(株)新日本科学
SHIN NIPPON BIOMEDICAL LABORATORIES,LTD.
最終更新日: 2026年3月26日
日本初の非臨床CROとして創業。動物実験から経鼻薬まで、医薬品開発の全工程を支える鹿児島発のバイオ企業
環境・生命・人材を大切にする会社であり続ける
この会社ってなに?
病院で処方される薬が安全に使えるのは、人に投与される前に動物実験で安全性が確認されているから。新日本科学はその安全性試験(非臨床試験)を製薬会社から受託する日本最大手の企業です。また、米国子会社の新日本科学PPDを通じて臨床試験の受託も行っています。さらに、鼻から薬を吸入する経鼻投与技術の開発にも取り組んでおり、片頭痛薬などの新薬パイプラインを持っています。
新日本科学は1957年に鹿児島で創業した、日本初の非臨床試験受託機関(CRO)です。非ヒト霊長類(NHP)を用いた安全性試験で国内トップシェアを誇り、臨床試験受託や医療機関支援にも展開。2023年には米Satsuma社を約40億円で買収し、独自の経鼻投与技術(POD技術)による自社創薬にも乗り出しています。FY2025/3は売上高324億円(前年比+22.5%)と過去最高を更新。PER 17.3倍・配当利回り3.39%で成長とインカムの両立が期待される銘柄です。
会社概要
- 業種
- サービス業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 鹿児島県鹿児島市宮之浦町2438
- 公式
- snbl.com
社長プロフィール
環境・生命・人材を大切にする会社であり続ける。新日本科学は非臨床試験のパイオニアとして、医薬品の安全性確保に貢献するとともに、経鼻投与技術による革新的な医薬品の創出を通じて、人々の健康と生活の質の向上に挑戦し続けます。
この会社のストーリー
永田家が鹿児島で実験動物の飼育・供給事業を開始。日本の医薬品開発を裏方から支える事業が始まった。
法人化し、非臨床試験受託事業を本格化。霊長類を用いた安全性試験で日本の製薬業界に不可欠な存在となった。
JASDAQ市場に上場し、資本市場からの資金調達を開始。事業の拡大と信頼性の向上に弾みをつけた。
世界大手CROのPPD社と合弁で臨床試験受託事業に進出。グローバルな医薬品開発支援体制を構築した。
経鼻投与技術(POD技術)を持つ米国バイオベンチャーを買収。受託事業から自社創薬へと事業領域を拡大する大きな転換点。
片頭痛治療薬STS101をはじめとする経鼻投与薬の開発を推進。CROから創薬企業へのトランスフォーメーションを加速。
注目ポイント
非ヒト霊長類(NHP)を用いた安全性試験で圧倒的な国内シェアを持ちます。製薬会社にとって不可欠なパートナーであり、参入障壁の高いビジネスモデルが安定収益の源泉です。
米Satsuma社の買収で獲得した経鼻投与技術(POD技術)により、注射なしで薬を投与できる革新的な医薬品を開発中。片頭痛薬STS101のFDA承認が期待されています。
4期連続増配を経て1株50円を維持。配当利回り3.39%はサービス業の中で高水準です。オーナー経営の安定基盤のもと、株主還元を重視する姿勢が明確です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2018/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2020/3 | 5円 | 8.2% |
| FY2021/3 | 20円 | 22.7% |
| FY2022/3 | 40円 | 23.4% |
| FY2023/3 | 50円 | 34.4% |
| FY2024/3 | 50円 | 37.6% |
| FY2025/3 | 50円 | 42.3% |
株主優待制度はありません。
配当はFY2021/3の20円からFY2023/3に50円へと4期連続で増配し、その後は50円を維持しています。配当利回り3.39%はサービス業の中では高水準です。FY2026/3も50円を予想していますが、配当性向が58.6%に上昇しており、今後の増配には業績回復が必要となります。株主優待制度はありません。
同業比較(収益性)
サービス業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高は5期連続で増収を達成し、FY2025/3には過去最高の324億円を記録しました。米国臨床試験子会社(新日本科学PPD)の売上高が過去最高を更新したことが主因です。一方、営業利益はFY2023/3の52億円をピークに減少傾向にあり、Satsuma社買収関連費用や研究開発費の増加が影響しています。FY2026/3は売上高333億円・営業利益36億円を予想し、利益面の回復を見込んでいます。
事業ごとの売上・利益
非ヒト霊長類(NHP)を用いた安全性試験を中心とする非臨床試験受託事業。国内トップシェアを誇り、高い利益率を維持。売上構成比約35%。
米国子会社・新日本科学PPDを通じた臨床試験受託事業。FY2025/3に売上高が過去最高を更新。売上構成比約67%で最大セグメント。
経鼻投与技術(POD技術)を活用した創薬事業やメディポリス指宿における医療・ウェルネス事業。先行投資段階のため赤字。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 17.2% | 9.9% | - |
| FY2022/3 | 28.7% | 18.1% | - |
| FY2023/3 | 23.1% | 10.6% | - |
| FY2024/3 | 17.7% | 7.2% | 15.7% |
| FY2025/3 | 17.1% | 5.3% | 9.2% |
ROEはFY2022/3の36.1%をピークに低下傾向にありますが、FY2025/3でも12.3%と2桁台を維持しています。営業利益率はSatsuma社買収や研究開発投資の増加により9.2%まで低下しましたが、CRO事業の本業は高い収益性を保っています。今後は経鼻薬パイプラインの進展による収益化が利益率改善の鍵となります。
財務は安全?
総資産はFY2021/3の370億円からFY2025/3には924億円へと2.5倍に拡大しました。Satsuma社買収やメディポリス指宿への設備投資が主因です。有利子負債はFY2024/3から計上が始まり約900億円に達していますが、これは成長投資に伴う戦略的な借入であり、自己資本比率は43.3%と健全な水準を維持しています。BPSも961円と着実に増加しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 47.5億円 | -2.7億円 | -24.7億円 | 44.8億円 |
| FY2022/3 | 59.5億円 | -42.7億円 | -49.1億円 | 16.8億円 |
| FY2023/3 | 40.0億円 | -59.3億円 | 62.7億円 | -19.3億円 |
| FY2024/3 | 21.1億円 | -69.1億円 | 53.2億円 | -48.0億円 |
| FY2025/3 | 70.3億円 | -117億円 | 59.1億円 | -46.6億円 |
営業キャッシュフローはFY2025/3に70億円と過去最高を記録し、本業の稼ぐ力が着実に向上しています。一方、投資キャッシュフローはSatsuma社買収や研究施設への投資により117億円のマイナスとなっており、積極的な成長投資フェーズにあることを示しています。財務キャッシュフローは借入により投資資金を調達しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 36.5億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 70.8億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 91.9億円 | 31.3億円 | 34.1% |
| FY2024/3 | 70.2億円 | 14.8億円 | 21.2% |
| FY2025/3 | 64.5億円 | 15.3億円 | 23.7% |
FY2021〜2022は繰越欠損金の活用により実効税率が0%でしたが、FY2023/3以降は正常化し21〜34%の水準で推移しています。税引前利益はFY2023/3の92億円をピークに減少傾向にあり、FY2026/3予想では36億円を見込んでいます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 627万円 | 1,436人 | - |
従業員の平均年収は627万円で、平均年齢39.3歳と比較的若い組織構成です。CRO業界の中では標準的な水準ですが、平均勤続年数10.4年と定着率が高く、専門性の高い人材を長期的に育成する方針がうかがえます。従業員数はFY2021の986名からFY2025には1,436名へと約46%増加しており、事業拡大に伴い積極的に採用を進めています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は新日本科学従業員持株会氏・永田氏・Nagata and Company。
筆頭株主のNagata and Company(40.33%)は創業者・永田良一会長の資産管理会社であり、永田貴久氏(4.71%)や梅原理恵氏(2.46%)など創業家関係者を合わせると実質的に約50%を創業家が保有するオーナー企業です。メディポリス医学研究所(3.54%)も永田家が設立した関連法人で、経営の意思決定が迅速に行える強固なガバナンス構造となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| CRO事業(前臨床) | 112億円 | 18億円 | 16.1% |
| CRO事業(臨床) | 219億円 | 15億円 | 6.8% |
| TR事業・その他 | 17億円 | -4億円 | -23.5% |
臨床試験受託(CRO臨床)が売上の67%を占める最大セグメントで、米国子会社の新日本科学PPDが過去最高売上を更新しています。前臨床事業は売上構成比35%ながら営業利益率16.1%と高収益であり、NHP試験での圧倒的な国内シェアが強みです。TR事業は経鼻薬の開発段階にあり赤字ですが、将来の成長ドライバーとして期待されています。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役15名中、女性が4名(26.7%)と令和7年度「なでしこ銘柄」に選定されるなど、女性活躍推進に積極的です。27社の連結子会社を統括し、設備投資額は114億円と成長投資に注力しています。永田良一会長兼社長がCEOを務めるオーナー経営で、迅速な意思決定が特徴です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 298億円 | — | 324億円 | +8.7% |
| FY2024 | 301億円 | — | 265億円 | -12.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新日本科学は前臨床事業で営業利益率40%の中期目標を掲げていますが、FY2025実績は16.1%にとどまっています。売上面では324億円と目標の350億円に対して93%まで到達しており、臨床事業の成長が順調です。利益率目標の達成には、経鼻薬パイプラインの収益化やSatsuma社ののれん負担の軽減が鍵となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
新日本科学の5年間TSRは310.8%と、TOPIXの213.4%を大幅に上回るパフォーマンスを達成しています。特にFY2023にはTSR 541.7%と経鼻薬への期待から急騰しましたが、その後は調整局面に入っています。それでもなおTOPIXを約100ポイント上回っており、中長期で高い株主リターンを実現しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 136.2万円 | +36.2万円 | 36.2% |
| FY2022 | 332.6万円 | +232.6万円 | 232.6% |
| FY2023 | 541.7万円 | +441.7万円 | 441.7% |
| FY2024 | 317.8万円 | +217.8万円 | 217.8% |
| FY2025 | 310.8万円 | +210.8万円 | 210.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 17.3倍・PBR 1.53倍はサービス業の業界平均(PER 22.5倍・PBR 2.1倍)を下回る割安水準です。配当利回り3.39%は業界平均の約1.9倍と高水準。信用倍率は10.07倍と買い残が多く、個人投資家の買い意欲が強い銘柄です。今後の株価動向は経鼻薬パイプラインの進展と業績回復がカギとなります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
令和7年度の「なでしこ銘柄」に選定。女性活躍推進の取り組みが評価された。
第3四半期は売上高212億円(-4.7%)、営業利益10億円(-45.7%)と減収減益。前臨床事業の一時的な受注減が影響。
FY2025/3は売上高324億円と過去最高を更新。新日本科学PPDの好調が寄与。
最新ニュース
(株)新日本科学 まとめ
ひとめ診断
「非臨床試験受託で国内最大手。経鼻投与技術と霊長類試験で世界に挑むCROのパイオニア」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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