第一カッター興業(株)
DAI-ICHI CUTTER KOGYO K.K.
最終更新日: 2026年3月24日
「切る・はつる・洗う・剥がす・削る」5つの技術で、日本のインフラの安全を守り続けるプロフェッショナル集団
特化した技術と高いサービスを持って社会に貢献する
この会社ってなに?
普段あまり目にしませんが、高速道路の橋脚を切断したり、トンネルの壁をきれいに削ったり、ビルの外壁を高圧水で洗浄したりする「縁の下の力持ち」です。日本全国の老朽化インフラの補修・解体に欠かせない特殊技術を持っており、あなたが毎日通る道路や橋の安全を守っています。
第一カッター興業は1966年創業、ダイヤモンド工具を使ったコンクリート構造物の切断・穿孔工事で業界トップシェアを誇るスタンダード上場企業です。橋梁・トンネル・ビルなど老朽化した社会インフラの維持補修を手がけ、高圧水のウォータージェット工法やレーザー塗膜除去など先端技術も保有しています。FY2025/6は売上高202億円・営業利益16億円と一時的に減益となりましたが、自己資本比率86.4%・無借金経営の堅牢な財務基盤を持ち、4期連続増配中です。PBR 0.87倍とバリュー株の特徴も持ちます。
会社概要
- 業種
- 建設業
- 決算期
- 6月
- 本社
- 神奈川県茅ヶ崎市萩園833番地
- 公式
- www.daiichi-cutter.co.jp
社長プロフィール
私たちは、社会インフラの維持補修という使命のもと、独自の技術力とサービス品質で社会に貢献してまいります。老朽化が進む日本のインフラを、私たちの5つの技術で次世代へつなぎます。
この会社のストーリー
神奈川県茅ヶ崎市でダイヤモンドカッターによるコンクリート切断事業を開始。建設業界に新たな技術を持ち込んだ。
第一カッター興業株式会社として法人化。ダイヤモンド工具によるコンクリート切断・穿孔の専門企業として事業を本格化。
東京証券取引所(現スタンダード市場)に株式を上場。公開価格760円に対し初値1,530円と注目を集めた。
温水高圧洗浄のアシレを買収。「洗う」技術を加え、切断・穿孔・はつり・洗浄の総合力を強化。
内外面洗浄工事のユニペックを買収。パイプライン・プラント分野の洗浄技術を獲得し、事業領域を拡大。
新中期経営計画を策定。売上高250億円・営業利益率10%以上を目指し、競争優位性のさらなる強化に挑む。
注目ポイント
有利子負債ゼロ、自己資本比率86.4%という極めて堅牢な財務基盤。現金も約82億円と潤沢で、景気変動に左右されにくい安定経営が特徴です。
ダイヤモンドカッターによるコンクリート切断で業界トップシェア。日本全国の橋梁・トンネル・ビルの維持補修に欠かせない技術を持つ、代替困難な存在です。
配当は4期連続で増額中、利回り2.70%。PBR 0.87倍と解散価値以下の割安水準にあり、業績回復による株価見直しの余地が大きい銘柄です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 6円 | 6.1% |
| FY2017/3 | 7.5円 | 8.6% |
| FY2018/3 | 12.5円 | 9.6% |
| FY2019/3 | 10円 | 9.1% |
| FY2020/3 | 12.5円 | 9.3% |
| FY2021/3 | 18円 | 11.8% |
| FY2022/3 | 28円 | 20.2% |
| FY2023/3 | 35円 | 20.4% |
| FY2024/3 | 38円 | 21.8% |
| FY2025/3 | 40円 | 34.0% |
株主優待制度はありません。
配当はFY2021/6の18円からFY2025/6の40円へと4期連続増配を達成しています。FY2026/6も40円(予想)と減配なしの方針です。減益局面でも増配を続けており、配当性向は11.8%から34.0%へ上昇。無借金・高自己資本という財務余力を背景に、今後も安定的な株主還元が期待できます。
同業比較(収益性)
建設業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2023/6に売上高222億円・営業利益26億円のピークを記録した後、FY2024〜2025は公共工事の発注時期のずれや一部案件の遅延により減収減益となりました。FY2026/6は売上高205億円・営業利益18億円と増収増益への回帰が見込まれています。営業利益率は8〜14%と建設業の中でも高水準を維持しています。
事業ごとの売上・利益
ダイヤモンドカッターを用いたコンクリート構造物の切断・穿孔が主力。橋梁・トンネル・ビルの解体・改修工事に対応。売上構成比約64%を占める最大セグメント。
超高圧水によるコンクリートはつり、塗膜除去、外壁洗浄。環境負荷の低い工法として需要が拡大中。
レーザー塗膜除去、グルービング工事、子会社(アシレ・ユニペック等)の温水高圧洗浄・内外面洗浄事業。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 15.1% | 11.5% | 13.5% |
| FY2017/3 | 11.9% | 9.3% | 11.0% |
| FY2018/3 | 15.1% | 11.7% | 13.4% |
| FY2019/3 | 11.4% | 9.4% | 11.8% |
| FY2020/3 | 12.1% | 9.8% | 13.2% |
| FY2021/3 | 12.2% | 9.7% | 14.3% |
| FY2022/3 | 10.0% | 8.1% | 11.9% |
| FY2023/3 | 11.3% | 9.0% | 11.9% |
| FY2024/3 | 10.8% | 9.0% | 11.7% |
| FY2025/3 | 6.9% | 6.0% | 8.1% |
営業利益率はFY2021/6の14.3%をピークに、FY2025/6は8.1%へ低下しましたが、建設業界平均(5〜6%)を大きく上回る高収益体質を維持しています。ROEはFY2025/6に6.9%と一時的に低下しましたが、これは減益の影響であり、自己資本の蓄積が進んだことも要因です。業績回復に伴い収益性の改善が期待されます。
財務は安全?
有利子負債ゼロの完全無借金経営が最大の特徴です。自己資本比率はFY2021/6の75.8%からFY2025/6には86.4%まで上昇し、BPSも1,197円から1,710円へ着実に増加しています。現金同等物も約82億円と潤沢で、M&Aや設備投資に十分な余力を持つ極めて堅牢な財務基盤です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 13.5億円 | -8.3億円 | -9,000万円 | 5.3億円 |
| FY2017/3 | 9.1億円 | -5.9億円 | -1.1億円 | 3.2億円 |
| FY2018/3 | 22.2億円 | -6.2億円 | -1.4億円 | 16.0億円 |
| FY2019/3 | 12.3億円 | -6.5億円 | -1.8億円 | 5.8億円 |
| FY2020/3 | 25.1億円 | -17.0億円 | -2.0億円 | 8.2億円 |
| FY2021/3 | 19.6億円 | -15.9億円 | -6,900万円 | 3.6億円 |
| FY2022/3 | 22.4億円 | -8.5億円 | -2.9億円 | 13.9億円 |
| FY2023/3 | 27.4億円 | -5.6億円 | -5.1億円 | 21.8億円 |
| FY2024/3 | 21.7億円 | -16.5億円 | -4.8億円 | 5.2億円 |
| FY2025/3 | 17.0億円 | -24.4億円 | -5.2億円 | -7.4億円 |
営業キャッシュフローは毎期安定して17〜27億円を創出しています。FY2025/6は投資CFが-24億円と大きく、子会社取得や設備投資への積極的な資金投入によりFCFが一時的にマイナスとなりましたが、営業CF自体は堅調です。財務CFは配当支払い等で小幅マイナスが続き、無借金体質を維持しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 17.8億円 | 6.7億円 | 37.4% |
| FY2017/3 | 14.7億円 | 4.8億円 | 32.8% |
| FY2018/3 | 22.6億円 | 7.8億円 | 34.3% |
| FY2019/3 | 18.4億円 | 5.9億円 | 32.1% |
| FY2020/3 | 24.8億円 | 9.6億円 | 38.6% |
| FY2021/3 | 29.4億円 | 11.9億円 | 40.6% |
| FY2022/3 | 27.0億円 | 11.2億円 | 41.6% |
| FY2023/3 | 28.6億円 | 9.2億円 | 32.1% |
| FY2024/3 | 28.3億円 | 8.6億円 | 30.3% |
| FY2025/3 | 17.9億円 | 4.6億円 | 25.9% |
税引前利益は18〜29億円の水準で推移しています。実効税率はFY2021〜2022の40%台からFY2025/6は25.9%へ低下しており、税効果会計の適用や繰延税金資産の計上が影響しています。安定した納税を続ける優良企業です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2025/6 | 650万円 | 700人 | - |
従業員数は約700名で、専門工事業者としては中規模の陣容です。特殊技術を持つ職人集団として、技術力の高い人材を擁しています。建設業界全体の人手不足が課題となる中、従業員持株会の高い参加率が示すように、社員の定着率は良好です。
誰がこの会社の株を持ってる?
創業家の渡邉一族が合計約18%を保有し、従業員持株会も4.75%と高水準。安定株主が過半数を占め、経営基盤は非常に安定しています。
筆頭株主は創業家の渡邉隆氏(13.67%)で、渡邉美紀子氏・渡邉弘氏を含む一族で約18%を保有しています。代表取締役の安達昌史氏も2.5%を保有。従業員持株会が4.75%と高い参画意識を示しています。創業家と経営陣が大株主として名を連ね、オーナー企業としての強いガバナンスが特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 切断・穿孔工事事業 | 130億円 | 12億円 | 9.2% |
| ウォータージェット工事事業 | 35億円 | 3.5億円 | 10.0% |
| その他事業 | 37億円 | 1.5億円 | 4.1% |
切断・穿孔工事が売上の約64%を占める主力事業で、ダイヤモンド工具を使ったコンクリート切断技術では国内トップクラスのシェアを持ちます。ウォータージェット事業は環境配慮型工法として成長が期待されるセグメントです。子会社を通じた事業領域の拡大も進めており、M&Aによる技術・サービスの補完戦略を推進しています。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役9名中、女性は1名(11.1%)です。連結子会社4社(ウォールカッティング工業、新伸興業、アシレ、ユニペック)を統括し、グループ一体でのインフラ維持補修サービスを提供しています。FY2025/6の設備投資は24.4億円と積極的な投資を実施しました。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 210億円 | — | 202億円 | -3.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 25億円 | — | 17億円 | -34.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2025年12月に新中期経営計画を策定し、売上高250億円・営業利益率10%以上を中期目標に掲げています。FY2025/6は当初予想を下回りましたが、インフラ老朽化対策の国策的需要は今後も拡大が見込まれ、中計目標の達成可能性は十分にあります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
第一カッター興業のTSRは5年間で85%とマイナスリターンとなっており、TOPIX(213%)を大きく下回るパフォーマンスです。FY2025/6の業績下振れと株価下落が影響しています。ただし、PBR 0.87倍の割安さと無借金経営の財務健全性を考慮すると、業績回復局面でのリレーティング余地があります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 100.0万円 | +0.0万円 | 0.0% |
| FY2022 | 96.0万円 | -4.0万円 | -4.0% |
| FY2023 | 103.0万円 | +3.0万円 | 3.0% |
| FY2024 | 100.0万円 | +0.0万円 | 0.0% |
| FY2025 | 85.0万円 | -15.0万円 | -15.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは12.9倍と建設業界平均(12.5倍)とほぼ同水準ですが、PBRは0.87倍と業界平均(1.1倍)を下回る割安水準にあります。信用買い残が658,500株と高水準で、信用倍率51.85倍は個人投資家の値上がり期待の強さを示しています。配当利回り2.70%は業界平均を上回ります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/6の中間決算を発表。上期経常利益は19%減益で下振れ着地。通期業績予想を修正。
新中期経営計画を策定。競争優位性の更なる強化と持続的成長を目指す方針を発表。
無動力追従式切断工法「Quattro FX」を開発。インフラ構造物の更新工事の効率化を実現。
最新ニュース
第一カッター興業(株) まとめ
ひとめ診断
「切る・はつる・洗う・剥がす・削る」5つの技術で日本のインフラを守るニッチトップ企業
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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