(株)錢高組
THE ZENITAKA CORPORATION
最終更新日: 2026年3月24日
創業300年超の橋梁の匠。堅実経営と技術力で社会インフラを支え続ける老舗ゼネコン
大地への愛 人間への愛 — 選ばれ続ける企業へ
この会社ってなに?
街で見かけるマンションやオフィスビル、道路を跨ぐ橋梁。錢高組はこうした社会インフラの建設を手がけています。特に橋梁(はし)の建設技術には定評があり、独自の免震構法も開発。大阪を中心に全国各地の建物・橋・トンネルなどを建設し、私たちの安全な暮らしを支えています。アサヒグループの研究施設や大型商業施設なども施工実績に含まれます。
錢高組は1705年に創業し、300年以上の歴史を持つ関西本拠の中堅ゼネコンです。官民比率は約3対7で、建築・土木の両分野で幅広い実績を有します。2025年3月期は売上高1,207億円、営業利益37億円と堅実な業績を維持。無借金経営から戦略的投資へと舵を切り、第14次中期経営計画(2025〜2027年度)では「選ばれ続ける企業」を目指しています。PBR 0.61倍と割安水準にあり、株価は52週安値3,165円から2.6倍に上昇しています。
会社概要
- 業種
- 建設業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪市西区西本町二丁目2番4号
- 公式
- www.zenitaka.co.jp
社長プロフィール
大地への愛、人間への愛。錢高組は300年以上にわたり、社会基盤の構築を通じて人々の暮らしと安全を守ってきました。これからも堅実経営を基盤に、持続可能な社会インフラの実現に貢献してまいります。
この会社のストーリー
初代・錢高善吉が大坂で建設業を創業。300年以上の歴史が始まった。
明治期に錢高組として組織化。近代建築の黎明期から大阪のまちづくりに貢献した。
株式会社錢高組として改組し、東京証券取引所に上場。全国展開を加速させた。
独自の錢高組免震構法を開発。地震大国・日本の建物の安全性向上に貢献する技術革新。
リニア中央新幹線の関連工事を受注し、日本の次世代インフラ整備に参画。株価はストップ高に。
「選ばれ続ける企業になる」を基本方針に掲げ、業務品質向上と持続可能な社会基盤の構築を推進。
注目ポイント
1705年創業の歴史ある建設会社。橋梁技術と免震構法に定評があり、社会インフラの構築で300年以上の信頼を積み重ねています。
BPS 13,526円に対して株価8,300円とPBR 0.61倍。純資産価値を大幅に下回る水準で、PBR改善に向けた株主還元強化が期待されます。
筆頭株主の泉株式会社を中心に安定株主比率71.8%。創業家主導の堅実経営で、長期的な企業価値向上を目指しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 6円 | 14.7% |
| FY2017/3 | 5円 | 8.3% |
| FY2018/3 | 100円 | 12.4% |
| FY2019/3 | 100円 | 16.5% |
| FY2020/3 | 100円 | 16.1% |
| FY2021/3 | 100円 | 22.2% |
| FY2022/3 | 80円 | 31.6% |
| FY2023/3 | 80円 | 25.5% |
| FY2024/3 | 100円 | 26.2% |
| FY2025/3 | 120円 | 24.5% |
株主優待制度はありません。
配当はFY2022〜2023に80円へ減配しましたが、業績回復に伴いFY2025/3には120円へ増配し、3期連続の増配を実現しています。配当性向は20〜30%台と余裕があり、BPS 13,526円に対して株価8,300円と純資産価値を大きく下回る水準にあるため、今後の株主還元強化が期待されます。
同業比較(収益性)
建設業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
錢高組の業績は、建設投資の回復と工事採算の改善により、FY2025/3で売上高1,207億円・純利益35億円と堅調に推移しています。FY2022〜2023は資材価格高騰や競争激化で営業利益が圧迫されましたが、FY2024以降は受注環境の改善で回復基調にあります。FY2026/3予想は売上高1,251億円と増収ですが、営業利益は工事進捗のタイミングにより一時的に減益を見込んでいます。
事業ごとの売上・利益
マンション・オフィスビル・商業施設等の建築工事。民間工事が中心で、売上構成比約67%を占める最大セグメント。
道路・橋梁・トンネル等のインフラ工事。官公庁工事が中心で、独自の橋梁技術や免震構法に強みを持つ。売上構成比約32%。
不動産賃貸・管理等。売上規模は小さいが利益率は高い。売上構成比約1%。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.6% | 2.1% | - |
| FY2022/3 | 2.6% | 1.2% | - |
| FY2023/3 | 2.4% | 1.4% | - |
| FY2024/3 | 3.7% | 1.3% | 2.7% |
| FY2025/3 | 3.8% | 1.7% | 3.1% |
営業利益率は1.4%〜4.4%の範囲で推移しており、FY2025/3には3.1%まで回復しています。建設業界は薄利多売型のビジネスモデルですが、錢高組は工事採算の改善と受注選別の強化により収益性を着実に向上させています。ROEは3.6%と業界平均並みですが、PBR 0.61倍の割安さを考慮すると改善余地があります。
財務は安全?
錢高組はFY2023/3まで実質無借金経営を維持していましたが、FY2024/3に事業拡大のため有利子負債874億円を計上しました。FY2025/3には772億円に減少しており、返済は順調に進んでいます。自己資本比率は46.8%と依然として高水準で、BPSは13,526円と株価8,300円を大幅に上回る純資産価値の厚さが特徴です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 213億円 | -7.2億円 | -9.5億円 | 205億円 |
| FY2022/3 | -137億円 | -14.1億円 | -3.9億円 | -151億円 |
| FY2023/3 | -29.1億円 | -130億円 | -7.0億円 | -159億円 |
| FY2024/3 | -224億円 | 26.7億円 | 193億円 | -197億円 |
| FY2025/3 | -77.3億円 | -2,600万円 | 26.6億円 | -77.5億円 |
営業キャッシュフローはFY2022以降マイナスが続いていますが、これは大型工事の進捗に伴う運転資金の変動(工事未収入金の増加等)によるものです。建設業は工事代金の回収タイミングにより営業CFが大きく変動する特性があります。FY2024/3の財務CFは193億円と大幅プラスですが、事業拡大に向けた資金調達を反映しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 56.4億円 | 24.2億円 | 42.9% |
| FY2022/3 | 34.3億円 | 16.1億円 | 47.1% |
| FY2023/3 | 28.7億円 | 6.3億円 | 21.9% |
| FY2024/3 | 49.9億円 | 22.5億円 | 45.1% |
| FY2025/3 | 51.0億円 | 15.9億円 | 31.3% |
税引前利益はFY2025/3に51億円と堅調に推移しています。実効税率は21〜47%と年度により幅がありますが、これは工事完成基準による利益計上のタイミングや税務調整の影響を受けています。FY2026/3予想では実効税率14.9%と低めですが、税効果会計の影響によるものです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 860万円 | 907人 | - |
従業員の平均年収は860万円と、建設業界の中では高水準の給与を提供しています。平均年齢39.6歳と比較的若い組織構成で、907名の従業員が在籍しています。「選ばれ続ける企業」を目指す第14次中期経営計画のもと、優秀な人材の確保・育成に注力しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は泉・大泉商事・三菱UFJ銀行。
筆頭株主は泉株式会社(35.46%)で、大泉商事(13.01%)と合わせて創業家関連企業が約半数を保有する安定した株主構成です。高德会(2.3%)は従業員持株会に相当し、泉エンジニヤリング(1.65%)もグループ企業です。三菱UFJ銀行・三井住友銀行など主要取引先銀行も上位に名を連ね、安定株主比率71.8%と極めて高い水準を維持しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 建築事業 | 807億円 | 24.5億円 | 3.0% |
| 土木事業 | 383億円 | 12.0億円 | 3.1% |
| 不動産事業等 | 17億円 | 1.2億円 | 7.1% |
建築事業が売上の約67%を占める最大セグメントで、土木事業(約32%)が続きます。建築事業はマンション・オフィスビル等の民間工事が中心で、土木事業は橋梁・トンネル等の公共インフラ工事に強みを持ちます。不動産事業は規模は小さいものの利益率7.1%と高収益です。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役10名全員が男性で、女性役員の登用が今後の課題です。連結子会社5社とコンパクトなグループ経営を行っており、平均勤続年数13.7年と安定した人材の定着が見られます。第14次中期経営計画では「優秀な人材の育成」を重点課題に掲げています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,214億円 | — | 1,207億円 | -0.6% |
| FY2024 | 1,220億円 | — | 1,210億円 | -0.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
錢高組は第14次中期経営計画(2025〜2027年度)のもと、「選ばれ続ける企業になる」を基本方針に掲げています。業務の品質向上を施策の柱とし、施工管理の強化と持続可能な社会基盤の構築を目指しています。FY2025実績は売上高1,207億円と目標1,300億円の93%に到達しており、最終年度での目標達成に向けて着実に進捗しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
錢高組のTSRは5年間で132.7%とプラスリターンを実現していますが、TOPIX(213.4%)を下回るパフォーマンスとなっています。ただし、直近1年では株価が約2倍に急騰しており、PBR改善期待や建設セクターへの資金流入が追い風です。中期経営計画の目標達成とROE改善が、今後のTSR向上の鍵となるでしょう。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 160.9万円 | +60.9万円 | 60.9% |
| FY2022 | 132.3万円 | +32.3万円 | 32.3% |
| FY2023 | 99.0万円 | -1.0万円 | -1.0% |
| FY2024 | 143.6万円 | +43.6万円 | 43.6% |
| FY2025 | 132.7万円 | +32.7万円 | 32.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
錢高組のPERは37.2倍と業界平均(12.5倍)を大幅に上回っていますが、これはFY2026/3の一時的な減益予想を反映したものです。一方、PBRは0.61倍と業界平均を下回る割安水準にあり、BPS 13,526円に対して株価8,300円と純資産価値の約6割で取引されています。信用倍率1.07倍と売り買いが拮抗しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
常務役員・執行役員の新体制を発表。大阪支社長など主要ポストの人事異動を実施。
通期業績予想を上方修正。経常利益を一転12%増益に修正し、工事採算の改善が寄与。
第14次中期経営計画(2025〜2027年度)を策定。「選ばれ続ける企業になる」を基本方針に掲げる。
最新ニュース
(株)錢高組 まとめ
ひとめ診断
「創業300年超の老舗ゼネコン。橋梁技術と堅実経営で信頼を築くスタンダード企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「建設業」に分類される他の企業
LIXILグループの住宅メーカー。戸建・マンション・賃貸住宅で近畿を中心に展開するスタンダード企業
脱請負を掲げM&Aで急拡大、総合インフラサービス企業への転身を図る建設持株会社
長野と東京の2拠点体制で地域密着。高品質なものづくりに徹する技術志向の中堅ゼネコン
名鉄グループの中核ゼネコン。東海圏で圧倒的な地盤を持ち、不動産開発にも強みを持つプライム企業
北陸電力グループの中核。電気設備工事で地域インフラを支えるプライム企業
準大手ゼネコンの名門、病院・学校建築に強みを持ち浮体式洋上風力発電で新領域を開拓中
戸建住宅の老舗から、データセンターと物流施設を牽引する巨大インフラ企業への鮮やかな転換
ダム・トンネルの古豪ゼネコンが、リニア特需とDX投資で未来を掘削中