南海辰村建設(株)
Nankai Tatsumura Construction Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月24日
南海電鉄とともに関西の街を築く。100年の歴史を持つ堅実ゼネコン
建設事業を通じて、安全・安心で快適な生活環境と社会インフラの整備に貢献する
この会社ってなに?
南海電鉄の駅舎や線路の改修工事、なんばエリアの商業ビルや分譲マンションの建設など、関西の街づくりを支えています。また、道路・橋梁・河川などの公共土木工事も手掛けており、日々利用するインフラの維持・整備に貢献。地域密着型のゼネコンとして、関西の暮らしを陰から支える存在です。
南海辰村建設は1923年創業、南海電気鉄道の連結子会社として関西圏を中心に建築・土木工事を手掛ける総合建設会社です。2025年3月期は売上高529億円(前年比+21.4%)、営業利益24億円と大幅増収増益を達成。PER 9.4倍・PBR 0.83倍と割安な水準にあり、3期連続増配を実現しています。親会社・南海電鉄の鉄道関連工事に加え、マンション・商業施設・公共インフラなど幅広い受注基盤を持つ堅実経営が特徴です。
会社概要
- 業種
- 建設業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市浪速区難波中三丁目5番19号
- 公式
- www.nantatsu.co.jp
社長プロフィール
南海辰村建設は、建設事業を通じた安全・安心で快適な生活環境づくりや社会インフラの整備を行うことで、地域社会への貢献を目指してまいります。南海グループの一員として、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでいきます。
この会社のストーリー
辰村利兵衛が大阪で辰村組を創業。建築・土木請負業として関西の街づくりに貢献を開始した。
戦時統合により南海電気鉄道の傘下に入り、南海辰村建設株式会社として設立。鉄道関連工事を中核事業に据えた。
東京・大阪の証券取引所に株式を上場。事業基盤の強化と信用力の向上を図った。
バブル崩壊後の建設不況を経て、経営基盤の再構築を進め、財務体質の改善に成功。
FY2022/3に1株3円の配当を復活。業績回復と財務改善を背景に、株主還元の強化を本格化した。
「3カ年経営計画(2025〜2027)」を策定し、企業価値向上と持続的成長を志向。売上高500億円以上を目標に掲げた。
注目ポイント
PBR 0.83倍と純資産価値を下回る割安水準。PER 9.4倍も業界平均以下であり、業績改善と株主還元の強化により、見直し余地が大きい銘柄です。
親会社の南海電気鉄道が57.7%を保有する連結子会社。鉄道関連工事の安定受注に加え、関西圏の再開発需要を取り込める有利なポジションにあります。
FY2021/3の無配から復配し、3円→4円→6円と3期連続増配を実現。配当性向10%と増配余地が大きく、今後の株主還元強化が期待されます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2017/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2018/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2019/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2020/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2021/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 3円 | 6.6% |
| FY2023/3 | 3円 | 4.6% |
| FY2024/3 | 4円 | 10.5% |
| FY2025/3 | 6円 | 10.1% |
株主優待制度はありません。
FY2021/3は無配でしたが、FY2022/3に復配し3円→4円→6円と3期連続で増配を実現しています。配当性向は約10%と低水準であり、今後の増配余地は大きいと言えます。PBR 0.83倍と純資産割れの状態が続く中、株主還元の強化が今後の課題です。
同業比較(収益性)
建設業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/3は売上高529億円・営業利益24億円と過去5年で最高の業績を達成しました。建設事業における大型案件の竣工が寄与し、前年比+21.4%の大幅増収となっています。FY2026/3は一部案件の端境期により減収予想ですが、営業利益は22億円台を維持する堅実な見通しです。
事業ごとの売上・利益
マンション・商業施設・オフィスビル・工場等の建築工事。南海電鉄関連の駅舎改修や沿線開発案件を含む。売上構成比約81%を占める主力セグメント。
道路・橋梁・河川・下水道等の公共土木工事。利益率が高く、建築工事を補完する収益の柱。売上構成比約18%。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 6.5% | 1.9% | - |
| FY2022/3 | 11.6% | 4.0% | - |
| FY2023/3 | 14.4% | 5.4% | - |
| FY2024/3 | 7.7% | 3.6% | 3.9% |
| FY2025/3 | 10.6% | 4.0% | 4.5% |
ROEは6〜13%の範囲で推移しており、FY2023/3には13.1%の高水準を記録。営業利益率は3.8〜5.2%と建設業界の中では堅実な水準を維持しています。FY2025/3はROE 9.9%と改善傾向にあり、収益力の安定が確認できます。
財務は安全?
純資産はFY2021/3の113億円からFY2025/3の173億円へ着実に増加し、BPSは約600円と株価496円を上回る状態です。FY2025/3に有利子負債が163億円へ急増していますが、これは大型工事の運転資金調達によるもので、自己資本比率40%台を維持しており財務基盤は安定しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 22.8億円 | -2,600万円 | -15.1億円 | 22.6億円 |
| FY2022/3 | 16.0億円 | -3,300万円 | -5.5億円 | 15.7億円 |
| FY2023/3 | 18.2億円 | 7.1億円 | -1.3億円 | 25.4億円 |
| FY2024/3 | 15.2億円 | -5.1億円 | -25.7億円 | 10.2億円 |
| FY2025/3 | -61.3億円 | -1.4億円 | 39.3億円 | -62.7億円 |
FY2021〜2024は安定的に営業CFを確保していましたが、FY2025/3は大型工事の立替払い増加により営業CFが一時的にマイナス61億円となりました。これは建設業特有の運転資金変動であり、工事完成に伴い回収が見込まれます。財務CFで39億円を調達し資金を確保しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 16.9億円 | 10.0億円 | 59.0% |
| FY2022/3 | 18.7億円 | 5.6億円 | 29.9% |
| FY2023/3 | 18.2億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 16.3億円 | 5.3億円 | 32.3% |
| FY2025/3 | 23.9億円 | 6.7億円 | 28.2% |
FY2023/3は繰延税金資産の計上等により実効税率が0%となりましたが、通常期は28〜32%で推移しています。FY2021/3の59%は一時的な税効果の影響です。FY2025/3は税引前利益24億円に対し税負担率28.2%と適正水準に落ち着いています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 680万円 | 502人 | - |
従業員の平均年収は680万円で、建設業界の中では標準的な水準です。平均年齢45歳・平均勤続年数18.4年と、ベテラン社員が多く在籍し技術力の蓄積が強みとなっています。従業員数は502名とコンパクトな組織で効率的な経営を行っています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は南海辰村建設東京取引先持株会氏・南海辰村建設大阪取引先持株会氏・南海電気鉄道。
筆頭株主の南海電気鉄道が57.71%を保有する連結子会社です。奥村組・前田建設・大林組など同業他社も上位に名を連ね、建設業界特有の株式持合いが見られます。取引先持株会(大阪・東京)が合計3.07%を保有し、取引先との信頼関係の深さを反映しています。浮動株比率は25.5%と低く、株価の安定性に寄与しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 建築工事 | 479億円 | 18.5億円 | 3.9% |
| 土木工事 | 105億円 | 7.8億円 | 7.4% |
建築工事が売上の約81%を占める主力セグメントで、土木工事(約18%)が続きます。注目すべきは土木工事の利益率7.4%と建築工事(3.9%)を大きく上回る収益性です。南海電鉄グループの鉄道関連工事のほか、公共・民間の幅広い案件を受注しています。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役11名中、女性は1名(9.0%)と女性登用はまだ途上です。連結子会社は2社とコンパクトなグループ構成で、平均勤続年数18.4年と長期勤続者が多く、技術の継承がしっかりと行われている点が強みです。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 511億円 | — | 529億円 | +3.6% |
| FY2024 | 468億円 | — | 436億円 | -6.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
南海辰村建設は「3カ年経営計画(2025〜2027)」を2025年3月に策定し、初年度のFY2025で主要KPIをすべて達成しました。売上高529億円は目標500億円を上回り、営業利益率4.5%・ROE 9.9%も目標を超過。計画達成に向けた良好なスタートを切っています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TSRは5年間で141.2%とプラスを維持していますが、TOPIX(213.4%)を大幅に下回るパフォーマンスです。スタンダード市場の小型株という特性上、市場の注目度が低い状態が続いています。中計の進捗や増配による見直しが進めば、TSRの改善が期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 136.1万円 | +36.1万円 | 36.1% |
| FY2022 | 136.6万円 | +36.6万円 | 36.6% |
| FY2023 | 136.6万円 | +36.6万円 | 36.6% |
| FY2024 | 140.8万円 | +40.8万円 | 40.8% |
| FY2025 | 141.2万円 | +41.2万円 | 41.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 9.4倍は建設業界平均(11.2倍)を下回る割安水準にあります。PBR 0.83倍と純資産価値を下回る状態が続いており、バリュー投資の観点から注目されます。配当利回りは1.21%と業界平均を下回りますが、増配余地が大きい点がポイントです。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
4-12月期の連結経常利益は前年同期比28.9%増の17.9億円。建設事業の利益改善が寄与。
上期経常利益を39%上方修正。建設事業の工事進捗が想定を上回った。
「3カ年経営計画(2025〜2027)」を策定。持続的成長と企業価値向上を目指す。
最新ニュース
南海辰村建設(株) まとめ
ひとめ診断
「南海電鉄グループの建設中核。関西を地盤に、建築・土木の両輪で堅実に成長するスタンダード企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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