.1億円 |
| 2023/03期 | 17.5億円 | ▲14.5億円 | ▲5.5億円 | 3.0億円 |
| 2024/03期 | 6.7億円 | 23.1億円 | ▲7.6億円 | 29.8億円 |
| 2025/03期 | 4.7億円 | ▲11.9億円 | ▲6.2億円 | ▲7.2億円 |
営業キャッシュフローの減少が続いており、本業からの稼ぎが縮小していることが鮮明です。2024/03期には資産売却等により投資キャッシュフローがプラスとなりましたが、2025/03期は設備投資等の影響でフリーキャッシュフローが約7.2億円のマイナスに転落しました。豊富な現預金により当面の運営に支障はありませんが、キャッシュ創出力の低下は懸念材料です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は22.0%と、日本の上場企業平均を上回る水準で登用が進んでいます。監査等委員会設置会社として監視機能を強化していますが、アクティビストによるTOBを受けた経営の非公開化に伴い、今後は新たなガバナンス体制への移行が見込まれます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 557万円 | 314人 | - |
従業員平均年収は557万円と、食品業界の中堅・大手と比較して平均的な水準を維持しています。近年は売上減少や事業構造の変革に伴うコスト管理が厳格化されており、持続的な賃上げと事業の効率化の両立が経営課題となっています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、2025期にTOBの発表を受け161.5%と急伸したものの、それ以前はTOPIXを大幅に下回る水準で推移していました。これは、安定はしているものの成長性に乏しい業績と、それに伴う株価の長期的な停滞が主な要因です。2025期のTSR向上は、事業成長によるものではなく、物言う株主の登場とそれに続く非公開化という特別なイベントに起因するものです。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 40円 | 31.0% |
| 2017/03期 | 40円 | 40.1% |
| 2018/03期 | 40円 | 34.0% |
| 2019/03期 | 40円 | 80.0% |
| 2020/03期 | 40円 | 69.8% |
| 2021/03期 | 40円 | 68.2% |
| 2022/03期 | 40円 | 58.0% |
| 2023/03期 | 55円 | 74.4% |
| 2024/03期 | 45円 | 65.3% |
| 2025/03期 | 45円 | 91.7% |
年1回、継続保有期間に応じて1,500円相当の自社商品セット等を贈呈していましたが、現在は廃止が決定しています。
同社はこれまで安定的な配当維持を重視してきましたが、業績悪化に伴い配当性向が90%を超過するなど厳しい状況にありました。会社は構造改革の一環として株主優待を廃止し、今後は配当方針を含めた抜本的な見直しが行われます。経営の非公開化と事業譲渡に伴い、株主還元策は大きく転換される見通しです。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 99.3万円 | ▲0.7万円 | -0.7% |
| 2022期 | 93.7万円 | ▲6.3万円 | -6.3% |
| 2023期 | 102.2万円 | 2.2万円 | 2.2% |
| 2024期 | 105.2万円 | 5.2万円 | 5.2% |
| 2025期 | 161.5万円 | 61.5万円 | 61.5% |
※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
投資会社レノによる1株4,050円でのTOBが進行中であるため、株価はこの価格付近で固定化されています。信用買い残は多いものの、TOB価格が意識されており、需給の歪みは限定的です。PERは52.4倍と業界平均(19.1倍)を大幅に上回りますが、これはTOBによるプレミアムが株価に反映されているためで、業績成長を織り込んだものではありません。今後、TOBが成立すれば上場廃止となる見込みです。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2016/03期 | 21.1億円 | 3.4億円 | 16.2% |
| 2017/03期 | 19.6億円 | 6.0億円 | 30.3% |
| 2018/03期 | 8.3億円 | 0円 | 0.0% |
| 2019/03期 | 8.8億円 | 1.9億円 | 21.7% |
| 2020/03期 | 9.4億円 | 1.5億円 | 16.0% |
| 2021/03期 | 10.1億円 | 2.0億円 | 20.0% |
| 2022/03期 | 13.6億円 | 4.1億円 | 30.3% |
| 2023/03期 | 14.8億円 | 4.6億円 | 31.1% |
| 2024/03期 | 9.5億円 | 0円 | 0.0% |
| 2025/03期 | 6.3億円 | 0円 | 0.0% |
過去には30%前後の実効税率で安定して納税していましたが、近年は繰延税金資産の取り崩しや損失処理の影響を受け、法人税等の負担が変動しています。直近の決算では税引前利益が減少傾向にある中、会計上の処理が影響し、実効税率が0%となる期間が続いています。今後、事業再編や特別損失の発生に伴い税務上の取り扱いも複雑化する見通しです。
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養命酒製造 まとめ
「400年の歴史を持つ国民的ブランドが、物言う株主主導で事業を切り売りし、非公開化へ向かう過渡期」
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