(株)リニカル
Linical Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月25日
日本発のグローバルCRO。新薬で世界の患者さんに希望を届ける
日本発のグローバルCROとして、クライアントの戦略的パートナーに
この会社ってなに?
病院で処方される薬や薬局で買える医薬品。これらが世に出るまでには、人での安全性・有効性を確認する「治験(臨床試験)」が必須です。リニカルはこの治験プロセスを製薬会社に代わって支援するCRO(開発業務受託機関)。がんや中枢神経系など難易度の高い領域に強みを持ち、日本だけでなく米国・欧州・アジアで新薬開発を加速させています。
リニカルは2005年設立の医薬品開発業務受託機関(CRO)です。臨床試験(治験)のモニタリング・コンサルティングを主力とし、18の国と地域でグローバルに事業を展開しています。FY2025/3期は米国大型案件の終了等により売上高104億円・営業損失5.8億円と一時的な業績悪化に直面しましたが、米国市場での新規受注は旺盛です。FY2026/3期は業績回復を見込むも、3月18日に業績予想を下方修正し営業損失21.4億円の見通しとなっています。PBR 0.85倍と解散価値を下回る水準にあります。
会社概要
- 業種
- サービス業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市淀川区宮原一丁目6番1号 新大阪ブリックビル10階
- 公式
- www.linical.com
社長プロフィール
当社は創薬支援事業で、これから日本市場へ参入しようとしている国内外の製薬・バイオ企業に対するコンサルティングサービスを提供しています。日本発のグローバルCROとして、クライアントの戦略的パートナーとなることを目指してまいります。
この会社のストーリー
秦野和浩氏を中心に、臨床開発経験豊富なメンバーが集結。大阪で医薬品開発業務受託機関(CRO)として創業。
創業からわずか3年で東証マザーズに株式を上場。公開価格1,000円、初値610円でのスタート。
欧州・アジアの拠点を拡大し、グローバルCROとしての体制構築を加速。国際共同治験の受託を強化。
M&Aを通じて米国CRO企業を買収。世界最大の医薬品市場での事業基盤を確立。
売上高125億円・営業利益12.6億円と過去最高を更新。グローバル展開の成果が結実。
米国大型案件の終了等で赤字転落。構造改革と米国新規受注の獲得で再建を目指す。
注目ポイント
日本に本社を置きながら、米国・欧州・アジアの18か国で臨床試験を支援できるグローバル体制は国内CROの中でもユニーク。特に米国市場での成長ポテンシャルに注目。
がん・中枢神経系・免疫疾患など、治験の難易度が高いアンメットメディカルニーズ領域に強み。再生医療・遺伝子治療など先端領域の受託も拡大中。
現金70億円を持ちながら時価総額67億円と、実質的に手元資金だけで時価総額を上回る状態。業績回復時のリレーティング余地が大きい逆張り銘柄です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 10円 | 17.1% |
| FY2017/3 | 10円 | 15.7% |
| FY2018/3 | 11円 | 19.3% |
| FY2019/3 | 12円 | 47.8% |
| FY2020/3 | 14円 | 65.5% |
| FY2021/3 | 14円 | 58.6% |
| FY2022/3 | 14円 | 40.0% |
| FY2023/3 | 14円 | 31.5% |
| FY2024/3 | 15円 | 100.1% |
| FY2025/3 | 16円 | 1.2% |
株主優待制度はありません。
FY2021〜FY2025にかけて1株14円→16円と4期連続で増配を実施してきましたが、FY2026/3は業績の大幅悪化に伴い1株8円へ減配(8円減額)を発表しました。赤字下でも配当を維持する姿勢は株主還元への意識を示していますが、業績回復が最優先課題です。
同業比較(収益性)
サービス業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2021〜FY2023にかけて売上高は順調に拡大し、FY2023/3には売上高125億円・営業利益12.6億円と過去最高益を達成しました。しかしFY2024/3以降は米国大型案件の終了や欧州・日本事業の低迷で業績が悪化。FY2025/3は営業損失5.8億円と創業以来初の赤字に転落しました。FY2026/3は3月18日に業績予想を下方修正し、営業損失21.4億円の見通しです。
事業ごとの売上・利益
国内製薬企業向けCROサービス。臨床試験のモニタリング・コンサルティングが主力。競合激化と案件獲得の遅れにより苦戦。
M&Aを通じて参入した米国CRO市場。大型案件終了の影響があるものの新規受注は旺盛。成長ドライバーとして期待。
欧州主要国でのCROサービス。業績回復に時間を要しており、構造改革を推進中。
韓国・台湾等でのCROサービス。市場開拓段階にあり、先行投資が続いている。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.2% | 3.5% | - |
| FY2022/3 | 5.8% | 5.0% | - |
| FY2023/3 | 12.8% | 5.8% | - |
| FY2024/3 | 5.0% | 1.8% | 5.9% |
| FY2025/3 | -5.9% | -3.2% | -5.6% |
FY2023/3にはROE 13.2%・営業利益率10.0%とCRO業界でも高い収益性を誇っていました。しかしFY2024/3以降は急激に悪化し、FY2025/3は営業利益率-5.6%・ROE-7.4%と赤字に転落しています。米国事業の新規受注回復による業績反転が今後の鍵となります。
財務は安全?
FY2023/3まで無借金経営を維持していましたが、FY2024/3に有利子負債51.9億円を計上。M&Aや事業拡大のための戦略的な借入と見られます。FY2025/3は総資産167.8億円・自己資本比率43.2%と、有利子負債はあるものの財務の健全性は一定水準を維持しています。BPSは321円と現在株価272円を上回り、PBR 0.85倍の割安さを裏付けています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2,400万円 | 1.7億円 | -3.3億円 | 1.9億円 |
| FY2022/3 | 16.3億円 | 2,100万円 | -9.5億円 | 16.5億円 |
| FY2023/3 | 18.4億円 | -1,400万円 | -9.6億円 | 18.3億円 |
| FY2024/3 | 10.7億円 | -2,900万円 | -9.6億円 | 10.4億円 |
| FY2025/3 | 6.0億円 | -4,500万円 | -9.4億円 | 5.5億円 |
営業キャッシュフローはFY2023/3に18.4億円とピークを記録した後、FY2025/3には6.0億円まで縮小しています。赤字転落にもかかわらず営業CFはプラスを維持している点は評価できます。財務CFは配当支払い等により毎期マイナスが続いていますが、手元資金(現金同等物)は約70億円と潤沢な水準を確保しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.9億円 | 4,900万円 | 8.3% |
| FY2022/3 | 11.8億円 | 3.9億円 | 33.3% |
| FY2023/3 | 12.8億円 | 2.8億円 | 21.7% |
| FY2024/3 | 7.9億円 | 4.5億円 | 57.2% |
| FY2025/3 | -5.0億円 | 0円 | - |
FY2024/3の実効税率57.2%は、海外子会社関連の税務調整や繰延税金資産の取り崩しが影響したものと推察されます。FY2025/3は税引前損失のため法人税はゼロ。FY2026/3も大幅な赤字見通しのため、納税は発生しない見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 654万円 | 598人 | - |
従業員の平均年収は654万円で、CRO業界の中では標準的な水準です。平均年齢37歳と若い組織構成で、臨床開発モニター(CRA)を中心に専門人材が在籍しています。グローバル展開に伴い、海外拠点での採用も積極的に進めています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は秦野氏・秦野・髙橋。
筆頭株主は代表取締役・秦野和浩氏の資産管理会社「株式会社秦野」(19.94%)で、創業メンバーの法人・個人が上位10位を独占しています。秦野氏本人も3.28%を直接保有し、合計約23%を支配。髙橋・坂本・辻本・高木・河合・宮崎の各氏も創業メンバーであり、創業グループで55%超を保有する極めて安定した株主構成です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 日本事業 | 29億円 | -2.5億円 | -8.6% |
| 米国事業 | 43億円 | 1.5億円 | 3.5% |
| 欧州事業 | 24億円 | -3.0億円 | -12.5% |
| アジア事業 | 8億円 | -1.8億円 | -22.5% |
米国事業が売上の約41%を占める最大セグメントで、唯一の黒字部門です。日本事業(28%)と欧州事業(23%)は赤字が続いており、アジア事業も先行投資段階にあります。今後は米国事業の成長加速と日本・欧州の黒字化が業績回復の鍵を握っています。
この会社のガバナンスは?
取締役6名中、女性が2名(33.3%)とダイバーシティに配慮した取締役会構成となっています。18社の連結子会社を持つグローバル体制を構築。平均勤続年数8.4年はCRO業界では標準的な水準であり、専門人材の定着に課題を抱えています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026 | 3億円 | -21億円 | — | - |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 127億円 | — | 104億円 | -17.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2021年12月に公表された中期経営計画では、FY2025/3にて売上高150億円・営業利益20億円を目標としていましたが、最終年度の実績は売上高104億円・営業赤字5.8億円と大幅な未達となりました。米国事業のM&A効果は出ているものの、案件の波と欧日の不振が計画を狂わせた形です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
リニカルのTSR(株主総利回り)は5年間で48.1%と元本割れの状態にあり、TOPIX(213.4%)を大幅に下回るパフォーマンスです。FY2022のピーク(115.2%)からは急落しており、業績悪化が株価に直結しています。業績のV字回復がTSR改善の必須条件です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 97.9万円 | -2.1万円 | -2.1% |
| FY2022 | 115.2万円 | +15.2万円 | 15.2% |
| FY2023 | 90.5万円 | -9.5万円 | -9.5% |
| FY2024 | 55.2万円 | -44.8万円 | -44.8% |
| FY2025 | 48.1万円 | -51.9万円 | -51.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは41.0倍と高めですが、これは赤字からの回復途上で利益が低水準にあるためです。PBR 0.85倍はセクター平均(2.1倍)を大幅に下回り、資産価値面では割安な水準にあります。配当利回り2.94%(修正後8円ベース)はセクター平均を上回っています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3期の業績予想を下方修正。営業損失は当初予想の13.5億円から21.4億円に拡大。配当も16円→8円に減額。
第3四半期累計の売上高は68.4億円(前年同期比14.0%減)。営業損失12.8億円と厳しい状況が続く。
FY2025/3期通期は営業損失5.8億円と赤字転落。FY2026/3期は黒字化を目指す計画を発表したが、その後下方修正に。
最新ニュース
(株)リニカル まとめ
ひとめ診断
「日本発のグローバルCRO。新薬開発を支える臨床試験のプロフェッショナル集団」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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