博報堂DYホールディングス
HAKUHODO DY HOLDINGS INCORPORATED
最終更新日: 2026年3月22日
「生活者発想」で広告の未来を創る、日本第2位の広告グループ
生活者に寄り添い、クリエイティビティで未来を拓く。
この会社ってなに?
テレビCMやネット広告の企画・制作から、企業のブランド戦略やSNSマーケティング、イベント運営まで、あなたが日常的に目にする広告の多くに博報堂DYグループが関わっています。たとえば大手メーカーのテレビCMや人気コンテンツのプロモーション、街中のデジタルサイネージ広告なども同グループの手がけた仕事である可能性が高いです。
博報堂DYホールディングスは、博報堂・大広・読売広告社を中核とする国内第2位の広告グループです。連結子会社384社を擁し、マーケティング・コミュニケーション領域を中心に広告事業を国内外で展開しています。FY2025/3期の売上収益は9,533億円(前期比+0.7%)、営業利益は376億円(同+9.6%)と増益基調を維持しました。FY2026/3期は売上高9,700億円(+1.8%)、営業利益400億円(+6.4%)を見込んでいます。中期経営計画では、AI研究企業Third Intelligenceとの資本業務提携やベトナムのデジタルエージェンシーBCM買収など、デジタル・海外領域の強化を加速させています。
会社概要
- 業種
- サービス業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区赤坂5-3-1 赤坂Bizタワー
- 公式
- www.hakuhodody-holdings.co.jp
社長プロフィール
私たちは「生活者発想」と「パートナー主義」を根幹に据え、クリエイティビティとテクノロジーの融合で、社会に新たな価値を創造し続けます。
この会社のストーリー
創業者・瀬木博尚が教育雑誌の広告取次業として博報堂を設立。「博く華客に報いる」という社名の由来に込められた顧客本位の精神は、130年以上経った今も受け継がれています。
大阪で大阪広告株式会社(現・大広)が設立。関西圏を基盤とする総合広告会社として成長し、のちに博報堂DYグループの一翼を担うことになります。
博報堂・大広・読売広告社の3社が経営統合し、持株会社として博報堂DYホールディングスを設立。東証一部に上場を果たし、国内広告業界第2位のグループとなりました。
ニューヨークに戦略事業組織「kyu」を設立し、海外クリエイティブエージェンシーへの投資・買収を本格化。グローバル展開への布石を打ちました。
デジタル広告の成長やM&A効果を背景に株価は上場来高値の2,048円を記録。しかしその後、市場環境の変化により調整局面に入りました。
FY2027/3期を最終年度とする新中期経営計画を発表。「6つの事業領域」によるポートフォリオ経営と、デジタル・海外領域への集中投資を掲げました。
Third Intelligenceとの資本業務提携をはじめ、AGI(汎用人工知能)の社会実装やデータドリブンマーケティングを推進。AI技術とクリエイティビティの融合で広告ビジネスの変革を目指します。
注目ポイント
電通が「企業視点」を重視するのに対し、博報堂は「生活者(消費者)の視点」を起点としたマーケティングを130年以上にわたり実践。この独自のアプローチが競合との差別化要因です。
配当利回り3.14%・PBR0.96倍と、プライム市場の中でもバリュー株としての魅力があります。安定株主比率53%の堅固な経営基盤も長期投資の安心材料です。
Third Intelligence(AGI研究)との提携やBCM社買収(東南アジアのデジタルエージェンシー)など、次世代の成長領域への投資を加速させています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 18円 | 23.5% |
| FY2017/3 | 24円 | 34.6% |
| FY2018/3 | 26円 | 32.5% |
| FY2019/3 | 28円 | 22.0% |
| FY2020/3 | 30円 | 24.9% |
| FY2021/3 | 30円 | 42.3% |
| FY2022/3 | 32円 | 21.7% |
| FY2023/3 | 32円 | 38.5% |
| FY2024/3 | 32円 | 47.1% |
| FY2025/3 | 32円 | 109.1% |
株主優待制度はありません。
年間配当は1株あたり32円で4期連続据え置きとなっています。FY2025/3期は純利益が大幅減益となったため配当性向が109.1%と100%を超えましたが、減配は行わず安定配当を維持しました。配当利回りは3.14%と市場平均を上回る水準にあり、インカム面での魅力は一定程度あります。株主優待制度は設けていません。
同業比較(収益性)
サービス業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2022/3期は収益認識基準の変更(総額表示から純額表示へ)により売上高が大幅に減少した形ですが、営業利益は716億円と過去最高水準を記録しました。その後FY2024/3期にかけて営業利益は343億円まで低下しましたが、FY2025/3期は376億円へ回復基調に転じています。FY2026/3期は営業利益400億円を計画しており、デジタル領域の成長とコスト構造改善が利益改善を牽引する見通しです。なお、FY2025/3期の純利益が108億円と大きく落ち込んだのは、一時的な特別損失計上によるもので、本業の収益力は着実に改善しています。
事業ごとの売上・利益
博報堂・大広・読売広告社を中心とする国内広告事業。テレビ・新聞等のマス広告からデジタル広告まで幅広くカバー。売上構成比は約75%。
kyuやDACを中心とした海外広告事業。M&Aによる規模拡大を推進中だが、のれん償却やPMIコストの影響で現時点では赤字。売上構成比は約25%。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 9.2% | 2.8% | 5.0% |
| FY2022/3 | 11.4% | 5.2% | 3.7% |
| FY2023/3 | 7.8% | 3.0% | 4.7% |
| FY2024/3 | 13.8% | 2.4% | 5.7% |
| FY2025/3 | 4.0% | 1.0% | 5.5% |
FY2022/3期に収益認識基準変更の効果でROE14.2%・営業利益率8.0%と高い収益性を示しましたが、その後は海外投資やデジタル領域への先行投資が重荷となり、FY2025/3期のROEは2.6%まで低下しています。営業利益率は3.5%〜8.0%の範囲で推移しており、広告業界としては標準的な水準です。FY2025/3期の純利益急減は特別損失要因であり、営業利益率は3.9%と前期比で改善しています。
財務は安全?
総資産は約1兆円規模で安定推移しています。自己資本比率は35〜37%台を維持しており、広告業としては堅実な財務体質です。FY2024/3期に有利子負債が4,260億円に急増しましたが、FY2025/3期には2,316億円へ大幅に削減しており、財務健全性の改善が進んでいます。BPS(1株当たり純資産)は1,062円と着実に成長しており、現在の株価1,020円はほぼBPS水準(PBR約0.96倍)で推移しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 362億円 | -98.3億円 | -128億円 | 264億円 |
| FY2022/3 | 209億円 | -113億円 | -87.0億円 | 95.6億円 |
| FY2023/3 | 380億円 | -328億円 | -288億円 | 52.4億円 |
| FY2024/3 | 98.8億円 | 63.3億円 | 11.0億円 | 162億円 |
| FY2025/3 | 824億円 | -135億円 | -458億円 | 689億円 |
FY2025/3期の営業キャッシュフローは824億円と大幅に改善し、フリーキャッシュフローも689億円と過去5年間で最高水準を記録しました。FY2023/3期には海外M&Aなどの投資で投資CFが大きくマイナスとなりましたが、FY2025/3期は投資を抑制しつつ営業CFが急増し、キャッシュ創出力の高さを示しています。FY2024/3期の投資CFがプラスだったのは、保有資産の売却による一時的な要因です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 496億円 | 231億円 | 46.6% |
| FY2022/3 | 757億円 | 206億円 | 27.1% |
| FY2023/3 | 604億円 | 294億円 | 48.6% |
| FY2024/3 | 378億円 | 129億円 | 34.1% |
| FY2025/3 | 427億円 | 319億円 | 74.8% |
法人税等の支払額は、税引前利益の変動に応じて200億〜294億円の範囲で推移しています。FY2025/3期は実効税率が74.8%と高水準ですが、これは繰延税金資産の取り崩しや海外子会社関連の税務調整が影響した一時的なものです。FY2026/3期は実効税率50%を見込んでおり、正常化に向かう見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,092万円 | 29,386人 | - |
平均年収は約1,092万円で、全上場企業の中でも上位5%以内に入る高水準です。これは持株会社単体の従業員(主に管理職層)の数値であり、グループ全体の平均とは異なる点に留意が必要です。連結従業員数は約29,400人、臨時雇用者を含めると約40,000人規模の大組織です。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は博報堂DYホールディングス社員持株会氏・公益財団法人博報堂教育財団・朝日新聞社。
公益財団法人博報堂教育財団が約19.3%を保有する筆頭株主であり、一般社団法人博政会やフラタニテなど創業者関連法人が安定株主として経営基盤を支えています。メディア企業(朝日新聞社・日本テレビ)も大株主に入っており、広告業界ならではのメディア企業との資本関係が特徴です。信託銀行(日本マスタートラスト・日本カストディ)経由で機関投資家の保有も一定規模あり、バランスの取れた株主構成といえます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 広告事業(国内) | 約7,150億円 | 約410億円 | 5.7% |
| 広告事業(海外) | 約2,380億円 | 約-70億円 | -2.9% |
訴訟・係争
役員報酬は1名に対し約3.8億円が支払われています(代表取締役社長・水島正幸氏への報酬と推定)。事業リスクとしては、広告市場の景気感応度の高さとデジタルシフトへの対応が主要テーマです。セグメント別では国内事業が売上の約75%・利益の大半を占めており、海外事業はM&A投資の回収フェーズにあります。
この会社のガバナンスは?
取締役13名中女性は1名(7.0%)と、プライム市場上場企業としては女性比率が低い水準にあります。連結子会社384社・臨時雇用者約10,800人を擁する大規模グループですが、ガバナンス面ではダイバーシティの推進が今後の課題です。設備投資額は166億円と広告業界としては大きく、デジタル基盤やオフィス環境への投資を積極的に行っています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 1兆円 | — | 9,533億円 | -4.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 360億円 | — | 376億円 | +4.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 150億円 | — | 108億円 | -28.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
博報堂DYグループは2024年6月に新中期経営計画(FY2025-FY2027)を発表し、「6つの事業領域」を軸としたポートフォリオ経営を推進しています。初年度のFY2025/3期は、営業利益が当初計画を上回る376億円を達成した一方、売上高は1兆円目標に対して9,533億円と未達でした。デジタル・海外領域への投資を加速しつつ、利益率の改善を実現した点は評価できますが、中計最終年度に向けた成長加速が課題となっています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
FY2021起点のTSR(株主総利回り)は113.8%と投資元本の約1.1倍にとどまり、同期間のTOPIXリターン188.3%を大きく下回っています。市場平均に対して約75ポイントのアンダーパフォームとなっており、特にFY2024以降の株価下落が影響しています。配当利回りは高いものの、株価下落がそれを上回るペースで進んだ結果です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 172.0万円 | +72.0万円 | 72.0% |
| FY2022 | 147.4万円 | +47.4万円 | 47.4% |
| FY2023 | 145.8万円 | +45.8万円 | 45.8% |
| FY2024 | 138.7万円 | +38.7万円 | 38.7% |
| FY2025 | 113.8万円 | +13.8万円 | 13.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は0.71倍と売り長(売り残が買い残を上回る)の状態であり、株価の下支え要因となる可能性があります。PERは18.7倍でサービス業セクター平均とほぼ同水準、PBRは0.96倍と解散価値を下回る割安な水準にあります。配当利回り3.14%はセクター平均を大きく上回っており、バリュー株としての特徴を有しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3期3Q累計の経常利益が前年同期比19%増益で着地し、収益改善の持続性を示しました。
ベトナムの独立系総合デジタルエージェンシーBCM社を買収し、東南アジアにおけるデジタルマーケティングの提供体制を強化しました。
松尾豊氏らが率いるAI研究・プロダクト開発企業Third Intelligenceと資本業務提携し、遍在型AGIの社会実装に向けた取り組みを開始しました。
最新ニュース
博報堂DYホールディングス まとめ
ひとめ診断
「博報堂・大広・読売広告社を傘下に持つ国内広告業界2位の持株会社。AI・データ活用で広告ビジネスの構造転換に挑む」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「サービス業」に分類される他の企業
中古車オークション市場シェア4割超、営業利益率52%を誇るプラットフォーム型高収益企業
技術者派遣の老舗が、日本の製造業を支える『技術商社』として復活の狼煙を上げている
コンビニ決済の黒子役が、航空券から行政手続きまで、生活のあらゆる『支払い』シーンを押さえるプラットフォーマー
大阪大学医学部発のバイオベンチャー。抗疲労研究から医療DX・ヘルスケアプラットフォームへ転換を図るグロース企業
神奈川の公立高校受験を支配する、鉄壁の地域密着型学習塾
PRの老舗企業が、SaaS事業やインフルエンサー買収でデジタル領域に本腰を入れている状態
掃除のプロから食の王国へ。フランチャイズ経営で生活インフラを丸ごと支えるダスキンの底力
ネットインフラの巨人がグループ再編を断行、広告・金融からGPUクラウドまで手掛ける『すべての人にインターネット』の体現者