創業ストーリー
初代・錢高善吉が大坂で建設業を創業。300年以上の歴史が始まった。
明治期に錢高組として組織化。近代建築の黎明期から大阪のまちづくりに貢献した。
株式会社錢高組として改組し、東京証券取引所に上場。全国展開を加速させた。
独自の錢高組免震構法を開発。地震大国・日本の建物の安全性向上に貢献する技術革新。
リニア中央新幹線の関連工事を受注し、日本の次世代インフラ整備に参画。株価はストップ高に。
「選ばれ続ける企業になる」を基本方針に掲げ、業務品質向上と持続可能な社会基盤の構築を推進。
THE ZENITAKA CORPORATION
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
街で見かけるマンションやオフィスビル、道路を跨ぐ橋梁。錢高組はこうした社会インフラの建設を手がけています。特に橋梁(はし)の建設技術には定評があり、独自の免震構法も開発。大阪を中心に全国各地の建物・橋・トンネルなどを建設し、私たちの安全な暮らしを支えています。アサヒグループの研究施設や大型商業施設なども施工実績に含まれます。
錢高組は1705年に創業し、300年以上の歴史を持つ関西本拠の中堅ゼネコンです。官民比率は約3対7で、建築・土木の両分野で幅広い実績を有します。2025年3月期は売上高1,207億円、営業利益37億円と堅実な業績を維持。無借金経営から戦略的投資へと舵を切り、第14次中期経営計画(2025〜2027年度)では「選ばれ続ける企業」を目指しています。PBR 0.61倍と割安水準にあり、株価は52週安値3,165円から2.6倍に上昇しています。
1705年創業の歴史ある建設会社。橋梁技術と免震構法に定評があり、社会インフラの構築で300年以上の信頼を積み重ねています。
BPS 13,526円に対して株価8,300円とPBR 0.61倍。純資産価値を大幅に下回る水準で、PBR改善に向けた株主還元強化が期待されます。
筆頭株主の泉株式会社を中心に安定株主比率71.8%。創業家主導の堅実経営で、長期的な企業価値向上を目指しています。
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
マンション・オフィスビル・商業施設等の建築工事。民間工事が中心で、売上構成比約67%を占める最大セグメント。
道路・橋梁・トンネル等のインフラ工事。官公庁工事が中心で、独自の橋梁技術や免震構法に強みを持つ。売上構成比約32%。
不動産賃貸・管理等。売上規模は小さいが利益率は高い。売上構成比約1%。
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 4.3% | 2.1% | - |
| 2022/03期 | 2.4% | 1.2% | - |
| 2023/03期 | 2.9% | 1.4% | - |
| 2024/03期 | 3.2% | 1.5% | 2.7% |
| 2025/03期 | 3.7% | 1.7% | 3.1% |
| 3Q FY2026/3 | 4.8%(累計) | 1.4%(累計) | 3.7% |
営業利益率は1.4%〜4.4%の範囲で推移しており、2025/03期には3.1%まで回復しています。建設業界は薄利多売型のビジネスモデルですが、錢高組は工事採算の改善と受注選別の強化により収益性を着実に向上させています。ROEは3.6%と業界平均並みですが、PBR 0.61倍の割安さを考慮すると改善余地があります。
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1,058億円 | — | 32.2億円 | 449.5円 | - |
| 2022/03期 | 1,019億円 | — | 18.1億円 | 253.0円 | -3.7% |
| 2023/03期 | 1,076億円 | — | 22.4億円 | 313.6円 | +5.6% |
| 2024/03期 | 1,210億円 | 33.2億円 | 27.4億円 | 382.3円 | +12.4% |
| 2025/03期 | 1,207億円 | 37.1億円 | 35.0億円 | 489.4円 | -0.3% |
錢高組の業績は、建設投資の回復と工事採算の改善により、2025/03期で売上高1,207億円・純利益35億円と堅調に推移しています。2022期〜2023は資材価格高騰や競争激化で営業利益が圧迫されましたが、2024期以降は受注環境の改善で回復基調にあります。2026/03期予想は売上高1,251億円と増収ですが、営業利益は工事進捗のタイミングにより一時的に減益を見込んでいます。 【3Q 2026/03期実績】売上927億円(通期予想比74%)、営業利益35億円(同185%)、純利益30億円(同185%)。営業利益は既に通期予想を超過しており、上振れの可能性が高い。
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
建設業の同業他社平均と比べると…
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 建築事業 | 807億円 | 24.5億円 | 3.0% |
| 土木事業 | 383億円 | 12.0億円 | 3.1% |
| 不動産事業等 | 17億円 | 1.2億円 | 7.1% |
建築事業が売上の約67%を占める最大セグメントで、土木事業(約32%)が続きます。建築事業はマンション・オフィスビル等の民間工事が中心で、土木事業は橋梁・トンネル等の公共インフラ工事に強みを持ちます。不動産事業は規模は小さいものの利益率7.1%と高収益です。
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 1,214億円 | — | 1,207億円 | -0.6% |
| 2024期 | 1,220億円 | — | 1,210億円 | -0.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
錢高組は第14次中期経営計画(2025〜2027年度)のもと、「選ばれ続ける企業になる」を基本方針に掲げています。業務の品質向上を施策の柱とし、施工管理の強化と持続可能な社会基盤の構築を目指しています。2025期実績は売上高1,207億円と目標1,300億円の93%に到達しており、最終年度での目標達成に向けて着実に進捗しています。
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
初代・錢高善吉が大坂で建設業を創業。300年以上の歴史が始まった。
明治期に錢高組として組織化。近代建築の黎明期から大阪のまちづくりに貢献した。
株式会社錢高組として改組し、東京証券取引所に上場。全国展開を加速させた。
独自の錢高組免震構法を開発。地震大国・日本の建物の安全性向上に貢献する技術革新。
リニア中央新幹線の関連工事を受注し、日本の次世代インフラ整備に参画。株価はストップ高に。
「選ばれ続ける企業になる」を基本方針に掲げ、業務品質向上と持続可能な社会基盤の構築を推進。
常務役員・執行役員の新体制を発表。大阪支社長など主要ポストの人事異動を実施。
通期業績予想を上方修正。経常利益を一転12%増益に修正し、工事採算の改善が寄与。
第14次中期経営計画(2025〜2027年度)を策定。「選ばれ続ける企業になる」を基本方針に掲げる。
大地への愛、人間への愛。錢高組は300年以上にわたり、社会基盤の構築を通じて人々の暮らしと安全を守ってきました。これからも堅実経営を基盤に、持続可能な社会インフラの実現に貢献してまいります。
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
錢高組は2023/03期まで実質無借金経営を維持していましたが、2024/03期に事業拡大のため有利子負債874億円を計上しました。2025/03期には772億円に減少しており、返済は順調に進んでいます。自己資本比率は46.8%と依然として高水準で、BPSは13,526円と株価8,300円を大幅に上回る純資産価値の厚さが特徴です。 【3Q 2026/03期】総資産2139億円、純資産1105億円、自己資本比率29.5%、有利子負債333億円。
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 213億円 | 7.2億円 | 9.5億円 | 205億円 |
| 2022/03期 | 137億円 | 14.1億円 | 3.9億円 | 151億円 |
| 2023/03期 | 29.1億円 | 130億円 | 7.0億円 | 159億円 |
| 2024/03期 | 224億円 | 26.7億円 | 193億円 | 197億円 |
| 2025/03期 | 77.3億円 | 2,600万円 | 26.6億円 | 77.5億円 |
営業キャッシュフローは2022期以降マイナスが続いていますが、これは大型工事の進捗に伴う運転資金の変動(工事未収入金の増加等)によるものです。建設業は工事代金の回収タイミングにより営業CFが大きく変動する特性があります。2024/03期の財務CFは193億円と大幅プラスですが、事業拡大に向けた資金調達を反映しています。
取締役・監査役10名全員が男性で、女性役員の登用が今後の課題です。連結子会社5社とコンパクトなグループ経営を行っており、平均勤続年数13.7年と安定した人材の定着が見られます。第14次中期経営計画では「優秀な人材の育成」を重点課題に掲げています。
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 860万円 | 907人 | - |
従業員の平均年収は860万円と、建設業界の中では高水準の給与を提供しています。平均年齢39.6歳と比較的若い組織構成で、907名の従業員が在籍しています。「選ばれ続ける企業」を目指す第14次中期経営計画のもと、優秀な人材の確保・育成に注力しています。
リターン・配当・市場データを確認
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
錢高組のTSRは5年間で132.7%とプラスリターンを実現していますが、TOPIX(213.4%)を下回るパフォーマンスとなっています。ただし、直近1年では株価が約2倍に急騰しており、PBR改善期待や建設セクターへの資金流入が追い風です。中期経営計画の目標達成とROE改善が、今後のTSR向上の鍵となるでしょう。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 6円 | 14.7% |
| 2017/03期 | 5円 | 8.3% |
| 2018/03期 | 100円 | 12.4% |
| 2019/03期 | 100円 | 16.5% |
| 2020/03期 | 100円 | 16.1% |
| 2021/03期 | 100円 | 22.2% |
| 2022/03期 | 80円 | 31.6% |
| 2023/03期 | 80円 | 25.5% |
| 2024/03期 | 100円 | 26.2% |
| 2025/03期 | 120円 | 24.5% |
株主優待制度はありません。
配当は2022期〜2023に80円へ減配しましたが、業績回復に伴い2025/03期には120円へ増配し、3期連続の増配を実現しています。配当性向は20〜30%台と余裕があり、BPS 13,526円に対して株価8,300円と純資産価値を大きく下回る水準にあるため、今後の株主還元強化が期待されます。
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 160.9万円 | 60.9万円 | 60.9% |
| 2022期 | 132.3万円 | 32.3万円 | 32.3% |
| 2023期 | 99.0万円 | 1.0万円 | -1.0% |
| 2024期 | 143.6万円 | 43.6万円 | 43.6% |
| 2025期 | 132.7万円 | 32.7万円 | 32.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
錢高組のPERは37.2倍と業界平均(12.5倍)を大幅に上回っていますが、これは2026/03期の一時的な減益予想を反映したものです。一方、PBRは0.61倍と業界平均を下回る割安水準にあり、BPS 13,526円に対して株価8,300円と純資産価値の約6割で取引されています。信用倍率1.07倍と売り買いが拮抗しています。
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 56.4億円 | 24.2億円 | 42.9% |
| 2022/03期 | 34.3億円 | 16.1億円 | 47.1% |
| 2023/03期 | 28.7億円 | 6.3億円 | 21.9% |
| 2024/03期 | 49.9億円 | 22.5億円 | 45.1% |
| 2025/03期 | 51.0億円 | 15.9億円 | 31.3% |
税引前利益は2025/03期に51億円と堅調に推移しています。実効税率は21〜47%と年度により幅がありますが、これは工事完成基準による利益計上のタイミングや税務調整の影響を受けています。2026/03期予想では実効税率14.9%と低めですが、税効果会計の影響によるものです。
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最終更新: 2026/05/22 / データ提供: OSHIKABU