(株)新日本科学2395
SHIN NIPPON BIOMEDICAL LABORATORIES,LTD.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
病院で処方される薬が安全に使えるのは、人に投与される前に動物実験で安全性が確認されているから。新日本科学はその安全性試験(非臨床試験)を製薬会社から受託する日本最大手の企業です。また、米国子会社の新日本科学PPDを通じて臨床試験の受託も行っています。さらに、鼻から薬を吸入する経鼻投与技術の開発にも取り組んでおり、片頭痛薬などの新薬パイプラインを持っています。
新日本科学は1957年に鹿児島で創業した、日本初の非臨床試験受託機関(CRO)です。非ヒト霊長類(NHP)を用いた安全性試験で国内トップシェアを誇り、臨床試験受託や医療機関支援にも展開。2023年には米Satsuma社を約40億円で買収し、独自の経鼻投与技術(POD技術)による自社創薬にも乗り出しています。2025/03期は売上高324億円(前年比+22.5%)と過去最高を更新。PER 17.3倍・配当利回り3.39%で成長とインカムの両立が期待される銘柄です。
会社概要
- 業種
- サービス業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 鹿児島県鹿児島市宮之浦町2438
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
事業ごとの売上・利益
非ヒト霊長類(NHP)を用いた安全性試験を中心とする非臨床試験受託事業。国内トップシェアを誇り、高い利益率を維持。売上構成比約35%。
米国子会社・新日本科学PPDを通じた臨床試験受託事業。2025/03期に売上高が過去最高を更新。売上構成比約67%で最大セグメント。
経鼻投与技術(POD技術)を活用した創薬事業やメディポリス指宿における医療・ウェルネス事業。先行投資段階のため赤字。
稼ぐ力はどのくらい?
FY2025/3実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 23.1% | 9.9% | - |
| 2022/03期 | 40.1% | 18.7% | - |
| 2023/03期 | 26.3% | 12.6% | - |
| 2024/03期 | 18.3% | 8.3% | 15.7% |
| 2025/03期 | 13.3% | 5.8% | 9.2% |
| 3Q FY2026/3 | 7.0%(累計) | 2.2%(累計) | 4.8% |
ROEは2022/03期の36.1%をピークに低下傾向にありますが、2025/03期でも12.3%と2桁台を維持しています。営業利益率はSatsuma社買収や研究開発投資の増加により9.2%まで低下しましたが、CRO事業の本業は高い収益性を保っています。今後は経鼻薬パイプラインの進展による収益化が利益率改善の鍵となります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 151億円 | — | 36.6億円 | 88.0円 | — |
| 2022/03期 | 177億円 | 42.0億円 | 71.3億円 | 171.2円 | +17.5% |
| 2023/03期 | 251億円 | 52.5億円 | 60.6億円 | 145.6円 | +41.4% |
| 2024/03期 | 265億円 | 41.6億円 | 55.3億円 | 132.9円 | +5.4% |
| 2025/03期 | 324億円 | 29.9億円 | 49.3億円 | 118.3円 | +22.5% |
売上高は5期連続で増収を達成し、2025/03期には過去最高の324億円を記録しました。米国臨床試験子会社(新日本科学PPD)の売上高が過去最高を更新したことが主因です。一方、営業利益は2023/03期の52億円をピークに減少傾向にあり、Satsuma社買収関連費用や研究開発費の増加が影響しています。2026/03期は売上高333億円・営業利益36億円を予想し、利益面の回復を見込んでいます。 【3Q 2026/03期実績】売上212億円(通期予想比64%)、営業利益10億円(同29%)、純利益23億円(同64%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
サービス業の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| CRO事業(前臨床) | 112億円 | 18億円 | 16.1% |
| CRO事業(臨床) | 219億円 | 15億円 | 6.8% |
| TR事業・その他 | 17億円 | -4億円 | -23.5% |
臨床試験受託(CRO臨床)が売上の67%を占める最大セグメントで、米国子会社の新日本科学PPDが過去最高売上を更新しています。前臨床事業は売上構成比35%ながら営業利益率16.1%と高収益であり、NHP試験での圧倒的な国内シェアが強みです。TR事業は経鼻薬の開発段階にあり赤字ですが、将来の成長ドライバーとして期待されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 298億円 | — | 324億円 | +8.7% |
| 2024期 | 301億円 | — | 265億円 | -12.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新日本科学は前臨床事業で営業利益率40%の中期目標を掲げていますが、2025期実績は16.1%にとどまっています。売上面では324億円と目標の350億円に対して93%まで到達しており、臨床事業の成長が順調です。利益率目標の達成には、経鼻薬パイプラインの収益化やSatsuma社ののれん負担の軽減が鍵となります。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
令和7年度の「なでしこ銘柄」に選定。女性活躍推進の取り組みが評価された。
第3四半期は売上高212億円(-4.7%)、営業利益10億円(-45.7%)と減収減益。前臨床事業の一時的な受注減が影響。
2025/03期は売上高324億円と過去最高を更新。新日本科学PPDの好調が寄与。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q FY2026/3末時点
総資産は2021/03期の370億円から2025/03期には924億円へと2.5倍に拡大しました。Satsuma社買収やメディポリス指宿への設備投資が主因です。有利子負債は2024/03期から計上が始まり約900億円に達していますが、これは成長投資に伴う戦略的な借入であり、自己資本比率は43.3%と健全な水準を維持しています。BPSも961円と着実に増加しています。 【3Q 2026/03期】総資産1131億円、純資産532億円、自己資本比率28.6%、有利子負債410億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 47.5億円 | ▲2.7億円 | ▲24.7億円 | 44.8億円 |
| 2022/03期 | 59.5億円 | ▲42.7億円 | ▲49.1億円 | 16.8億円 |
| 2023/03期 | 40.0億円 | ▲59.3億円 | 62.7億円 | ▲19.3億円 |
| 2024/03期 | 21.1億円 | ▲69.1億円 | 53.2億円 | ▲48.0億円 |
| 2025/03期 | 70.3億円 | ▲117億円 | 59.1億円 | ▲46.6億円 |
営業キャッシュフローは2025/03期に70億円と過去最高を記録し、本業の稼ぐ力が着実に向上しています。一方、投資キャッシュフローはSatsuma社買収や研究施設への投資により117億円のマイナスとなっており、積極的な成長投資フェーズにあることを示しています。財務キャッシュフローは借入により投資資金を調達しています。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役15名中、女性が4名(26.7%)と令和7年度「なでしこ銘柄」に選定されるなど、女性活躍推進に積極的です。27社の連結子会社を統括し、設備投資額は114億円と成長投資に注力しています。永田良一会長兼社長がCEOを務めるオーナー経営で、迅速な意思決定が特徴です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 627万円 | 1,436人 | - |
従業員の平均年収は627万円で、平均年齢39.3歳と比較的若い組織構成です。CRO業界の中では標準的な水準ですが、平均勤続年数10.4年と定着率が高く、専門性の高い人材を長期的に育成する方針がうかがえます。従業員数は2021期の986名から2025期には1,436名へと約46%増加しており、事業拡大に伴い積極的に採用を進めています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
新日本科学の5年間TSRは310.8%と、TOPIXの213.4%を大幅に上回るパフォーマンスを達成しています。特に2023期にはTSR 541.7%と経鼻薬への期待から急騰しましたが、その後は調整局面に入っています。それでもなおTOPIXを約100ポイント上回っており、中長期で高い株主リターンを実現しています。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2018/03期 | 0円 | 0.0% |
| 2020/03期 | 5円 | 8.2% |
| 2021/03期 | 20円 | 22.7% |
| 2022/03期 | 40円 | 23.4% |
| 2023/03期 | 50円 | 34.4% |
| 2024/03期 | 50円 | 37.6% |
| 2025/03期 | 50円 | 42.3% |
株主優待制度はありません。
配当は2021/03期の20円から2023/03期に50円へと4期連続で増配し、その後は50円を維持しています。配当利回り3.39%はサービス業の中では高水準です。2026/03期も50円を予想していますが、配当性向が58.6%に上昇しており、今後の増配には業績回復が必要となります。株主優待制度はありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 136.2万円 | 36.2万円 | 36.2% |
| 2022期 | 332.6万円 | 232.6万円 | 232.6% |
| 2023期 | 541.7万円 | 441.7万円 | 441.7% |
| 2024期 | 317.8万円 | 217.8万円 | 217.8% |
| 2025期 | 310.8万円 | 210.8万円 | 210.8% |
※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 17.3倍・PBR 1.53倍はサービス業の業界平均(PER 22.5倍・PBR 2.1倍)を下回る割安水準です。配当利回り3.39%は業界平均の約1.9倍と高水準。信用倍率は10.07倍と買い残が多く、個人投資家の買い意欲が強い銘柄です。今後の株価動向は経鼻薬パイプラインの進展と業績回復がカギとなります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 36.5億円 | 0円 | 0.0% |
| 2022/03期 | 70.8億円 | 0円 | 0.0% |
| 2023/03期 | 91.9億円 | 31.3億円 | 34.1% |
| 2024/03期 | 70.2億円 | 14.8億円 | 21.2% |
| 2025/03期 | 64.5億円 | 15.3億円 | 23.7% |
2021期〜2022は繰越欠損金の活用により実効税率が0%でしたが、2023/03期以降は正常化し21〜34%の水準で推移しています。税引前利益は2023/03期の92億円をピークに減少傾向にあり、2026/03期予想では36億円を見込んでいます。
もっと知る
まとめと、関連情報・似た会社へ
(株)新日本科学 まとめ
「非臨床試験受託で国内最大手。経鼻投与技術と霊長類試験で世界に挑むCROのパイオニア」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。