(株)柿安本店2294
Kakiyasu Honten Co.,Ltd.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
百貨店のデパ地下で見かける「柿安ダイニング」のお惣菜、ギフトコーナーの「柿安 料亭しぐれ煮」、そして松阪牛の精肉販売。これらすべてが柿安本店のブランドです。また「口福堂」の和菓子や、銀座の料亭「柿安」でも知られています。お中元やお歳暮の定番「牛肉しぐれ煮」も同社の人気商品で、贈り物として選んだことがある方も多いのではないでしょうか。
柿安本店は1871年(明治4年)に三重県桑名で牛鍋店として創業し、150年以上の歴史を誇る食の老舗です。百貨店を中心に「柿安ダイニング」などの惣菜事業、精肉事業、和菓子事業、レストラン事業を展開。2025年4月期は売上高361億円、営業利益15億円。PER 31.7倍・PBR 1.79倍とプレミアム評価を受けており、配当利回り3.02%と安定した株主還元を実施しています。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 4月
- 本社
- 三重県桑名市吉之丸8番地
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
事業ごとの売上・利益
百貨店を中心に「柿安ダイニング」「柿安 料亭しぐれ煮」等を展開。売上構成比約36%を占める主力セグメント。
松阪牛を使った料亭「柿安」、ビュッフェレストラン「三尺三寸箸」等を運営。売上構成比約14%。
牛肉しぐれ煮・佃煮等の製造販売。ギフト需要に支えられる安定事業。売上構成比約14%。
松阪牛をはじめとするブランド牛の販売。百貨店・直営店で展開。売上構成比約23%。
「口福堂」ブランドで大福・団子等を販売。商業施設を中心に出店。売上構成比約14%。
稼ぐ力はどのくらい?
FY2025/4実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2016/04期 | 10.4% | 7.6% | 5.5% |
| 2017/04期 | 9.5% | 7.0% | 5.1% |
| 2018/04期 | 12.2% | 9.0% | 5.9% |
| 2019/04期 | 11.4% | 8.6% | 5.3% |
| 2020/04期 | 10.1% | 7.7% | 5.5% |
| 2021/04期 | 1.7% | 1.4% | 3.5% |
| 2022/04期 | 11.1% | 8.8% | 7.3% |
| 2023/04期 | 13.4% | 10.6% | 8.0% |
| 2024/04期 | 8.1% | 6.4% | 5.9% |
| 2025/04期 | 4.3% | 3.4% | 4.2% |
| 3Q FY2026/4 | 5.5%(累計) | 4.3%(累計) | 4.8% |
営業利益率は2023/04期の8.0%をピークに低下傾向にあり、2025/04期は4.2%まで縮小しました。原材料費(特に牛肉)の高騰と人件費上昇が利益率を圧迫しています。ROEも2023/04期の13.0%から4.7%へ低下しており、収益力の回復が今後の課題です。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/04期 | 373億円 | 13.1億円 | 2.6億円 | 25.2円 | -15.1% |
| 2022/04期 | 380億円 | 27.8億円 | 17.0億円 | 162.8円 | +1.9% |
| 2023/04期 | 439億円 | 35.1億円 | 22.1億円 | 210.6円 | +15.6% |
| 2024/04期 | 371億円 | 22.0億円 | 14.0億円 | 133.7円 | -15.6% |
| 2025/04期 | 361億円 | 15.0億円 | 7.0億円 | 71.5円 | -2.6% |
柿安本店の業績は、2023/04期に売上高439億円・営業利益35億円と過去最高を記録しましたが、2024/04期以降は決算期変更(2月→4月)の影響や原材料価格高騰により減収減益基調が続いています。2026/04期予想は売上高364億円・営業利益15億円と底打ちからの回復が見込まれています。 【3Q 2026/04期実績】売上279億円(通期予想比77%)、営業利益13億円(同90%)、純利益8.1億円(同96%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 惣菜事業 | 129億円 | 10.5億円 | 8.1% |
| レストラン事業 | 50億円 | 1.8億円 | 3.6% |
| 食品事業 | 50億円 | 1.8億円 | 3.6% |
| 精肉事業 | 82億円 | 3.2億円 | 3.9% |
| 和菓子事業 | 50億円 | 1.2億円 | 2.4% |
惣菜事業が売上の約36%・利益の約55%を占める収益の柱です。百貨店デパ地下の「柿安ダイニング」が主力で、利益率8.1%と全セグメント中最高。精肉事業(23%)は松阪牛ブランドの強みを活かし、レストラン・食品・和菓子の3事業がバランスよく補完する食の総合ポートフォリオを形成しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 375億円 | — | 361億円 | -3.7% |
| 2024期 | 387億円 | — | 371億円 | -4.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
柿安本店は中期経営計画の具体的数値目標を開示していません。不透明な事業環境を理由としていますが、投資家にとっては成長戦略の可視性が低い点が課題です。直近の業績予想は2期連続で下方修正となっており、予想精度の向上と中長期ビジョンの明確化が今後の信頼回復の鍵となります。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2026/04期 第3四半期決算を発表。売上高は微増も経常利益は前年同期比6%減と、コスト増の影響が続く。
旗艦店「柿安 銀座店」を全面改装オープン。料亭・惣菜・精肉の複合型店舗として収益力向上を狙う。
不動産管理の赤塚興産を完全子会社化。グループ経営の効率化と資産管理の最適化を推進。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q FY2026/4末時点
柿安本店の財務は極めて健全で、有利子負債ゼロの実質無借金経営を継続しています。自己資本比率は78〜81%と非常に高水準を維持。2025/04期に総資産が減少したのは、赤塚興産の完全子会社化に伴う調整によるものです。 【3Q 2026/04期】総資産189億円、純資産152億円、自己資本比率78.9%。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2016/04期 | 20.8億円 | ▲8.0億円 | ▲25.0億円 | 12.9億円 |
| 2017/04期 | 20.8億円 | ▲7.7億円 | ▲10.2億円 | 13.1億円 |
| 2018/04期 | 25.7億円 | ▲6.9億円 | ▲11.6億円 | 18.8億円 |
| 2019/04期 | 21.7億円 | ▲15.0億円 | ▲6.6億円 | 6.7億円 |
| 2020/04期 | 22.3億円 | ▲6.7億円 | ▲6.9億円 | 15.6億円 |
| 2021/04期 | 11.5億円 | ▲4.3億円 | ▲7.9億円 | 7.2億円 |
| 2022/04期 | 37.4億円 | ▲4.2億円 | ▲7.9億円 | 33.2億円 |
| 2023/04期 | 25.5億円 | ▲7.0億円 | ▲10.5億円 | 18.5億円 |
| 2024/04期 | 14.1億円 | ▲11.5億円 | ▲8.9億円 | 2.6億円 |
| 2025/04期 | 17.5億円 | ▲29.5億円 | ▲9.1億円 | ▲12.1億円 |
営業キャッシュフローは安定的にプラスを維持しており、2025/04期は17億円を確保しています。2025/04期の投資CFが大きくマイナスとなったのは、赤塚興産の完全子会社化に伴う株式取得によるものです。財務CFは無借金経営のため配当支払いが中心で、安定した資金循環を実現しています。
この会社のガバナンスは?
取締役6名中、女性が1名(16.7%)を占めています。オーナー経営の特色を持ちながらも、社外取締役を複数配置し、ガバナンスの強化を進めています。連結子会社3社とコンパクトなグループ構成で、平均勤続年数14.5年と定着率の高さが特徴です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 2025/04期 | 488万円 | 580人 | - |
従業員の平均年収は488万円で、食品業界の中では平均的な水準です。従業員数580名は単体ベースで、連結ではパート・アルバイトを含め大規模な人員を抱えています。明治創業の老舗らしく、従業員の定着率が高いことが特徴です。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
柿安本店のTSRは5年間で108%とTOPIXの213%を大幅に下回るパフォーマンスとなっています。業績のピークアウトと株価の軟調が影響しており、市場全体の上昇についていけていません。今後の業績回復と増配が実現すれば、TSR改善の余地は大きいと考えられます。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/04期 | 45円 | 37.5% |
| 2017/04期 | 45円 | 38.7% |
| 2018/04期 | 55円 | 35.0% |
| 2019/04期 | 65円 | 41.7% |
| 2020/04期 | 75円 | 52.3% |
| 2021/04期 | 75円 | 298.1% |
| 2022/04期 | 100円 | 61.4% |
| 2023/04期 | 85円 | 40.4% |
| 2024/04期 | 85円 | 63.6% |
| 2025/04期 | 85円 | 118.9% |
| 必要株数 | 100株以上(約28万円) |
| 金額相当 | 1,000円〜7,500円相当 |
| 権利確定月 | 4月 |
配当は2022/04期に1株100円へ増配した後、2023/04期以降は85円で安定配当を維持しています。2025/04期は配当性向118.9%と利益を上回る配当を実施しており、株主還元への強い意志がうかがえます。加えて、株主優待として柿安グループ全店で使える優待利用券が贈呈され、配当+優待の総合利回りは約3.4%となります。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 100.0万円 | 0.0万円 | 0.0% |
| 2022期 | 110.0万円 | 10.0万円 | 10.0% |
| 2023期 | 130.0万円 | 30.0万円 | 30.0% |
| 2024期 | 115.0万円 | 15.0万円 | 15.0% |
| 2025期 | 108.0万円 | 8.0万円 | 8.0% |
※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
柿安本店のPERは31.7倍と食料品セクター平均(18.5倍)を大幅に上回るプレミアム評価を受けています。これは老舗ブランド力と無借金経営への信頼が反映されたものですが、業績減速局面では割高感も意識されます。信用倍率1.86倍と買い長で、個人投資家の期待が根強い銘柄です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2016/04期 | 24.2億円 | 10.7億円 | 44.1% |
| 2017/04期 | 22.8億円 | 10.3億円 | 45.0% |
| 2018/04期 | 26.8億円 | 10.1億円 | 37.7% |
| 2019/04期 | 24.1億円 | 7.8億円 | 32.4% |
| 2020/04期 | 25.1億円 | 10.1億円 | 40.2% |
| 2021/04期 | 15.2億円 | 12.6億円 | 82.7% |
| 2022/04期 | 32.9億円 | 15.8億円 | 48.2% |
| 2023/04期 | 35.7億円 | 13.6億円 | 38.2% |
| 2024/04期 | 22.3億円 | 8.3億円 | 37.3% |
| 2025/04期 | 15.4億円 | 8.4億円 | 54.4% |
実効税率は2021/04期の82.7%が突出して高いですが、これはコロナ禍における減損損失等の影響で課税所得と会計利益に乖離が生じたためです。2023期〜2024/4は37〜38%台で安定しており、2025/04期は子会社化関連の特殊要因で54.4%に上昇しました。
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「明治創業の老舗精肉店。松阪牛から惣菜・和菓子まで食の百貨店を展開するプライム企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。