高砂熱学工業
Takasago Thermal Engineering Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月22日
空気調和のパイオニア。100年の技術で、地球環境を創造する
環境クリエイターとして、建物から地球まで快適な環境を創造する
この会社ってなに?
あなたが普段利用しているオフィスビル、ショッピングモール、病院、空港の快適な空調環境は、高砂熱学工業の技術で実現されているかもしれません。半導体工場のクリーンルームや医薬品工場の温湿度管理など、日本のものづくりを裏側から支える「環境クリエイター」です。最近では月面での水資源採掘技術の研究にも参画するなど、宇宙分野にも活動を広げています。
高砂熱学工業は1923年創業の空気調和設備工事のパイオニアであり国内最大手です。東京ドームや新国立競技場など大型施設の空調を手掛けてきた実績を持ちます。FY2025/3期は売上高3,817億円(前年比+5.0%)、営業利益324億円(同+33.9%)と過去最高益を大幅に更新しました。FY2026/3期も売上高4,100億円、営業利益360億円と増収増益を見込んでおり、さらに2月に上方修正を発表して営業利益471億円・純利益365億円へ引き上げています。中期経営計画2026の目標を2度にわたり上方修正するなど、業績モメンタムは極めて強い状況です。
会社概要
- 業種
- 建設業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都新宿区新宿6丁目27番30号 新宿イーストサイドスクエア
- 公式
- www.tte-net.com
社長プロフィール
1923年の創業以来、空気調和のパイオニアとして培ってきた技術力を基盤に、「環境クリエイター」として建物から地球まで、快適で持続可能な環境づくりに貢献してまいります。月面での水資源採掘技術など、未来を見据えた挑戦も続けています。
この会社のストーリー
関東大震災の年に創業。日本の紡績業における温湿度調節を担い、空気調和技術のパイオニアとして歩み始める。
東証一部への上場を果たし、高度経済成長期のビル空調需要を取り込みながら急成長。証券コード「1969」の由来となった。
創立100周年を迎え、「環境クリエイター」を掲げて空調技術の枠を超えた新領域への挑戦を本格化。長期ビジョン2040を策定。
ispace社と月面サーマルマイニング技術の実証に関する覚書を締結。空調で培った熱利用技術の宇宙応用に乗り出す。
カーボンニュートラル社会の実現に向け、空調・環境技術を核とした総合環境ソリューション企業への進化を目指す。
注目ポイント
1923年創業の空気調和パイオニアとして100年の実績を持ち、東京ドームや新国立競技場など日本を代表する施設の空調を手掛けています。
営業利益率が4.5%から8.5%へと急改善し、5期連続の増収増益を達成。中計目標を2度にわたり上方修正する好調ぶりです。
配当金はFY2021の56円からFY2026予想の180円へと約3.2倍に拡大。配当性向40%目途のもと、業績連動の着実な増配を継続しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 28円 | 31.3% |
| FY2017/3 | 36円 | 30.6% |
| FY2018/3 | 50円 | 31.2% |
| FY2019/3 | 52円 | 30.0% |
| FY2020/3 | 56円 | 30.0% |
| FY2021/3 | 56円 | 38.5% |
| FY2022/3 | 60円 | 35.4% |
| FY2023/3 | 63円 | 34.1% |
| FY2024/3 | 129円 | 43.6% |
| FY2025/3 | 167円 | 40.1% |
株主優待制度はありません。
配当金はFY2021/3期の56円からFY2025/3期の167円へと4年連続で増配し、約3倍に拡大しました。配当性向は40%を目途としており、FY2026/3期は年間180円(2月修正後)へのさらなる増配が見込まれています。業績の大幅拡大に連動した積極的な株主還元が続いています。
同業比較(収益性)
建設業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
高砂熱学工業の業績は5期連続の増収増益トレンドにあります。FY2025/3期は売上高3,817億円、営業利益324億円と過去最高を更新。施工効率の改善と採算性の向上が大幅な利益拡大を牽引しています。FY2026/3期は当初予想の営業利益360億円から471億円へと上方修正され、営業利益率は11%超への到達が見込まれています。空調設備需要の堅調さとコスト管理の徹底が奏功しています。
事業ごとの売上・利益
空調設備の設計・施工が中核事業。オフィスビル、工場、病院、データセンター等の空調設備を手掛ける
子会社の日本ピーマックが空調機器等の設計・製造・販売を担当
保険代理業、人材派遣、不動産管理等のグループ事業
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.7% | 3.7% | - |
| FY2022/3 | 9.8% | 3.8% | - |
| FY2023/3 | 8.8% | 3.9% | - |
| FY2024/3 | 13.1% | 5.8% | 6.7% |
| FY2025/3 | 17.1% | 8.2% | 8.5% |
収益性は劇的に改善しています。ROEはFY2021/3の7.4%からFY2025/3には15.0%へと倍増し、営業利益率も4.5%から8.5%へ大幅に向上しました。工事の選別受注による採算性の向上と原価管理の徹底が奏功しています。FY2026/3期はさらなる営業利益率の改善が見込まれ、空調設備業界のリーディングカンパニーにふさわしい収益性を確立しつつあります。
財務は安全?
自己資本比率は44〜54%で安定的に推移しており、建設業として健全な財務体質を維持しています。FY2024/3期に有利子負債755億円が発生しましたが、FY2025/3期には643億円に減少しています。BPS(1株当たり純資産)はFY2021/3の1,907円からFY2025/3の2,721円へと約43%増加しており、内部留保の蓄積が進んでいます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 226億円 | -3.2億円 | 36.4億円 | 222億円 |
| FY2022/3 | 11.9億円 | 10.4億円 | -80.1億円 | 22.3億円 |
| FY2023/3 | 258億円 | -54.3億円 | -83.3億円 | 204億円 |
| FY2024/3 | -131億円 | -81.0億円 | -4.9億円 | -212億円 |
| FY2025/3 | 58.9億円 | -14.1億円 | -127億円 | 44.8億円 |
キャッシュフローは年度によりばらつきがあります。FY2024/3期は営業CFが-131億円と赤字に転じましたが、これは工事代金の回収タイミングによる一時的なもので、FY2025/3期には59億円のプラスに回復しました。FY2023/3期には営業CF258億円・FCF204億円と高水準のキャッシュ創出を記録しており、中長期では安定した現金創出力を持っています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 139億円 | 37.9億円 | 27.2% |
| FY2022/3 | 156億円 | 41.0億円 | 26.2% |
| FY2023/3 | 167億円 | 44.6億円 | 26.7% |
| FY2024/3 | 262億円 | 65.4億円 | 25.0% |
| FY2025/3 | 350億円 | 73.4億円 | 21.0% |
実効税率はFY2021/3期の27.2%からFY2025/3期は21.0%に低下しています。繰延税金資産の計上や税効果会計の影響が考えられます。FY2026/3期も20.3%と低水準を見込んでおり、税効率の改善が純利益の押し上げに貢献しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,129万円 | 5,858人 | - |
平均年収は約1,129万円で、建設業界の中でもトップクラスの高水準です。空調設備工事の専門性の高さと業績好調を背景に、処遇改善が進んでいます。単体従業員数は2,365名ですが、連結では5,858名の体制を構築しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は高砂熱学従業員持株会。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(10.6%)で、日本生命、STATE STREET BANK、第一生命と機関投資家が上位を占めます。高砂熱学従業員持株会(4.2%)や高砂共栄会(3.92%)など社内関連の株主も一定の持分を保有しており、特定の親会社を持たない独立系企業として安定した株主構成を維持しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 建設事業(空調設備工事) | 3,500億円 | 290億円 | 8.3% |
| 設備機器の製造・販売事業 | 200億円 | 25億円 | 12.5% |
| その他 | 117億円 | 10億円 | 8.5% |
役員報酬は5名で総額約4億9千万円(1人当たり約9,800万円)です。事業リスクとしては建設市場の変動や技能労働者不足・資材高騰が主要な課題です。事業構成は空調設備工事が売上の約90%を占める専業型であり、空調のパイオニアとして高い専門性を武器に差別化を図っています。
この会社のガバナンスは?
取締役会は12名で構成され、うち女性は1名(8.0%)です。連結子会社13社を統括し、監査報酬として9,200万円を計上しています。平均勤続年数は15年で、空調設備の専門技術を持つ人材の定着が図られています。設備投資額は年間約43.5億円で、技術研究や施工機器の更新に充てています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 3,700億円 | — | 3,817億円 | +3.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 257億円 | — | 324億円 | +26.1% |
| FY2026 | 360億円 | 471億円 | — | +30.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画2026では、当初の連結営業利益目標250億円を2度にわたり上方修正し、最新の目標は350億円に引き上げられました。FY2025/3期にROE15.0%を達成し、中計目標の12%を大きく上回っています。配当性向も40%目途を維持しつつ、4年連続増配を実現するなど株主還元と成長投資のバランスに優れた経営を展開しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
FY2021を起点とした株主総利回り(TSR)は362.9%とTOPIXの213.4%を大幅にアウトパフォームしています。特にFY2024以降の伸びが顕著で、営業利益率の急改善と配当の大幅増額が株価上昇を加速させました。空調設備工事への構造的な需要増を背景に、今後もTOPIXを上回るパフォーマンスが期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 107.2万円 | +7.2万円 | 7.2% |
| FY2022 | 111.4万円 | +11.4万円 | 11.4% |
| FY2023 | 137.7万円 | +37.7万円 | 37.7% |
| FY2024 | 312.3万円 | +212.3万円 | 212.3% |
| FY2025 | 362.9万円 | +262.9万円 | 262.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER21.2倍・PBR3.37倍と、建設業セクターの平均を大幅に上回るバリュエーションで取引されています。これは連続最高益更新と中計目標の連続上方修正による高い成長期待を反映しています。信用倍率は13.90倍と買い長の状態であり、個人投資家の注目度の高さがうかがえます。配当利回り3.64%は業界平均を上回る水準です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3期第3四半期決算にて通期業績予想を9%上方修正。経常利益を500億円に引き上げ、配当も7円増額の年間180円とした。4-12月累計の経常利益は前年同期比81.0%増の414億円に拡大。
FY2026/3期第2四半期決算にて通期経常利益を13%上方修正し、過去最高益予想をさらに上乗せした。施工効率の改善と採算性向上が寄与。
中期経営計画2026の目標経営指標を再度上方修正。ROE目標を12%以上に引き上げ、業績モメンタムの強さを反映。
ispace社と月面におけるサーマルマイニング技術実証に関する覚書を締結。月面での水資源採掘に向け、熱利用技術の宇宙応用を推進。
最新ニュース
高砂熱学工業 まとめ
ひとめ診断
空調設備工事の最大手、営業利益率の大幅改善と積極還元で株価2倍超に急騰
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「建設業」に分類される他の企業
ダム・トンネルの古豪ゼネコンが、リニア特需とDX投資で未来を掘削中
明治創業の新潟地盤ゼネコン。無借金経営から攻めの投資へ転換し、PBR 0.66倍の割安バリュー株
兵庫・東播磨を地盤に80年。無借金経営で堅実に成長する中堅ゼネコン
空気と塗装のグローバルエンジニア。ビル空調・産業空調・自動車塗装の3本柱で世界展開するプライム企業
テトラポッドの会社。陸上・海洋土木と地盤改良の二本柱で、国土を守るプライム企業
化学プラント建設の匠。新潟発、日本の産業インフラを支えるスタンダード企業
通信設備工事のプロ集団。照明・空調・防犯を一元制御する独自システムで、スマートビルの未来を切り拓く
工業炉のトップメーカー。脱炭素時代の水素・アンモニア燃焼技術で、日本のものづくりを支える