創業ストーリー
三井金属鉱業の支援のもと、電気防食の専門会社として設立。日本のインフラ防食技術の礎を築いた。
株式をJASDAQ市場に上場。資本市場からの評価を受け、事業拡大の基盤を整備した。
コンクリート構造物の補修・補強(RC事業)に参入。防食技術の応用領域を拡大し、新たな成長軸を確立。
東証再編に伴いスタンダード市場に移行。安定した経営基盤と高い配当利回りで個人投資家の注目を集める。
3カ年中期経営計画をスタート。港湾RC事業の拡大と防食技術の高度化を2本柱に据え、持続的成長を目指す。
Nakabohtec Corrosion Protecting Co.,Ltd.
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
橋の橋脚やガードレール、港の桟橋、ガスや水道の地下配管――私たちの生活を支えるインフラの多くは鉄でできています。ナカボーテックは電気の力で鉄のサビ(腐食)を防ぐ「電気防食」という技術の専門会社です。目に見えにくい仕事ですが、インフラの寿命を延ばし安全を守る、まさに「縁の下の力持ち」です。
ナカボーテックは1951年設立の電気防食専業エンジニアリング会社で、鉄鋼構造物の腐食を抑制する技術で業界首位の地位を確立しています。親会社の三井金属鉱業が31.7%を保有し、港湾施設・橋梁・プラント・地下埋設管などのインフラ防食を手掛けます。2025年3月期は売上高147億円(前年比+6.9%)、営業利益14.6億円と過去最高益を更新。PER 17.0倍・PBR 1.79倍、配当利回り4.72%の高配当銘柄です。
電気防食技術で業界トップシェアを誇ります。高い参入障壁と技術力で、港湾・プラント・地下インフラの腐食防止を独占的に手掛けるニッチトップ企業です。
配当性向70%を目安とした高い株主還元方針が魅力。配当利回り4%台は建設業界でもトップクラスです。無借金経営で財務基盤も盤石です。
日本のインフラ老朽化が進む中、防食・補修需要は今後も拡大が見込まれます。RC事業の成長と合わせて、中長期的な業績拡大が期待できます。
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
港湾施設・海洋構造物の電気防食工事。海水による腐食から鋼構造物を守る主力事業。売上構成比44%。
ガス管・水道管・石油パイプラインなどの地中埋設管や陸上プラントの電気防食。売上構成比35%。
コンクリート構造物の補修・補強(RC: リニューアル&コンサルティング)事業。成長分野として注力。売上構成比21%。
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2016/03期 | 7.4% | 5.1% | 7.0% |
| 2017/03期 | 8.3% | 5.6% | 7.4% |
| 2018/03期 | 4.5% | 3.0% | 3.9% |
| 2019/03期 | 6.1% | 4.1% | 5.5% |
| 2020/03期 | 6.5% | 4.4% | 5.6% |
| 2021/03期 | 12.4% | 8.3% | 9.8% |
| 2022/03期 | 10.1% | 6.9% | 8.2% |
| 2023/03期 | 11.5% | 8.1% | 8.8% |
| 2024/03期 | 10.2% | 7.3% | 8.5% |
| 2025/03期 | 12.3% | 8.9% | 9.9% |
| 3Q FY2026/3 | 3.6%(累計) | 2.5%(累計) | 4.3% |
営業利益率は8〜10%で安定しており、建設業界の中では高い収益性を誇ります。防食事業の専門性の高さが参入障壁となり、安定的な利益率を確保しています。ROEも10〜12%と資本効率が良好で、自己資本を効率的に活用した経営を実践しています。
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 130億円 | 12.8億円 | 9.0億円 | 365.8円 | +18.1% |
| 2022/03期 | 129億円 | 10.6億円 | 7.6億円 | 312.2円 | -0.8% |
| 2023/03期 | 142億円 | 12.5億円 | 9.0億円 | 365.0円 | +9.7% |
| 2024/03期 | 138億円 | 11.8億円 | 8.3億円 | 339.1円 | -2.7% |
| 2025/03期 | 147億円 | 14.6億円 | 10.5億円 | 425.5円 | +6.9% |
ナカボーテックの業績は防食需要の安定を背景に堅調に推移しており、2025/03期で売上高147億円・営業利益14.6億円と過去最高益を更新しました。2022/03期・2024/03期は一時的に減収となりましたが、港湾RC事業の拡大により回復基調にあります。2026/03期は売上高145億円・営業利益12.8億円を予想し、前期の一過性要因の反動で減益予想ながら依然として高水準の利益を維持しています。 【3Q 2026/03期実績】売上91億円(通期予想比63%)、営業利益3.9億円(同31%)、純利益3.0億円(同32%)。
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
建設業の同業他社平均と比べると…
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 防食事業(港湾・海洋) | 約65億円 | 約7億円 | 10.8% |
| 防食事業(地中・陸上) | 約52億円 | 約4億円 | 7.7% |
| RC事業・その他 | 約30億円 | 約3億円 | 10.0% |
港湾・海洋分野の防食事業が売上の約44%を占める最大セグメントで、地中・陸上の防食事業(35%)とRC事業(21%)が続きます。港湾分野は利益率10.8%と収益性が高く、RC事業も成長分野として拡大中です。防食事業全体で安定した収益基盤を構築しつつ、RC事業の育成が将来の成長ドライバーとなっています。
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 136億円 | — | 147億円 | +8.1% |
| 2024期 | 133億円 | — | 138億円 | +3.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
ナカボーテックは「23中計」のもと、2026期に売上高145億円・経常利益13.2億円を目標に掲げています。2025期実績は売上高147億円・経常利益15.0億円と既に計画を上回る水準に達しており、最終年度の2026期も目標達成が確実視されます。港湾RC事業の拡大と防食技術の高度化が成長を支えています。
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
三井金属鉱業の支援のもと、電気防食の専門会社として設立。日本のインフラ防食技術の礎を築いた。
株式をJASDAQ市場に上場。資本市場からの評価を受け、事業拡大の基盤を整備した。
コンクリート構造物の補修・補強(RC事業)に参入。防食技術の応用領域を拡大し、新たな成長軸を確立。
東証再編に伴いスタンダード市場に移行。安定した経営基盤と高い配当利回りで個人投資家の注目を集める。
3カ年中期経営計画をスタート。港湾RC事業の拡大と防食技術の高度化を2本柱に据え、持続的成長を目指す。
2025/03期の通期経常利益を一転15%増益に上方修正。4期ぶり最高益を見込み、配当も75円増額。
2025/03期決算で売上高147億円・営業利益14.6億円と過去最高益を達成。中計目標に向けて順調に進捗。
中期経営計画「23中計」の進捗報告。港湾RC事業の成長とグローバル展開を推進。
ナカボーテックは電気防食技術のリーディングカンパニーとして、社会インフラの長寿命化と安全確保に貢献してまいります。防食技術を通じて持続可能な社会の実現を目指します。
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
自己資本比率は66〜73%と極めて高く、有利子負債ゼロの実質無借金経営を継続しています。純資産は2021/03期の約75億円から2025/03期の約87億円へ着実に積み上がっており、財務基盤は非常に堅固です。BPSも3,079円から3,549円へ増加しています。 【3Q 2026/03期】総資産113億円、純資産85億円、自己資本比率71.5%。
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2016/03期 | 9.9億円 | 8,100万円 | 2.4億円 | 9.1億円 |
| 2017/03期 | 7,900万円 | 6,400万円 | 2.6億円 | 1.4億円 |
| 2018/03期 | 7.5億円 | 2.4億円 | 2.9億円 | 5.2億円 |
| 2019/03期 | 5.7億円 | 1.2億円 | 4.5億円 | 4.4億円 |
| 2020/03期 | 4.2億円 | 1.4億円 | 4.7億円 | 2.8億円 |
| 2021/03期 | 700万円 | 1.2億円 | 6.3億円 | 1.3億円 |
| 2022/03期 | 13.3億円 | 2.2億円 | 8.0億円 | 11.0億円 |
| 2023/03期 | 8.2億円 | 1.9億円 | 5.4億円 | 6.4億円 |
| 2024/03期 | 12.3億円 | 8,900万円 | 6.3億円 | 11.4億円 |
| 2025/03期 | 6.9億円 | 1.1億円 | 5.9億円 | 5.8億円 |
2021/03期を除き営業キャッシュフローは安定的にプラスを確保しており、フリーキャッシュフローも概ね黒字を維持しています。2021/03期の営業CF微減は運転資金の一時的な増加によるものです。財務CFは主に配当金の支払いによるマイナスで、無借金経営を反映した健全なキャッシュフロー構造です。
取締役・監査役13名は全員男性で、女性役員比率0%はガバナンス上の課題です。平均勤続年数16年と定着率が高く、専門技術の蓄積に寄与しています。設備投資は1.3億円と、専門性の高いエンジニアリング企業として必要最低限の水準です。
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 860万円 | 274人 | - |
従業員の平均年収は860万円と、建設業界の中では高水準の給与です。従業員数274名と少数精鋭の体制で、専門性の高い防食エンジニアリングに特化した人材で構成されています。平均年齢41.9歳、平均勤続年数16年と定着率が高い企業です。
リターン・配当・市場データを確認
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
ナカボーテックのTSRは5年間で173.8%と株価は着実に上昇していますが、TOPIX(213.4%)をやや下回るパフォーマンスとなっています。ただし、2021期に184.4%とTOPIXを大きく上回った時期もあり、高配当を含めた長期リターンは魅力的です。今後の中計達成と増配継続がTSR改善の鍵となるでしょう。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 50円 | 51.2% |
| 2017/03期 | 55円 | 49.4% |
| 2018/03期 | 55円 | 88.6% |
| 2019/03期 | 125円 | 72.8% |
| 2020/03期 | 130円 | 70.0% |
| 2021/03期 | 330円 | 90.2% |
| 2022/03期 | 220円 | 70.5% |
| 2023/03期 | 255円 | 69.9% |
| 2024/03期 | 240円 | 70.8% |
| 2025/03期 | 300円 | 70.5% |
株主優待制度はありません。
配当性向は約70%と株主還元に積極的な方針を採っています。2025/03期は1株300円(配当性向70.5%)と高い還元率を実現しました。2026/03期は会社予想260円(利回り4.09%)と、業績予想の減益に伴い減配予想ですが、依然として高配当利回りを維持しています。株主優待制度はありませんが、配当性向70%目安の高い利益還元が魅力です。
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 184.4万円 | 84.4万円 | 84.4% |
| 2022期 | 152.1万円 | 52.1万円 | 52.1% |
| 2023期 | 159.6万円 | 59.6万円 | 59.6% |
| 2024期 | 166.7万円 | 66.7万円 | 66.7% |
| 2025期 | 173.8万円 | 73.8万円 | 73.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
ナカボーテックのPER 17.0倍は建設業界平均(12.5倍)をやや上回りますが、防食専業の高い参入障壁と安定収益が評価されているためです。PBR 1.79倍は業界平均を上回り、技術力・ブランド価値が株価に織り込まれています。配当利回り4.09%は業界平均を大きく上回る高配当水準です。
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2016/03期 | 8.1億円 | 3.0億円 | 37.5% |
| 2017/03期 | 8.5億円 | 2.8億円 | 32.4% |
| 2018/03期 | 4.7億円 | 1.5億円 | 31.8% |
| 2019/03期 | 6.4億円 | 2.0億円 | 31.5% |
| 2020/03期 | 6.6億円 | 2.0億円 | 29.8% |
| 2021/03期 | 13.1億円 | 4.1億円 | 31.2% |
| 2022/03期 | 10.9億円 | 3.3億円 | 30.3% |
| 2023/03期 | 12.7億円 | 3.7億円 | 29.4% |
| 2024/03期 | 12.0億円 | 3.7億円 | 30.7% |
| 2025/03期 | 15.0億円 | 4.5億円 | 30.3% |
税引前利益は11〜15億円の範囲で安定しており、2025/03期には15億円に到達しました。実効税率は29〜31%と安定しており、法定実効税率に概ね沿った水準で推移しています。
まとめと、関連情報・似た会社へ
「鉄を腐食から守る防食エンジニアリングの国内首位企業。三井金属鉱業グループの専業メーカー」
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最終更新: 2026/05/22 / データ提供: OSHIKABU