(株)ナカボーテック
Nakabohtec Corrosion Protecting Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月24日
見えないところで、インフラを守る。電気防食のパイオニアが日本の鉄を腐食から守り続ける
防食技術で社会インフラの長寿命化と安全に貢献する
この会社ってなに?
橋の橋脚やガードレール、港の桟橋、ガスや水道の地下配管――私たちの生活を支えるインフラの多くは鉄でできています。ナカボーテックは電気の力で鉄のサビ(腐食)を防ぐ「電気防食」という技術の専門会社です。目に見えにくい仕事ですが、インフラの寿命を延ばし安全を守る、まさに「縁の下の力持ち」です。
ナカボーテックは1951年設立の電気防食専業エンジニアリング会社で、鉄鋼構造物の腐食を抑制する技術で業界首位の地位を確立しています。親会社の三井金属鉱業が31.7%を保有し、港湾施設・橋梁・プラント・地下埋設管などのインフラ防食を手掛けます。2025年3月期は売上高147億円(前年比+6.9%)、営業利益14.6億円と過去最高益を更新。PER 17.0倍・PBR 1.79倍、配当利回り4.72%の高配当銘柄です。
会社概要
- 業種
- 建設業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都中央区新川一丁目17番21号 茅場町ファーストビル
- 公式
- www.nakabohtec.co.jp
社長プロフィール
ナカボーテックは電気防食技術のリーディングカンパニーとして、社会インフラの長寿命化と安全確保に貢献してまいります。防食技術を通じて持続可能な社会の実現を目指します。
この会社のストーリー
三井金属鉱業の支援のもと、電気防食の専門会社として設立。日本のインフラ防食技術の礎を築いた。
株式をJASDAQ市場に上場。資本市場からの評価を受け、事業拡大の基盤を整備した。
コンクリート構造物の補修・補強(RC事業)に参入。防食技術の応用領域を拡大し、新たな成長軸を確立。
東証再編に伴いスタンダード市場に移行。安定した経営基盤と高い配当利回りで個人投資家の注目を集める。
3カ年中期経営計画をスタート。港湾RC事業の拡大と防食技術の高度化を2本柱に据え、持続的成長を目指す。
注目ポイント
電気防食技術で業界トップシェアを誇ります。高い参入障壁と技術力で、港湾・プラント・地下インフラの腐食防止を独占的に手掛けるニッチトップ企業です。
配当性向70%を目安とした高い株主還元方針が魅力。配当利回り4%台は建設業界でもトップクラスです。無借金経営で財務基盤も盤石です。
日本のインフラ老朽化が進む中、防食・補修需要は今後も拡大が見込まれます。RC事業の成長と合わせて、中長期的な業績拡大が期待できます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 50円 | 51.2% |
| FY2017/3 | 55円 | 49.4% |
| FY2018/3 | 55円 | 88.6% |
| FY2019/3 | 125円 | 72.8% |
| FY2020/3 | 130円 | 70.0% |
| FY2021/3 | 330円 | 90.2% |
| FY2022/3 | 220円 | 70.5% |
| FY2023/3 | 255円 | 69.9% |
| FY2024/3 | 240円 | 70.8% |
| FY2025/3 | 300円 | 70.5% |
株主優待制度はありません。
配当性向は約70%と株主還元に積極的な方針を採っています。FY2025/3は1株300円(配当性向70.5%)と高い還元率を実現しました。FY2026/3は会社予想260円(利回り4.09%)と、業績予想の減益に伴い減配予想ですが、依然として高配当利回りを維持しています。株主優待制度はありませんが、配当性向70%目安の高い利益還元が魅力です。
同業比較(収益性)
建設業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
ナカボーテックの業績は防食需要の安定を背景に堅調に推移しており、FY2025/3で売上高147億円・営業利益14.6億円と過去最高益を更新しました。FY2022/3・FY2024/3は一時的に減収となりましたが、港湾RC事業の拡大により回復基調にあります。FY2026/3は売上高145億円・営業利益12.8億円を予想し、前期の一過性要因の反動で減益予想ながら依然として高水準の利益を維持しています。
事業ごとの売上・利益
港湾施設・海洋構造物の電気防食工事。海水による腐食から鋼構造物を守る主力事業。売上構成比44%。
ガス管・水道管・石油パイプラインなどの地中埋設管や陸上プラントの電気防食。売上構成比35%。
コンクリート構造物の補修・補強(RC: リニューアル&コンサルティング)事業。成長分野として注力。売上構成比21%。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 12.4% | 8.0% | - |
| FY2022/3 | 10.1% | 7.0% | - |
| FY2023/3 | 11.5% | 7.9% | - |
| FY2024/3 | 10.2% | 7.4% | 8.5% |
| FY2025/3 | 12.3% | 8.6% | 9.9% |
営業利益率は8〜10%で安定しており、建設業界の中では高い収益性を誇ります。防食事業の専門性の高さが参入障壁となり、安定的な利益率を確保しています。ROEも10〜12%と資本効率が良好で、自己資本を効率的に活用した経営を実践しています。
財務は安全?
自己資本比率は66〜73%と極めて高く、有利子負債ゼロの実質無借金経営を継続しています。純資産はFY2021/3の約75億円からFY2025/3の約87億円へ着実に積み上がっており、財務基盤は非常に堅固です。BPSも3,079円から3,549円へ増加しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -700万円 | -1.2億円 | -6.3億円 | -1.3億円 |
| FY2022/3 | 13.3億円 | -2.2億円 | -8.0億円 | 11.1億円 |
| FY2023/3 | 8.2億円 | -1.9億円 | -5.4億円 | 6.4億円 |
| FY2024/3 | 12.3億円 | -8,900万円 | -6.3億円 | 11.4億円 |
| FY2025/3 | 6.9億円 | -1.1億円 | -5.9億円 | 5.8億円 |
FY2021/3を除き営業キャッシュフローは安定的にプラスを確保しており、フリーキャッシュフローも概ね黒字を維持しています。FY2021/3の営業CF微減は運転資金の一時的な増加によるものです。財務CFは主に配当金の支払いによるマイナスで、無借金経営を反映した健全なキャッシュフロー構造です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 13.1億円 | 4.1億円 | 31.2% |
| FY2022/3 | 11.0億円 | 3.3億円 | 30.3% |
| FY2023/3 | 12.7億円 | 3.7億円 | 29.4% |
| FY2024/3 | 12.1億円 | 3.7億円 | 30.7% |
| FY2025/3 | 15.0億円 | 4.6億円 | 30.3% |
税引前利益は11〜15億円の範囲で安定しており、FY2025/3には15億円に到達しました。実効税率は29〜31%と安定しており、法定実効税率に概ね沿った水準で推移しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 860万円 | 274人 | - |
従業員の平均年収は860万円と、建設業界の中では高水準の給与です。従業員数274名と少数精鋭の体制で、専門性の高い防食エンジニアリングに特化した人材で構成されています。平均年齢41.9歳、平均勤続年数16年と定着率が高い企業です。
誰がこの会社の株を持ってる?
経営者・創業家が14.2%を保有するオーナー経営企業です。 安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は三井金属鉱業・ナカボーテック取引先持株会・麻生。
筆頭株主は親会社の三井金属鉱業(31.74%)で、経営の安定性を支えています。ナカボーテック取引先持株会(8.87%)・社員持株会(5.30%)も上位に名を連ね、ステークホルダーの参画意識が高いことがうかがえます。中川哲央氏(2.61%)は大株主兼役員であり、安定株主として位置づけられます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 防食事業(港湾・海洋) | 約65億円 | 約7億円 | 10.8% |
| 防食事業(地中・陸上) | 約52億円 | 約4億円 | 7.7% |
| RC事業・その他 | 約30億円 | 約3億円 | 10.0% |
港湾・海洋分野の防食事業が売上の約44%を占める最大セグメントで、地中・陸上の防食事業(35%)とRC事業(21%)が続きます。港湾分野は利益率10.8%と収益性が高く、RC事業も成長分野として拡大中です。防食事業全体で安定した収益基盤を構築しつつ、RC事業の育成が将来の成長ドライバーとなっています。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役13名は全員男性で、女性役員比率0%はガバナンス上の課題です。平均勤続年数16年と定着率が高く、専門技術の蓄積に寄与しています。設備投資は1.3億円と、専門性の高いエンジニアリング企業として必要最低限の水準です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 136億円 | — | 147億円 | +8.1% |
| FY2024 | 133億円 | — | 138億円 | +3.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
ナカボーテックは「23中計」のもと、FY2026に売上高145億円・経常利益13.2億円を目標に掲げています。FY2025実績は売上高147億円・経常利益15.0億円と既に計画を上回る水準に達しており、最終年度のFY2026も目標達成が確実視されます。港湾RC事業の拡大と防食技術の高度化が成長を支えています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
ナカボーテックのTSRは5年間で173.8%と株価は着実に上昇していますが、TOPIX(213.4%)をやや下回るパフォーマンスとなっています。ただし、FY2021に184.4%とTOPIXを大きく上回った時期もあり、高配当を含めた長期リターンは魅力的です。今後の中計達成と増配継続がTSR改善の鍵となるでしょう。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 184.4万円 | +84.4万円 | 84.4% |
| FY2022 | 152.1万円 | +52.1万円 | 52.1% |
| FY2023 | 159.6万円 | +59.6万円 | 59.6% |
| FY2024 | 166.7万円 | +66.7万円 | 66.7% |
| FY2025 | 173.8万円 | +73.8万円 | 73.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
ナカボーテックのPER 17.0倍は建設業界平均(12.5倍)をやや上回りますが、防食専業の高い参入障壁と安定収益が評価されているためです。PBR 1.79倍は業界平均を上回り、技術力・ブランド価値が株価に織り込まれています。配当利回り4.09%は業界平均を大きく上回る高配当水準です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/3の通期経常利益を一転15%増益に上方修正。4期ぶり最高益を見込み、配当も75円増額。
FY2025/3決算で売上高147億円・営業利益14.6億円と過去最高益を達成。中計目標に向けて順調に進捗。
中期経営計画「23中計」の進捗報告。港湾RC事業の成長とグローバル展開を推進。
最新ニュース
(株)ナカボーテック まとめ
ひとめ診断
「鉄を腐食から守る防食エンジニアリングの国内首位企業。三井金属鉱業グループの専業メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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