(株)柿安本店
Kakiyasu Honten Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月25日
明治4年創業、150年を超える老舗の味。牛鍋から始まった食の総合ブランド
食を通じてお客様の暮らしに寄り添い、豊かな食文化を次世代へつなぐ
この会社ってなに?
百貨店のデパ地下で見かける「柿安ダイニング」のお惣菜、ギフトコーナーの「柿安 料亭しぐれ煮」、そして松阪牛の精肉販売。これらすべてが柿安本店のブランドです。また「口福堂」の和菓子や、銀座の料亭「柿安」でも知られています。お中元やお歳暮の定番「牛肉しぐれ煮」も同社の人気商品で、贈り物として選んだことがある方も多いのではないでしょうか。
柿安本店は1871年(明治4年)に三重県桑名で牛鍋店として創業し、150年以上の歴史を誇る食の老舗です。百貨店を中心に「柿安ダイニング」などの惣菜事業、精肉事業、和菓子事業、レストラン事業を展開。2025年4月期は売上高361億円、営業利益15億円。PER 31.7倍・PBR 1.79倍とプレミアム評価を受けており、配当利回り3.02%と安定した株主還元を実施しています。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 4月
- 本社
- 三重県桑名市吉之丸8番地
- 公式
- www.kakiyasuhonten.co.jp
社長プロフィール
柿安は明治4年の創業以来、「おいしさ」を追求し続けてまいりました。精肉、惣菜、和菓子、レストランを通じて、お客様の食卓と暮らしに寄り添い、日本の食文化の継承と発展に貢献してまいります。
この会社のストーリー
明治4年、三重県桑名で初代・赤塚安三郎が牛鍋店を開業。「柿安」の屋号で親しまれ、150年以上の歴史が始まった。
法人化により近代的な企業経営へ転換。精肉事業を基盤に、組織的な事業拡大の礎を築いた。
百貨店デパ地下に「柿安ダイニング」を出店し、惣菜事業を本格化。精肉店から食の総合企業への転換点となった。
大福・団子を主力とする和菓子ブランド「口福堂」を立ち上げ。商業施設を中心に出店を拡大し、事業の多角化を加速。
東証市場再編に伴いプライム市場へ移行。コロナ禍を乗り越え、過去最高業績を達成した。
「柿安 銀座店」を全面改装し、料亭・惣菜・精肉の複合型旗艦店として再出発。次の150年に向けた成長戦略を推進。
注目ポイント
明治4年創業の歴史と信頼。松阪牛の精肉から百貨店デパ地下の惣菜まで、「柿安」ブランドは食のプレミアムとして確固たる地位を築いています。
有利子負債ゼロの超健全財務を維持しながら、配当利回り3.02%の安定配当を実施。業績が厳しい局面でも減配せず、株主への還元姿勢は揺るぎません。
100株保有で1,000円相当の優待利用券がもらえます。柿安ダイニング・料亭・口福堂など全店で使え、2年以上の長期保有で追加特典も。配当と合わせた総合利回りが魅力です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 45円 | 37.5% |
| FY2017/3 | 45円 | 38.7% |
| FY2018/3 | 55円 | 35.0% |
| FY2019/3 | 65円 | 41.7% |
| FY2020/3 | 75円 | 52.3% |
| FY2021/3 | 75円 | 298.1% |
| FY2022/3 | 100円 | 61.4% |
| FY2023/3 | 85円 | 40.4% |
| FY2024/3 | 85円 | 63.6% |
| FY2025/3 | 85円 | 118.9% |
| 必要株数 | 100株以上(約28万円) |
| 金額相当 | 1,000円〜7,500円相当 |
| 権利確定月 | 4月 |
配当はFY2022/4に1株100円へ増配した後、FY2023/4以降は85円で安定配当を維持しています。FY2025/4は配当性向118.9%と利益を上回る配当を実施しており、株主還元への強い意志がうかがえます。加えて、株主優待として柿安グループ全店で使える優待利用券が贈呈され、配当+優待の総合利回りは約3.4%となります。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
柿安本店の業績は、FY2023/4に売上高439億円・営業利益35億円と過去最高を記録しましたが、FY2024/4以降は決算期変更(2月→4月)の影響や原材料価格高騰により減収減益基調が続いています。FY2026/4予想は売上高364億円・営業利益15億円と底打ちからの回復が見込まれています。
事業ごとの売上・利益
百貨店を中心に「柿安ダイニング」「柿安 料亭しぐれ煮」等を展開。売上構成比約36%を占める主力セグメント。
松阪牛を使った料亭「柿安」、ビュッフェレストラン「三尺三寸箸」等を運営。売上構成比約14%。
牛肉しぐれ煮・佃煮等の製造販売。ギフト需要に支えられる安定事業。売上構成比約14%。
松阪牛をはじめとするブランド牛の販売。百貨店・直営店で展開。売上構成比約23%。
「口福堂」ブランドで大福・団子等を販売。商業施設を中心に出店。売上構成比約14%。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 10.4% | 7.6% | 5.5% |
| FY2017/3 | 9.3% | 7.0% | 5.1% |
| FY2018/3 | 11.9% | 8.8% | 5.9% |
| FY2019/3 | 11.2% | 8.6% | 5.3% |
| FY2020/3 | 9.8% | 7.5% | 5.5% |
| FY2021/3 | 1.8% | 1.4% | 3.5% |
| FY2022/3 | 10.8% | 8.5% | 7.3% |
| FY2023/3 | 13.0% | 10.1% | 8.0% |
| FY2024/3 | 7.9% | 6.5% | 5.9% |
| FY2025/3 | 4.7% | 3.7% | 4.2% |
営業利益率はFY2023/4の8.0%をピークに低下傾向にあり、FY2025/4は4.2%まで縮小しました。原材料費(特に牛肉)の高騰と人件費上昇が利益率を圧迫しています。ROEもFY2023/4の13.0%から4.7%へ低下しており、収益力の回復が今後の課題です。
財務は安全?
柿安本店の財務は極めて健全で、有利子負債ゼロの実質無借金経営を継続しています。自己資本比率は78〜81%と非常に高水準を維持。FY2025/4に総資産が減少したのは、赤塚興産の完全子会社化に伴う調整によるものです。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 20.8億円 | -8.0億円 | -25.0億円 | 12.9億円 |
| FY2017/3 | 20.8億円 | -7.7億円 | -10.2億円 | 13.1億円 |
| FY2018/3 | 25.7億円 | -6.9億円 | -11.6億円 | 18.8億円 |
| FY2019/3 | 21.7億円 | -15.0億円 | -6.6億円 | 6.7億円 |
| FY2020/3 | 22.3億円 | -6.7億円 | -6.9億円 | 15.6億円 |
| FY2021/3 | 11.5億円 | -4.3億円 | -7.9億円 | 7.2億円 |
| FY2022/3 | 37.4億円 | -4.2億円 | -7.9億円 | 33.2億円 |
| FY2023/3 | 25.5億円 | -7.0億円 | -10.5億円 | 18.5億円 |
| FY2024/3 | 14.1億円 | -11.5億円 | -8.9億円 | 2.6億円 |
| FY2025/3 | 17.5億円 | -29.5億円 | -9.1億円 | -12.1億円 |
営業キャッシュフローは安定的にプラスを維持しており、FY2025/4は17億円を確保しています。FY2025/4の投資CFが大きくマイナスとなったのは、赤塚興産の完全子会社化に伴う株式取得によるものです。財務CFは無借金経営のため配当支払いが中心で、安定した資金循環を実現しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 24.2億円 | 10.7億円 | 44.1% |
| FY2017/3 | 22.8億円 | 10.3億円 | 45.0% |
| FY2018/3 | 26.8億円 | 10.1億円 | 37.7% |
| FY2019/3 | 24.1億円 | 7.8億円 | 32.4% |
| FY2020/3 | 25.1億円 | 10.1億円 | 40.2% |
| FY2021/3 | 15.2億円 | 12.6億円 | 82.7% |
| FY2022/3 | 32.9億円 | 15.8億円 | 48.2% |
| FY2023/3 | 35.7億円 | 13.6億円 | 38.2% |
| FY2024/3 | 22.3億円 | 8.3億円 | 37.3% |
| FY2025/3 | 15.4億円 | 8.4億円 | 54.4% |
実効税率はFY2021/4の82.7%が突出して高いですが、これはコロナ禍における減損損失等の影響で課税所得と会計利益に乖離が生じたためです。FY2023〜2024/4は37〜38%台で安定しており、FY2025/4は子会社化関連の特殊要因で54.4%に上昇しました。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2025/4 | 488万円 | 580人 | - |
従業員の平均年収は488万円で、食品業界の中では平均的な水準です。従業員数580名は単体ベースで、連結ではパート・アルバイトを含め大規模な人員を抱えています。明治創業の老舗らしく、従業員の定着率が高いことが特徴です。
誰がこの会社の株を持ってる?
創業家(赤塚家)が実質的に経営支配権を握っており、安定株主比率は非常に高い。自己株式23%を含め、オーナー経営の色彩が強い銘柄です。
最大株主は自己株式(23.05%)で、創業家の赤塚家が代表取締役・赤塚保正氏を含め合計10%超を保有するオーナー企業です。信託銀行が8.5%を保有し機関投資家の関心も一定程度あります。柿安取引先持株会・社員持株会も名を連ね、ステークホルダーとの結束が強い株主構成が特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 惣菜事業 | 129億円 | 10.5億円 | 8.1% |
| レストラン事業 | 50億円 | 1.8億円 | 3.6% |
| 食品事業 | 50億円 | 1.8億円 | 3.6% |
| 精肉事業 | 82億円 | 3.2億円 | 3.9% |
| 和菓子事業 | 50億円 | 1.2億円 | 2.4% |
惣菜事業が売上の約36%・利益の約55%を占める収益の柱です。百貨店デパ地下の「柿安ダイニング」が主力で、利益率8.1%と全セグメント中最高。精肉事業(23%)は松阪牛ブランドの強みを活かし、レストラン・食品・和菓子の3事業がバランスよく補完する食の総合ポートフォリオを形成しています。
この会社のガバナンスは?
取締役6名中、女性が1名(16.7%)を占めています。オーナー経営の特色を持ちながらも、社外取締役を複数配置し、ガバナンスの強化を進めています。連結子会社3社とコンパクトなグループ構成で、平均勤続年数14.5年と定着率の高さが特徴です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 375億円 | — | 361億円 | -3.7% |
| FY2024 | 387億円 | — | 371億円 | -4.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
柿安本店は中期経営計画の具体的数値目標を開示していません。不透明な事業環境を理由としていますが、投資家にとっては成長戦略の可視性が低い点が課題です。直近の業績予想は2期連続で下方修正となっており、予想精度の向上と中長期ビジョンの明確化が今後の信頼回復の鍵となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
柿安本店のTSRは5年間で108%とTOPIXの213%を大幅に下回るパフォーマンスとなっています。業績のピークアウトと株価の軟調が影響しており、市場全体の上昇についていけていません。今後の業績回復と増配が実現すれば、TSR改善の余地は大きいと考えられます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 100.0万円 | +0.0万円 | 0.0% |
| FY2022 | 110.0万円 | +10.0万円 | 10.0% |
| FY2023 | 130.0万円 | +30.0万円 | 30.0% |
| FY2024 | 115.0万円 | +15.0万円 | 15.0% |
| FY2025 | 108.0万円 | +8.0万円 | 8.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
柿安本店のPERは31.7倍と食料品セクター平均(18.5倍)を大幅に上回るプレミアム評価を受けています。これは老舗ブランド力と無借金経営への信頼が反映されたものですが、業績減速局面では割高感も意識されます。信用倍率1.86倍と買い長で、個人投資家の期待が根強い銘柄です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/4 第3四半期決算を発表。売上高は微増も経常利益は前年同期比6%減と、コスト増の影響が続く。
旗艦店「柿安 銀座店」を全面改装オープン。料亭・惣菜・精肉の複合型店舗として収益力向上を狙う。
不動産管理の赤塚興産を完全子会社化。グループ経営の効率化と資産管理の最適化を推進。
最新ニュース
(株)柿安本店 まとめ
ひとめ診断
「明治創業の老舗精肉店。松阪牛から惣菜・和菓子まで食の百貨店を展開するプライム企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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