味の素
Ajinomoto Co.,Inc.
最終更新日: 2026年4月30日
うま味から半導体まで。アミノ酸で世界を変えてきた115年の挑戦
アミノ酸のはたらきで食習慣や高齢化に伴う食と健康の課題を解決し、人びとのウェルビーイングに貢献する
この会社ってなに?
朝食の目玉焼きに「味の素」をひとふり、お弁当に冷凍ギョーザ、コンビニのカップスープに「クノール」。あなたの食卓には味の素グループの製品があふれています。でも実は、この会社の利益の大きな柱は「食」だけではありません。スマートフォンやPCのCPUに使われる半導体の絶縁材料(ABF)は味の素が世界シェアほぼ100%を握る「隠れた必需品」。あなたがスマホを使うたび、味の素の技術が支えています。アミノ酸の可能性を食品から電子材料、医薬品まで広げる、ユニークなグローバル企業です。
FY2025/3期は売上高1兆5,306億円(前期比+6.3%)と増収を達成したものの、Forge Biologics買収関連費用等の一時的な費用計上によりIFRS営業利益は1,140億円(同△22.3%)に減少しました。しかし純利益ベースでは703億円を確保し、累進配当政策のもと年間配当は40円(分割後)と増配を継続。FY2026/3期は売上1兆6,180億円(+5.7%)、純利益1,200億円(+70.8%)と大幅な増益回復を予想しています。2025年2月には初の技術畑出身の中村茂雄氏が社長に就任し、半導体絶縁材料(ABF)の成長加速とヘルスケア事業の拡大を推進。2026年3月には英アクティビストファンドのパリサー・キャピタルが株式を取得し、ABFの値上げを要求するなど、企業価値向上への期待が高まっています。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都中央区京橋一丁目15-1
- 公式
- www.ajinomoto.co.jp
社長プロフィール

私は30年以上、味の素でアミノ酸の技術開発に携わってきました。食品だけでなく、半導体材料や医薬品など、アミノ酸の可能性は無限に広がっています。社長として最も大切にしているのは「スピード感」と「危機意識」です。ABFは世界シェアほぼ100%ですが、それに安住せず、価値に見合った適正価格での提供と次世代材料の開発を加速します。食と健康、そしてテクノロジーの力で、世界中の人々のウェルビーイングに貢献してまいります。
この会社のストーリー
池田菊苗博士が昆布からグルタミン酸ナトリウムを発見し、「うま味調味料 味の素」が誕生。世界の食文化を変える一歩が始まりました。
フィリピンに初の海外工場を設立。「AJI-NO-MOTO」ブランドは東南アジアを中心に急速に普及し、グローバル食品企業への道を歩み始めました。
アミノ酸の技術を応用し、半導体パッケージ用絶縁材料「ABF(味の素ビルドアップフィルム)」を開発。誰も予想しなかった「食品×半導体」の融合が実現しました。
米国の遺伝子治療薬CDMOであるForge Biologics社を約828億円で買収し、ヘルスケア領域への本格参入を果たしました。アミノ酸の力を医療の最前線へ。
中村茂雄氏が社長に就任。電子材料の開発リーダーからブラジル事業のトップを経て、技術とグローバル経営の両輪で味の素の変革を加速します。
「ASV(Ajinomoto Group Shared Value)経営」のもと、食・ヘルスケア・電子材料の三本柱で10兆円企業グループを目指す挑戦が続いています。
注目ポイント
スマホ・PC・サーバーの半導体パッケージに不可欠な絶縁材料ABF。AI・データセンター需要の爆発的拡大により、この「食品メーカーが作る半導体素材」が味の素の成長エンジンとなっています。
業績が一時的に悪化しても減配しない累進配当政策を導入。FY2025/3期は利益減少にもかかわらず増配を継続し、FY2026/3期は+20%の48円に増配予想。株主優待もグループ製品がもらえる人気の制度です。
「味の素」「クノール」「Cook Do」など、日本の食卓に欠かせないブランドを持つと同時に、東南アジアや南米では現地に根付いた調味料として圧倒的な存在感。海外売上比率60%超のグローバル企業です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 28円 | 25.9% |
| FY2017/3 | 30円 | 32.6% |
| FY2018/3 | 32円 | 30.0% |
| FY2019/3 | 32円 | 59.7% |
| FY2020/3 | 32円 | 93.1% |
| FY2021/3 | 42円 | 38.8% |
| FY2022/3 | 52円 | 37.3% |
| FY2023/3 | 68円 | 38.6% |
| FY2024/3 | 74円 | 44.2% |
| FY2025/3 | 80円 | 114.7% |
| 必要株数 | 100株以上(約46万円) |
| 金額相当 | 約1,500〜7,000円相当 |
| 権利確定月 | 3月 |
| 長期特典 | 1,000株以上・3年以上保有で7,000円相当にグレードアップ |
FY2025/3期は年間配当40円(分割後)と14期連続の増配を達成。一時費用によるEPS低下で配当性向は57.3%に上昇しましたが、累進配当政策により減配なく増配を継続しました。FY2026/3期は年間48円(+20%増配)を予想し、利益回復に伴い配当性向も38.9%へ正常化する見通しです。株主優待は100株(約46万円)・半年以上保有で1,500円相当のグループ製品がもらえます。なお、配当額は2025年4月の1:2株式分割後ベースで表記しています。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/3期は売上高1兆5,306億円(前期比+6.3%)と増収を達成しましたが、IFRS営業利益は1,140億円(同△22.3%)に減少。これはForge Biologics買収関連費用や構造改革費用といった一時的要因によるもので、本業の「事業利益」は堅調に推移しています。FY2026/3期は一時費用の剥落により純利益1,200億円(+70.8%)と大幅増益を予想。なお、2025年4月1日に1:2の株式分割を実施しており、EPSは分割後ベースで表記しています。
事業ごとの売上・利益
国内外の調味料・加工食品・コーヒー等。売上の約59%を占めるグループ最大のセグメント。海外事業の比率が高く、東南アジア・南米での「味の素」ブランドが牽引
「ギョーザ」「やわらか若鶏から揚げ」等の家庭用冷凍食品。国内シェアトップクラスだが利益率は低め
半導体絶縁材料ABF、バイオファーマサービス(CDMO)、アミノ酸製品。ABFが高利益率で全社収益を支える成長エンジン。Forge Biologics買収で遺伝子治療CDMOにも参入
油脂事業等
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 10.3% | 4.2% | - |
| FY2022/3 | 11.6% | 5.2% | - |
| FY2023/3 | 12.9% | 6.2% | - |
| FY2024/3 | 11.0% | 4.9% | 10.2% |
| FY2025/3 | 9.0% | 4.1% | 7.4% |
FY2025/3期の営業利益率は7.4%と前期の10.2%から低下しましたが、これはForge Biologics買収関連費用などの一時的要因によるものです。本業の収益力を示す「事業利益」ベースでは堅調を維持しています。ROEも8.6%と一時的に低下しましたが、FY2026/3期は純利益の大幅回復によりROE 13%台への改善が見込まれています。食品セクター平均を上回る収益性は、ABFの独占的シェアとアミノ酸技術のプライシングパワーが支えています。
財務は安全?
総資産は1兆7,211億円で、FY2024/3期のForge Biologics買収(約828億円)により前々期から増加した後、自己株式取得等により微減。自己資本比率は43.4%と食品大手として堅実な水準を維持しています。なお、2025年4月1日の1:2株式分割により、FY2025/3のBPSは分割後ベース(751.0円)で表記されています。それ以前の期は分割前ベースのため、単純比較にはご注意ください。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 1,681億円 | -1,324億円 | -67.5億円 | 356億円 |
| FY2025/3 | 2,099億円 | -774億円 | -1,377億円 | 1,325億円 |
営業CFは毎期1,200〜2,100億円を安定的に創出しており、FY2025/3期は過去最高の2,099億円を達成。FY2024/3期の投資CF△1,324億円はForge Biologics買収が主因です。FY2025/3期はFCF1,325億円と大幅改善し、財務CFの△1,377億円は自己株式取得と配当支払いによる積極的な株主還元を反映しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 983億円 | 389億円 | 39.6% |
| FY2022/3 | 1,225億円 | 467億円 | 38.2% |
| FY2023/3 | 1,400億円 | 460億円 | 32.8% |
| FY2024/3 | 1,420億円 | 549億円 | 38.7% |
| FY2025/3 | 1,083億円 | 381億円 | 35.1% |
FY2026/3期予想における税引前利益1,750億円に対し、法人税等の負担額は約550億円を見込んでいます。実効税率31.4%は日本の法定実効税率(約30%)とほぼ同水準ですが、海外子会社の多い東南アジア拠点での低税率の恩恵と、Forge Biologics買収に伴う米国での税負担が相殺される構造です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,037万円 | 34,860人 | - |
平均年収1,037万円は食品メーカーとしてはトップクラスの水準です。連結従業員数は約34,860名、平均勤続年数19.4年と定着率が非常に高いことが特徴です。2026年春闘ではベア月額1万6,000円の満額妥結を実現し、4年連続6%の賃上げで人材への投資姿勢を明確にしています。
誰がこの会社の株を持ってる?
機関投資家中心の株主構成。生命保険3社(日本生命・第一生命・明治安田)が合計12%超を安定保有し、信託口を通じた年金基金も一定比率を占める。創業家の大株主は存在せず、浮動株比率はやや高い。
株主構成は日本マスタートラスト信託銀行(17.3%)・日本カストディ銀行(6.9%)の機関投資家が筆頭で、日本生命(5.2%)・第一生命(4.6%)・明治安田生命(2.3%)の生保3社が合計12%超を安定保有。外国法人等が約35%を占め、2026年3月にはブラックロックが7.4%、英パリサー・キャピタルも上位25社に入るなど、海外機関投資家の関心が急速に高まっています。創業家の大株主が存在しないオーナーレス企業のため、アクティビストの提案が経営に影響を与えやすい構造です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 調味料・食品 | 約8,960億円 | 約1,139億円 | 12.7% |
| 冷凍食品 | 約2,800億円 | 約100億円 | 3.6% |
| ヘルスケア等 | 約3,200億円 | 約450億円 | 14.1% |
| その他 | 約350億円 | 約30億円 | 8.6% |
収益構造は調味料・食品(売上59%)が基盤を担い、ヘルスケア等(同21%)が利益率14%超で全社収益を牽引する二本柱です。特にABF(半導体絶縁材料)は世界シェアほぼ100%の独占事業であり、AI・データセンター需要の拡大に伴い成長が加速しています。2023年のForge Biologics買収により遺伝子治療CDMOにも参入し、「アミノサイエンス」を軸にした非食品事業の拡大が中長期の成長ドライバーとなっています。
この会社のガバナンスは?
味の素は女性役員比率24.2%と日本の食品業界では先進的なガバナンス体制を構築しています。2025年2月には初の技術畑出身社長として中村茂雄氏が就任し、経営刷新を図っています。設備投資額487.6億円は成長分野への積極投資を示し、平均勤続年数19.4年は従業員の高い定着率を反映しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 1兆4,200億円 | — | 1兆4,392億円 | +1.4% |
| FY2025 | 1兆4,900億円 | — | 1兆5,306億円 | +2.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 1,480億円 | — | 1,467億円 | -0.9% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 850億円 | — | 703億円 | -17.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
味の素は「ASV経営 2030ロードマップ」のもと、アミノサイエンスを軸にした事業ポートフォリオの変革を推進しています。売上成長は計画を上回るペースで進んでいますが、FY2025/3期はForge Biologics買収の一時費用により純利益が初期予想を17.3%下回る結果に。ただしQ3累計で事業利益は進捗77%と順調であり、フェーズ2の最終年度(FY2026/3)での巻き返しが期待されます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSRは310.0%とTOPIX(213.4%)を約97ポイント上回るアウトパフォームを達成。特にFY2023〜FY2024にかけて、ABF事業の急成長と海外食品事業の好調を背景に大幅に上昇しました。FY2025は一時費用による利益減少と株価調整がありましたが、累進配当と高い株主還元がTSRを下支えし、5年間でTOPIXを大きく凌駕する実績を残しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 114.8万円 | +14.8万円 | 14.8% |
| FY2022 | 177.5万円 | +77.5万円 | 77.5% |
| FY2023 | 237.2万円 | +137.2万円 | 137.2% |
| FY2024 | 293.3万円 | +193.3万円 | 193.3% |
| FY2025 | 310.0万円 | +210.0万円 | 210.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 37.3倍・PBR 6.14倍と食料品セクター平均を大幅に上回るプレミアム評価を受けています。これは食品メーカーとしてだけでなく、ABF(半導体絶縁材料)の世界シェアほぼ100%というテクノロジー企業としての成長期待が織り込まれているためです。信用倍率は5.34倍と買い長の状態ですが、英パリサーやブラックロックの株取得が需給面で支援材料となっています。FY2026/3期は増益回復で予想PERが改善する見込みです。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
米ブラックロックが味の素株の保有比率を6.27%→7.41%に引き上げたと報告。大手機関投資家の積み増しが明らかに。
英アクティビストファンドパリサー・キャピタルが味の素株を取得。半導体絶縁材料ABFの値上げを要求していると報道され、株価は反発。
FY2026/3期 第3四半期累計決算を発表。連結純利益は前年同期比8.9%増の897億円に伸び、通期予想1,200億円に対し進捗率74.8%と順調。
FY2025/3期通期決算を発表。売上高1兆5,306億円と増収も、一時費用により営業利益は減少。同時にFY2026/3期は純利益70.8%増の大幅回復を予想。
藤江太郎社長が体調不良で退任し、ブラジル味の素社長の中村茂雄氏が新社長に就任。初の技術畑出身トップとして電子材料事業の成長加速を掲げる。
最新ニュース
味の素 まとめ
ひとめ診断
「うま味から半導体まで。アミノ酸の力で世界を変えるグローバル食品・素材メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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