1親会社サントリーホールディングス(非上場)が発行済株式の59.48%を保有する上場子会社であり、親子間の利益相反や少数株主の利益が損なわれる懸念が構造的に存在する。会社は直近では2026年3月31日に「支配株主等に関する事項について」を東証へ提出している。ロイヤリティの支払・間接業務の委託・不動産等の賃借といった親会社取引がある
2事業計画・事業見通しのリスク(有報の重要リスク)。日本は長期的な人口の高齢化・減少傾向にあり、飲料・食品市場では大手メーカー・地域メーカー・プライベートブランド・輸入商品との競争が激しい。加えて商品の多くは天候に左右され、春から夏の暑い時期に気温が十分に上がらないと需要が落ち込む
3原材料・サプライチェーンのリスク(有報の重要リスク)。有報は「主要な原材料」および「商品を製造する際に使用する電気や天然ガスといったエネルギー」の価格が著しく変動する可能性を挙げており、生産コストの上昇を販売価格に十分転嫁できない場合や、転嫁により需要が減少する場合に業績が影響を受けるとしている。実際に2025/12期は原材料価格・物流費の高騰で営業利益が7.2%減となり、2026年上期は中東情勢の影響でグループ計約60億円のコスト増が発生。会社は下期に80〜120億円程度の追加影響を見込む
4為替と金利の変動リスク(有報の重要リスク)。売上収益の約57%を日本以外で稼ぐため、ユーロ・英ポンド・タイバーツ・ベトナムドン・豪ドル等の為替換算が連結業績を大きく動かす。2025/12期は為替込みで営業利益7.2%減だったが為替中立では7.8%減で、円安が減益幅を縮めていた。円高局面では逆に海外利益が目減りする
5水のリスク(有報の重要リスク)。水はほぼ全ての商品の主要原料であり、人口増加による消費量の増加、水質汚染、管理不足や気候変動により供給を受けられない可能性がある。水源地の制約は製造コスト増加や生産量の制約につながり、長期的な収益性や成長戦略に影響しうる
6事業提携・資本提携・企業買収のリスク(有報の重要リスク)。企業買収に伴いのれん2,999億円・無形資産5,654億円(2025/12期末)を計上しており、毎期の減損テストで減損損失を計上した場合には経営成績と財政状態に影響する
7飲料・食品および酒類に対する規制リスク(有報の重要リスク)。WHOの要請等を背景に加糖飲料への課税強化など世界各国で規制が強化されている。これは一般論ではなく既に業績を圧迫しており、会社は2026年上期の減益要因として(a)最大市場フランスにおける砂糖税増税後の回復遅れ(欧州セグメント利益は為替中立で16.6%減)、(b)2025年4月以降のタイにおける砂糖税の増税影響(アジアセグメント利益は同9.3%減)を明示している。またオセアニアで開始したRTDアルコール飲料は、責任ある酒類マーケティングやアルコール関連問題への対応が求められる領域である
8自然災害・事業継続のリスク(有報の重要リスク)。大規模地震や台風・集中豪雨による洪水・土砂災害等が顕在化した場合、事業継続に重大な影響が生じうる。実際に2026年12月期第2四半期決算短信の業績予想の項では、2026年7月の令和8年熊本地震により清涼飲料の製造を委託しているサントリー九州熊本工場等で一部に被害が発生したことを開示し、「当社業績への影響を含め詳細を調査中」としている(同短信時点で通期業績予想の変更はない)。同社は製造の多くをサントリープロダクツ㈱等の委託先工場に依存しており、特定拠点の被災が供給に影響しうる構造である
9通商政策・資源価格のリスク。2026年上期は中東情勢の影響で原油由来の包材・エネルギー費・輸送費が上昇し、グループ計で約60億円のコスト増が発生。会社は下期に80〜120億円程度の追加影響を見込む(2026年末まで足元の市場環境が継続するとの仮定)。米州事業ではアルミやエネルギー等のコスト高騰が減益要因と説明されている。会社は2026年11月1日出荷分からペットボトル5〜12%・缶9〜19%の国内価格改定を実施して転嫁を図るが、価格改定は販売数量の下押し要因にもなる