(株)巴コーポレーション
TOMOE CORPORATION
最終更新日: 2026年3月24日
柱のない大空間を生み出す鉄構技術のパイオニア。100年超の歴史で日本のインフラを支える
鉄構技術のパイオニアとして、社会インフラの構築を通じ豊かな社会の実現に貢献する
この会社ってなに?
大型商業施設や体育館のドーム屋根、空港のターミナルビル、送電鉄塔など、私たちの暮らしを支えるインフラに巴コーポレーションの技術が使われています。東京オリンピック関連施設にも携わり、柱のない広い空間を作る「大スパン構造」では国内トップクラスの実績を誇ります。
巴コーポレーションは1917年創業、1934年設立の老舗建設会社で、大空間・無柱建築技術と電力鉄塔に強みを持ちます。FY2025/3は売上高347億円(前年比+4.0%)、営業利益39億円と堅調な業績を維持。特別利益の計上によりFY2025/3の純利益は148億円と急増しました。PER 35.2倍・PBR 1.19倍で、アクティビスト(Hibiki Path Advisors)からの株主提案を受けるなど、資本政策が注目されています。4期連続増配中で、無借金経営から不動産投資への転換期にあります。
会社概要
- 業種
- 建設業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都中央区勝どき4-6-2
- 公式
- www.tomoe-corporation.co.jp
社長プロフィール
巴コーポレーションは1917年の創業以来、鉄構建設のパイオニアとして社会インフラの構築に貢献してまいりました。大空間構造建築や送電鉄塔で培った高度な技術力を活かし、安全・安心な社会の実現に向けて挑戦を続けてまいります。
この会社のストーリー
東京で巴組鉄工所として創業。鉄構造物の製作・施工を開始し、日本の近代化を支えた。
株式会社巴組鐵工所として法人化。組織的な経営体制を整え、大型案件への対応力を強化。
東京証券取引所第二部に上場。資本市場からの資金調達により事業規模を拡大。
体育館・空港・ドームなど無柱大空間建築の実績を積み重ね、業界での地位を確立。
大型不動産投資を実施し、建設事業と不動産事業の二本柱による収益基盤の多角化に着手。
Hibiki Path Advisorsからの株主提案を受け、資本政策の見直しと株主還元強化に取り組む新たなフェーズに。
注目ポイント
体育館・空港・ドームなど、柱のない広大な空間を作る技術で国内トップクラス。100年超の歴史に裏打ちされた高度な設計力と施工実績が強みです。
5年間のTSRは382%とTOPIXの約1.8倍。不動産投資戦略への転換とアクティビストの参入が株価上昇を牽引しています。
かつての無借金経営から不動産投資に積極転換。安定した建設事業のキャッシュフローを活かし、新たな収益源の構築に挑んでいます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 7円 | 13.1% |
| FY2017/3 | 8円 | 12.5% |
| FY2018/3 | 8円 | 10.8% |
| FY2019/3 | 10円 | 12.8% |
| FY2020/3 | 10円 | 19.6% |
| FY2021/3 | 8円 | 18.9% |
| FY2022/3 | 12円 | 17.2% |
| FY2023/3 | 14円 | 17.5% |
| FY2024/3 | 16円 | 23.1% |
| FY2025/3 | 24円 | 6.4% |
株主優待制度はありません。
配当金はFY2021/3の8円からFY2025/3の24円へと4期連続で増配を実施しています。FY2026/3も24円を予想し、配当維持の方針です。配当利回りは1.20%と建設業界では標準的な水準ですが、アクティビストからの株主還元強化要請を受け、今後の増配や自己株式取得の拡大が期待されます。
同業比較(収益性)
建設業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
巴コーポレーションの業績は、鉄構建設事業を中心に安定した収益基盤を持ちます。FY2023/3には売上高360億円と大型案件の完工により過去最高水準に到達。FY2025/3の純利益148億円は不動産関連の特別利益によるもので、本業の営業利益は39億円と堅調です。FY2026/3は売上高320億円・営業利益30億円と保守的な予想を発表しています。
事業ごとの売上・利益
大空間構造建築(体育館・空港・ドーム等)、送電鉄塔、橋梁、一般鉄骨の設計・製作・施工。売上構成比88%を占める主力セグメント。無柱建築技術で国内トップクラス。
不動産の賃貸・管理。近年は大型不動産投資を進め、安定収益基盤を拡大中。FY2025/3には特別利益を計上し純利益を大幅に押し上げた。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.9% | 3.3% | - |
| FY2022/3 | 7.2% | 5.3% | - |
| FY2023/3 | 7.8% | 5.6% | - |
| FY2024/3 | 5.5% | 3.6% | 9.5% |
| FY2025/3 | 6.3% | 12.7% | 11.3% |
営業利益率は8〜14%の範囲で推移しており、建設業界の中では高い収益性を維持しています。FY2025/3のROE 20.4%は特別利益の計上による一時的な上振れですが、本業ベースでも安定した利益体質です。FY2022/3の営業利益率13.8%は大型案件の高採算が寄与しました。
財務は安全?
FY2023/3までは実質無借金経営でしたが、FY2024/3以降は不動産投資に伴い有利子負債が増加しています。総資産はFY2021/3の510億円からFY2025/3に1,165億円へ倍増。自己資本比率は53.5%と低下しましたが、依然として健全な財務基盤を維持しています。BPSは1,690円と着実に成長しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 34.3億円 | -16.7億円 | 12.2億円 | 17.7億円 |
| FY2022/3 | 6.4億円 | -46.7億円 | -10.1億円 | -40.3億円 |
| FY2023/3 | 4.4億円 | -14.3億円 | 1.8億円 | -9.9億円 |
| FY2024/3 | 22.0億円 | -39.5億円 | 79.1億円 | -17.5億円 |
| FY2025/3 | 49.8億円 | -45.0億円 | 8.5億円 | 4.8億円 |
営業キャッシュフローはFY2025/3に50億円と大幅に改善しました。投資キャッシュフローのマイナスは不動産投資を中心とした成長投資を反映しています。FY2024/3の財務CF+79億円は不動産取得のための借入金調達によるものです。FY2025/3にはFCFがプラスに転じ、投資回収フェーズに入りつつあります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 24.1億円 | 7.3億円 | 30.3% |
| FY2022/3 | 39.3億円 | 11.8億円 | 29.9% |
| FY2023/3 | 43.1億円 | 11.4億円 | 26.4% |
| FY2024/3 | 38.2億円 | 10.3億円 | 27.1% |
| FY2025/3 | 47.2億円 | 0円 | 0.0% |
FY2021〜2024は実効税率26〜30%と標準的な水準で推移しています。FY2025/3の実効税率0%は不動産関連の特別利益に伴う税務上の処理によるもので、一時的な要因です。FY2026/3は通常水準の30%に戻る見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 685万円 | 531人 | - |
従業員の平均年収は685万円で、建設業界の中堅企業として標準的な給与水準です。従業員数は531名と少数精鋭の体制で、専門性の高い鉄構建設技術者を擁しています。平均年齢41.3歳、平均勤続年数13.7年と定着率も良好です。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は公益財団法人野澤一郎育英会・野澤・三井住友銀行。
筆頭株主は創業家関連の公益財団法人野澤一郎育英会(6.56%)で、同じく創業家系の株式会社野澤(5.52%)と合わせて12%超を保有。三井住友銀行・住友不動産・三菱UFJ銀行・みずほ銀行など金融機関と事業法人が上位を占める安定的な株主構成です。アクティビストのHibiki Path Advisorsが大量保有報告を提出しており、資本政策への影響が注目されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 鉄構建設事業 | 305億円 | 34.5億円 | 11.3% |
| 不動産事業 | 42億円 | 4.8億円 | 11.4% |
鉄構建設事業が売上の約88%を占める主力セグメントで、体育館・空港・ドームなど大空間構造建築と送電鉄塔に強みがあります。不動産事業は安定収益源として成長中で、FY2024/3以降は積極的な不動産投資により事業規模を拡大しています。両セグメントとも11%前後の高い利益率を確保しています。
この会社のガバナンスは?
取締役7名全員が男性で、女性役員の登用が課題です。5社の連結子会社を擁し、鉄構建設を中核としたグループ経営を展開。設備投資は25.5億円と積極的な投資姿勢を見せています。平均勤続年数13.7年と技術者の定着率が高く、専門技術の継承が図られています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 320億円 | — | 347億円 | +8.3% |
| FY2024 | 290億円 | — | 333億円 | +15.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
巴コーポレーションは第3期中計『TOMOE BUILD up 5』のもと、完工高350億円・営業利益42億円を目標に掲げています。FY2025実績は完工高347億円・営業利益39億円と目標に接近。2025年5月に中計を修正し、営業利益目標を40億円から42億円に上方修正するなど、計画の上振れが期待されます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
巴コーポレーションのTSRは5年間で382.2%と、TOPIXの213.4%を大幅に上回るパフォーマンスを達成しています。特にFY2024〜FY2025にかけて株価が急騰し、不動産投資戦略の評価とアクティビスト参入による企業価値向上期待が反映されています。配当を含む株主総利回りは市場平均の約1.8倍に達しました。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 123.2万円 | +23.2万円 | 23.2% |
| FY2022 | 152.4万円 | +52.4万円 | 52.4% |
| FY2023 | 140.4万円 | +40.4万円 | 40.4% |
| FY2024 | 237.7万円 | +137.7万円 | 137.7% |
| FY2025 | 382.2万円 | +282.2万円 | 282.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
巴コーポレーションのPERは35.2倍と建設業界平均(15.4倍)を大幅に上回っていますが、これはFY2025/3の特別利益による一時的な純利益急増の反動でFY2026/3予想EPSが低下しているためです。PBR 1.19倍は業界平均並みで、不動産投資による資産拡大が反映されています。配当利回り1.20%は業界平均を下回りますが、アクティビストの圧力により株主還元の拡充が期待されます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
配当予想を修正し、特別配当を含む株主還元策を発表。アクティビストの要求に一部対応。
自己株式のToSTNeT-3による取得を完了。資本効率の改善と株主還元を強化。
Hibiki Path Advisorsが中計の抜本的見直しと特別配当を提案。経営陣に資本政策の改善を要求。
最新ニュース
(株)巴コーポレーション まとめ
ひとめ診断
「大空間構造建築の先駆者。体育館・空港・ドームを支える鉄構技術のスペシャリスト」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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