いちご(株)
Ichigo Inc.
最終更新日: 2026年3月25日
現存不動産に新しい価値を創造する。サステナブルな社会の実現に貢献する不動産再生のプロ
現存不動産に新しい価値を創造する サステナブルな社会の実現
この会社ってなに?
街を歩いていて見かけるオフィスビルやマンションの中には、いちごが再生した物件が数多くあります。また、いちごホテルが運営する宿泊施設は全国に展開中で、旅行時に利用する機会もあるかもしれません。さらに、太陽光・風力発電によるクリーンエネルギー事業や、Jリーグのタイトルパートナーとしてスポーツ振興にも貢献しています。
いちごは2000年設立の不動産再生企業で、老朽化したオフィスビルや商業施設を修繕・改修し、収益力を高めて売却する心築(しんちく)事業を核に成長してきました。2025年2月期は売上高836億円、営業利益163億円と過去最高益を更新。アセットマネジメント、ホテル、クリーンエネルギーなど事業を多角化し、長期VISION「いちご2030」のもとストック収益の拡大を推進しています。筆頭株主のいちごトラストPTEが52.8%を保有するオーナー色の強い企業で、代表執行役会長のスコット・キャロン氏が経営を主導しています。
会社概要
- 業種
- 不動産業
- 決算期
- 2月
- 本社
- 東京都千代田区丸の内二丁目6番1号 丸の内パークビルディング20階
- 公式
- www.ichigo.gr.jp
社長プロフィール
いちごは、現存不動産に新しい価値を創造することで、サステナブルな社会の実現に貢献します。建て壊して新築するのではなく、既存の建物に愛情を注ぎ、心を込めて築き直す。それが私たちの心築です。
この会社のストーリー
不動産アセットマネジメント会社として設立。不動産投資の専門能力を核に事業をスタートした。
大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場に株式を上場。成長のための資金調達基盤を確立した。
一期一会の精神を理念とし、いちごグループホールディングスに社名変更。不動産再生の心築事業を本格化。
中期経営計画の全目標を達成し、長期VISION「いちご2030」を策定。ROE15%以上を長期目標に掲げた。
明治安田Jリーグのタイトルパートナーに就任し、日本のスポーツ振興に貢献。企業認知度の向上にも寄与。
FY2025/2で営業利益163億円の過去最高益を達成。心築事業とアセットマネジメントの両輪で成長を加速。
注目ポイント
老朽化した建物を壊さず、修繕・改修して新たな価値を創造する心築事業。環境負荷を低減しながら収益を生むサステナブルなビジネスモデルです。
減配しない累進的配当政策を掲げ、4期連続増配を達成。100億円規模の自社株買いも実施し、株主価値の最大化に積極的に取り組んでいます。
全国に太陽光・風力発電所を展開し、再生可能エネルギーの普及に貢献。FIT制度による安定収益がストック収益の拡大を支えています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 3円 | 11.6% |
| FY2017/3 | 5円 | 16.9% |
| FY2018/3 | 6円 | 21.3% |
| FY2019/3 | 7円 | 22.5% |
| FY2020/3 | 7円 | 41.4% |
| FY2021/3 | 7円 | 66.8% |
| FY2022/3 | 7円 | 50.7% |
| FY2023/3 | 8円 | 39.1% |
| FY2024/3 | 9円 | 33.5% |
| FY2025/3 | 10.5円 | 30.1% |
| 必要株数 | 100株以上(約4.7万円) |
| 金額相当 | 抽選のため金額換算困難 |
| 権利確定月 | 2月・8月 |
いちごは累進的配当政策(減配しない方針)を掲げており、FY2021/2の7円からFY2025/2には10.5円と4期連続増配を達成しています。FY2026/2は12円への増配を予想。配当性向は30〜45%で推移しており、安定した株主還元が期待できます。加えて、Jリーグタイトルパートナーとして観戦チケットの抽選応募権利が株主優待として提供されています。
同業比較(収益性)
不動産業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
いちごの業績は不動産再生(心築)事業の好調により、FY2025/2で売上高836億円・営業利益163億円と過去最高益を更新しました。FY2026/2予想は売上高827億円・営業利益129億円と一時的な減益を見込んでいますが、これは物件売却のタイミングによるものであり、ストック収益の拡大により中長期的な成長基調は維持されています。
事業ごとの売上・利益
老朽化した既存不動産を修繕・改修し、収益力を高めて売却する不動産再生事業。売上構成比50%を占める中核セグメント。
いちごオフィスリート・いちごホテルリートなどJ-REIT運用。運用報酬が安定収益源。利益率42.5%と全セグメント最高。
太陽光発電所・風力発電所の運営。FIT制度による安定したストック収益を獲得。全国に発電所を展開。
いちごホテルブランドの運営。インバウンド需要の回復を追い風に成長中。全国にホテルを展開。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 2.0% | 1.4% | - |
| FY2022/3 | 2.3% | 1.9% | - |
| FY2023/3 | 2.9% | 2.8% | - |
| FY2024/3 | 2.7% | 3.3% | 15.7% |
| FY2025/3 | 16.0% | 3.7% | 19.5% |
営業利益率は15〜20%と不動産業界の中でも高水準の収益性を維持しています。ROEはFY2021/2の4.6%からFY2025/2には12.4%まで大幅に改善しており、長期VISION「いちご2030」で掲げるROE期間平均15%以上の目標に向けて着実に前進しています。
財務は安全?
総資産はFY2025/2で約4,067億円と事業規模を着実に拡大しています。自己資本比率は27〜30%台で推移しており、不動産業としては標準的な水準を維持しています。有利子負債はFY2025/2で約4,300億円と大きいですが、これは不動産取得のための資金調達であり、収益不動産の裏付けがあります。BPSは着実に増加しており、1株当たりの純資産価値が向上しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 155億円 | -156億円 | 102億円 | -1.7億円 |
| FY2022/3 | 79.4億円 | 65.0億円 | -154億円 | 144億円 |
| FY2023/3 | 2.5億円 | 26.4億円 | -65.8億円 | 28.9億円 |
| FY2024/3 | -85.8億円 | -25.2億円 | 178億円 | -111億円 |
| FY2025/3 | -284億円 | 53.6億円 | 196億円 | -231億円 |
営業キャッシュフローの変動が大きいのは、不動産の仕入・売却タイミングの影響によるものです。FY2025/2の営業CFが大幅なマイナスとなったのは、将来の売却に向けた不動産取得を積極的に行ったためです。投資CFがプラスの年は物件売却による回収を反映しており、不動産再生ビジネス特有のサイクルとして理解する必要があります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 71.8億円 | 21.5億円 | 30.0% |
| FY2022/3 | 74.7億円 | 10.0億円 | 13.4% |
| FY2023/3 | 108億円 | 14.4億円 | 13.3% |
| FY2024/3 | 104億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 138億円 | 0円 | 0.0% |
税引前利益は堅調に増加し、FY2025/2には138億円に到達しました。FY2024/2・FY2025/2の実効税率が0%と特異な値になっていますが、これは繰延税金資産の計上や不動産売却に伴う税務上の特例処理の影響と考えられます。FY2026/2予想では7%と低水準が続く見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,147万円 | 671人 | - |
従業員の平均年収は1,147万円と、不動産業界の中でもトップクラスの高水準です。単体従業員数109名(連結671名)と少数精鋭の組織運営が特徴で、高い生産性と収益性が高年収を支えています。
誰がこの会社の株を持ってる?
経営者・創業家が52.8%を保有するオーナー経営企業です。 安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 筆頭株主のいちごトラストPTEはスコット・キャロン代表執行役会長の資産管理会社であり、実質的な創業者として過半数を保有しています。
筆頭株主のいちごトラストPTE(52.8%)はスコット・キャロン代表執行役会長の資産管理会社であり、創業者的な立場で過半数を保有しています。外国法人等の保有比率が74.5%と極めて高く、グローバルな機関投資家からの注目度の高さがうかがえます。モルガン・スタンレー系が複数名義で上位に入っていることも特徴的です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 心築事業 | 421億円 | 89億円 | 21.1% |
| アセットマネジメント事業 | 113億円 | 48億円 | 42.5% |
| クリーンエネルギー事業 | 124億円 | 37億円 | 29.8% |
| ホテル・その他 | 178億円 | 25億円 | 14.0% |
心築(しんちく)事業が売上の50%を占める中核セグメントで、不動産再生の高い利益率(21.1%)が全体の収益を牽引しています。アセットマネジメント事業は利益率42.5%と極めて高く、安定的なフィー収入を確保。クリーンエネルギー事業はFIT制度によるストック収益で29.8%の利益率を実現しています。4つの事業がバランスよく収益に貢献する多角化経営が特徴です。
この会社のガバナンスは?
取締役・執行役19名中、女性が3名(15.8%)を占めています。指名委員会等設置会社として先進的なガバナンス体制を構築しており、社外取締役が過半数を占める委員会制度を採用。47社の連結子会社を統括するグループ経営を展開しています。平均勤続年数6.6年は業界的に短めですが、少数精鋭で高い生産性を維持しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 195億円 | — | 163億円 | -16.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 780億円 | — | 827億円 | +6.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
いちごは長期VISION「いちご2030」でROE期間平均15%以上、ストック収益比率60%以上を掲げています。FY2025/2のROEは12.4%と改善が進んでいますが、目標の15%にはまだ距離があります。JPX日経インデックス400への継続組み入れは達成済みで、自社株買いと増配による株主還元も着実に実行されています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
いちごのTSRは5年間で122.1%とTOPIXの200.2%を大きく下回るアンダーパフォーマンスとなっています。FY2022にはTSRが85.7%まで落ち込む局面もありました。ただし、FY2024には128.4%まで回復しており、累進配当と自社株買いによる株主還元強化が今後のTSR改善に寄与すると期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 108.5万円 | +8.5万円 | 8.5% |
| FY2022 | 85.7万円 | -14.3万円 | -14.3% |
| FY2023 | 95.1万円 | -4.9万円 | -4.9% |
| FY2024 | 128.4万円 | +28.4万円 | 28.4% |
| FY2025 | 122.1万円 | +22.1万円 | 22.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
いちごの株価指標は、PER 17.7倍・PBR 1.82倍と不動産セクター平均をやや上回る水準です。これは不動産再生ビジネスの成長性とアセットマネジメントの安定収益が評価されていることを反映しています。信用倍率は1.85倍と売り残に対して買い残がやや多く、投資家の先高期待がうかがえます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
米モルガン・スタンレーのいちご株保有比率が5.47%から4.63%に減少。大量保有報告書が提出された。
自己株式取得枠を100億円に拡大し取得期間を延長。自己株消却も実施し、株主価値向上を推進。
FY2025/2期決算で営業利益163億円の過去最高益を達成。長期VISION「いちご2030」のKPIも刷新。
最新ニュース
いちご(株) まとめ
ひとめ診断
現存不動産に新しい価値を創造する、不動産再生のプロフェッショナル企業
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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