福留ハム(株)
FUKUTOME MEAT PACKERS,LTD.
最終更新日: 2026年3月25日
創業100年超の広島発ハムメーカー。逆境の中で「食の未来」に挑む再生への挑戦
食を通じて人々の豊かな暮らしに貢献する
この会社ってなに?
スーパーの精肉コーナーやハム・ソーセージ売場で見かける「福留ハム」ブランドの製品。広島県民にとっては馴染み深い存在で、「花ソーセージ」は70年以上愛されるロングセラー商品です。最近では豚肉と海水塩だけで作った新ブランド「MIRAI」シリーズを展開し、無添加・高品質な食肉加工品の新しい価値を提案しています。
福留ハムは1919年(大正8年)に広島で創業し、ハム・ソーセージなどの加工食品と食肉卸売を手がける中堅食品メーカーです。西日本を中心に事業を展開していますが、近年は原材料高騰と価格競争の激化で5期連続の営業赤字が続いています。2025年10月にはトリゼンフーズ・双日食料と業務提携を結び、事業再構築計画を策定。投資有価証券売却による特別利益の計上でFY2026/3の最終損益は黒字転換を見込んでいます。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 広島県広島市安佐北区三入南一丁目7番20号
- 公式
- www.fukutome.com
社長プロフィール
新商品「MIRAI」に代表される付加価値の高い商品を拡販し、高付加価値商品比率を高めることで利益拡大に取り組んでまいります。既存事業のコスト構造改善とともに、トリゼンフーズ・双日食料との業務提携を通じて、事業の再構築を進めてまいります。
この会社のストーリー
大正8年、広島でハム・ソーセージの製造を開始。100年を超える歴史の原点。
会社組織に改組し、本格的な事業拡大に着手。西日本を中心に販路を広げた。
東証第2部に上場し、信用力と資金調達力を向上。全国展開への足がかりを築いた。
原材料高騰と価格競争の激化により、営業赤字が定着。経営の転換点を迎えた。
トリゼンフーズ・双日食料との業務提携を締結。事業再構築計画を策定し、再生への道を歩み始めた。
豚肉と塩だけで作るハム・ソーセージ「MIRAI」シリーズを本格展開。新たな価値創造に挑戦中。
注目ポイント
1919年創業の100年企業。広島県民に愛される「花ソーセージ」など、長年培った食肉加工技術と信頼があります。
トリゼンフーズ・双日食料との業務提携で経営再建に挑戦中。厳しい状況からの再生ストーリーに注目です。
豚肉と海水塩だけで作るハム・ソーセージ。健康志向の高まりに応える新しい価値を提案しており、差別化の鍵を握ります。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 3円 | 41.4% |
| FY2017/3 | 3円 | 16.5% |
| FY2018/3 | 15円 | 24.3% |
| FY2019/3 | 15円 | - |
| FY2020/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2021/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 0円 | 0.0% |
2025年3月実施分を最後に株主優待制度を廃止。現在は株主優待の実施なし。
5期連続で無配が続いており、株主優待制度も2025年3月を最後に廃止されました。業績の赤字が続く中、配当原資の確保が困難な状況です。事業再構築計画による収益改善が進めば、配当再開の可能性がありますが、現時点では株主還元の見通しは立っていません。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
福留ハムは5期連続で営業赤字が続いており、FY2025/3は売上高246億円・営業損失6.2億円と厳しい状況です。原材料価格の高騰と競合他社との価格競争が主因です。FY2026/3は売上高240億円・営業損失7億円を予想する一方、投資有価証券売却による特別利益の計上で最終損益は4.1億円の黒字転換を見込んでいます。
事業ごとの売上・利益
ハム・ソーセージ・ベーコン等の加工食品の製造・販売。「花ソーセージ」や新ブランド「MIRAI」を展開。売上構成比41%。
食肉の仕入・加工・販売。量販店や外食チェーン向けに展開。売上構成比59%。価格競争が激しく赤字が続く。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -5.1% | -1.5% | - |
| FY2022/3 | -18.0% | -5.0% | - |
| FY2023/3 | -42.0% | -8.7% | - |
| FY2024/3 | 6.6% | 1.1% | -1.7% |
| FY2025/3 | -31.6% | -5.1% | -2.5% |
営業利益率は全期間でマイナスが継続しており、本業での収益力に深刻な課題を抱えています。ROEはFY2024/3に特別利益の影響で一時的にプラス転換しましたが、FY2025/3には再びマイナス34.7%に転落しました。事業再構築計画による構造改革と、トリゼンフーズ・双日食料との業務提携による収益改善が急務です。
財務は安全?
自己資本比率はFY2021/3の27.4%からFY2025/3には14.7%まで大幅に低下しており、財務基盤の脆弱化が進んでいます。純資産もFY2021/3の43億円からFY2025/3には18億円へと半減以下に縮小。FY2024/3からは有利子負債が115億円規模で計上されており、財務健全性の回復が最重要課題です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 3.5億円 | -2.9億円 | 6,400万円 | 5,900万円 |
| FY2022/3 | 2.0億円 | -2.0億円 | -3.4億円 | 700万円 |
| FY2023/3 | -4,900万円 | -2.8億円 | 2.9億円 | -3.3億円 |
| FY2024/3 | -1.8億円 | 9.1億円 | -3.7億円 | 7.3億円 |
| FY2025/3 | -2.4億円 | -3.5億円 | -2.2億円 | -5.9億円 |
営業キャッシュフローはFY2023/3以降3期連続でマイナスとなっており、本業からの資金創出力が低下しています。FY2024/3の投資CFが+9億円となったのは資産売却によるもの。FY2025/3は営業CF・投資CF・財務CFすべてマイナスの「トリプルマイナス」で、現金及び現金同等物は17億円まで減少しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -1.7億円 | 0円 | - |
| FY2022/3 | -3.3億円 | 0円 | - |
| FY2023/3 | -3.4億円 | 0円 | - |
| FY2024/3 | -4.0億円 | 0円 | - |
| FY2025/3 | -6.1億円 | 0円 | - |
経常段階では5期連続の赤字が続いており、法人税等の納付は実質ゼロの状態です。FY2026/3予想でも経常損益は7億円の赤字を見込んでおり、特別利益の計上により最終損益のみ黒字転換する構図です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 484万円 | 351人 | - |
従業員の平均年収は484万円で、食品業界の中ではやや低めの水準です。平均年齢44.7歳・平均勤続年数18.9年と長期勤務者が多い傾向にあります。業績低迷の影響もあり、役員報酬は減額が継続されています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は福原氏・福原氏・福留興産。
筆頭株主は創業家の資産管理会社福留興産(20.13%)で、持株会の福栄会(9.74%)、福原康彦氏(3.43%)、代表取締役社長の福原治彦氏(1.95%)と、創業家関連で約35%を保有する典型的なオーナー企業です。広島銀行・伊予銀行・西日本シティ銀行など地方銀行も安定株主として名を連ねています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 加工食品事業 | 101億円 | 1億円 | 1.0% |
| 食肉事業 | 145億円 | -1億円 | -0.7% |
食肉事業が売上の59%を占める最大セグメントですが、価格競争の激化で赤字が続いています。加工食品事業(41%)は利益率1%程度とわずかながら黒字を維持。今後はトリゼンフーズとの業務提携による鶏肉加工品の共同開発や、高付加価値ブランド「MIRAI」の拡販で収益構造の改善を目指しています。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役7名は全員男性で、女性役員はゼロです。連結子会社は2社と小規模なグループ経営。平均勤続年数18.9年と定着率は高いものの、ガバナンスの多様性確保が今後の課題です。業績低迷を受け、役員報酬の自主減額が継続されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 260億円 | — | 246億円 | -5.3% |
| FY2024 | 255億円 | — | 252億円 | -1.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
福留ハムは2025年10月に事業再構築計画を策定し、トリゼンフーズ・双日食料との業務提携による収益改善を目指しています。高付加価値商品「MIRAI」の拡販や鶏肉加工品の共同開発など新たな取り組みが始まっていますが、営業黒字化の達成にはまだ時間を要する見込みです。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
福留ハムのTSRは5年間で58.8%と、投資元本の約41%を毀損しています。同期間のTOPIX(213.4%)と比較すると大幅にアンダーパフォームしており、株主価値の創出に課題を抱えています。配当もゼロのため、株価下落分がそのまま投資損失となっています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 108.2万円 | +8.2万円 | 8.2% |
| FY2022 | 99.8万円 | -0.2万円 | -0.2% |
| FY2023 | 80.5万円 | -19.5万円 | -19.5% |
| FY2024 | 81.1万円 | -18.9万円 | -18.9% |
| FY2025 | 58.8万円 | -41.2万円 | -41.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは5.0倍と一見割安ですが、これは特別利益による一時的な黒字予想に基づくもので、営業損益は赤字が継続しています。PBR 1.10倍は純資産の大幅減少を反映。配当利回りは0%で、バリュエーション指標だけで投資判断することは危険です。信用倍率1.82倍と買い残がやや多い状況です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
投資有価証券の売却により特別利益を計上する見込みを発表。FY2026/3の最終損益の黒字転換に寄与。
トリゼンフーズ・双日食料との業務提携を締結。鶏肉加工品の共同開発や販路拡大で収益改善を目指す。
事業再構築計画を策定。高付加価値商品の拡販と既存事業のコスト構造改善に取り組む方針。
最新ニュース
福留ハム(株) まとめ
ひとめ診断
「広島発の老舗ハムメーカー。食肉加工と食肉卸の二本柱で西日本を中心に展開するスタンダード企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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