エムスリー
M3,Inc.
最終更新日: 2026年3月20日
医療のデジタル化を牽引する、日本発のグローバル・ヘルスケアプラットフォーマー
世界中の医療を変革し、より良い医療の実現に貢献する
この会社ってなに?
あなたが病院で診察を受けるとき、担当の医師はエムスリーのサイトを通じて最新の医療情報や新薬のデータをチェックしているかもしれません。また、あなたが勤めている会社の福利厚生サービス(健康診断の予約やレジャー施設の割引など)も、実はエムスリーのグループ会社が提供している可能性があります。普段目にする医療や健康、働き方の裏側で、同社のシステムとネットワークが私たちの生活を広く支えています。
エムスリーは、国内30万人以上の医師が登録するプラットフォームを基盤に、製薬企業のマーケティング支援などを展開する医療ITの最大手です。FY2025の売上高は2,849.0億円、営業利益は629.71億円と高収益を維持しています。近年はベネフィット・ワンやイーウェルなどの子会社化を通じ、従来の医療領域から企業の健康経営・福利厚生領域へと事業ポートフォリオを急拡大させており、次なる成長フェーズへの移行を図っています。
会社概要
- 業種
- サービス業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区赤坂1丁目11番44号 赤坂インターシティ10階
- 公式
- corporate.m3.com
社長プロフィール
インターネットの力で医療の課題を解決し、医療の変革を推し進めることが私たちの使命です。世界中の人々にポジティブなインパクトを与え、健康で豊かな社会の実現を目指します。
この会社のストーリー
インターネットを利用した医療関連サービスの提供を目的に設立。医療従事者向けサイト「m3.com」の運営を開始しました。
製薬企業のマーケティング支援事業などが急速に拡大し、設立からわずか約4年で上場を果たしました。
海外の医師会員ネットワークを拡大し、日本発のグローバルな医療プラットフォームとしての地位を確立しました。
ベネフィット・ワンなどの子会社化を通じて、健康経営や福利厚生分野へも事業領域を大きく広げました。
AIやオンライン診療など最新テクノロジーを駆使し、次世代のヘルスケアエコシステムの構築を目指しています。
注目ポイント
日本の大半の医師が登録する医療プラットフォーム「m3.com」を運営し、他社には真似できない強固な事業基盤を持っています。
製薬会社のマーケティング支援だけでなく、治験支援や人材紹介、クリニックのDX化支援まで、医療周辺の幅広い領域で成長を続けています。
健康経営サービス企業との資本業務提携や子会社化を積極的に行い、長期的な企業価値の向上と新規ビジネスの創出を図っています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 9円 | 23.3% |
| FY2017/3 | 10円 | 20.2% |
| FY2018/3 | 5.2円 | 17.9% |
| FY2019/3 | 7円 | 23.2% |
| FY2020/3 | 8.5円 | 26.7% |
| FY2021/3 | 12円 | 21.5% |
| FY2022/3 | 16円 | 17.0% |
| FY2023/3 | 19円 | 26.3% |
| FY2024/3 | 21円 | 31.5% |
| FY2025/3 | 21円 | 35.2% |
なし
エムスリーは成長企業として、内部留保を再投資に充てることで企業価値を最大化する経営方針を採っています。配当については安定的な維持を志向しており、ここ数期は1株あたり21円の配当を継続しています。利益成長と内部留保による事業投資のバランスを重視しており、株主へは中長期的な株価上昇を通じた還元を目指す姿勢です。
同業比較(収益性)
サービス業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
エムスリーは、医療従事者向けプラットフォームを主軸に事業を展開しており、FY2024/3からFY2025/3にかけて売上高が約2,389億円から約2,849億円へと大幅に増加しました。一方で、純利益は投資の先行や経費の発生により、FY2024/3の約453億円からFY2025/3には約405億円へと減少しています。今後はデジタルヘルスケア市場の拡大を背景に、売上高3,600億円および純利益450億円という力強い成長を見込んでいます。 【3Q FY2026/3実績】売上2644億円(通期予想比73%)、営業利益623億円(同89%)、純利益417億円(同93%)。
事業ごとの売上・利益
m3.comを基盤とした製薬企業向けマーケティング支援。最大の利益貢献セグメント
米国・欧州・アジア等でのメディカルプラットフォーム・CRO事業
治験施設支援(SMO)事業。国内最大規模
CRO(医薬品開発受託)事業
医師・薬剤師等の転職支援サービス
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 18.9% | 13.8% | - |
| FY2022/3 | 27.9% | 20.6% | - |
| FY2023/3 | 17.5% | 13.1% | - |
| FY2024/3 | 13.8% | 10.2% | 27.0% |
| FY2025/3 | 11.1% | 7.5% | 22.1% |
| 3Q FY2026/3 | 10.5%(累計) | 6.8%(累計) | 23.6% |
当社の収益性については、FY2024/3に営業利益率が27.0%と高い水準を維持していましたが、FY2025/3には22.1%に低下しました。これは新規事業投資やM&Aに伴うコスト増が影響した結果と考えられます。ROE(自己資本利益率)も12.3%から9.8%へ推移しましたが、依然として効率的な経営基盤を維持しており、今後の成長投資による収益改善が期待されます。
財務は安全?
エムスリーの財務は非常に健全であり、FY2025/3時点で総資産約5,817億円に対し純資産は約4,128億円に達しています。有利子負債がゼロである「実質無借金経営」を継続しており、自己資本比率は65.1%という盤石な数値を維持しています。この強固な財務体質により、将来のM&Aや新たな事業開発に向けた潤沢な投資余力が確保されています。 【3Q FY2026/3】総資産6444億円、純資産4542億円、自己資本比率64.7%、有利子負債338億円。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 583億円 | -395億円 | 94.3億円 | 189億円 |
| FY2025/3 | 517億円 | -391億円 | -272億円 | 126億円 |
営業活動によるキャッシュフローはFY2025/3時点で約517億円と安定した稼ぐ力を示していますが、成長のための積極的な投資支出が継続しています。投資キャッシュフローが約391億円のマイナスとなっているのは、事業拡大に向けたM&A等の積極的な資産取得によるものです。本業で稼いだ現金を将来の成長へ再投資する好循環を構築しており、長期的な企業価値向上を優先する財務戦略をとっています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 583億円 | 204億円 | 35.1% |
| FY2022/3 | 962億円 | 323億円 | 33.6% |
| FY2023/3 | 743億円 | 253億円 | 34.0% |
| FY2024/3 | 688億円 | 236億円 | 34.2% |
| FY2025/3 | 648億円 | 243億円 | 37.5% |
FY2026/3期の予想税引前利益は700億円を見込んでおり、それに対する法人税等の負担額は約250億円を想定しています。実効税率は約35.7%となっており、日本国内の標準的な税率水準に準じた計算となっています。利益の拡大に伴い納税額も増加する見通しですが、これは事業規模の成長を反映した適正な税負担と言えます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 931万円 | 15,360人 | - |
単体従業員数は700名程度(連結では約10,500名)と少数精鋭。平均年収は約930万円で、医療ITプラットフォーマーとしては高水準です。平均年齢34.7歳、平均勤続年数4.2年と若い組織で、中途採用が中心の人材構成です。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。
ソニーグループが34%を保有する事実上のソニー傘下企業です。ソニーの医療・ヘルスケア戦略と連携しながらも、経営の独立性は維持されています。創業者の谷村氏も約3%を保有しており、「オーナー型経営者」としてM&A戦略を主導しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| メディカルプラットフォーム | 882億円 | 341億円 | 38.7% |
| 海外 | 805億円 | 147億円 | 18.3% |
| サイトソリューション | 470億円 | 54.2億円 | 11.5% |
| エビデンスソリューション | 240億円 | 43.5億円 | 18.1% |
| キャリアソリューション | 209億円 | 56.6億円 | 27.1% |
医療従事者向け専門サイト「m3.com」を軸としたプラットフォーム事業を展開し、デジタルヘルスケア分野で圧倒的なシェアを誇ります。一方で、新規事業の成否や法規制の変化、M&Aに伴うのれんの減損リスクなど、急速な成長に伴う事業リスクへの注視が不可欠です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が36.4%と日本企業の中でも非常に高い水準であり、多様性を重視した経営体制が構築されています。強力な監査体制を備え、時価総額1兆円を超える成長企業として、ガバナンスと経営の透明性向上に注力しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 2,300億円 | 2,350億円 | 2,389億円 | +3.8% |
| FY2025 | 2,600億円 | 2,750億円 | 2,849億円 | +9.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 720億円 | 680億円 | 644億円 | -10.5% |
| FY2025 | 700億円 | 650億円 | 630億円 | -10.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
エムスリーは変化の激しい事業環境を理由に中期経営計画を公表していません。単年度のガイダンスを見ると、ベネフィット・ワンなどの大型M&A効果により売上高は会社予想を上回って着地する傾向にありますが、のれん償却費や先行投資の負担から営業利益は予想を下回る未達が続いています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
エムスリーのTSR(株主総利回り)は、FY2021にはTOPIXを大きく上回っていましたが、FY2025時点では自社56.3%に対しTOPIX 213.4%と大幅にアンダーパフォームしています。これは、コロナ禍での製薬向けデジタルマーケティング特需が一巡したことや、それに伴う利益成長率の鈍化懸念から、株式市場における高いマルチプル(PER)が切り下がったことが主な要因です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 237.6万円 | +137.6万円 | 137.6% |
| FY2022 | 141.0万円 | +41.0万円 | 41.0% |
| FY2023 | 105.1万円 | +5.1万円 | 5.1% |
| FY2024 | 69.3万円 | -30.7万円 | -30.7% |
| FY2025 | 56.3万円 | -43.7万円 | -43.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
エムスリーのPERは24.8倍と、サービス業の平均(約50.9倍)や過去の自社水準と比較して割安感が強まっています。一方で信用買残が約496万株(倍率15.8倍)まで積み上がっており、短期的には上値の重い展開が予想されます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
株式会社エランとの資本業務提携を締結し、医療関連事業のシナジーを創出。
ベネフィット・ワンの連結子会社化を目的とした株式公開買付け(TOB)の実施を発表。
福利厚生サービス大手の株式会社イーウェルを102億円で子会社化し、ヘルスケア事業を拡大。
最新ニュース
エムスリー まとめ
ひとめ診断
「医療従事者のインフラから、企業の健康経営・福利厚生まで飲み込むヘルスケアの巨人」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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