日揮ホールディングス
JGC HOLDINGS CORPORATION
最終更新日: 2026年3月22日
エネルギーの未来を、エンジニアリングの力で切り拓く
「2040年ビジョン」のもと、5つのビジネス領域でPlanetary Infrastructureを構築し、持続可能な社会の実現を目指す
この会社ってなに?
海外旅行で乗る飛行機の燃料となるLNG(液化天然ガス)のプラントや、石油精製施設、医薬品工場など、世界中の大型インフラの設計・調達・建設を一括で手掛けるのが日揮グループです。最近では廃食用油から作るSAF(持続可能な航空燃料)の国産化プロジェクトを推進しており、私たちの暮らしを支えるエネルギーの未来に深く関わっています。
日揮ホールディングスは1928年創業の総合エンジニアリング企業で、LNGプラント建設では国内トップ・世界有数の実績を誇ります。中期経営計画「BSP2025」では2025年度に売上高8,000億円・営業利益600億円を目標に掲げましたが、FY2024/3期・FY2025/3期と2期連続で営業赤字が続き、海外大型プロジェクトの採算悪化が課題となりました。一方、FY2026/3期は営業利益210億円の黒字転換を会社予想しており、受注残も堅調です。SAF(持続可能な航空燃料)やペロブスカイト太陽電池など次世代エネルギー分野への展開も積極化しています。
会社概要
- 業種
- 建設業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-1
- 公式
- www.jgc.com
社長プロフィール
日揮グループは1928年の創業以来、エネルギーと環境の調和を追求し、世界中でプラント建設を手掛けてきました。LNGから再生可能エネルギー、SAF、核融合まで、次世代のエネルギーインフラを構築し、地球規模の課題解決に挑戦してまいります。
この会社のストーリー
石油精製技術の国産化を目指して創業。日本のエネルギー自立に向けた技術開発の歩みが始まった。
中東・東南アジアでのLNGプラント建設を相次いで受注。世界有数のエンジニアリング企業としての地位を確立した。
コスト超過や工期遅延が重なり、営業赤字に転落。しかしこの逆境がリスク管理体制の抜本的な見直しを促した。
SAFの国産化プロジェクトやペロブスカイト太陽電池の実装など、エネルギー転換分野で次々と新たな一歩を踏み出した。
5つのビジネス領域で地球規模のインフラ構築を目指す。核融合技術への投資も開始し、エネルギーの未来を切り拓く。
注目ポイント
世界中のLNGプラント建設で豊富な実績を持ち、エネルギーインフラの設計・調達・建設を一括で手掛ける総合エンジニアリング国内首位の企業です。
廃食用油からのSAF(持続可能な航空燃料)国産化、ペロブスカイト太陽電池、米CFS社への核融合出資など、次世代エネルギー技術への投資を積極化しています。
FY2024/3・FY2025/3期と2期連続営業赤字にもかかわらず年間40円の配当を維持。株主還元への強い姿勢が信頼を集めています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 42.5円 | 25.1% |
| FY2017/3 | 30円 | 4.0% |
| FY2018/3 | 25円 | 38.0% |
| FY2019/3 | 28.5円 | 30.0% |
| FY2020/3 | 12円 | 73.5% |
| FY2021/3 | 12円 | 58.9% |
| FY2022/3 | 15円 | 4.0% |
| FY2023/3 | 38円 | 31.1% |
| FY2024/3 | 40円 | 4.0% |
| FY2025/3 | 40円 | 4.0% |
株主優待制度は設けていません。
FY2021/3期の年間12円から4期連続で増配を実施し、FY2025/3期は年間40円まで増額しています。FY2024/3期・FY2025/3期は赤字にもかかわらず年間40円を維持しており、安定配当への強い姿勢が窺えます。FY2026/3期も年間40円の配当予想を据え置いており、配当利回りは1.87%と建設業平均をやや下回りますが、業績回復に伴い今後の増配余地が期待されます。
同業比較(収益性)
建設業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2023/3期には売上高6,068億円・営業利益366億円と好調でしたが、FY2024/3期・FY2025/3期は海外大型LNGプロジェクトの採算悪化により2期連続の営業赤字に転落しました。FY2026/3期は売上高6,900億円・営業利益210億円と黒字転換を会社予想しており、受注残の消化と利益率の改善が進んでいます。経常利益ベースではFY2025/3期第3四半期累計で426億円と大幅改善しており、回復傾向が鮮明です。
事業ごとの売上・利益
LNGプラント等の海外大型EPC事業。売上構成の最大セグメントだが、採算悪化が課題
国内の医薬品工場・エネルギー関連施設のEPC事業。安定した収益基盤
日揮触媒化成による触媒・微粒子製造。高い利益率が特長
エネルギーコンサルティング、インフラマネジメント等
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -1.6% | 0.7% | 4.8% |
| FY2022/3 | -18.4% | -5.1% | 5.5% |
| FY2023/3 | 0.9% | 4.3% | 2.9% |
| FY2024/3 | 7.0% | -1.0% | 2.5% |
| FY2025/3 | -0.4% | -0.1% | 2.3% |
FY2023/3期にはROE7.7%・営業利益率6.0%と良好な収益性を示しましたが、海外大型プロジェクトの採算悪化によりFY2024/3・FY2025/3期は2期連続で営業利益率がマイナスに転じました。中期計画BSP2025のROE10%目標は大幅に未達の状況ですが、FY2026/3期の営業利益率は3.0%への回復が見込まれており、利益率改善の兆しが出始めています。
財務は安全?
FY2023/3期までは自己資本比率55%超と非常に健全な財務体質でしたが、FY2024/3期以降は有利子負債が約1,576億円まで増加し、自己資本比率は49.8%に低下しました。ただし依然として50%近い自己資本比率を維持しており、同業他社と比較しても財務健全性は高い水準です。BPSは1,616円で、PBR1.32倍は資産価値に対してやや割高な水準です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 125億円 | -135億円 | 2.0億円 | -10.5億円 |
| FY2022/3 | 193億円 | -77.0億円 | -1.5億円 | 116億円 |
| FY2023/3 | 1,108億円 | -115億円 | -613億円 | 993億円 |
| FY2024/3 | 111億円 | -202億円 | -88.9億円 | -91.1億円 |
| FY2025/3 | 468億円 | -212億円 | -150億円 | 256億円 |
キャッシュフローは年度によって大きく変動するのがエンジニアリング業界の特徴です。FY2023/3期には営業CFが1,107億円と突出した水準を記録しましたが、これは大型案件の入金タイミングが集中したためです。FY2025/3期は営業CF467億円と安定し、FCFも255億円のプラスを確保しています。投資CFは毎期100〜200億円程度の設備投資・研究開発投資が継続されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 255億円 | 204億円 | 79.8% |
| FY2022/3 | 300億円 | 656億円 | 218.4% |
| FY2023/3 | 506億円 | 199億円 | 39.3% |
| FY2024/3 | 3.6億円 | 81.9億円 | 2287.2% |
| FY2025/3 | 113億円 | 117億円 | 103.5% |
実効税率は年度によって大きく変動しています。FY2022/3期は海外子会社の損失処理に伴い218.4%と異常値を記録し、FY2024/3期も税引前利益が僅少のため2,287%と極端な数値になりました。FY2026/3期の会社予想では実効税率28.6%と法定税率に近い正常水準への回帰が見込まれており、業績正常化に伴う税負担の安定化が期待されます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 931万円 | 8,365人 | - |
平均年収は約931万円で、エンジニアリング業界の中でも高水準です。連結従業員数は約8,365名で、専門性の高い技術者が多い構成となっています。平均年齢43.7歳は業界標準的な水準です。グローバルに事業展開しているため、海外駐在手当等を含めると実質的な報酬水準はさらに高くなります。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は日揮商事・公益財団法人日揮・実吉奨学会基本財産口。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(18.3%)で、機関投資家の信託口が上位を占める典型的な構成です。第3位に日揮商事(5.0%)、第4位に公益財団法人日揮・実吉奨学会(3.5%)と創業家関連の安定株主が入っており、創業家の影響力が一定程度維持されています。外国法人等の保有比率は27.5%と高く、グローバル投資家からの注目度も高い銘柄です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 総合エンジニアリング事業(海外) | 5,100億円 | -250億円 | -4.9% |
| 総合エンジニアリング事業(国内) | 1,800億円 | 80億円 | 4.4% |
| 機能材製造事業 | 650億円 | 90億円 | 13.8% |
| その他(コンサルティング等) | 300億円 | 30億円 | 10.0% |
海外の総合エンジニアリング事業が売上高の約6割を占める主力セグメントですが、大型LNG案件の採算悪化により赤字が継続しています。一方、機能材製造事業は利益率13.8%と高収益で、グループの利益を下支えしています。国内エンジニアリングも医薬品工場やSAF関連施設で安定した受注を確保しており、セグメント間の収益バランス改善が今後の課題です。
この会社のガバナンスは?
取締役会は13名で構成され、女性役員比率は15.0%です。連結子会社は31社で、海外拠点を含むグローバルなグループ体制を構築しています。設備投資は年間154億円で、研究開発やSAF関連の新規投資が含まれます。平均勤続年数12.3年は、専門性の高いエンジニアが長期的にキャリアを積む企業文化を反映しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 8,300億円 | — | 8,580億円 | +3.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 260億円 | — | -114億円 | 赤字転落 |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026 | 220億円 | 380億円 | — | +72.7%(上方修正) |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画「BSP2025」ではFY2026/3期に売上高8,000億円・営業利益600億円を掲げましたが、海外大型LNGプロジェクトの採算悪化により利益目標は大幅に未達の見通しです。一方、FY2025/3期第3四半期累計の経常利益は426億円と前年同期比272倍に急回復しており、利益率の改善は着実に進行しています。受注残も堅調で、次期中期計画への橋渡しとなる成果は出始めています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
FY2020を起点とした累積TSR(株主総利回り)は152.2%とTOPIXの213.4%を大幅に下回り、市場平均をアンダーパフォームしています。FY2023までは196.5%とTOPIXを上回っていましたが、FY2024/3期以降の業績悪化により株価が下落し、逆転されました。今後はLNG案件の利益率改善と新規受注の拡大により、TSRの回復が期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 157.6万円 | +57.6万円 | 57.6% |
| FY2022 | 171.8万円 | +71.8万円 | 71.8% |
| FY2023 | 196.5万円 | +96.5万円 | 96.5% |
| FY2024 | 183.8万円 | +83.8万円 | 83.8% |
| FY2025 | 152.2万円 | +52.2万円 | 52.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERが34.4倍と建設業平均(15.4倍)を大幅に上回っており、エネルギー転換関連銘柄としての成長期待がプレミアムとして織り込まれています。信用倍率は23.19倍と買い残が大幅に超過しており、個人投資家の買い意欲が強い状況です。配当利回り1.87%は業界平均を下回りますが、業績回復に伴う増配余地が注目されています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3期の通期経常利益を16%上方修正。第3四半期累計の経常利益は前年同期比272倍の426億円と大幅改善し、利益率の回復が鮮明になった。
通期の経常利益予想を220億円から380億円に増額修正。海外プラント案件の採算改善が寄与し、黒字転換への道筋が明確になった。
大手証券が投資判断を「買い」に引き上げ。LNG案件の受注回復と利益率改善への期待が評価され、株価は年初来高値を更新した。
博多駅の屋根上にペロブスカイト太陽電池を設置するプロジェクトが話題に。次世代エネルギー分野での技術力をアピールした。
独Exyteと東南アジアの半導体・データセンター施設向けEPC事業の共同ブランド「Nixyte」を立ち上げ。先端技術産業への展開を加速。
最新ニュース
日揮ホールディングス まとめ
ひとめ診断
「総合エンジニアリング国内首位、LNG・エネルギー転換で世界と勝負する日揮グループの持株会社」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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