太洋基礎工業(株)
Taiyo Kisokogyo Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月24日
地下から都市を支える見えないプロの仕事。堅牢な無借金経営と技術力で、安全な街づくりに貢献する
建設で拓く豊かな都市づくり
この会社ってなに?
マンションや商業施設の建設現場で、地面の中に壁を作ったり、古い杭を抜いたりする「見えない仕事」を手がけているのが太洋基礎工業です。また、積水ハウスなどの住宅メーカーと連携し、家を建てる前の地盤改良工事も担当しています。都市再開発や防災・減災のための液状化対策など、安全な街づくりに欠かせない縁の下の力持ちです。
太洋基礎工業は1958年創業の特殊土木建設会社で、地中連続壁工事・既存杭撤去・地盤改良工事などの特殊土木工事と、積水ハウス向けを主力とする住宅関連地盤改良工事を二本柱に展開しています。FY2026/1期は売上高145億円(前年比+7.6%)、営業利益5.5億円と大幅な業績回復を達成。実質無借金経営で自己資本比率76%超と盤石な財務基盤を持ち、PBR 0.50倍・PER 10.1倍と割安水準にあるバリュー株です。
会社概要
- 業種
- 建設業
- 決算期
- 1月
- 本社
- 愛知県名古屋市中川区柳森町107番地
- 公式
- taiyoukiso.co.jp
社長プロフィール
太洋基礎工業は創業以来、社会ニーズにさきがけた技術と開発工法の研究開発に取り組み、良質な施工で豊かな都市づくりを切り拓いてまいりました。特殊土木工事のスペシャリストとして、安全で快適な都市環境の実現に全力を尽くしてまいります。
この会社のストーリー
名古屋にて特殊土木工事会社として創業。地中連続壁工事を主力に事業を開始した。
JASDAQ市場(現東証スタンダード)に株式を上場。証券コード1758で事業基盤を強化。
積水ハウスとの取引を軸に住宅関連地盤改良工事事業を拡大。特殊土木と住宅の二本柱体制を確立。
震災を機に液状化対策工事の需要が急増。防災・減災技術のスペシャリストとしての評価が高まった。
投資単位の引き下げと流動性向上を目的に1株を3株に分割。個人投資家が参入しやすい環境を整備。
売上高150億円・営業利益7.5億円・ROE 6%を目標とする3カ年中期経営計画をスタート。新たな成長ステージへ。
注目ポイント
有利子負債ゼロ・自己資本比率76%超という建設業界屈指の財務健全性。景気変動に左右されにくい安定した経営基盤が最大の魅力です。
BPS 4,758円に対し株価2,394円と、純資産の半値以下で取引されています。東証のPBR改善要請を追い風に、株価の再評価余地が大きい銘柄です。
地中連続壁・既存杭撤去・液状化対策など、高度な専門技術を要する特殊土木工事に強み。簡単には真似できない「技術の堀」を持つ企業です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2017/3 | 15円 | 13.1% |
| FY2018/3 | 20円 | 21.6% |
| FY2019/3 | 33.3円 | 19.9% |
| FY2020/3 | 33.3円 | 14.1% |
| FY2021/3 | 33.3円 | 15.3% |
| FY2022/3 | 33.3円 | 14.4% |
| FY2023/3 | 33.3円 | 11.2% |
| FY2024/3 | 35円 | 32.4% |
| FY2025/3 | 50円 | 43.3% |
| FY2026/3 | 60円 | 25.8% |
株主優待制度はありません。
FY2024/1に株式分割(1:3)の影響で1株配当が100円から35円に減額されたように見えますが、分割調整後では実質増配が続いています。FY2027/1予想は1株65円と3期連続増配の見込みです。中期経営計画ではDOE 1.5%を基準に、安定的かつ持続的な配当成長を目指しています。配当性向は25〜30%と余裕があり、増配余地が十分にあります。
同業比較(収益性)
建設業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
太洋基礎工業の業績は、FY2024/1〜FY2025/1にかけて建設工事の端境期で減収減益となりましたが、FY2026/1で売上高145億円・営業利益5.5億円と大幅な業績回復を達成しました。経常利益は前期比2.5倍の6.1億円に急拡大しています。FY2027/1は売上高147億円・営業利益5.9億円を予想し、安定成長軌道への回帰が見込まれます。
事業ごとの売上・利益
地中連続壁・既存杭撤去・地盤改良工事・液状化対策・管路工事など。都市再開発や防災・減災の社会インフラを支える主力事業。売上構成比約50%。
積水ハウスを主要顧客とする住宅地盤改良工事。戸建住宅の基礎工事に特化した安定事業。売上構成比約31%。
一般建築工事。オフィスビル・商業施設などの建築を手掛ける。売上構成比約15%。
土壌汚染調査・浄化工事、環境修復事業。環境意識の高まりを背景に成長が期待される事業。売上構成比約4%。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2017/3 | 6.3% | 4.5% | 5.3% |
| FY2018/3 | 4.9% | 3.4% | 3.6% |
| FY2019/3 | 5.1% | 3.8% | 4.0% |
| FY2020/3 | 6.8% | 4.7% | 5.0% |
| FY2021/3 | 6.0% | 4.3% | 4.5% |
| FY2022/3 | 6.0% | 4.5% | 4.4% |
| FY2023/3 | 7.1% | 5.0% | 5.4% |
| FY2024/3 | 2.4% | 1.8% | 1.5% |
| FY2025/3 | 2.6% | 2.0% | 1.3% |
| FY2026/3 | 4.9% | 3.7% | 3.8% |
営業利益率はFY2023/1の5.4%をピークに一時低下しましたが、FY2026/1には3.8%まで回復しています。ROEは4.9%と改善傾向にあり、中期経営計画では最終年度にROE 6%を目標としています。自己資本比率が76%と高いため、ROEは控えめですが、実質無借金の堅牢な財務基盤が安定経営を支えています。
財務は安全?
最大の特徴は有利子負債ゼロの実質無借金経営です。自己資本比率は70〜77%台で推移しており、建設業界の中でも極めて高い財務健全性を誇ります。BPSは4,758円に対し株価2,394円と、PBR 0.50倍で純資産の半値以下で取引されており、資産面からの割安感が際立ちます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2017/3 | 2.9億円 | -1.8億円 | 8,300万円 | 1.1億円 |
| FY2018/3 | -5.9億円 | -6.4億円 | -1.4億円 | -12.3億円 |
| FY2019/3 | 12.6億円 | -2.6億円 | -1.6億円 | 10.0億円 |
| FY2020/3 | 10.7億円 | -4.9億円 | -9,500万円 | 5.7億円 |
| FY2021/3 | -4.2億円 | -7.1億円 | -1.7億円 | -11.3億円 |
| FY2022/3 | 11.5億円 | -1.3億円 | -1.1億円 | 10.2億円 |
| FY2023/3 | 1.9億円 | -2.8億円 | 3.4億円 | -8,400万円 |
| FY2024/3 | 8.6億円 | -3.4億円 | -5.0億円 | 5.2億円 |
| FY2025/3 | 3.7億円 | -4.4億円 | -2.2億円 | -6,600万円 |
| FY2026/3 | 9.0億円 | -1.6億円 | -8,900万円 | 7.4億円 |
営業キャッシュフローはFY2026/1に約9億円と過去5年で最も高い水準に回復しました。建設業の特性上、工事代金の回収時期により年度間でばらつきがありますが、投資CFは小規模に抑えられており、フリーキャッシュフローも7.4億円のプラスに転じています。無借金経営を維持しながら着実にキャッシュを創出しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2017/3 | 6.0億円 | 2.0億円 | 33.2% |
| FY2018/3 | 5.2億円 | 2.0億円 | 37.7% |
| FY2019/3 | 4.9億円 | 1.4億円 | 28.5% |
| FY2020/3 | 6.3億円 | 1.6億円 | 24.4% |
| FY2021/3 | 6.6億円 | 2.3億円 | 34.1% |
| FY2022/3 | 6.5億円 | 1.8億円 | 27.6% |
| FY2023/3 | 9.4億円 | 3.3億円 | 34.9% |
| FY2024/3 | 3.1億円 | 1.0億円 | 32.5% |
| FY2025/3 | 2.4億円 | 1,500万円 | 6.1% |
| FY2026/3 | 6.2億円 | 1.5億円 | 25.0% |
税引前利益はFY2026/1に6.2億円と前期比2.5倍に急拡大しました。FY2025/1の実効税率が6.1%と極端に低いのは、繰延税金資産の計上や税務上の特殊要因によるものです。通常の実効税率は25〜35%の範囲で推移しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| FY2026/1 | 580万円 | 320人 | - |
従業員数は約320名の中堅規模で、特殊土木技術に精通した専門人材が集まる技術者集団です。建設業界では人材不足が深刻化する中、独自の技術力と安定した経営基盤で人材確保に努めています。
誰がこの会社の株を持ってる?
創業家の豊住清氏が23.1%を保有する筆頭株主であり、オーナー企業としての安定した経営基盤を持っています。取引先企業群が上位株主に名を連ね、事業上の信頼関係が株主構成に反映されています。
筆頭株主は代表取締役社長の豊住清氏(23.1%)で、典型的なオーナー経営企業です。豊住浩志氏(2.8%)も含め創業家が約26%を保有する安定した株主構成です。従業員持株会(3.1%)のほか、瀧上工業・日本エコシステム・三東工業社・徳倉建設・積水ハウスなど取引先企業が上位株主に並ぶ点が特徴的で、事業パートナーとの強い信頼関係がうかがえます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 特殊土木工事等事業 | 73億円 | 3.0億円 | 4.1% |
| 住宅関連工事事業 | 45億円 | 1.5億円 | 3.3% |
| 建築事業 | 22億円 | 0.8億円 | 3.6% |
| 環境関連工事事業 | 5億円 | 0.2億円 | 4.0% |
特殊土木工事等事業が売上の約50%を占める主力セグメントで、住宅関連工事事業(約31%)と合わせて売上の8割超を構成しています。特殊土木工事は地中連続壁や既存杭撤去など高い技術力が必要な分野で、参入障壁が高く競争優位性があります。環境関連工事は現在4%程度ですが、土壌浄化需要の拡大に伴い今後の成長が期待されます。
この会社のガバナンスは?
単独決算の中堅企業であり、取締役8名(全員男性)の経営体制です。オーナー経営による迅速な意思決定が強みですが、女性取締役の登用は今後の課題です。平均勤続年数14年と定着率が高く、特殊土木の専門技術を継承する人材育成が行われています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026/1 | 140億円 | — | 145億円 | +3.6% |
| FY2025/1 | 145億円 | — | 135億円 | -7.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
太洋基礎工業は2025年3月に策定した中期経営計画で、最終年度(FY2028/1)に売上高150億円・営業利益7.5億円・ROE 6%を掲げています。初年度のFY2026/1では売上高が目標に近い145億円を達成し好スタートを切りましたが、営業利益とROEは目標に対してまだ乖離があります。株主資本コスト4.5〜5.9%に対しROE 4.9%と、資本コスト超えが喫緊の課題です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
太洋基礎工業のTSRは5年間で120%と、TOPIXの140%を下回るパフォーマンスとなっています。FY2024/1〜FY2025/1の業績低迷期に株価が低迷しましたが、FY2026/1の業績回復により上昇に転じています。PBR 0.50倍のディスカウント解消と中計目標達成により、今後のTSR改善余地は大きいと考えられます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2022/1 | 100.0万円 | +0.0万円 | 0.0% |
| FY2023/1 | 98.0万円 | -2.0万円 | -2.0% |
| FY2024/1 | 95.0万円 | -5.0万円 | -5.0% |
| FY2025/1 | 85.0万円 | -15.0万円 | -15.0% |
| FY2026/1 | 120.0万円 | +20.0万円 | 20.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
太洋基礎工業はPER 10.1倍・PBR 0.50倍と建設業界平均を大きく下回る割安水準にあります。特にPBR 0.50倍は純資産の半値で取引されていることを意味し、東証が推進する「PBR 1倍割れ改善」の対象銘柄です。信用買残が108,600株と発行済株式の約4.4%を占めており、個人投資家の値上がり期待が高いことがうかがえます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/1期の経常利益が前期比2.5倍の6.1億円に急拡大。大幅な業績回復を達成。
中期経営計画(第59〜61期)を策定。売上高150億円・営業利益7.5億円・ROE 6%を目標に掲げる。
1月29日に一時2,424円まで急落。出来高62,400株の大商いで波乱の値動き。
最新ニュース
太洋基礎工業(株) まとめ
ひとめ診断
「地下から都市を支える特殊土木のスペシャリスト。地中連続壁と住宅地盤改良の二本柱で堅実成長」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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