サッポロホールディングス
SAPPORO HOLDINGS LIMITED
最終更新日: 2026年3月22日
150年目の大改革。虎の子の不動産を手放し、ビール一本で世界に挑む
「酒・食・飲」の事業を通じて、人々の暮らしに潤いと豊かさを提供する
この会社ってなに?
居酒屋やレストランで飲む「黒ラベル」「ヱビス」、コンビニで見かける「サッポロ 生ビール ナナマル」や「男梅サワー」。自宅で楽しむ「GOLD STAR」も実はサッポロのブランドです。ポッカサッポロの「じっくりコトコト」スープやキレートレモン、「Ribbon」シリーズもグループ製品。恵比寿ガーデンプレイスの街並みもサッポロが育てたもの。ビール好きなら一度は手に取ったことのある、日本最古の歴史を持つ身近なビールメーカーです。
FY2025/12期は売上収益5,069億円(前期比-4.5%)ながら、事業利益の改善により純利益は前期比2.5倍の195億円へ急伸しました。2026年7月にサッポロ不動産開発をKKR・PAG連合へ約4,770億円で売却し、商号を「サッポロビール」に変更予定。不動産オフバランス化に伴い、FY2026/12期は最終利益2,960億円と過去最高を大幅に更新する見込みです。PER 2.1倍は不動産売却益による一時的な水準ですが、DOE 3%以上の累進配当方針と1:5の株式分割(2026年1月実施)で個人投資家への門戸も広がっています。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都渋谷区恵比寿4-20-1 恵比寿ガーデンプレイス
- 公式
- www.sapporoholdings.jp
社長プロフィール
サッポログループは2026年に創業150周年を迎えます。この節目に、収益の柱であった不動産事業を売却し、酒類事業に経営資源を集中するという大きな決断をいたしました。「誰かの、いちばん星であれ」をテーマに、黒ラベル・ヱビスの更なる価値向上と海外市場の開拓を進め、すべてのステークホルダーの皆様と共に新たな150年を築いてまいります。
この会社のストーリー
北海道開拓使が札幌に官営のビール醸造所を設立。日本初の本格的ビール醸造がここから始まりました。
過度経済力集中排除法による分割を経て、日本麦酒株式会社として東証に上場。戦後のビール産業復興をリードしました。
ヱビスビール工場跡地を再開発し、複合都市「恵比寿ガーデンプレイス」を開業。不動産事業の収益基盤を確立しました。
ポッカコーポレーションとサッポロ飲料が統合し「ポッカサッポロフード&ビバレッジ」を設立。食品飲料事業の基盤を強化しました。
3D Investment Partnersから不動産事業分離を含む株主提案を受け、経営改革の是非を巡る激しい議論が展開されました。
サッポロ不動産開発をKKR・PAG連合に約4,770億円で売却すると発表。利益の柱を手放す大胆な決断で、酒類専業メーカーへの転換を鮮明にしました。
創業150周年を迎え、商号を「サッポロビール」に変更。1:5の株式分割で個人投資家の裾野を広げ、ビール一本で世界に挑む新章が始まります。
注目ポイント
1876年の開拓使麦酒醸造所から続く歴史と伝統。「黒ラベル」「ヱビス」は日本のビール文化を象徴するブランドとして、根強いファンに愛され続けています。
約4,770億円の不動産売却により有利子負債を大幅圧縮し、DOE 4%以上を目指す累進配当を推進。株主還元と成長投資の両立を図る新しいサッポロが始まります。
「男梅サワー」などRTD(缶チューハイ)カテゴリーで5年連続成長を達成。北米のスリーマンブランドを軸に海外展開も加速しており、M&Aも視野に入れた攻めの経営に注目です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 37円 | 30.4% |
| FY2017/3 | 40円 | 28.4% |
| FY2018/3 | 42円 | 38.4% |
| FY2019/3 | 42円 | 75.1% |
| FY2020/3 | 42円 | 0.4% |
| FY2021/3 | 42円 | 26.5% |
| FY2022/3 | 42円 | 60.0% |
| FY2023/3 | 47円 | 42.0% |
| FY2024/3 | 52円 | 52.5% |
| FY2025/3 | 90円 | 179.9% |
| 必要株数 | 100株以上(約16万円) |
| 金額相当 | 約1,500円相当 |
| 権利確定月 | 12月 |
FY2025/12期は1株90円と4期連続増配を達成し、配当性向は180%に達しました。これはDOE 3%以上の累進配当方針に基づくもので、一時的な配当性向の高さはEPS水準によるものです。FY2026/12期は株式分割後ベースで1株40円(分割前換算200円)の大幅増配を計画しており、DOE 4%以上の長期目標に向けた意欲的な株主還元姿勢を示しています。株主優待は100株以上でビール詰め合わせが贈られる制度が継続中です。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/12期は売上収益5,069億円(前期比-4.5%)と減収ながら、酒類事業の構造改革効果により事業利益は244億円と前期比2倍超に拡大しました。純利益は195億円と2期連続で最高益を更新。FY2026/12期は売上収益5,050億円とほぼ横ばいですが、サッポロ不動産開発の売却益を計上することで最終利益は2,960億円と大幅増益を見込んでいます。なお、2026年1月に1:5の株式分割を実施したため、EPSは分割前ベースで表記しています。
事業ごとの売上・利益
黒ラベル・ヱビスを軸とした国内ビール類、北米のスリーマン・サッポロUSAなど海外展開
ポッカサッポロフード&ビバレッジのスープ・レモン飲料、自販機事業(一部譲渡予定)
恵比寿ガーデンプレイスを中心とした不動産賃貸・開発(2026年7月売却予定)
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 6.1% | 3.6% | 3.3% |
| FY2022/3 | 8.2% | 1.8% | 3.9% |
| FY2023/3 | 9.6% | 1.8% | 4.4% |
| FY2024/3 | 1.7% | 1.1% | 2.8% |
| FY2025/3 | 9.4% | 3.5% | 2.0% |
FY2025/12期は営業利益率が4.8%へ大幅に改善し、構造改革の成果が数字に表れ始めています。ROEもFY2024/12期の3.9%から8.9%へと急回復しました。ただし同業大手のアサヒ(9.2%)やキリン(7%台)と比較するとまだ改善余地があり、不動産事業の売却後は酒類・食品飲料事業の本業収益力が問われる局面に入ります。
財務は安全?
自己資本比率はFY2021/12期の27.3%からFY2025/12期には33.5%へ着実に改善しています。有利子負債は約1,938億円とまだ大きいものの、FY2026/12期にサッポロ不動産開発の売却資金(約4,770億円)が入ることで大幅な負債圧縮と財務体質の刷新が見込まれます。なお、2026年1月に1:5の株式分割を実施したため、FY2025/12期のBPSは分割後ベースの561.4円となっています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 361億円 | -58.4億円 | -254億円 | 303億円 |
| FY2025/3 | 446億円 | -29.7億円 | -423億円 | 416億円 |
FY2025/12期の営業CFは446億円と安定的なキャッシュ創出を維持しています。投資活動は30億円の流出にとどまり、FCF(フリーキャッシュフロー)は416億円と過去5年間で最高水準を記録。財務活動では423億円の流出(借入金返済・配当支払い)が発生しましたが、FY2026/12期にはサッポロ不動産開発の売却による大幅な資金流入が見込まれ、キャッシュポジションは一変する見通しです。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 80.7億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 121億円 | 7.2億円 | 6.0% |
| FY2023/3 | 145億円 | 23.6億円 | 16.3% |
| FY2024/3 | 62.6億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 4.8億円 | 0円 | 0.0% |
FY2026/12期は営業利益60億円と大幅減益計画ですが、サッポロ不動産開発の売却益を含む特別利益により最終利益は2,960億円を見込んでいます。不動産売却に伴う組織再編税制の適用が想定されるため、実効税率は通常とは大きく異なる水準となる見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,014万円 | 6,102人 | - |
従業員平均年収は952万円と食品業界では上位水準です。平均年齢45.7歳、平均勤続年数20.3年と長期雇用型の人材構成が特徴。連結従業員数は6,402名(臨時従業員3,915名を除く)で、不動産子会社の売却に伴い今後の従業員数は変動する見込みです。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(13.99%)で、信託口が上位を占める機関投資家中心の株主構成です。注目すべきは、シンガポールの投資ファンド3D Investment Partnersが約3%を保有し、不動産事業の分離を含む経営改革を要求してきた点です。同ファンドの提案がきっかけとなり不動産売却が実現した側面もあり、アクティビスト関与が企業価値向上に寄与した事例として注目されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 酒類事業 | 約3,500億円 | 約170億円 | 約4.9% |
| 食品飲料事業 | 約1,100億円 | 約20億円 | 約1.8% |
| 不動産事業 | 約400億円 | 約130億円 | 約32.5% |
事業は酒類・食品飲料・不動産の3セグメントで構成されていますが、2026年7月にサッポロ不動産開発を売却することで不動産事業からは撤退予定です。不動産事業は売上規模こそ小さいものの利益率32.5%とグループの収益柱でした。売却後は酒類事業の収益力強化が最重要課題となり、国内構造改革と北米事業の成長加速が鍵を握ります。
この会社のガバナンスは?
取締役11名中女性2名と女性役員比率18.2%で、プライム市場の目標水準にはまだ改善余地があります。代表取締役社長の時松浩氏のもと、不動産事業の売却と酒類事業への集中という大胆な経営判断を実行。設備投資452億円は酒類・食品飲料事業の生産設備更新と品質向上に充てられています。2026年7月の商号変更で「サッポロビール」に改称し、ガバナンス体制も酒類特化型に刷新される予定です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/12 | 5,320億円 | — | 5,308億円 | -0.2% |
| FY2025/12 | 5,320億円 | 5,069億円 | 5,069億円 | -4.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/12 | 200億円 | — | 220億円 | +10.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/12 | 165億円 | 194億円 | 194億円 | +17.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
経営計画2023〜2026の最重要テーマであった不動産事業のオフバランス化を前倒しで達成し、ROE 8.9%・DOE 3%超という財務目標もクリアしました。事業利益はFY2025/12期に244億円とFY2024/12期から大幅改善。中長期成長戦略ではDOE 4%以上を目指した累進配当と海外酒類事業の成長投資を掲げており、不動産売却資金を成長原資として活用する方針です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSRは330.9%とTOPIX(182.5%)を大幅にアウトパフォームしています。特にFY2024以降はアクティビスト株主による経営改革圧力と不動産売却への期待から株価が急上昇し、TSRは加速度的に上昇しました。配当込みのリターンは非常に高い水準にあり、中長期投資家に大きな報いを果たした銘柄と言えます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 78.8万円 | -21.2万円 | -21.2% |
| FY2022 | 87.9万円 | -12.1万円 | -12.1% |
| FY2023 | 132.1万円 | +32.1万円 | 32.1% |
| FY2024 | 247.6万円 | +147.6万円 | 147.6% |
| FY2025 | 330.9万円 | +230.9万円 | 230.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 2.1倍はFY2026/12期の不動産売却益を含む特殊な数値であり、セクター平均19.1倍との単純比較は適切ではありません。一方、信用倍率は0.30倍と極端な売り長で、空売り勢が多い状態です。PBR 2.84倍はBPSが株式分割で圧縮されたことによるもので、不動産売却後の純資産増加に伴い正常化する見込みです。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
サッポロ不動産開発をKKR・PAG連合に約4,770億円で売却すると発表。不動産事業からの撤退と酒類事業への集中を鮮明にした。
1株を5株に株式分割を実施。投資単位の引下げにより個人投資家の裾野拡大を図った。
FY2025/12期決算を発表。連結最終利益は前期比2.5倍の194億円に拡大し、2期連続の最高益を達成。FY2026/12期は不動産売却益を含め最終利益2,960億円を計画。
ポッカサッポロフード&ビバレッジの自動販売機事業をライフドリンク カンパニーに譲渡。中計に基づく事業ポートフォリオ見直しの一環。
最新ニュース
サッポロホールディングス まとめ
ひとめ診断
「不動産売却で財務刷新、ビール専業メーカーへの大転換を図る老舗酒類グループ」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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