東亜建設工業(株)
TOA CORPORATION
最終更新日: 2026年3月24日
海から国土を築く。1908年創業のマリコンのパイオニアが、日本のインフラと未来を支える
社会の要請に応える人材と事業の成長
この会社ってなに?
普段何気なく利用している港の岸壁や防波堤、空港の滑走路、さらには海底トンネルや人工島。これらの多くに東亜建設工業の技術が使われています。羽田空港D滑走路の建設にも参画した実績があり、災害復旧や海岸保全でも活躍。最近では洋上風力発電の基礎工事にも進出しており、日本のエネルギー転換を支えるインフラ企業です。
東亜建設工業は1908年(明治41年)に鶴見埋立組として創業し、港湾・海洋土木を中核に陸上土木・建築・海外事業を展開する総合建設会社です。2025年3月期は売上高3,305億円(前年比+16.4%)、営業利益206億円と3期連続で過去最高益を更新。2024年3月期に株式4分割を実施し、個人投資家の参入が容易になりました。PER 19.8倍・PBR 2.33倍と市場評価が高まっており、防災・インフラ老朽化対策・洋上風力など成長テーマを多く抱えるマリコンの雄です。
会社概要
- 業種
- 建設業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー31階
- 公式
- www.toa-const.co.jp
社長プロフィール
東亜建設工業は創業以来116年にわたり、海洋土木を通じて日本の国土づくりに貢献してまいりました。港湾・空港・防災インフラの整備を通じて安全で豊かな社会の実現を目指し、洋上風力発電など新たなフィールドにも挑戦を続けます。
この会社のストーリー
安田善次郎・渋沢栄一らとともに鶴見・川崎の埋立事業に着手。港湾から日本を豊かにする夢が始まった。
株式会社東亜築港として設立。本格的な海洋土木会社として港湾建設事業を拡大した。
東京証券取引所に上場。戦後の高度経済成長期に港湾・空港建設で急成長を遂げた。
羽田空港のD滑走路(人工島工法)建設プロジェクトに参画。海洋土木技術の粋を結集した象徴的な実績。
株式を1→4に分割し投資しやすさを向上。売上高2,839億円・営業利益172億円と過去最高益を更新した。
「社会の要請に応える人材と事業の成長」をテーマに新たな3カ年中期経営計画をスタート。洋上風力・防災需要を取り込む。
注目ポイント
港湾・海洋土木では国内トップクラスの実績と技術力を持つマリコン大手。参入障壁が高く、安定した受注基盤が強みです。防災・減災の国家的需要も追い風。
FY2023からFY2025まで3期連続で売上高・利益とも過去最高を更新中。前中計は全目標を大幅超過達成しており、経営の実行力が極めて高い企業です。
洋上風力発電の基礎工事や藻場造成事業など、脱炭素・環境保全分野にも積極進出。日本のエネルギー転換を支える海洋インフラ企業として長期成長が期待されます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 4円 | 13.8% |
| FY2017/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2018/3 | 5.1円 | 23.8% |
| FY2019/3 | 7.7円 | 20.5% |
| FY2020/3 | 12.8円 | 20.5% |
| FY2021/3 | 20.5円 | 22.9% |
| FY2022/3 | 23円 | 23.5% |
| FY2023/3 | 23円 | 40.1% |
| FY2024/3 | 160円 | 125.3% |
| FY2025/3 | 76円 | 40.4% |
株主優待制度はありません。
FY2024/3には記念配当を含む1株160円(分割前換算)の大幅配当を実施しましたが、FY2025/3は株式4分割後のベースで1株76円となりました。FY2026/3は1株92円への増配(予想)を計画しており、配当性向40%以上を目安とする方針のもと、業績成長に連動した株主還元の強化が期待されます。配当利回りは2.94%と建設業界では標準的な水準です。
同業比較(収益性)
建設業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
東亜建設工業の業績は、FY2024/3からFY2025/3にかけて売上高・営業利益ともに過去最高を3期連続で更新しています。海洋土木の旺盛な需要と海外事業の好調が牽引しました。FY2023/3は資材価格高騰の影響で一時的に減益となりましたが、FY2024/3以降は価格転嫁が進み大幅増益に転じています。FY2026/3は売上高3,350億円を予想し、高水準の業績維持が見込まれています。なおFY2024/3に1→4の株式分割を実施したため、EPSは分割後ベースで表示しています。
事業ごとの売上・利益
港湾・海洋土木を中核とする土木事業。防波堤・岸壁・海底トンネルなどの海上土木に強みを持つ。国交省港湾局が主要顧客で、防災・減災需要が追い風。売上構成比約43%を占める最大セグメント。
マンション・オフィスビル・物流施設などの建築工事を手がける。首都圏を中心に再開発案件や物流施設の建設需要を取り込んでいる。売上構成比約31%。
東南アジア・中東・アフリカを中心に港湾・空港建設のODA案件を受注。アンゴラ・ナミベ湾の港湾建設など大型プロジェクトを推進中。売上構成比約26%。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 9.5% | 3.4% | - |
| FY2022/3 | 9.3% | 3.5% | - |
| FY2023/3 | 5.8% | 2.1% | - |
| FY2024/3 | 12.6% | 3.9% | 6.1% |
| FY2025/3 | 15.8% | 5.0% | 6.2% |
営業利益率はFY2023/3の3.1%を底にFY2025/3には6.2%まで改善し、建設業界の中でも高水準の収益性を実現しています。ROEはFY2025/3に13.8%と大幅に向上しており、資本効率の改善が顕著です。海洋土木の専門性による競争優位と、適切な価格転嫁が収益改善の主因です。
財務は安全?
総資産はFY2021/3の約2,042億円からFY2025/3には約2,989億円へ拡大し、事業規模の急成長を反映しています。FY2024/3から有利子負債が大幅に増加していますが、これは大型工事の受注増に伴う資金需要によるもので、自己資本比率は35〜40%台で安定的に推移しています。なおBPSはFY2024/3の株式4分割により分割後ベースとなっています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 14.7億円 | -47.3億円 | -82.5億円 | -32.6億円 |
| FY2022/3 | -26.7億円 | -23.9億円 | 45.5億円 | -50.6億円 |
| FY2023/3 | -139億円 | -25.8億円 | 127億円 | -165億円 |
| FY2024/3 | 394億円 | -26.4億円 | -84.9億円 | 367億円 |
| FY2025/3 | -143億円 | 9,300万円 | -12.5億円 | -142億円 |
営業キャッシュフローは年度によって大きく変動しており、建設業特有の工事進行・完成に伴う運転資金の変動が影響しています。FY2024/3には393億円の大幅な営業CFを計上しましたが、FY2025/3は大型工事の進行に伴い再びマイナスに転じました。建設業では工事代金の回収タイミングにより営業CFが変動しやすい点に留意が必要です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 92.5億円 | 23.9億円 | 25.8% |
| FY2022/3 | 101億円 | 27.5億円 | 27.2% |
| FY2023/3 | 66.1億円 | 17.8億円 | 26.9% |
| FY2024/3 | 166億円 | 61.1億円 | 36.8% |
| FY2025/3 | 201億円 | 51.6億円 | 25.7% |
税引前利益はFY2025/3に201億円と過去最高を記録しました。実効税率はFY2024/3に36.8%と高めでしたが、FY2025/3には25.7%に低下しています。海外事業の利益構成や一時的な税務調整が税率変動の主因です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 975万円 | 2,052人 | - |
従業員の平均年収は975万円と、建設業界の中でも高水準の給与水準を誇ります。平均年齢44歳・平均勤続年数18.3年と定着率が高く、海洋土木という専門性の高い技術を長期にわたり蓄積する人材育成が行われています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は太平洋セメント・明治安田生命保険相互会社・東亜建設工業社員持株会。
筆頭株主は信託銀行(10.76%)で、金融機関と事業法人を中心とした安定的な株主構成です。太平洋セメント(5.2%)が第2位株主として名を連ね、旧浅野財閥系のつながりを反映しています。東亜建設工業鶴株会(3.28%)と社員持株会(3.04%)を合わせると従業員関連で約6.3%を保有しており、経営への参画意識の高さがうかがえます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 国内土木事業 | 1,424億円 | 126億円 | 8.8% |
| 国内建築事業 | 1,024億円 | 52億円 | 5.1% |
| 海外事業 | 857億円 | 38億円 | 4.4% |
国内土木事業が売上の43%・利益の58%を占める最大セグメントで、営業利益率8.8%と高い収益性を誇ります。国内建築事業(31%)は安定収益を確保し、海外事業(26%)がODA案件を中心に成長を牽引しています。港湾土木の専門性を活かした高い参入障壁と安定した受注基盤が東亜建設工業の強みです。
この会社のガバナンスは?
取締役12名中、女性が2名(16.7%)を占めており、社外取締役も含むバランスの取れた構成です。10社の連結子会社を統括し、平均勤続年数18.3年と定着率の高い組織を維持しています。資本的支出は15億円と設備投資にも継続的に取り組んでいます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 3,000億円 | — | 3,305億円 | +10.2% |
| FY2024 | 2,530億円 | — | 2,839億円 | +12.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
東亜建設工業の前中計<2023-2025>は売上高・営業利益・ROEすべてで目標を大幅に超過達成しました。特に営業利益は目標100億円に対し206億円と2倍以上を達成しています。2026年3月に新中計<2026-2028>を策定し、さらなる成長に向けた新たなステージに入っています。業績予想の精度も高く、期初予想を上回る上方修正が常態化しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
東亜建設工業のTSRは5年間で409.4%と、TOPIXの213.4%を大幅にアウトパフォームしています。特にFY2024以降の株価急騰が顕著で、業績の大幅改善と株式分割による投資しやすさの向上が寄与しました。マリコン需要の構造的な拡大と高い利益成長が市場に評価されています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 174.5万円 | +74.5万円 | 74.5% |
| FY2022 | 184.6万円 | +84.6万円 | 84.6% |
| FY2023 | 201.8万円 | +101.8万円 | 101.8% |
| FY2024 | 366.5万円 | +266.5万円 | 266.5% |
| FY2025 | 409.4万円 | +309.4万円 | 309.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
東亜建設工業の株価指標は、PER 19.8倍・PBR 2.33倍と建設業界平均を上回る水準にあり、市場からの成長期待の高さを反映しています。信用倍率は14.60倍と買い残が多く、個人投資家の注目度が高い状況です。配当利回り2.94%は業界平均を上回っています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
中期経営計画<2026-2028>「社会の要請に応える人材と事業の成長」を策定。前中計を大幅に上回る実績を基盤に新たな成長戦略を発表。
FY2026/3の業績予想を上方修正し、配当も増額。経常利益は一転5%増益で過去最高を更新する見通し。
フジトランスとの藻場造成事業コラボレーションを発表。海洋環境保全への取り組みを強化。
最新ニュース
東亜建設工業(株) まとめ
ひとめ診断
「海から国土を築く。1908年創業の海洋土木のパイオニア、マリコン大手のプライム企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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