創業ストーリー
明治7年に創業し、日本の近代化に伴うインフラ整備に携わり始める。土木工事を中心に実績を積み重ねる。
西松建設株式会社として法人化。戦前・戦後を通じてダム、トンネル、橋梁など大型土木工事で技術力を磨く。
伊藤忠商事と資本業務提携を締結。物流施設開発や不動産事業など新たな成長領域への展開を加速。
伊藤忠が出資比率22%に引き上げ。箱根でのリゾートホテル開発や再生可能エネルギー事業にも挑戦。
総合インフラサービス企業として、建設の枠を超えた新たな価値創造を目指す。
Nishimatsu Construction Co.,Ltd.
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
あなたが普段利用している高速道路のトンネルやダム、地下鉄の駅などの社会インフラには、西松建設の技術が数多く使われています。1874年の創業以来150年にわたって日本の国土づくりを支えてきた会社であり、最近では箱根にホテルオークラブランドのリゾートホテルを開発するなど、身近な場面でも存在感を高めています。
西松建設はダムやトンネルなど土木分野に強みを持つ準大手ゼネコンです。2021年に伊藤忠商事と資本業務提携を結び、不動産開発や物流施設など成長分野への展開を加速させています。直近2025/03期期は売上高3,668億円・営業利益211億円と増益基調を維持し、2026/03期期は売上高4,200億円・営業利益250億円の増収増益を計画しています。配当性向70%の高還元方針と箱根リゾートホテル開発への投資など、守りと攻めのバランスが注目されます。
ダムやトンネルなど大型土木工事で培った高い技術力は、日本のインフラを根底から支えています。
総合商社との資本業務提携により、不動産開発や物流施設、再生可能エネルギーなど成長分野への展開を加速しています。
配当利回り約3.7%と建設業トップクラスの株主還元を実施。安定配当と高い配当性向で投資家から高い評価を受けています。
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
土木・建築工事を中心とした主力セグメント。ダム・トンネルなど土木に強み
不動産開発・保有・運用事業。伊藤忠との連携で物流施設や商業施設を展開
再生可能エネルギーや地域課題解決に関するソリューション事業
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 8.3% | 3.6% | - |
| 2022/03期 | 8.3% | 3.2% | - |
| 2023/03期 | 6.1% | 1.9% | - |
| 2024/03期 | 7.4% | 2.3% | 4.7% |
| 2025/03期 | 9.8% | 3.0% | 5.8% |
| 3Q FY2026/3 | 8.2%(累計) | 2.1%(累計) | 6.1% |
2023/03期期は資材高騰の影響で営業利益率が3.7%まで低下しましたが、価格転嫁の浸透と工事採算の改善により、2025/03期期にはROE 9.7%、営業利益率5.8%まで回復しました。中期経営計画ではROE向上を重要指標に掲げており、伊藤忠との連携による高採算案件の獲得が鍵です。
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 3,362億円 | — | 172億円 | 313.8円 | - |
| 2022/03期 | 3,238億円 | 235億円 | 151億円 | 312.3円 | -3.7% |
| 2023/03期 | 3,398億円 | 126億円 | 96.5億円 | 244.4円 | +4.9% |
| 2024/03期 | 4,016億円 | 188億円 | 124億円 | 313.9円 | +18.2% |
| 2025/03期 | 3,668億円 | 211億円 | 175億円 | 444.5円 | -8.7% |
2023/03期期は資材高騰の影響で営業利益が大幅に落ち込みましたが、その後は価格転嫁と工事採算の改善が進み、2025/03期期には営業利益211億円まで回復しました。2026/03期期は売上高4,200億円・営業利益250億円と増収増益を計画しており、伊藤忠との連携による不動産開発案件の拡大も寄与する見通しです。 【3Q 2026/03期実績】売上2765億円(通期予想比66%)、営業利益168億円(同67%)、純利益131億円(同75%)。
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
建設業の同業他社平均と比べると…
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 建設事業 | 3,200億円 | 180億円 | 5.6% |
| アセットバリューアッド事業 | 350億円 | 25億円 | 7.1% |
| 地域環境ソリューション事業 | 120億円 | 6億円 | 5.0% |
主力の建設事業を核としつつ、アセットバリューアッド事業(不動産開発)と地域環境ソリューション事業の3セグメント体制で運営しています。特にアセット事業では伊藤忠との連携による案件獲得が拡大しており、箱根のリゾートホテル開発など大型プロジェクトも推進中です。
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 3,450億円 | 3,600億円 | 3,668億円 | +6.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 180億円 | 200億円 | 211億円 | +17.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
「中期経営計画2025」では、収益改善プランによる既存事業の強化と不動産・再エネなど成長分野への積極投資を柱に掲げています。2025期は営業利益211億円と目標の220億円に迫る水準を達成しました。2026/03期期は売上高4,200億円・営業利益250億円を計画しており、伊藤忠との連携深化による案件拡大が目標達成の鍵を握ります。
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
明治7年に創業し、日本の近代化に伴うインフラ整備に携わり始める。土木工事を中心に実績を積み重ねる。
西松建設株式会社として法人化。戦前・戦後を通じてダム、トンネル、橋梁など大型土木工事で技術力を磨く。
伊藤忠商事と資本業務提携を締結。物流施設開発や不動産事業など新たな成長領域への展開を加速。
伊藤忠が出資比率22%に引き上げ。箱根でのリゾートホテル開発や再生可能エネルギー事業にも挑戦。
総合インフラサービス企業として、建設の枠を超えた新たな価値創造を目指す。
2026/03期期第3四半期決算にて、通期経常利益予想を4%上方修正。累計経常利益は前年同期比18.9%増の166億円に伸長。
ホテルオークラと提携し、箱根にリゾート型ホテルを100億円超の投資で2029年開業予定と発表。アセット事業の拡大を推進。
伊藤忠商事が西松建設への出資比率を22%に引き上げ、持分法適用会社化。資本関係がさらに深化し、事業シナジー拡大が期待される。
西松建設は1874年の創業以来、ダムやトンネル、道路など社会インフラの建設を通じて日本の発展に貢献してきました。これからも技術力と信頼を礎に、持続可能な社会づくりに挑戦してまいります。
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
総資産は約5,920億円で、2024/03期期以降は有利子負債が急増(約4,043億円)しています。これは不動産開発やアセット事業への積極投資に伴うものです。自己資本比率は約29%と建設業としては標準的な水準を維持しており、BPS(1株当たり純資産)は4,361円と着実に増加しています。 【3Q 2026/03期】総資産6733億円、純資産1916億円、自己資本比率24.2%、有利子負債2874億円。
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 49.1億円 | 53.0億円 | 127億円 | 102億円 |
| 2022/03期 | 412億円 | 225億円 | 161億円 | 187億円 |
| 2023/03期 | 347億円 | 275億円 | 23.6億円 | 73.0億円 |
| 2024/03期 | 320億円 | 418億円 | 111億円 | 97.8億円 |
| 2025/03期 | 58.9億円 | 363億円 | 161億円 | 304億円 |
2022/03期〜2023/03期期は営業CFが300〜400億円台と潤沢でしたが、2025/03期期は約59億円に縮小しました。一方、投資CFは不動産開発やアセット事業への積極投資により大幅なマイナスが続いています。財務CFは借入による資金調達でプラスに転じており、成長投資を有利子負債で賄う構図です。
取締役12名中、女性役員は2名(16.7%)です。監査報酬は6,200万円で連結子会社15社を統括しています。設備投資額238.7億円は不動産開発事業への積極投資を反映しており、平均勤続年数19.2年と社員の定着率は高水準です。伊藤忠の持分法適用会社化後も経営の独立性を維持する方針を掲げています。
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 975万円 | 3,065人 | - |
平均年収は約975万円と、準大手ゼネコンの中では高水準です。2025年度からは大卒初任給を30万円に引き上げており、人材確保に向けた処遇改善に積極的に取り組んでいます。平均年齢44歳、平均勤続年数19.2年と定着率も高い企業です。
リターン・配当・市場データを確認
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
西松建設のTSR(株主総利回り)は279.4%と、TOPIX(213.4%)を約66ポイント上回るアウトパフォームを達成しています。伊藤忠との資本提携以降の株価上昇と高配当の組み合わせが、5年間で約2.8倍という優れた株主リターンを実現しました。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 16円 | 30.4% |
| 2017/03期 | 21円 | 30.2% |
| 2018/03期 | 95円 | 30.8% |
| 2019/03期 | 105円 | 30.6% |
| 2020/03期 | 105円 | 30.7% |
| 2021/03期 | 105円 | 33.5% |
| 2022/03期 | 221円 | 70.8% |
| 2023/03期 | 221円 | 90.4% |
| 2024/03期 | 220円 | 70.1% |
| 2025/03期 | 220円 | 49.5% |
株主優待制度は実施していません。
中期経営計画2025において配当性向70%という高い株主還元方針を掲げており、2022/03期期以降は1株220〜221円の安定配当を実施しています。配当利回りは約3.7%と建設業の中でも高水準です。株主優待は実施していませんが、高配当で株主還元を充実させる方針です。
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 140.7万円 | 40.7万円 | 40.7% |
| 2022期 | 193.0万円 | 93.0万円 | 93.0% |
| 2023期 | 191.8万円 | 91.8万円 | 91.8% |
| 2024期 | 252.6万円 | 152.6万円 | 152.6% |
| 2025期 | 279.4万円 | 179.4万円 | 179.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
PERは13.4倍と建設業平均(15.4倍)を下回っており、割安感がある水準です。一方、PBRは1.37倍と業界平均を上回っており、伊藤忠との資本提携や高配当方針が評価されています。信用倍率は約9倍と買い残が多く、将来の売り圧力にやや注意が必要です。
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 216億円 | 44.0億円 | 20.4% |
| 2022/03期 | 235億円 | 83.9億円 | 35.7% |
| 2023/03期 | 132億円 | 35.3億円 | 26.8% |
| 2024/03期 | 196億円 | 71.9億円 | 36.7% |
| 2025/03期 | 202億円 | 26.8億円 | 13.3% |
実効税率は2025/03期期に13.3%と大幅に低下しましたが、これは繰延税金資産の計上や税効果会計の調整が寄与したものと考えられます。2026/03期期には29.6%と平常水準への回帰が見込まれています。直近5期間の税引前利益は131〜235億円で推移しており、安定的な利益水準を確保しています。
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最終更新: 2026/05/22 / データ提供: OSHIKABU