アスクル2678
ASKUL Corporation
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたがオフィスで使うペンやコピー用紙、誰が届けてくれるか考えたことはありますか?アスクルは「明日来る」という名前の通り、法人向けに文房具や事務用品などを注文の翌日に届ける通販サービスで国内トップシェアを誇ります。多くの企業が、日々の業務に必要な備品をアスクルから調達しているのです。また、個人向けには「LOHACO(ロハコ)」という日用品通販サイトも運営しており、食品からコスメ、無印良品の商品まで幅広く扱っています。もしかしたら、あなたも気づかないうちにアスクルのサービスを利用しているかもしれません。
オフィス用品通販の最大手。2025期の業績は売上高4,811億円(前期比+2.0%)と増収を確保したものの、営業利益は140.04億円(同-17.4%)と大幅な減益を記録しました。これは2025年10月に発生した大規模なサイバー攻撃の影響で、システムの長期停止や顧客対応に多額のコストが発生したことが主因です。現在は顧客基盤の回復と信頼再構築を最優先課題としつつ、中小企業向けDX支援サービス「ビズらく」などの新規事業で成長の再加速を目指しています。
会社概要
- 業種
- 小売業
- 決算期
- 5月
- 本社
- 東京都江東区豊洲3-2-3 豊洲キュービックガーデン
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2016/05期 | 10.3% | 3.8% | 2.7% |
| 2017/05期 | 2.1% | 0.7% | 2.6% |
| 2018/05期 | 9.8% | 2.8% | 1.2% |
| 2019/05期 | 0.9% | 0.3% | 1.2% |
| 2020/05期 | 11.1% | 3.3% | 2.2% |
| 2021/05期 | 13.9% | 4.3% | 3.3% |
| 2022/05期 | 15.8% | 4.9% | 3.3% |
| 2023/05期 | 15.8% | 4.7% | 3.3% |
| 2024/05期 | 25.8% | 8.1% | 3.6% |
| 2025/05期 | 11.2% | 3.9% | 2.9% |
| 3Q FY2025/5 | 21.1%(累計) | 6.2%(累計) | 4.4% |
収益性は安定推移してきましたが、2024年3月期にはROEが23.5%まで急伸した一方、直近の2025年3月期には営業利益率が2.9%まで低下するなどコスト管理が今後の重要な経営課題となっています。効率的な物流網の運用と付加価値の高い商品提供による利益率の改善が求められており、高効率な運営体制の再構築が進められています。過去のROAは概ね4〜8%の範囲で推移し、資産効率性は適正なレベルを維持しています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/05期 | 4,222億円 | 139億円 | 77.6億円 | 75.8円 | +5.4% |
| 2022/05期 | 4,285億円 | 143億円 | 92.1億円 | 90.8円 | +1.5% |
| 2023/05期 | 4,467億円 | 146億円 | 97.9億円 | 100.4円 | +4.2% |
| 2024/05期 | 4,717億円 | 170億円 | 191億円 | 196.5円 | +5.6% |
| 2025/05期 | 4,811億円 | 140億円 | 90.7億円 | 95.5円 | +2.0% |
アスクルはオフィス用品や個人向け通販「LOHACO」を主軸に事業を展開しており、近年は堅調な売上成長を維持してきましたが、2025年3月期にはコスト増により営業利益が140億円へと減少しました。2026年3月期はサイバー攻撃の影響による一時的な業績への懸念があるものの、今後の事業立て直しによる成長回復が期待されています。前期までは増収基調を維持しており、EC市場における安定した地位を確立しています。 【3Q 2025/05期実績】売上2869億円(通期予想比57%)、営業利益△125億円(同-113%)、純利益△140億円(同-212%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
小売業の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
オフィス用品通販の「ASKUL事業」と個人向け「LOHACO事業」を柱としていますが、サイバー攻撃による長期的なシステム停止が財務に甚大な影響を及ぼしています。特別損失の計上による大幅な赤字転落と、それに伴う経営の立て直しが有価証券報告書等でも最優先のリスク管理項目として強調されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 180億円 | — | 140億円 | -22.2% |
| 2024期 | 165億円 | — | 170億円 | +2.7% |
| 2023期 | 145億円 | — | 146億円 | +0.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 5,000億円 | — | 4,811億円 | -3.8% |
| 2024期 | 4,820億円 | — | 4,717億円 | -2.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2025年7月に発表された新中期経営計画では、2026期に売上高5,000億円、営業利益110億円を目指しています。しかし、この計画は2025年10月に発生したサイバー攻撃による業績悪化を踏まえていない可能性が高く、見直しが必至の状況です。2025期期初予想は営業利益180億円でしたが、最終的に140億円と大幅未達に終わっており、外部環境の激変に対する計画の脆弱性が露呈しました。今後は信頼回復と収益性改善を両立させる現実的な計画を再提示できるかが焦点となります。
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メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
サイバー攻撃により通販サイトが長期間停止し、特別損失52億円を計上する深刻な被害が発生しました。
サービス復旧に向け、オリジナル商品500点以上の大幅値下げを含む復活特別企画を開始しました。
2月度の月次売上高が前年同月比21%減となるなど、サイバー攻撃の余波が業績に影響を与えています。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
同社は強固な財務体質を有しており、実質無借金経営を継続している点が最大の特徴です。自己資本比率は30%台前半を安定的に維持しており、潤沢な現預金を背景とした投資余力があるため、事業拡大やデジタル変革への柔軟な対応が可能です。近年では純資産が着実に増加しており、長期的にも盤石な財務健全性が確保されています。 【3Q 2025/05期】総資産2221億円、純資産594億円、自己資本比率25.0%、有利子負債418億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2016/05期 | 138億円 | 117億円 | 106億円 | 21.7億円 |
| 2017/05期 | 162億円 | 52.2億円 | 72.4億円 | 110億円 |
| 2018/05期 | 102億円 | 15.9億円 | 65.5億円 | 85.6億円 |
| 2019/05期 | 62.1億円 | 59.6億円 | 49.5億円 | 2.5億円 |
| 2020/05期 | 166億円 | 60.5億円 | 47.6億円 | 106億円 |
| 2021/05期 | 160億円 | 90.8億円 | 39.2億円 | 69.2億円 |
| 2022/05期 | 180億円 | 107億円 | 147億円 | 72.0億円 |
| 2023/05期 | 201億円 | 229億円 | 102億円 | 28.0億円 |
| 2024/05期 | 169億円 | 115億円 | 98.3億円 | 53.5億円 |
| 2025/05期 | 129億円 | 166億円 | 96.5億円 | 36.7億円 |
営業活動によるキャッシュフローは常にプラスで推移しており、安定した本業の稼ぎ出せる力が維持されています。投資活動では物流センターの刷新やシステム投資に継続的な資金を投じており、将来の成長に向けたインフラ整備を優先しています。フリーキャッシュフローは投資計画に応じて変動しますが、全体として財務の健全性を損なわない範囲で積極的な経営を行っています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/05期 | 20.3円 | 32.8% |
| 2017/05期 | 22.2円 | 182.6% |
| 2018/05期 | 22.2円 | 39.1% |
| 2019/05期 | 22.2円 | 423.3% |
| 2020/05期 | 23.4円 | 34.3% |
| 2021/05期 | 49円 | 64.6% |
| 2022/05期 | 31円 | 34.1% |
| 2023/05期 | 34円 | 33.9% |
| 2024/05期 | 36円 | 18.3% |
| 2025/05期 | 38円 | 39.8% |
| 権利確定月 | 5月・11月 |
アスクルは株主還元を重視しており、安定配当を継続しながら業績に応じた利益還元を行う方針を掲げています。配当性向は30〜40%を目安としており、長期的に株主へ報いる姿勢が明確です。株主優待と合わせたトータル利回りも個人投資家に人気があり、バランスの良い還元体制を整えています。
株の売買状況と今後の予定
同業種(小売業)平均と比較すると、PER・PBRともに割安な水準にあります。これはサイバー攻撃による業績悪化と先行き不透明感が株価を押し下げているためと考えられます。一方で配当利回りは3.23%と業界平均より高く、株価下支えの一因となっています。信用倍率は5.03倍とやや高水準で、将来の株価上昇を見込んだ買いが多いものの、需給面での重さも懸念されます。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2016/05期 | 85.7億円 | 33.2億円 | 38.7% |
| 2017/05期 | 88.7億円 | 78.5億円 | 88.6% |
| 2018/05期 | 39.4億円 | 0円 | 0.0% |
| 2019/05期 | 44.2億円 | 39.8億円 | 90.2% |
| 2020/05期 | 86.6億円 | 30.0億円 | 34.7% |
| 2021/05期 | 139億円 | 60.9億円 | 44.0% |
| 2022/05期 | 143億円 | 50.6億円 | 35.5% |
| 2023/05期 | 144億円 | 46.6億円 | 32.3% |
| 2024/05期 | 167億円 | 0円 | 0.0% |
| 2025/05期 | 138億円 | 47.5億円 | 34.4% |
法人税等の支払いは、概ね法定実効税率に沿った水準で推移しており、各期の業績に基づき適切に納付されています。2024年3月期については、税効果会計の適用や繰越欠損金の解消など、特殊要因により実効税率が一時的に低下しました。基本的には経常的な損益に応じた税負担が続いており、納税に関する大きなリスクは見当たりません。
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アスクル まとめ
「オフィス通販の巨人がサイバー攻撃の痛手から立ち直り、顧客基盤の再構築に挑む正念場」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。