(株)東北新社2329
TOHOKUSHINSHA FILM CORPORATION
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
テレビCMの多くは東北新社が手がけています。洋画の吹き替え版や海外ゲームの日本語ローカライズでも業界トップクラス。スター・チャンネルなどの衛星放送チャンネルの運営や、映画の制作・配給も行っています。普段目にするCMや吹き替え映画の裏側には、東北新社の技術力があります。
東北新社は1961年に設立され、CM制作・外国映画やゲームの日本語版制作で首位級のシェアを誇る映像制作会社です。衛星放送事業やコンテンツ配信にも展開し、2025年3月期は売上高457億円、営業利益27億円を計上。政策保有株式の売却による特別利益で純利益は84億円と大幅増益となりました。PER 11.3倍・PBR 1.02倍と、豊富な現金資産を背景にした株主還元強化策が注目されています。2024年度から5カ年の中期経営計画を策定し、既存事業の構造改革と新たな収益基盤の確保を目指しています。
会社概要
- 業種
- 情報・通信業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区赤坂4丁目8番10号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
事業ごとの売上・利益
CM制作・外国映画やゲームの日本語版制作で首位級。映画の制作・配給も手がける。売上構成比約44%を占める主力セグメント。
スター・チャンネルなど衛星放送チャンネルの運営。放送送出事業は2024年12月に譲渡完了。コンテンツ配信も展開。
不動産賃貸、人材派遣、ポストプロダクションサービスなど。
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1.1% | 0.9% | - |
| 2022/03期 | 4.2% | 3.3% | - |
| 2023/03期 | 4.1% | 3.2% | - |
| 2024/03期 | 5.0% | 4.1% | 5.1% |
| 2025/03期 | 9.9% | 8.3% | 5.9% |
| 3Q FY2026/3 | 8.0%(累計) | 6.5%(累計) | 7.5% |
営業利益率は2022期〜2023の7.5〜7.8%から、事業再編の影響で2024期〜2025は5〜6%台に低下しています。一方、2025/03期のROEは9.8%と大幅に改善しており、これは政策保有株式売却による純利益の増加が主因です。事業構造改革の効果が営業利益率の改善に反映されるかが今後の注目点です。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 529億円 | 24.0億円 | 8.2億円 | 6.1円 | - |
| 2022/03期 | 528億円 | 41.4億円 | 30.7億円 | 22.8円 | -0.2% |
| 2023/03期 | 559億円 | 42.0億円 | 31.3億円 | 23.2円 | +6.0% |
| 2024/03期 | 528億円 | 26.8億円 | 40.2億円 | 29.8円 | -5.5% |
| 2025/03期 | 457億円 | 26.8億円 | 83.6億円 | 62.0円 | -13.5% |
2025/03期は放送送出事業の譲渡等により売上高は457億円(前年比-13.5%)と減収でしたが、政策保有株式の売却による特別利益で純利益は84億円と大幅増益を達成しました。営業利益は2023/03期の42億円をピークに減少傾向ですが、2026/03期は売上高460億円・営業利益22億円を予想。中期経営計画に基づく事業構造改革の進捗が今後の業績回復の鍵となります。 【3Q 2026/03期実績】売上334億円(通期予想比73%)、営業利益25億円(同115%)、純利益65億円(同87%)。営業利益は既に通期予想を超過しており、上振れの可能性が高い。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
情報・通信業の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 映像制作事業 | 約200億円 | 約15億円 | 7.5% |
| 放送・コンテンツ事業 | 約180億円 | 約10億円 | 5.6% |
| その他事業 | 約77億円 | 約2億円 | 2.6% |
映像制作事業が売上の約44%を占める主力セグメントで、CM制作と日本語版制作(吹き替え・字幕)が収益の柱です。放送・コンテンツ事業は衛星放送チャンネルの運営が中心ですが、放送送出事業の譲渡により構造改革が進んでいます。中計では既存事業の収益性改善とデジタル領域での新規収益基盤の構築を目指しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 460億円 | — | 457億円 | -0.8% |
| 2024期 | 550億円 | — | 528億円 | -4.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画では既存事業の構造改革と新たな収益基盤の確保を2本柱に掲げています。DOE目標2.0%に対し実績4.3%と株主還元は大幅に上回っています。放送送出事業の譲渡は完了しましたが、デジタル領域での新規事業構築など成長戦略の具体化はこれからの課題です。
最新ニュース
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メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
政策保有株式の売却に伴い特別利益を計上。手元キャッシュが大幅に増加し、株主還元の原資を確保。
第3四半期は売上高334億円(+6.0%)、営業利益25億円(+30.9%)と増収増益。事業構造改革の効果が顕在化。
指名・報酬委員会を新設し、コーポレートガバナンスを強化。アクティビスト対応も意識した経営改革。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
自己資本比率は一貫して76〜83%と非常に高く、実質無借金経営を維持しています。2025/03期のBPSが616.5円に低下しているのは、株式分割(1:3)の影響です。総資産1,035億円のうち純資産858億円と、財務基盤は極めて堅固です。政策保有株式の売却で手元資金も豊富な状態となっています。 【3Q 2026/03期】総資産985億円、純資産875億円、自己資本比率85.1%。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 44.2億円 | 1.1億円 | 10.5億円 | 45.3億円 |
| 2022/03期 | 51.4億円 | 21.0億円 | 9.8億円 | 30.3億円 |
| 2023/03期 | 46.5億円 | 12.2億円 | 13.4億円 | 34.3億円 |
| 2024/03期 | 60.9億円 | 40.6億円 | 21.7億円 | 101億円 |
| 2025/03期 | 4,400万円 | 232億円 | 66.3億円 | 232億円 |
2025/03期の投資キャッシュフローは+232億円と異例のプラスですが、これは政策保有株式の大規模売却によるものです。財務キャッシュフローの-66億円は自己株式取得や配当支払いを反映しています。2021期〜2023は営業CF 44〜51億円と安定したキャッシュ創出力を示しており、本業のキャッシュフローは堅調です。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役15名中、女性が2名(13.3%)を占めています。社外取締役比率は44%で、2025年2月には指名・報酬委員会を設置しガバナンス強化を図っています。15社の連結子会社を統括し、平均勤続年数12年と映像業界では安定した定着率です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 600万円 | 1,283人 | - |
従業員の平均年収は600万円で、映像制作業界としては標準的な水準です。平均年齢39.2歳と比較的若い組織構成です。2024年3月には制作職の専門業務型裁量労働制を原則撤廃しフレックスタイム制に移行するなど、働き方改革にも取り組んでいます。
株主リターン・投資成果
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平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
東北新社のTSRは5年間で369.6%と、TOPIXの213.4%を大幅にアウトパフォームしています。特に2024期以降の急上昇は、アクティビスト参入による経営改革期待と政策保有株式の売却による株主還元強化が要因です。2022期に一時的にTOPIXを下回りましたが、その後は力強い回復を見せています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 17円 | 27.5% |
| 2017/03期 | 19円 | 27.2% |
| 2018/03期 | 23円 | 43.8% |
| 2019/03期 | 16円 | - |
| 2020/03期 | 5.3円 | 40.4% |
| 2021/03期 | 8円 | 44.0% |
| 2022/03期 | 19円 | 27.8% |
| 2023/03期 | 19円 | 27.3% |
| 2024/03期 | 26円 | 87.2% |
株主優待制度はありません(2009年3月権利分をもって廃止)。
2024/03期には1株78円(分割前ベース)と大幅な増配を実施し、配当性向は87.2%に達しました。2025/03期以降は株式分割(1:3)後のベースでDOE 4.3%を実現。中計ではDOE 2.0%以上を目標に掲げつつ、政策保有株式売却で増加したキャッシュを原資に積極的な株主還元を行う方針です。予想配当利回りは約4.3%と魅力的な水準です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 142.8万円 | 42.8万円 | 42.8% |
| 2022期 | 125.1万円 | 25.1万円 | 25.1% |
| 2023期 | 145.7万円 | 45.7万円 | 45.7% |
| 2024期 | 293.9万円 | 193.9万円 | 193.9% |
| 2025期 | 369.6万円 | 269.6万円 | 269.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
東北新社の株価指標は、PER 11.3倍と情報・通信業の業界平均(25.9倍)を大幅に下回る割安水準にあります。PBRも1.02倍と業界平均を大きく下回っており、豊富な現金資産に対して株価が十分に評価されていない状態です。配当利回り4.30%は業界平均を大幅に上回り、高配当銘柄として注目されています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 27.0億円 | 18.8億円 | 69.7% |
| 2022/03期 | 55.1億円 | 24.4億円 | 44.3% |
| 2023/03期 | 48.2億円 | 16.9億円 | 35.0% |
| 2024/03期 | 22.1億円 | 0円 | 0.0% |
| 2025/03期 | 33.4億円 | 0円 | 0.0% |
2021/03期の実効税率69.7%は繰延税金資産の取崩しなどが影響しています。2024期〜2025は特別利益による純利益増加の一方で、税金費用がゼロとなっており、繰越欠損金の活用や政策保有株式売却に伴う税効果が影響していると考えられます。
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