(株)ナカノフドー建設
NAKANO CORPORATION
最終更新日: 2026年3月24日
医療・物流施設に強い中堅ゼネコン。東南アジアへ、そして株主還元改革へ挑む変革期の企業
建設を通じて社会に貢献し、人々の暮らしを支える企業であり続ける
この会社ってなに?
病院の建物、駅前のマンション、EC時代を支える巨大な物流倉庫。街を歩いていると見かける建設現場の中に、ナカノフドー建設が手がけたものが多くあります。特に医療施設の建設に強みがあり、全国の病院・クリニックの建設で実績を積み重ねています。また、シンガポールやベトナムでの高層コンドミニアム建設など、海外でも存在感を発揮しています。
ナカノフドー建設は1933年創業の中堅ゼネコンで、医療施設・物流倉庫・高層住宅などの民間建築を主力としています。2025年3月期は売上高1,105億円・営業利益33億円と堅調に推移。東南アジア(シンガポール・ベトナム等)での高層住宅・工場建設にも実績があり、海外事業が成長ドライバーとなっています。2025年3月に策定した中期経営計画「中計86」では、2028年3月期に売上高1,270億円・営業利益33億円を目標に掲げ、株主還元方針も強化。アクティビスト投資家の参入もあり、ガバナンス改革にも注目が集まっています。
会社概要
- 業種
- 建設業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区九段北四丁目2番28号 NF九段
- 公式
- www.wave-nakano.co.jp
社長プロフィール
建設を通じて社会のニーズに応え、人々の暮らしと地域の発展に貢献してまいります。国内建設事業の深耕と海外事業の拡大を両輪に、持続的な成長を実現し、全てのステークホルダーに信頼される企業を目指します。
この会社のストーリー
中野信治郎が東京で建設業を興す。誠実な施工と技術力で信頼を積み重ね、事業基盤を確立した。
株式会社中野組として法人化。戦後復興期の建設需要に応え、急速に事業を拡大した。
東証に株式を上場。社会的信用を高め、大型案件の受注体制を整備した。
株式会社フドー建設と合併し、株式会社ナカノフドー建設に社名変更。経営基盤を強化した。
長野県のトライネットホールディングスを買収。地方展開とグループ力の強化を図るM&Aを実行。
中期経営計画「中計86」を策定。配当性向40%以上を掲げ、アクティビスト対応も含めた変革期に突入。
注目ポイント
配当金はFY2022/3の10円からFY2026/3は30円(予想)へと3倍に拡大。中計86では配当性向40%以上を目標に掲げ、さらなる増配が期待されます。
シンガポール・ベトナムでの高層住宅・工場建設に実績があり、海外売上比率の拡大が中長期の成長ドライバー。日系ゼネコンの中でも独自のポジションを確立しています。
自己資本比率53.1%、有利子負債わずか13億円の超健全財務。手元現金約200億円を有し、景気変動に強い経営基盤です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 7円 | 6.0% |
| FY2017/3 | 10円 | 6.2% |
| FY2018/3 | 12円 | 10.5% |
| FY2019/3 | 14円 | 12.1% |
| FY2020/3 | 14円 | 16.4% |
| FY2021/3 | 12円 | 111.6% |
| FY2022/3 | 10円 | 0.2% |
| FY2023/3 | 13円 | 23.3% |
| FY2024/3 | 16円 | 20.8% |
| FY2025/3 | 22円 | 26.0% |
株主優待制度は設けていません。
配当金はFY2022/3の10円を底に3期連続で増配しており、FY2026/3は1株30円(予想)と大幅増配を計画しています。中計「中計86」では配当性向40%以上を株主還元方針として掲げており、今後も増配トレンドの継続が期待されます。アクティビスト投資家の参入も還元強化の追い風となっています。
同業比較(収益性)
建設業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
ナカノフドー建設の業績は、FY2022/3に資材高騰・工期遅延の影響で営業赤字(-8.4億円)に転落しましたが、FY2023/3以降は急回復し、FY2025/3は売上高1,105億円・営業利益33億円と安定成長を取り戻しました。FY2026/3は売上高1,300億円(+17.6%)を予想しており、受注環境の改善と海外事業の拡大が寄与する見通しです。
事業ごとの売上・利益
医療施設・物流倉庫・マンション・オフィスビル等の民間建築を主力とし、売上の約83%を占める最大セグメント。土木事業の拡大も推進中。
シンガポール・ベトナム・ミャンマー等の東南アジアを中心に高層住宅・工場の建設を展開。売上構成比約13%で成長が期待されるセグメント。
賃貸用不動産の保有・運用。売上構成比は約4%と小さいが、利益率18.1%と全セグメント中最高の収益性を誇る安定収益源。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 9.4% | 0.4% | - |
| FY2022/3 | 7.9% | -1.9% | - |
| FY2023/3 | 5.9% | 2.4% | - |
| FY2024/3 | 3.7% | 3.3% | 3.0% |
| FY2025/3 | 7.3% | 3.6% | 3.0% |
FY2022/3の営業赤字を底に、収益性は着実に改善しています。営業利益率はFY2025/3で3.0%と建設業界の平均的な水準に回復し、ROEも6.5%まで上昇しました。今後は中計「中計86」のもと、高付加価値案件の受注拡大と原価管理の徹底により、さらなる利益率の改善が期待されます。
財務は安全?
自己資本比率は42.5%から53.1%へと着実に改善しており、財務体質は極めて健全です。FY2023/3までは実質無借金経営を継続し、FY2024/3以降もわずかな有利子負債(13億円程度)に留まっています。BPSも1,246円と着実に積み上がっており、PBR 1.10倍は純資産価値に対して概ね適正な水準です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -45.5億円 | 9,400万円 | 40.6億円 | -44.5億円 |
| FY2022/3 | 115億円 | -26.8億円 | -57.4億円 | 88.3億円 |
| FY2023/3 | 21.7億円 | -2.6億円 | -7.8億円 | 19.1億円 |
| FY2024/3 | -20.9億円 | -2,800万円 | -8.0億円 | -21.1億円 |
| FY2025/3 | -43.8億円 | -4.0億円 | -8.9億円 | -47.7億円 |
建設業の特性上、営業CFは工事代金の入金タイミングにより大きく変動します。FY2022/3には前期の大型工事の入金が集中し115億円の営業CFを計上。一方FY2025/3は工事進行に伴う運転資金増加により-44億円となっていますが、手元資金(現金同等物約200億円)は潤沢であり、資金繰りに懸念はありません。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 17.5億円 | 14.2億円 | 80.9% |
| FY2022/3 | -6.3億円 | 0円 | - |
| FY2023/3 | 31.3億円 | 12.2億円 | 38.9% |
| FY2024/3 | 38.4億円 | 11.9億円 | 31.0% |
| FY2025/3 | 37.2億円 | 8.2億円 | 22.0% |
FY2021/3は特殊要因により実効税率が79.7%と高水準でしたが、FY2024/3以降は31%→22%と正常化しています。FY2025/3の22.0%は税効果会計の影響もあり低めとなっていますが、FY2026/3は25.7%程度に落ち着く見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 763万円 | 1,357人 | - |
従業員の平均年収は763万円で、中堅ゼネコンとしては標準的な給与水準です。平均年齢45.6歳・平均勤続年数16.7年と定着率が高く、技術者の長期育成に力を入れている企業文化がうかがえます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主はナカノ従業員持株会氏・公益財団法人大島育英会・関東興業。
筆頭株主は公益財団法人大島育英会(19.66%)で、創業家の大島氏関連の財団法人です。第2位の関東興業(12.65%)、第3位の大島義和氏(名誉会長、8.99%)と合わせ、創業家グループで約41%を保有する安定した株主構成です。ナカノ友愛会投資会(2.63%)やナカノ従業員持株会(1.76%)も安定株主に含まれます。一方、アクティビストのリム・アドバイザーズが株主提案を行うなど、株主構成に変化の兆しも見られます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 国内建設事業 | 915億円 | 34.9億円 | 3.8% |
| 海外建設事業 | 147億円 | 3.2億円 | 2.2% |
| 不動産事業 | 43億円 | 7.8億円 | 18.1% |
国内建設事業が売上の83%を占める主力セグメントで、医療施設や物流倉庫などの民間建築に強みを持ちます。海外建設事業(13%)は東南アジアを中心に成長が見込まれ、不動産事業(4%)は利益率18.1%と高い収益性で安定した利益基盤を構築しています。中計「中計86」では海外事業と土木事業の拡大を重点施策に掲げています。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役11名は全員男性で、女性役員比率0%はガバナンス上の課題です。15社の連結子会社を統括し、アクティビストからの株主提案もあり、今後のガバナンス改革が注目されます。平均勤続年数16.7年と定着率は高く、専門技術の継承が行われています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,100億円 | — | 1,105億円 | +0.5% |
| FY2024 | 1,200億円 | — | 1,074億円 | -10.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
ナカノフドー建設は2025年3月に策定した中期経営計画「中計86」のもと、2028年3月期に売上高1,270億円・営業利益33億円を目標に掲げています。FY2025実績は営業利益33億円と既に目標水準に近いものの、売上高は1,105億円と目標の87%にとどまっており、海外事業と土木事業の拡大が鍵となります。株主還元では配当性向40%以上を目標としており、増配余地は大きいと言えます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
ナカノフドー建設のTSRは5年間で232%と、TOPIX(213.4%)をアウトパフォームしています。特にFY2024〜FY2025にかけて急激に上昇しており、アクティビスト参入や業績改善期待による株価上昇が大きく寄与しました。直近の調整を経ても、中長期のリターンは市場平均を上回る実績を示しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 112.7万円 | +12.7万円 | 12.7% |
| FY2022 | 98.3万円 | -1.7万円 | -1.7% |
| FY2023 | 111.3万円 | +11.3万円 | 11.3% |
| FY2024 | 182.1万円 | +82.1万円 | 82.1% |
| FY2025 | 232.0万円 | +132.0万円 | 132.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
ナカノフドー建設のPER 18.2倍は建設業界平均(12.5倍)を上回る水準で、アクティビスト参入や株主還元強化への期待がプレミアムとして織り込まれています。信用買い残が90万株超と高水準であり、短期的な需給の過熱感には注意が必要です。配当利回りは2.18%と業界平均をやや下回りますが、増配トレンドが続いています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
中期経営計画「中計86」を策定。2028年3月期に売上高1,270億円・営業利益33億円を目標に掲げた。
FY2026/3の通期経常利益を15.8%上方修正。配当も8円増額し1株30円に修正。
アクティビストのリム・アドバイザーズが株主提案。資本効率改善とガバナンス改革を求めた。
最新ニュース
(株)ナカノフドー建設 まとめ
ひとめ診断
「医療・物流施設に強い中堅ゼネコン。東南アジア展開と株主還元強化で変革期へ」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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