(株)トランスジェニックグループ
TRANSGENIC GROUP INC.
最終更新日: 2026年3月25日
遺伝子改変マウスの技術力で創薬を支える。バイオテクノロジーの最前線に挑むベンチャー企業
世界のどこかにいる誰かの明日に希望を
この会社ってなに?
病院で処方される薬の開発段階で、トランスジェニックグループの技術が活躍しています。新薬の候補物質が人体に安全かどうかを確認するために使われる遺伝子改変マウスの作製や、臨床試験(治験)の支援が主な事業です。また、機能性表示食品の臨床試験支援にも進出しており、健康食品やサプリメントの効果検証にも貢献しています。
トランスジェニックグループは1998年設立のバイオベンチャーで、遺伝子改変マウスの作製技術を核に創薬支援事業(CRO)を展開しています。非臨床・臨床試験の受託、抗体作製、糖鎖解析など幅広い研究支援サービスを提供。近年はEC事業やガラス加工設備商社なども手がけ、事業ポートフォリオの多角化を進めています。FY2025/3は売上高130億円ながら営業赤字に転落しましたが、FY2026/3は黒字回復を予想。PBR 0.95倍と解散価値近辺で推移しており、構造改革の成否が注目されます。
会社概要
- 業種
- サービス業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 福岡県福岡市中央区天神2丁目3番36号
- 公式
- transgenic-group.co.jp
社長プロフィール
トランスジェニックグループは、最先端のバイオテクノロジー技術で基礎研究から臨床試験までのシームレスなサポートを提供し、世界中の人々の健康に貢献してまいります。事業構造改革を進め、持続的な成長を実現します。
この会社のストーリー
熊本大学発のバイオベンチャーとして設立。遺伝子改変マウスの作製技術を核に創薬支援事業を開始。
設立からわずか4年で東証マザーズに上場。バイオベンチャーとして資本市場からの信頼を獲得した。
非臨床・臨床試験の受託事業を拡大し、創薬支援のバリューチェーンを構築。M&Aも活用し事業領域を拡大。
FY2022/3に売上高126億円・営業利益18億円と過去最高益を達成。事業多角化の成果が結実した。
グループ再編や事業環境の変化で業績が悪化。経営の立て直しと事業構造改革に着手した。
持株会社体制へ移行し、社名をトランスジェニックグループに変更。子会社統合で効率化を推進し、黒字回復を目指す。
注目ポイント
新薬開発に不可欠な遺伝子改変マウスの作製技術で特許資産規模業界上位。創薬支援のCRO事業は長期的な成長が期待できる分野です。
FY2025/3の赤字を底に、グループ再編効果と事業の選択と集中で黒字回復を目指しています。3Q時点で通期計画超過の進捗は復活の兆し。
株価は解散価値(BPS 286円)に近い水準。業績回復が実現すれば、PBRの修正余地が大きく、株価の上昇ポテンシャルがあります。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2017/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2018/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2019/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2020/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2021/3 | 3円 | 9.5% |
| FY2022/3 | 6円 | 5.5% |
| FY2023/3 | 5円 | 0.3% |
| FY2024/3 | 3円 | 1250.0% |
| FY2025/3 | 0円 | 0.0% |
株主優待制度はありません。
FY2022/3には1株6円の配当を実施しましたが、業績悪化に伴い減配が続き、FY2025/3は無配に転落しました。FY2026/3の予想配当も0円で、業績回復の道筋がつくまで配当再開は見込みにくい状況です。投資判断においてはインカムゲインよりもキャピタルゲインを重視する銘柄と言えます。
同業比較(収益性)
サービス業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2022/3には売上高126億円・営業利益18億円と過去最高益を達成しましたが、その後はグループ再編や事業構造改革の影響で業績が悪化。FY2025/3は営業赤字2.6億円・純損失10.9億円と厳しい結果となりました。FY2026/3は売上高135億円・営業利益1.5億円と黒字回復を予想しており、3Q累計では経常利益が通期計画を超過する進捗を見せています。
事業ごとの売上・利益
遺伝子改変マウス作製、抗体作製、糖鎖解析、非臨床・臨床試験受託が主力。グループの中核事業であり技術力に強み。
EC事業やガラス加工設備商社など多角化事業を展開。収益化が課題となっている領域。
グループ内のサービス提供や新規事業開発。構造改革による収益改善が求められている。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.2% | 6.1% | - |
| FY2022/3 | 48.3% | 18.0% | - |
| FY2023/3 | -6.7% | -3.8% | - |
| FY2024/3 | 0.1% | 0.0% | 0.7% |
| FY2025/3 | -23.1% | -11.4% | -2.0% |
FY2022/3にはROE 28.3%・営業利益率14.6%と高い収益性を実現しましたが、その後は事業環境の変化とグループ再編コストで大幅に悪化。FY2025/3はROE -22.4%と厳しい水準です。FY2026/3の黒字回復が実現すれば、収益性の改善トレンドへの転換が期待されます。
財務は安全?
FY2022/3までは無借金経営でしたが、FY2024/3から有利子負債が発生し、FY2025/3には50億円に増加。自己資本比率は55%から50%へ低下しています。BPSは286円で現在の株価271円を上回っており、PBR 0.95倍と解散価値に近い水準です。純資産の毀損が続かないかが財務健全性の鍵となります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 12.2億円 | 4,800万円 | 1,000万円 | 12.7億円 |
| FY2022/3 | 17.9億円 | 9.8億円 | -11.8億円 | 27.7億円 |
| FY2023/3 | -14.3億円 | -2.2億円 | 4.8億円 | -16.5億円 |
| FY2024/3 | -3.9億円 | -2.8億円 | -3.4億円 | -6.7億円 |
| FY2025/3 | 9,400万円 | -2.9億円 | 2.6億円 | -1.9億円 |
FY2021〜2022は営業CFがプラスで健全でしたが、FY2023/3以降は営業CFの悪化が顕著でした。FY2025/3にはわずかながら営業CF 0.9億円のプラスに回復。投資CFのマイナスは事業投資やグループ再編に伴うもので、財務CFのプラスは借入金の増加を反映しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.9億円 | 3.5億円 | 38.8% |
| FY2022/3 | 18.2億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 2.0億円 | 6.1億円 | 306.0% |
| FY2024/3 | 1.1億円 | 1.0億円 | 96.3% |
| FY2025/3 | -3.2億円 | 0円 | - |
実効税率は年度によって大きく変動しています。FY2022/3は繰延税金資産の計上等により税額ゼロ、FY2023/3は税引前利益に対して305%という異常な実効税率となりました。これはグループ会社間の損益構造や繰延税金資産の取崩しの影響です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 700万円 | 241人 | - |
平均年収は700万円で、福岡市の上場企業としては上位の給与水準です。従業員数は241名と小規模ながら、バイオテクノロジーの専門人材を擁しています。平均年齢46.7歳と比較的高めで、研究開発分野の経験豊富な人材が多いことを示しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
浮動株比率が高く、株式の流動性が高い反面、株価変動が大きくなりやすい傾向があります。 個人投資家の保有比率が極めて高く、分散した株主構成。
筆頭株主がSBI証券(2.56%)と証券会社の顧客口座名義が上位を占める極めて分散した株主構成です。福永健司氏(代表取締役社長)が少数株を保有しています。個人投資家比率が87.9%と非常に高く、機関投資家の参入は限定的。信用買残が約140万株と高水準で、個人の投機的売買が株価形成に大きく影響しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 創薬支援事業(CRO・バイオ) | 約80億円 | 約5億円 | 6.3% |
| 投資・インキュベーション事業 | 約30億円 | 約-3億円 | -10.0% |
| その他事業 | 約20億円 | 約-2億円 | -10.0% |
創薬支援事業(CRO・バイオ)がグループの中核で、遺伝子改変マウスの作製技術では特許資産規模で業界上位の実績があります。一方、投資・インキュベーション事業は赤字が続いており、事業ポートフォリオの選択と集中が経営課題です。2024年10月のグループ再編で子会社統合を実施し、効率化を推進しています。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役11名は全員男性で、女性役員がゼロである点はガバナンス上の課題です。16社の連結子会社を統括していますが、2024年にグループ再編を実施し組織の効率化を図っています。平均勤続年数7.9年はバイオベンチャーとしては標準的な水準です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 4億円 | — | -3億円 | -174.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 125億円 | — | 131億円 | +4.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
上場維持基準への適合に向けた計画を推進中で、時価総額基準は達成済み。一方、FY2025/3は当初予想の営業利益3.5億円に対し実績は-2.6億円と大幅な未達となりました。FY2026/3の3Q累計では経常利益が通期計画を超過しており、黒字回復への道筋が見えつつあります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間のTSRは69%とプラスではあるものの、TOPIX(213%)を大幅に下回るパフォーマンスです。FY2021時点では221%とTOPIXをアウトパフォームしていましたが、その後の業績悪化に伴い株価が下落し、大きく差をつけられました。業績回復なくしてTSRの改善は見込めません。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 221.0万円 | +121.0万円 | 121.0% |
| FY2022 | 149.7万円 | +49.7万円 | 49.7% |
| FY2023 | 119.3万円 | +19.3万円 | 19.3% |
| FY2024 | 89.0万円 | -11.0万円 | -11.0% |
| FY2025 | 69.0万円 | -31.0万円 | -31.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは112.9倍と業界平均(75.4倍)を大幅に上回る割高水準ですが、これはFY2026/3の予想EPSが2.4円と極めて低いためです。一方でPBRは0.95倍と業界平均(2.5倍)を大きく下回り、資産面では割安。信用買残が約138万株と発行済株式数の8%に達しており、将来の売り圧力に注意が必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3の3Q累計で経常利益が黒字浮上し、通期計画を超過する好進捗を発表。
エーセルとの業務提携を発表。食品臨床試験×ヒト細胞評価の連携で新たな収益源を開拓。
子会社間の合併によるグループ再編を実施。組織効率化と事業シナジーの最大化を目指す。
最新ニュース
(株)トランスジェニックグループ まとめ
ひとめ診断
「創薬支援マウスの技術力を武器に、バイオとビジネスの両輪で成長を目指すスタンダード上場企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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