ABCマート
ABC-MART,INC.
最終更新日: 2026年4月30日
足元から世界を彩る、圧倒的現場主義のシューズリテーラー
靴小売店「ABC-MART」の出店を進め、世界に通用するストアブランドとして確立すること。
この会社ってなに?
街のショッピングモールや駅前で見かける赤と黄色のロゴの靴屋さん、それがABCマートです。ナイキやアディダスといった有名ブランドから、お店限定カラーやお手頃価格の自社ブランド靴まで、一つのお店で比較して選べるのが魅力です。スニーカーだけでなくビジネスシューズやキッズシューズも豊富で、家族みんなの足元を支える身近な存在として、日本全国で愛されています。
ABCマートは国内約1,081店舗・海外約316店舗を展開する靴小売りの最大手です。FY2025/2は売上高3,722億円・営業利益626億円と5期連続の増収増益を達成し、過去最高益を更新しました。PER14.4倍とセクター平均を下回る割安水準にあり、自己資本比率87.7%・実質無借金という鉄壁の財務基盤を誇ります。
会社概要
- 業種
- 小売業
- 決算期
- 2月
- 本社
- 東京都港区麻布台一丁目3番1号 麻布台ヒルズ森JPタワー48階
- 公式
- www.abc-mart.co.jp
社長プロフィール
私たちは現場主義を徹底し、毎週末売り場に立つことでお客様の声を直接吸収しています。今後も海外展開を加速し、世界に通用するストアブランドを目指します。
この会社のストーリー
靴と衣料の輸入販売商社としてスタートし、その後の小売展開の礎を築きました。
海外ブランドとの提携や独自商品の開発により、国内市場での存在感を高めました。
急速な事業拡大に伴い東証一部(現プライム市場)への上場を果たし、企業としての信用力を強化しました。
韓国や台湾などアジア圏への出店を積極的に行い、グローバル市場での成長を目指しました。
スポーツ専門店「オッシュマンズ」を買収し、シューズだけでなくスポーツやアウトドア領域へ事業を拡大しました。
現場主義と海外経験が豊富な服部喜一郎氏が新社長に就任し、新たな経営体制へと移行しました。
東南アジア市場の開拓としてフィリピン・マニラに店舗を出店し、グローバルストアブランドへの道のりを加速させています。
注目ポイント
現場主義による無駄のない店舗運営とPB商品の展開により、競合他社を大きく引き離す高い営業利益率を維持しています。
韓国や台湾に加え、フィリピンなどの新規市場へも進出。国内にとどまらず世界を見据えた成長戦略を描いています。
オッシュマンズの買収など、靴のみならずスポーツ・ライフスタイル全般へのアプローチを強化し、新たな顧客層を取り込んでいます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 40円 | 36.2% |
| FY2017/3 | 40円 | 34.9% |
| FY2018/3 | 43.3円 | 36.1% |
| FY2019/3 | 56.7円 | 46.4% |
| FY2020/3 | 56.7円 | 47.3% |
| FY2021/3 | 56.7円 | 73.0% |
| FY2022/3 | 56.7円 | 80.8% |
| FY2023/3 | 56.7円 | 46.4% |
| FY2025/3 | 70円 | 38.2% |
なし(2021年2月権利分をもって廃止済み)
2024年3月に1株を3株へ株式分割を実施したため、FY2024/2以降の1株配当は分割調整後の金額となっています。FY2025/2は1株あたり70円(分割前換算210円)と実質的に増配しており、配当性向は約38%と適切な水準です。株主優待は2021年2月権利分をもって廃止し、配当による利益還元に一本化しています。
同業比較(収益性)
小売業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
ABCマートの業績は5期連続の増収増益を達成しており、コロナ禍からの回復を起点にV字成長を遂げました。FY2021/2の売上高2,203億円・営業利益195億円から、FY2025/2には売上高3,722億円・営業利益626億円へと飛躍的に拡大しています。インバウンド需要の取り込みと国内既存店の堅調な成長が牽引し、FY2026/2も売上高3,839億円・営業利益640億円の増収増益を見込んでいます。
事業ごとの売上・利益
売上構成比約56%。ナイキ・ニューバランス等のブランド品および自社企画品
売上構成比約14%。ビジネスシューズやカジュアル革靴
売上構成比約8%。ファミリー層向けの子供靴
売上構成比約22%。サンダル、レインシューズ、アウトドア用品等
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 7.0% | 6.0% | - |
| FY2022/3 | 6.2% | 5.5% | - |
| FY2023/3 | 10.2% | 8.5% | - |
| FY2024/3 | 12.3% | 10.3% | 16.2% |
| FY2025/3 | 12.8% | 10.8% | 16.8% |
収益性は年々改善を続けており、営業利益率はFY2021/2の8.9%からFY2025/2には16.8%へとほぼ倍増しています。ROEも6.9%から12.3%へと大幅に向上し、資本効率が高まっています。一般的な靴小売業の営業利益率が3~5%程度であることを考えると、自社ブランド(Hawkins・VANS等)の高い粗利率と効率的な店舗運営による圧倒的な稼ぐ力が同社の最大の強みです。
財務は安全?
財務状況は極めて健全であり、自己資本比率は5期を通じて一貫して87%超の極めて高い水準を維持しています。総資産はFY2021/2の3,178億円からFY2025/2には4,187億円へと着実に拡大。有利子負債は実質ゼロであり、完全な無借金経営を貫いています。潤沢な内部留保と強固な財務基盤が、新規出店投資や株主還元の原資となっています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 235億円 | -113億円 | -150億円 | 122億円 |
| FY2022/3 | 252億円 | -74.6億円 | -139億円 | 177億円 |
| FY2023/3 | 109億円 | -90.0億円 | -93.6億円 | 18.8億円 |
| FY2024/3 | 512億円 | -114億円 | -186億円 | 398億円 |
| FY2025/3 | 561億円 | -151億円 | -171億円 | 410億円 |
営業キャッシュフローはFY2023/2の約109億円からFY2025/2には約561億円へと劇的に改善しており、本業の稼ぐ力が大幅に強化されています。FY2023/2は在庫投資の増加で一時的に低下しましたが、FY2024/2以降は売上拡大と利益率向上により潤沢なキャッシュ創出力を回復。フリーキャッシュフローも400億円超と、新規出店や株主還元を十分にまかなえる水準です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 213億円 | 20.6億円 | 9.7% |
| FY2022/3 | 283億円 | 109億円 | 38.5% |
| FY2023/3 | 434億円 | 131億円 | 30.2% |
| FY2024/3 | 578億円 | 178億円 | 30.8% |
| FY2025/3 | 646億円 | 193億円 | 29.8% |
法人税等の支払額は税引前利益の拡大に連動し、FY2021/2の約21億円からFY2025/2には約193億円へと大幅に増加しています。FY2021/2の実効税率9.7%は繰延税金資産の計上等の一時要因によるもので、FY2023/2以降は概ね29~31%と法定実効税率に準じた安定的な水準で推移しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 425万円 | 9,075人 | - |
従業員平均年収は425万円、平均年齢32歳、平均勤続年数9年となっており、小売業界の中では標準的な水準に位置しています。若手が多い組織構成で、店舗の現場力を重視する社風が反映されています。今後は海外展開の加速に伴い、グローバル人材の確保と育成が重要な経営課題となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。
筆頭株主である合同会社イーエム・プランニングが49.89%を保有しており、創業者である三木正浩氏およびその関係者による強固な経営支配体制が構築されています。上位株主には大手信託銀行などの機関投資家が名を連ねていますが、オーナー系企業の色彩が非常に強い構成です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| スポーツシューズ | 約2,084億円 | - | - |
| レザーカジュアル | 約521億円 | - | - |
| キッズ | 約298億円 | - | - |
| サンダル・その他 | 約819億円 | - | - |
ABCマートはスポーツシューズが売上の56%を占める主力セグメントであり、ナイキやニューバランス等のナショナルブランドに加え、自社ブランドのHawkinsやVANSの独自展開で高い粗利率を実現しています。事業リスクとしては、為替変動に伴う輸入コスト増加や海外市場(特に韓国・台湾)でのインフレ・関税の影響、天候要因による季節商品の販売変動が挙げられます。
この会社のガバナンスは?
取締役10名のうち女性が2名を占め、女性役員比率は20.0%に達しており、ダイバーシティ推進を図っています。連結子会社を15社抱える大規模な小売グループとして、監査報酬2,600万円を投じてガバナンス体制を維持しており、持続的な企業価値向上に向けた監視機能を強化しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 3,300億円 | 3,400億円 | 3,442億円 | +4.3% |
| FY2025 | 3,550億円 | 3,658億円 | 3,722億円 | +4.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 480億円 | 540億円 | 557億円 | +15.9% |
| FY2025 | 580億円 | 600億円 | 626億円 | +7.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
ABCマートは、高付加価値なナショナルブランドの限定モデルや粗利率の高い自社開発ブランド(VANS、Hawkins等)の販売比率をコントロールすることで、小売業としては異例の高収益体質を維持しています。直近のFY2025決算においても、インバウンド需要の取り込みと国内店舗のスクラップ&ビルドが奏功し、売上・利益ともに期初予想を上回って着地しました。今後も既存店の改装やEC連携(オムニチャネル対応)により、さらなる収益性向上が期待されます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
ABCマートの株主総利回り(TSR)はFY2025時点で155.0%と、投資元本に対して55%のリターンを実現しています。ただし同期間のTOPIXリターン200.2%には45ポイント及ばず、市場平均をアンダーパフォームしています。これは海外事業の苦戦や株式分割後の需給変動が影響しており、業績の堅調さが株価に十分に織り込まれていない状況です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 101.1万円 | +1.1万円 | 1.1% |
| FY2022 | 86.4万円 | -13.6万円 | -13.6% |
| FY2023 | 117.2万円 | +17.2万円 | 17.2% |
| FY2024 | 136.4万円 | +36.4万円 | 36.4% |
| FY2025 | 155.0万円 | +55.0万円 | 55.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
小売セクターの中でも圧倒的な時価総額と高い収益性を誇りながら、PERは14.4倍とセクター平均18倍を大幅に下回る割安水準です。配当利回りも2.81%と市場平均を上回っており、バリュー銘柄としての魅力が際立っています。信用倍率は8.16倍と買い残がやや多い状況ですが、好業績を背景に中期的な株価上昇余地は十分にあります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
フィリピンのマニラにて1号店・2号店を同時出店し、東南アジア市場での足場を強化。
3~8月期決算にて、海外の苦戦を補う国内事業の堅実な成長により純利益1%増を達成。
海外市場における物価高や関税の影響により、通期の営業利益予想を下方修正し株価が下落。
最新ニュース
ABCマート まとめ
ひとめ診断
営業利益率16.8%、靴小売りの常識を覆す圧倒的高収益体質
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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