北野建設(株)
KITANO CONSTRUCTION CORP.
最終更新日: 2026年3月24日
無借金経営の長野発ゼネコン。配当利回り8%超の高配当と創業家の安定株主構成が魅力
顧客からの信頼を第一義に考え、高品質・高付加価値なものづくりに徹し、社会の期待に応え、ともに発展する
この会社ってなに?
長野県内のランドマークとなる建物の多くに北野建設が関わっています。善光寺周辺の建築物、長野オリンピック関連施設、県内の学校や病院など、地域のインフラを支える存在です。東京では銀座・日本橋エリアを中心に商業施設やオフィスビルの建設を手掛けています。また、北野アームスなどのホテル事業も展開しており、旅行や出張で利用する機会があるかもしれません。
北野建設は1946年に長野県で創業した中堅ゼネコンで、長野本社と東京本社の2拠点体制を強みとしています。民間建築を主力に、公共工事やホテル・ゴルフ場事業にも展開。FY2025/3は売上高809億円、営業利益36億円を計上し、自己資本比率61.7%と無借金経営の堅実な財務体質が特徴です。PBR 0.67倍と割安水準にあり、配当利回り8.59%の高配当銘柄として注目されています。
会社概要
- 業種
- 建設業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 長野県長野市県町524
- 公式
- www.kitano.co.jp
社長プロフィール
「品質管理」「安全管理」「コンプライアンス遵守の徹底」を事業活動の3原則とし、顧客からの信頼を第一義に考え、高品質・高付加価値なものづくりに徹してまいります。未来を育てる人がいる。それが北野建設です。
この会社のストーリー
戦後復興期に長野県で北野建設株式会社として設立。地域の建設需要に応え、信頼を積み重ねてきた。
東証に株式を上場。首都圏への進出を本格化し、東京本社を開設。2拠点体制を確立した。
地元開催の冬季オリンピックで関連施設の建設を担当。地域密着ゼネコンとしての存在感を示した。
北野アームスなどのホテル運営、ゴルフ場事業に参入。建設以外の収益源を確保し、経営の安定化を図った。
日立ソリューションズをDX戦略的パートナーに選出。Microsoft 365やBoxの全社導入で業務効率化を推進。
12億円上限の自己株取得を発表。譲渡制限付株式報酬制度の導入など、株主還元とガバナンス強化を同時に推進。
注目ポイント
配当利回り8.59%は市場全体でもトップクラス。配当性向は20%前後と余裕があり、無借金経営の財務体質が安定配当を支えています。
有利子負債ゼロ・自己資本比率61.7%という盤石な財務体質。現金残高約180億円を保有し、不況耐性の高さが際立ちます。PBR 0.67倍の資産価値も魅力。
日立ソリューションズとの連携で建設テックを推進。生成AIによるナレッジ活用やRPA業務自動化を導入し、技術志向の中堅ゼネコンとして進化を続けています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 10円 | 28.7% |
| FY2017/3 | 10円 | 18.7% |
| FY2018/3 | 10円 | 17.6% |
| FY2019/3 | 100円 | 21.1% |
| FY2020/3 | 100円 | 29.1% |
| FY2021/3 | 110円 | 37.8% |
| FY2022/3 | 100円 | 35.6% |
| FY2023/3 | 110円 | 33.6% |
| FY2024/3 | 110円 | 16.3% |
| FY2025/3 | 110円 | 19.6% |
株主優待制度はありません。
1株当たり配当金は100〜110円で安定しており、配当利回り8.59%は市場全体でもトップクラスの高配当です。配当性向は16〜38%と余裕があり、無借金経営と潤沢な現金残高を背景に、安定配当の継続が期待できます。2025年5月には譲渡制限付株式報酬制度を導入し、株主還元の多様化も進めています。
同業比較(収益性)
建設業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
北野建設の業績は、FY2023/3に売上高853億円と大幅増収を達成した後、FY2024〜2025は800億円台で推移しています。営業利益率は3.7%→5.7%→4.5%と変動がありますが、FY2024/3には純利益39億円と過去最高水準を記録しました。FY2026/3は売上高830億円・営業利益36億円を予想し、安定した業績を見込んでいます。
事業ごとの売上・利益
民間建築を主力に、公共工事も手掛ける。長野県と首都圏を中心に展開。売上構成比95%を占める主力セグメント。
北野アームスなどのホテル運営、ゴルフ場、広告代理店事業を展開。観光需要の回復により収益改善傾向。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.2% | 2.6% | - |
| FY2022/3 | 4.8% | 2.7% | - |
| FY2023/3 | 5.3% | 2.7% | - |
| FY2024/3 | 9.6% | 5.0% | 5.7% |
| FY2025/3 | 7.5% | 4.5% | 4.5% |
営業利益率は3.7%から5.7%まで改善した後、FY2025/3は4.5%に落ち着いていますが、中堅ゼネコンとしては良好な水準を維持しています。ROEはFY2024/3に8.9%と最高値を記録。無借金経営のため財務レバレッジが低く、自己資本比率61.7%という盤石な財務基盤が安定的な収益性を支えています。
財務は安全?
有利子負債ゼロの完全無借金経営が最大の特徴です。自己資本比率は51%→62%と着実に改善しており、BPS(1株当たり純資産)も5,787円→7,682円へ大幅に増加しています。株価1,281円に対してBPS 7,682円と、PBR 0.67倍の大幅な割安水準にあります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 40.0億円 | -36.2億円 | 33.5億円 | 3.9億円 |
| FY2022/3 | 23.2億円 | -3.5億円 | -7.2億円 | 19.8億円 |
| FY2023/3 | 165億円 | -2.4億円 | -52.4億円 | 163億円 |
| FY2024/3 | 19.2億円 | -2.5億円 | -13.1億円 | 16.6億円 |
| FY2025/3 | -61.7億円 | -8.5億円 | -12.3億円 | -70.2億円 |
FY2023/3には営業CFが165億円と突出した水準を記録しましたが、これは大型工事の完工に伴う入金集中によるものです。FY2025/3は営業CFがマイナス62億円となりましたが、建設業では工事進行に伴う運転資金の変動が大きいため、一時的な変動と考えられます。現金残高は約180億円と潤沢です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 29.5億円 | 11.5億円 | 38.9% |
| FY2022/3 | 28.6億円 | 11.3億円 | 39.3% |
| FY2023/3 | 43.6億円 | 23.7億円 | 54.4% |
| FY2024/3 | 50.7億円 | 11.7億円 | 23.1% |
| FY2025/3 | 40.7億円 | 6.9億円 | 16.9% |
税引前利益は29億〜51億円で推移しており、安定した利益計上を維持しています。実効税率はFY2023/3に54.4%と高くなりましたが、FY2024/3以降は税効果会計の影響で大幅に低下しており、FY2025/3は16.9%と低水準でした。この結果、純利益が押し上げられています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 900万円 | 1,105人 | - |
従業員の平均年収は900万円と、中堅ゼネコンとしてはトップクラスの給与水準です。平均年齢44.3歳、平均勤続年数16.5年と定着率が高く、技術者集団としての専門性が蓄積されています。日立ソリューションズとの連携によるDX推進やAI活用など、働き方改革にも積極的に取り組んでいます。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は一般財団法人北野財団・公益財団法人北野美術館・テル・コーポレーション。
筆頭株主は北野財団(13.17%)で、創業家関連法人4社で合計36.5%を保有するオーナー系企業です。地元の八十二銀行や三菱UFJ銀行など金融機関も安定株主として名を連ねています。事業法人の持合い比率が46%と高く、「非上場化しやすいオーナー企業」としても注目されるほど安定した株主構成です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 建設事業 | 770億円 | 33.6億円 | 4.4% |
| ホテル・その他事業 | 39億円 | 2.8億円 | 7.2% |
建設事業が売上の約95%を占める典型的なゼネコン構造です。長野県地盤で首都圏にも展開し、民間建築の比率が高いのが特徴。ホテル・その他事業は売上構成比5%程度ですが、利益率7.2%と建設事業を上回る収益性を持ち、観光需要の回復とともに成長が期待されます。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役11名中、女性は1名(9.1%)で、女性比率の向上が今後の課題です。4社の連結子会社を持ち、ホテル・ゴルフ場事業で多角化しています。平均勤続年数16.5年と長く、「人財は資産」という方針のもと人材育成に注力しています。2025年には譲渡制限付株式報酬制度を導入し、ガバナンス強化にも取り組んでいます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 860億円 | — | 809億円 | -6.0% |
| FY2024 | 815億円 | — | 850億円 | +4.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
北野建設は公式な中期経営計画を公表していませんが、毎期の業績予想に対して概ね達成しています。特に自己資本比率は目標を大幅に上回る61.7%を達成。売上高はやや下振れする傾向がありますが、利益率の改善と財務体質の強化は着実に進んでいます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
北野建設のTSRは5年間で183.8%と堅調ですが、TOPIX(213.4%)をやや下回るパフォーマンスとなっています。ただし、PBR 0.67倍という大幅な割安水準を考慮すると、リレーティング(再評価)の余地は大きく、8.59%の高配当利回りを含めた実質リターンは魅力的です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 104.4万円 | +4.4万円 | 4.4% |
| FY2022 | 92.4万円 | -7.6万円 | -7.6% |
| FY2023 | 128.9万円 | +28.9万円 | 28.9% |
| FY2024 | 166.3万円 | +66.3万円 | 66.3% |
| FY2025 | 183.8万円 | +83.8万円 | 83.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRは0.67倍と業界平均(0.9倍)を大きく下回る割安水準にあります。特筆すべきは配当利回り8.59%で、業界平均の約3倍の水準です。信用買残が48万株超と厚く、MBO期待や株主還元強化への期待が株価を支えています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
日立ソリューションズと連携し、建設業向けAIエージェントを導入。現場作業の効率化を推進。
上期経常利益は前年同期比2%増益で着地。通期予想を据え置き。
FY2025/3本決算を発表。12億円上限の自己株取得を発表し、株価が急騰。
最新ニュース
北野建設(株) まとめ
ひとめ診断
「長野と東京の2拠点体制で地域密着。高品質なものづくりに徹する技術志向の中堅ゼネコン」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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