2183スタンダード

(株)リニカル

Linical Co.,Ltd.

最終更新日: 2026年3月25日

ROE-5.9%
BPS321.1円
自己資本比率35.7%
FY2025/3 有報データ

日本発のグローバルCRO。新薬で世界の患者さんに希望を届ける

日本発のグローバルCROとして、クライアントの戦略的パートナーに

この会社ってなに?

病院で処方される薬や薬局で買える医薬品。これらが世に出るまでには、人での安全性・有効性を確認する「治験(臨床試験)」が必須です。リニカルはこの治験プロセスを製薬会社に代わって支援するCRO(開発業務受託機関)。がんや中枢神経系など難易度の高い領域に強みを持ち、日本だけでなく米国・欧州・アジアで新薬開発を加速させています。

リニカルは2005年設立の医薬品開発業務受託機関(CRO)です。臨床試験(治験)のモニタリング・コンサルティングを主力とし、18の国と地域でグローバルに事業を展開しています。FY2025/3期は米国大型案件の終了等により売上高104億円・営業損失5.8億円と一時的な業績悪化に直面しましたが、米国市場での新規受注は旺盛です。FY2026/3期は業績回復を見込むも、3月18日に業績予想を下方修正し営業損失21.4億円の見通しとなっています。PBR 0.85倍と解散価値を下回る水準にあります。

サービス業スタンダード市場

会社概要

業種
サービス業
決算期
3月
本社
大阪府大阪市淀川区宮原一丁目6番1号 新大阪ブリックビル10階
公式
www.linical.com

社長プロフィール

秦野 和浩
代表取締役社長
挑戦的創業者
当社は創薬支援事業で、これから日本市場へ参入しようとしている国内外の製薬・バイオ企業に対するコンサルティングサービスを提供しています。日本発のグローバルCROとして、クライアントの戦略的パートナーとなることを目指してまいります。

この会社のストーリー

2005
リニカル設立

秦野和浩氏を中心に、臨床開発経験豊富なメンバーが集結。大阪で医薬品開発業務受託機関(CRO)として創業。

2008
東証マザーズに上場

創業からわずか3年で東証マザーズに株式を上場。公開価格1,000円、初値610円でのスタート。

2015
グローバル展開を本格化

欧州・アジアの拠点を拡大し、グローバルCROとしての体制構築を加速。国際共同治験の受託を強化。

2019
米国市場に本格参入

M&Aを通じて米国CRO企業を買収。世界最大の医薬品市場での事業基盤を確立。

2023
過去最高益を達成

売上高125億円・営業利益12.6億円と過去最高を更新。グローバル展開の成果が結実。

2025
業績悪化と再建への挑戦

米国大型案件の終了等で赤字転落。構造改革と米国新規受注の獲得で再建を目指す。

注目ポイント

18か国展開の日本発グローバルCRO

日本に本社を置きながら、米国・欧州・アジアの18か国で臨床試験を支援できるグローバル体制は国内CROの中でもユニーク。特に米国市場での成長ポテンシャルに注目。

難治性疾患領域での専門性

がん・中枢神経系・免疫疾患など、治験の難易度が高いアンメットメディカルニーズ領域に強み。再生医療・遺伝子治療など先端領域の受託も拡大中。

PBR 0.85倍の資産価値

現金70億円を持ちながら時価総額67億円と、実質的に手元資金だけで時価総額を上回る状態。業績回復時のリレーティング余地が大きい逆張り銘柄です。

サービスの実績は?

8
1株当たり配当金
FY2026予想(修正後)
-50.0% YoY
-15.2%
売上高成長率
FY2025実績 (YoY)
18か国
事業展開国数
グローバルCRO体制
598
連結従業員数
2025年3月時点

ひとめ診断

業績
低迷
赤字(FY2025/3は米国大型案件終了で赤字転落。FY2026/3も下方修正で赤字拡大見通し)
配当
少なめ
1株 16円
安全性
普通
自己資本比率 35.7%(手元資金70億円と自己資本比率43%で財務面の安全性は確保されている)
稼ぐ力
低い
ROE -5.9%
話題性
不評
ポジティブ 15%

配当・優待はもらえる?

しっかりもらえます
1株配当(最新期)
16
方針: 安定配当を基本とし、業績に応じた利益還元
1株配当配当性向
FY2016/31017.1%
FY2017/31015.7%
FY2018/31119.3%
FY2019/31247.8%
FY2020/31465.5%
FY2021/31458.6%
FY2022/31440.0%
FY2023/31431.5%
FY2024/315100.1%
FY2025/3161.2%
9期連続増配
株主優待
なし

株主優待制度はありません。

FY2021〜FY2025にかけて1株14円→16円と4期連続で増配を実施してきましたが、FY2026/3は業績の大幅悪化に伴い1株8円へ減配(8円減額)を発表しました。赤字下でも配当を維持する姿勢は株主還元への意識を示していますが、業績回復が最優先課題です。

同業比較(収益性)

サービス業の同業他社平均と比べると…

ROE下回る
この会社
-5.9%
業界平均
12.5%
営業利益率下回る
この会社
-5.6%
業界平均
11.9%
自己資本比率下回る
この会社
35.7%
業界平均
51.5%

業績推移

儲かってるの?

赤字です
売上高
FY2022/3116億円
FY2023/3125億円
FY2024/3123億円
FY2025/3104億円
営業利益
FY2022/30円
FY2023/30円
FY2024/37.3億円
FY2025/3-5.8億円

FY2021〜FY2023にかけて売上高は順調に拡大し、FY2023/3には売上高125億円・営業利益12.6億円と過去最高益を達成しました。しかしFY2024/3以降は米国大型案件の終了や欧州・日本事業の低迷で業績が悪化。FY2025/3は営業損失5.8億円と創業以来初の赤字に転落しました。FY2026/3は3月18日に業績予想を下方修正し、営業損失21.4億円の見通しです。

事業ごとの売上・利益

日本事業
29億円27.9%)
米国事業
43億円41.3%)
欧州事業
24億円23.1%)
アジア事業
8億円7.7%)
日本事業29億円
利益: -2.5億円利益率: -8.6%

国内製薬企業向けCROサービス。臨床試験のモニタリング・コンサルティングが主力。競合激化と案件獲得の遅れにより苦戦。

米国事業43億円
利益: 1.5億円利益率: 3.5%

M&Aを通じて参入した米国CRO市場。大型案件終了の影響があるものの新規受注は旺盛。成長ドライバーとして期待。

欧州事業24億円
利益: -3.0億円利益率: -12.5%

欧州主要国でのCROサービス。業績回復に時間を要しており、構造改革を推進中。

アジア事業8億円
利益: -1.8億円利益率: -22.5%

韓国・台湾等でのCROサービス。市場開拓段階にあり、先行投資が続いている。

稼ぐ力はどのくらい?

赤字で稼げていません
ROE
-5.9%
株主のお金でどれだけ稼いだか
ROA
-3.2%
会社全体の資産の活用度
営業利益率
-5.6%
売上のうち利益になった割合
ROEROA営業利益率
FY2021/34.2%3.5%-
FY2022/35.8%5.0%-
FY2023/312.8%5.8%-
FY2024/35.0%1.8%5.9%
FY2025/3-5.9%-3.2%-5.6%

FY2023/3にはROE 13.2%・営業利益率10.0%とCRO業界でも高い収益性を誇っていました。しかしFY2024/3以降は急激に悪化し、FY2025/3は営業利益率-5.6%・ROE-7.4%と赤字に転落しています。米国事業の新規受注回復による業績反転が今後の鍵となります。

財務は安全?

やや注意が必要です
自己資本比率35.7%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%
借金(有利子負債)
42.0億円
会社の純資産
72.5億円

FY2023/3まで無借金経営を維持していましたが、FY2024/3に有利子負債51.9億円を計上。M&Aや事業拡大のための戦略的な借入と見られます。FY2025/3は総資産167.8億円・自己資本比率43.2%と、有利子負債はあるものの財務の健全性は一定水準を維持しています。BPSは321円と現在株価272円を上回り、PBR 0.85倍の割安さを裏付けています。

お金の流れは?

健全なお金の流れです
本業で稼いだお金
+6.0億円
営業CF
投資に使ったお金
-4,500万円
投資CF
借入・返済など
-9.4億円
財務CF
手元に残ったお金
+5.5億円
FCF
営業CF投資CF財務CFFCF
FY2021/32,400万円1.7億円-3.3億円1.9億円
FY2022/316.3億円2,100万円-9.5億円16.5億円
FY2023/318.4億円-1,400万円-9.6億円18.3億円
FY2024/310.7億円-2,900万円-9.6億円10.4億円
FY2025/36.0億円-4,500万円-9.4億円5.5億円

営業キャッシュフローはFY2023/3に18.4億円とピークを記録した後、FY2025/3には6.0億円まで縮小しています。赤字転落にもかかわらず営業CFはプラスを維持している点は評価できます。財務CFは配当支払い等により毎期マイナスが続いていますが、手元資金(現金同等物)は約70億円と潤沢な水準を確保しています。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

1特定クライアントへの売上依存リスク(大型案件の終了が業績に大きく影響)
2海外事業の為替変動リスク(米ドル・ユーロ建て取引が拡大)
3CRA等の専門人材の確保・育成リスク(人材の流動性が高い業界)
4医薬品開発の規制変更リスク(各国の薬事規制への対応コスト)
5M&A関連リスク(のれんの減損、PMI(統合プロセス)の遅延)
6情報セキュリティ・データ管理リスク(臨床データの漏洩・不正アクセス)

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
FY2021/35.9億円4,900万円8.3%
FY2022/311.8億円3.9億円33.3%
FY2023/312.8億円2.8億円21.7%
FY2024/37.9億円4.5億円57.2%
FY2025/3-5.0億円0円-

FY2024/3の実効税率57.2%は、海外子会社関連の税務調整や繰延税金資産の取り崩しが影響したものと推察されます。FY2025/3は税引前損失のため法人税はゼロ。FY2026/3も大幅な赤字見通しのため、納税は発生しない見込みです。

社員の給料はどのくらい?

平均年収
654万円
従業員数
598
平均年齢
37歳
平均年収従業員数前年比
当期654万円598-

従業員の平均年収は654万円で、CRO業界の中では標準的な水準です。平均年齢37歳と若い組織構成で、臨床開発モニター(CRA)を中心に専門人材が在籍しています。グローバル展開に伴い、海外拠点での採用も積極的に進めています。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主37.1%
浮動株62.9%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関1.7%
事業法人等32.1%
外国法人等1.4%
個人その他63.9%
証券会社1%

外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は秦野氏・秦野・髙橋。

株式会社秦野(4,504,000株)19.94%
株式会社髙橋(1,997,000株)8.84%
辻本 桂吾(1,024,000株)4.53%
株式会社坂本(810,000株)3.58%
秦野 和浩(742,000株)3.28%
髙橋 明宏(741,000株)3.28%
坂本 勲勇(735,000株)3.25%
高木 幸一(720,000株)3.18%
河合 順(600,000株)2.65%
宮崎 正哉(600,000株)2.65%

筆頭株主は代表取締役・秦野和浩氏の資産管理会社「株式会社秦野」(19.94%)で、創業メンバーの法人・個人が上位10位を独占しています。秦野氏本人も3.28%を直接保有し、合計約23%を支配。髙橋・坂本・辻本・高木・河合・宮崎の各氏も創業メンバーであり、創業グループで55%超を保有する極めて安定した株主構成です。

会社の公式開示情報

役員報酬

1億375万円
取締役7名の合計

事業別の稼ぎ

事業名売上利益利益率
日本事業29億円-2.5億円-8.6%
米国事業43億円1.5億円3.5%
欧州事業24億円-3.0億円-12.5%
アジア事業8億円-1.8億円-22.5%

米国事業が売上の約41%を占める最大セグメントで、唯一の黒字部門です。日本事業(28%)と欧州事業(23%)は赤字が続いており、アジア事業も先行投資段階にあります。今後は米国事業の成長加速と日本・欧州の黒字化が業績回復の鍵を握っています。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 6名)
女性 2名(33.3% 男性 4
33%
67%
監査報酬
5,995万円
連結子会社数
18
設備投資額
1.3億円
平均勤続年数(従業員)
8.4
臨時従業員数
13

取締役6名中、女性が2名(33.3%)とダイバーシティに配慮した取締役会構成となっています。18社の連結子会社を持つグローバル体制を構築。平均勤続年数8.4年はCRO業界では標準的な水準であり、専門人材の定着に課題を抱えています。

会社の計画は順調?

D
総合評価
中期経営計画の最終年度であるFY2025/3期に営業赤字に転落し、売上・利益ともに目標を大幅に下回りました。

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

米国大型案件の終了と欧州・日本事業の低迷が重なった結果であり、米国での新規受注は堅調に推移しています。
中期経営計画(2023年3月期〜2025年3月期)
FY2023〜FY2025
売上高: 目標 150億円 未達 (104億円 (FY2025))
69.6%
営業利益: 目標 20億円 未達 (-5.8億円 (FY2025))
0%
グローバル展開国数: 目標 20か国 順調 (18か国 (FY2025))
90%

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
FY20263億円-21億円-
売上高
年度当初予想修正予想実績乖離
FY2025127億円104億円-17.8%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

2021年12月に公表された中期経営計画では、FY2025/3にて売上高150億円・営業利益20億円を目標としていましたが、最終年度の実績は売上高104億円・営業赤字5.8億円と大幅な未達となりました。米国事業のM&A効果は出ているものの、案件の波と欧日の不振が計画を狂わせた形です。

この株を持っていたら儲かった?

この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。

リニカルのTSR(株主総利回り)は5年間で48.1%と元本割れの状態にあり、TOPIX(213.4%)を大幅に下回るパフォーマンスです。FY2022のピーク(115.2%)からは急落しており、業績悪化が株価に直結しています。業績のV字回復がTSR改善の必須条件です。

※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。

もし5年前に投資していたら?

FY2021初めに100万円投資した場合-51.9%
100万円 →48.1万円
-51.9万円
年度末時点評価額損益TSR
FY202197.9万円-2.1万円-2.1%
FY2022115.2万円+15.2万円15.2%
FY202390.5万円-9.5万円-9.5%
FY202455.2万円-44.8万円-44.8%
FY202548.1万円-51.9万円-51.9%

※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残-
売り残-
信用倍率-
-時点
今後の予定
2026年3月期 本決算発表2026年5月中旬(予定)
定時株主総会2026年6月下旬(予定)

PERは41.0倍と高めですが、これは赤字からの回復途上で利益が低水準にあるためです。PBR 0.85倍はセクター平均(2.1倍)を大幅に下回り、資産価値面では割安な水準にあります。配当利回り2.94%(修正後8円ベース)はセクター平均を上回っています。

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「弱気
報道件数(30日)
32
前月比 -8.5%
メディア数
12
日経電子版, 株探, Yahoo!ファイナンス, みんかぶ, 会社四季報
業界内ランキング
下位 50%
CRO関連銘柄 5社中 4位
報道のトーン
15%
好意的
40%
中立
45%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

どんな話題が多い?

業績・決算50%
グローバル展開20%
臨床試験・CRO業界20%
その他10%

最近の出来事

2026年3月業績下方修正

FY2026/3期の業績予想を下方修正。営業損失は当初予想の13.5億円から21.4億円に拡大。配当も16円→8円に減額。

2026年2月Q3決算

第3四半期累計の売上高は68.4億円(前年同期比14.0%減)。営業損失12.8億円と厳しい状況が続く。

2025年5月通期決算

FY2025/3期通期は営業損失5.8億円と赤字転落。FY2026/3期は黒字化を目指す計画を発表したが、その後下方修正に。

(株)リニカル まとめ

ひとめ診断

業績
低迷
赤字(FY2025/3は米国大型案件終了で赤字転落。FY2026/3も下方修正で赤字拡大見通し)
配当
少なめ
1株 16円
安全性
普通
自己資本比率 35.7%(手元資金70億円と自己資本比率43%で財務面の安全性は確保されている)
稼ぐ力
低い
ROE -5.9%
話題性
不評
ポジティブ 15%

「日本発のグローバルCRO。新薬開発を支える臨床試験のプロフェッショナル集団」

※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

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最終更新: 2026/04/07 / データ提供: OSHIKABU