第一建設工業(株)
DAIICHI KENSETSU CORPORATION
最終更新日: 2026年3月24日
JR東日本の線路を守り続ける、鉄道インフラの職人集団。無借金経営で配当も急成長中
鉄道工事を基盤とした総合建設業として、豊かで安全な街づくりに貢献する
この会社ってなに?
通勤や旅行で毎日利用するJR東日本の線路。その線路の敷設・保守・改良を手がけているのが第一建設工業です。新幹線の軌道工事や在来線の線路切替、駅のリニューアル工事など、安全な鉄道運行を支えるインフラ企業です。近年は鉄道以外にも土木・建築工事を拡大し、学生マンションの建設なども手がけています。
第一建設工業は1942年設立のJR東日本系建設会社で、線路工事を中心に鉄道インフラの維持・建設を担っています。JR東日本への依存度は約7割と高く、鉄道関連工事のスペシャリストです。FY2025/3は売上高580億円・営業利益72億円と過去最高益を更新。無借金経営で自己資本比率85%超という盤石な財務基盤を持ち、4期連続増配で配当利回り3.35%と高配当銘柄としても注目されています。
会社概要
- 業種
- 建設業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 新潟県新潟市中央区八千代一丁目4番34号
- 公式
- www.daiichi-kensetsu.co.jp
社長プロフィール
当社は鉄道工事を基盤とした総合建設業として、豊かで安全な街づくりに貢献してまいります。「変革2028」のもと、鉄道事業の更なる強化と非鉄道分野への事業拡大を推進し、持続的な成長を目指します。
この会社のストーリー
鉄道省(現・国土交通省)関連の鉄道工事を担う企業として新潟で設立。戦時中の鉄道インフラ整備に貢献した。
国鉄の分割民営化により、JR東日本グループの建設パートナーとして新たな関係を構築。安定した受注基盤を確立した。
JASDAQ市場に株式を上場。資本市場からの調達を可能にし、事業拡大の基盤を整えた。
JR東日本が連携強化を目的に株式を追加取得。鉄道工事におけるパートナーシップが一層深化した。
非鉄道事業の拡大と生産性向上を柱とする5カ年中期経営計画をスタート。初年度で営業利益目標を大幅に超過達成した。
注目ポイント
有利子負債ゼロの完全無借金経営を継続。自己資本比率85%超という業界屈指の財務健全性を誇り、景気変動に強いディフェンシブ銘柄です。
配当金はFY2021の37円からFY2025には130円へ約3.5倍に急増。配当利回り3.35%と高配当銘柄としての魅力が急速に高まっています。
新幹線や在来線の線路工事・保守を担う専門企業。JR東日本の鉄道インフラ投資は中長期的に拡大が見込まれ、安定的な受注成長が期待されます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 26円 | 15.9% |
| FY2017/3 | 26円 | 16.4% |
| FY2018/3 | 30円 | 13.8% |
| FY2019/3 | 34円 | 19.2% |
| FY2020/3 | 34円 | 26.8% |
| FY2021/3 | 37円 | 20.3% |
| FY2022/3 | 45円 | 35.2% |
| FY2023/3 | 50円 | 37.7% |
| FY2024/3 | 80円 | 55.9% |
| FY2025/3 | 130円 | 46.8% |
株主優待制度は設けていません。
配当金はFY2021/3の37円からFY2025/3には130円へと4期連続で増配し、約3.5倍に急増しています。配当性向はFY2024/3に55.9%まで上昇しましたが、FY2025/3には46.8%と適正水準に落ち着きました。無借金経営による財務余力を背景に、今後も積極的な株主還元が期待されます。
同業比較(収益性)
建設業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/3は売上高580億円・営業利益72億円と過去最高益を大幅更新しました。FY2022/3はJR東日本の工事発注減により一時的に減収となりましたが、FY2023/3以降は回復基調に転じ、FY2025/3には営業利益率12.4%と高い収益性を実現しています。FY2026/3は売上高570億円・営業利益62億円の予想で、高水準の利益を維持する見通しです。
事業ごとの売上・利益
鉄道線路の新設・改良・保守工事、駅舎・鉄道構造物の建設、土木・建築工事を手がける主力事業。売上構成比98%以上を占める。JR東日本向け工事が約7割。
賃貸マンションの運営や学生向け賃貸マンション建設など。建設事業との相乗効果を活かした不動産開発を展開。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.9% | 4.9% | - |
| FY2022/3 | 4.0% | 3.6% | - |
| FY2023/3 | 4.0% | 3.5% | - |
| FY2024/3 | 4.1% | 3.4% | 7.0% |
| FY2025/3 | 7.4% | 6.2% | 12.4% |
FY2025/3の営業利益率は12.4%と、建設業界の中でもトップクラスの収益性を実現しています。ROEはFY2022〜2024で4%前後と低水準でしたが、FY2025/3には7.3%まで改善しました。鉄道工事という専門性の高い分野での競争優位性が、安定した利益率の源泉となっています。
財務は安全?
有利子負債ゼロの完全無借金経営を継続しており、自己資本比率は常に84〜90%という極めて健全な財務体質です。BPSもFY2021/3の3,144円からFY2025/3には3,818円へと着実に増加しており、1株当たりの企業価値が年々向上しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 29.5億円 | -38.6億円 | -8.0億円 | -9.1億円 |
| FY2022/3 | 105億円 | -23.2億円 | -9.6億円 | 81.5億円 |
| FY2023/3 | -4.0億円 | -61.2億円 | -19.5億円 | -65.2億円 |
| FY2024/3 | 53.7億円 | -22.7億円 | -11.7億円 | 31.0億円 |
| FY2025/3 | 59.8億円 | -38.0億円 | -28.4億円 | 21.8億円 |
営業キャッシュフローはFY2023/3に一時的にマイナスとなりましたが、これは工事の進捗に伴う運転資金の変動によるものです。FY2024/3以降は安定的にプラスを維持しています。無借金経営のため財務CFは配当支払いが中心であり、投資CFは設備投資や機材更新に充てられています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 54.3億円 | 17.1億円 | 31.4% |
| FY2022/3 | 33.3億円 | 7.3億円 | 22.0% |
| FY2023/3 | 38.8億円 | 12.4億円 | 31.9% |
| FY2024/3 | 41.0億円 | 13.0億円 | 31.8% |
| FY2025/3 | 76.0億円 | 23.6億円 | 31.1% |
税引前利益はFY2025/3に76億円と過去最高を記録しました。実効税率は概ね30〜32%で安定しており、FY2022/3の22.0%は税効果会計による一時的な低下です。FY2026/3は62億円の税引前利益を見込んでいます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 808万円 | 1,004人 | - |
従業員の平均年収は808万円と、建設業界の中でも比較的高い水準です。平均年齢39.6歳と若く、平均勤続年数13.8年と定着率の高さが特徴です。技術力の蓄積を重視した人材育成方針が反映されています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は東日本旅客鉄道・旭調査設計・第一建設工業社員持株会。
筆頭株主はJR東日本(19.35%)で、最大の顧客がそのまま筆頭株主という強固な関係性を持っています。旭調査設計(7.64%)、東鉄工業(2.72%)、名工建設(2.32%)などJRグループ関連企業が上位に名を連ねています。社員持株会(7.41%)と互助会(2.46%)を合わせると約10%を従業員関連が保有しており、従業員の経営参画意識の高さがうかがえます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 建設事業 | 569億円 | 71.9億円 | 12.6% |
| 不動産事業等 | 11億円 | 0.7億円 | 6.4% |
建設事業が売上の98%以上を占める専業型の企業構造です。建設事業の営業利益率12.6%は建設業界でもトップクラスの収益性です。不動産事業は規模は小さいものの、学生向けマンション開発など新たな収益源の育成を進めています。JR東日本向け鉄道工事が売上の約7割を占め、安定した受注基盤が強みです。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役11名中、女性は1名(9.0%)です。JR東日本系企業として安全管理と品質管理を重視したガバナンス体制を構築しています。平均勤続年数13.8年と定着率が高く、鉄道工事に必要な専門技術の継承が円滑に行われています。設備投資30.8億円は重機・機材の更新に充てられています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 500億円 | — | 580億円 | +16.0% |
| FY2024 | 500億円 | — | 540億円 | +8.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画「変革2028」では、FY2028に売上高600億円・営業利益50億円以上を目標に掲げています。FY2025/3実績は営業利益72億円と初年度で目標を大幅に超過達成しました。受注高の増加と工事採算性の改善が想定以上に進捗しており、計画の前倒し達成が鮮明になっています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間のTSRは173.6%と株価は着実に上昇していますが、TOPIX(226.6%)にはやや及ばないパフォーマンスとなっています。ただし、FY2025/3の好決算を機に株価は急騰しており、直近1年のパフォーマンスではTOPIXを大幅に上回っています。今後の増配継続と業績成長がTSR改善の鍵です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 116.0万円 | +16.0万円 | 16.0% |
| FY2022 | 91.7万円 | -8.3万円 | -8.3% |
| FY2023 | 89.8万円 | -10.2万円 | -10.2% |
| FY2024 | 118.2万円 | +18.2万円 | 18.2% |
| FY2025 | 173.6万円 | +73.6万円 | 73.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは16.2倍と建設業界平均(15.4倍)とほぼ同水準です。一方、PBRは1.01倍と業界平均(1.2倍)を下回っており、無借金経営の財務力を考慮するとまだ割安感があります。配当利回り3.35%は業界平均を大きく上回り、高配当・好財務のディフェンシブ銘柄として位置づけられます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
4-12月期の経常利益が前年同期比11%増益で着地。売上高・各段階利益ともに業績予想を上回る好決算。
通期の業績予想を上方修正。受注高の増加と工事採算性の改善が寄与。
2024〜2028年度の中期経営計画「変革2028」を策定。非鉄道事業の拡大と生産性向上を推進。
最新ニュース
第一建設工業(株) まとめ
ひとめ診断
「JR東日本を支える鉄道建設のプロフェッショナル。線路から街づくりまで、東日本のインフラを守るスタンダード企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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