JUMP

ニッスイ1332

Nissui Corporation

プライムUpdated 2026/07/23
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どんな会社?

事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ

ひとめ診断

業績
好調
営業益 前年比↑(FY2026/3は売上高・各段階利益とも過去最高を更新し、営業利益は初の400億円台です)
配当
少なめ
1株 32円(FY2020/3以降7期連続増配(8.5円→32円)、FY2027/3予想は32円据置です)
安全性
普通
自己資本比率 40.0%(FY2026/3末時点)(サーモン養殖買収など成長投資で有利子負債は2,639億円へ増加も自己資本比率40.0%を維持)
稼ぐ力
普通
ROE 9.5%(FY2026/3実績)(ROE9.5%は中計目標10%に接近し、営業利益率も4.3%へ改善しました)
話題性
好評
ポジ 68%(過去最高益・大型買収・株主還元強化でポジティブな報道が中心です)

この会社ってなに?

スーパーの冷凍食品コーナーで見かける「大きな大きな焼きおにぎり」や「わが家の麺自慢」、お弁当の定番「おさかなのソーセージ」。これらはすべて、創業115年の水産会社ニッスイの商品です。同社のすごさは魚を「獲る・育てる・加工する・届ける」を世界規模でつなぐバリューチェーンにあり、チリのサーモン養殖から北米・欧州で人気の白身魚フライまで、海外売上比率は約4割に達します。さらに魚油からつくる高純度EPAは医薬品原料として世界トップクラスのシェアを持ち、サプリメント「イマークS」など健康分野にも展開。2026年3月期は売上高9,312億円と過去最高を更新しており、毎日の食卓から健康まで、気づかないうちにあなたの生活を支えている会社です。

ニッスイは水産物を起点に、冷凍食品や健康機能性素材(ファインケミカル)へ事業を多角化する総合食品メーカーです。2026年3月期は売上高9,312億円・営業利益404億円と売上高・各段階利益とも過去最高を更新し、営業利益は初の400億円台に乗せました。2026年1月にはチリのサーモン養殖会社ペスケラ・ヤドラン社を約206億円で完全子会社化し、南米サーモン養殖の規模を2.5倍に拡大。中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」では2028年3月期に売上高9,700億円・営業利益410億円を目標に掲げ、初年度から目標圏に迫る好進捗です。

水産・農林業プライム市場

注目ポイント

サーモン養殖のグローバル拡大

チリのペスケラ・ヤドラン社買収で南米サーモン養殖を2.5倍に拡大し、2030年に年間8万トン強の生産体制を計画。国内でも「黒瀬ぶり」や陸前高田のサーモン養殖など、育てる漁業で世界の食料需要に応えます。

魚から生まれる健康価値

魚油由来の高純度EPA医薬品原料で世界トップクラスの実績を持ち、「速筋タンパク」「イマークS」など機能性食品も展開。水産資源から医薬・健康領域へ価値を広げる、ニッスイならではの技術力が光ります。

7期連続増配の株主還元

配当は2020/03期の8.5円から2026/03期の32円へ7期連続増配。中計では3年間の総還元性向40%以上を掲げ、2025年には自己株TOBも実施しました。3月末に500株以上で自社商品の株主優待ももらえます。

会社概要

業種
水産・農林業
決算期
3月
本社
東京都港区西新橋1-3-1 西新橋スクエア
公式
www.nissui.co.jp

サービスの実績は?

32
1株当たり配当金
2026/03期実績(7期連続増配)
+14.3% YoY
+27.2%
営業利益成長率
2026/03期実績 (YoY)
41.2%
海外所在地売上高比率
2025年度実績(2027年度目標43%程度)
11,526
連結従業員数
2026年3月末時点
8,080万円
従業員一人当たり売上高
2026/03期実績ベース
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なぜ伸びるの?

売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く

事業ごとの売上・利益

食品事業
5,009億円53.8%)
水産事業
3,801億円40.8%)
ファイン事業
169億円1.8%)
物流事業
166億円1.8%)
その他
165億円1.8%)
食品事業5,009億円
利益: 296.3億円利益率: 5.9%

冷凍食品・練り製品などの加工事業とコンビニ向け弁当・惣菜のチルド事業。「大きな大きな焼きおにぎり」「おさかなのソーセージ」等のロングセラーを持つ売上構成比54%の最大セグメント。2026/03期はチルドが好調で増収増益。

水産事業3,801億円
利益: 177.7億円利益率: 4.7%

漁撈・養殖・加工商事事業。ブリ・サバの漁獲好調と南米サーモン養殖の収益改善で営業利益は前期比2.1倍に急回復。売上構成比41%。

ファイン事業169億円
利益: 8.4億円利益率: 4.9%

高純度EPA医薬品原料や機能性原料・機能性食品(イマークS等)。医薬品原料の販売は堅調も原価高で増収減益。

物流事業166億円
利益: 24.1億円利益率: 14.5%

冷蔵倉庫・配送・通関事業。利益率は最も高いが、2024年問題対応の人件費・燃料費上昇で増収減益。

その他165億円
利益: 5.0億円利益率: 3.0%

エンジニアリング事業・船舶運航事業等。

稼ぐ力はどのくらい?

まあまあの効率です

FY2026/3実績

ROE
9.5%
株主資本の利回り
ROA
4.0%
総資産の活用度
Op. Margin
4.3%
営業利益率
会計期ROEROA営業利益率
2022/03期9.6%3.5%3.9%
2023/03期10.4%4.0%3.2%
2024/03期10.2%4.1%3.6%
2025/03期9.6%4.1%3.6%
2026/03期9.5%4.0%4.3%

ROE(自己資本利益率)は5年間9.5〜10.4%と安定して高い水準を保っています(有価証券報告書記載の会社公式値)。2026/03期は利益が過去最高を更新したものの、自己資本の積み上がりによりROEは9.5%となり、中計目標の10.0%へはもう一段の利益成長が必要です。売上高営業利益率は2026/03期に4.3%へ改善し、食品事業の価格改定効果と水産事業の収益回復が寄与。中計では2030年に営業利益率5%程度への回復を目指しています。

儲かってるの?

順調に稼いでいます
会計期売上高営業利益当期純利益EPS増収率
2022/03期6,937億円271億円173億円55.5円
2023/03期7,682億円245億円212億円68.2円+10.7%
2024/03期8,314億円297億円239億円76.7円+8.2%
2025/03期8,861億円318億円254億円81.7円+6.6%
2026/03期9,313億円404億円275億円90.2円+5.1%

ニッスイは増収が5期連続、純利益も5期連続で増加しており(営業利益は2023/03期に一時減益を挟む)、2026/03期は売上高9,312億円・営業利益404億円・純利益275億円と、売上高・各段階利益とも過去最高を更新しました。前期に苦戦した漁撈・養殖事業と北米水産加工事業の改善が進み、営業利益は前期比+27.2%と大きく伸長し初の400億円台に到達。2027/03期は売上高9,800億円・営業利益425億円と増収増益を計画しますが、経常利益は成長投資に伴う金利負担の増加で430億円と横ばい見通しです。なお、通期予想は期初時点では保守的で、2026/03期も第3四半期に上方修正されており、期初予想(売上9,000億円・営業345億円)を実績が大きく上回りました。

業績の推移

売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。

同業比較(収益性)

水産・農林業の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)

ROE(自社 FY2026/3上回る
この会社
9.5%
他社平均
6.0%
営業利益率(自社 FY2026/3下回る
この会社
4.3%
他社平均
4.5%
自己資本比率(自社 FY2026/3末下回る
この会社
40.0%
他社平均
52.0%
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将来どうなりそう?

公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く

会社の公式開示情報

役員報酬

3億9,900万円
7名の合計

事業別の稼ぎ

事業名売上利益利益率
食品事業5,009億円296.3億円5.9%
水産事業3,801億円177.7億円4.7%
ファイン事業169億円8.4億円4.9%
物流事業166億円24.1億円14.5%
その他165億円5.0億円3.0%

研究開発費

50.0億円
売上比 0.54%

水産・食品の2大事業で売上の95%を構成し、ファインケミカル・物流を加えた多角的なポートフォリオを持ちます。セグメント別営業利益の合計(511.5億円)と全社営業利益(404.3億円)の差は全社経費(△107.2億円)で、各セグメント利益は全社費用配賦前の数値です。2026/03期は水産事業の営業利益が前期比2.1倍と急回復し、過去最高益の原動力になりました。リスク面では原材料価格・為替・水産資源の変動に加え、米国関税や金利上昇が注視点です。

会社の計画は順調?

A
総合評価
中計初年度の2026/03期で最終年度目標に対し売上96%・営業利益99%まで到達し、経常利益は目標425億円を既に上回りました。純利益(進捗92%)とROE10%の達成が残る課題です。

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

前中計「GOOD FOODS Recipe1」(2022〜2024年度)は売上高・経常利益・純利益が最終年度目標を上回った一方、営業利益はRecipe2発表時点(2025年2月公表見通し)では目標達成見込みとされたものの、最終実績317.8億円は目標320億円にわずかに届きませんでした。Recipe2は初年度から目標圏で推移しています。
中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」
2025〜2027年度(2026/03期〜2028/03期)
売上高(2027年度): 目標 9,700億円 順調 (FY2026/3実績 9,312億円)
96%
営業利益(2027年度): 目標 410億円 順調 (FY2026/3実績 404.3億円)
99%
当期純利益(2027年度): 目標 300億円 順調 (FY2026/3実績 275.2億円)
92%
ROE(2027年度): 目標 10.0% 順調 (FY2026/3実績 9.5%)
95%

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

売上高
年度当初予想修正予想実績乖離
2026/03期9,000億円9,280億円9,312億円+3.5%
2025/03期8,750億円8,800億円8,861億円+1.3%
営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
2026/03期345億円380億円404億円+17.2%
2025/03期325億円325億円318億円-2.2%
純利益
年度当初予想修正予想実績乖離
2026/03期250億円275億円275億円+10.1%
2025/03期240億円240億円254億円+5.8%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」(2025〜2027年度)は、最終年度の2027年度(2028/03期)に売上高9,700億円・営業利益410億円・当期純利益300億円・ROIC6.0%・ROE10.0%を掲げます。基本戦略は「事業ポートフォリオ強化」「サステナビリティ経営の深化」「ガバナンス強化」の3本柱で、3年間で1,500億円程度の投資(うち成長投資1,100億円・M&A枠約100億円)を計画。株主還元は安定配当を実現しつつ3年間の総還元性向40%以上を目指し、財務規律として2027年度末ネットD/Eレシオ0.7〜0.8倍を目安とします。初年度2026/03期は売上9,312億円・営業404.3億円と目標圏に迫り、経常利益431.9億円は目標425億円を前倒しで超過。その先の長期ビジョン「GOOD FOODS 2030」では売上高1兆円以上・営業利益500億円以上・ROIC7%以上・海外所在地売上高比率50%を目指します。会社の通期予想は期初が保守的で期中に上方修正される傾向があり、2026/03期も第3四半期(2026年2月6日)に売上9,280億円・営業380億円へ上方修正されました。

最新ニュース

ポジティブ
ニッスイ 26年3月期売上高・各段階利益ともに過去最高を更新、営業利益は初の400億円突破
5/25 · 財経新聞
ポジティブ
自己株式716万4,875株(発行済株式の2.29%)の消却を発表、消却日は2026年5月28日
5/14 · 適時開示
ポジティブ
ニッスイ、今期経常を15%上方修正・最高益予想を上乗せ
2/06 · 株探
ポジティブ
南米サーモン養殖事業を2.5倍に規模拡大 チリの養殖会社ペスケラ・ヤドラン社を完全子会社化
1/16 · ニッスイ公式サイト
ニュートラル
ニッスイ、サーモン養殖のチリPESQUERA YADRANを子会社化へ 取得価額約206億円
12/16 · M&A Online

どんな話題が多い?

過去最高益・上方修正32%
サーモン養殖・YADRAN買収28%
株主還元・自己株消却16%
中計Recipe2・経営戦略14%
冷凍食品・価格改定10%

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「好調
報道件数(30日)
156
前月比 +12.4%
メディア数
52
日経電子版, 株探, Yahoo!ファイナンス, 財経新聞, 日本食糧新聞
業界内ランキング
上位 10%
水産・農林業 12社中 1位
報道のトーン
68%
好意的
27%
中立
5%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

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この会社のストーリー

創業から現在までの歩みと、代表者の姿

創業ストーリー

1911
創業の地、下関での第一歩

田村市郎が山口県下関市で田村汽船漁業部を創立し、トロール漁業の経営に着手。これがニッスイの115年におよぶ歴史の始まりとなった。

1937
「日本水産」の誕生

社名を日本水産株式会社に改称。1929年にはわが国資本漁業の最大手となった名門で、戦時統制による再編を経て1945年に社名を復し、水産大手として戦後日本の食を支え続けた。

1949
東京証券取引所に上場

戦後の復興期に株式を上場。1952年には戸畑工場で魚肉ソーセージの本格生産を開始し、国民の食生活を支える企業として社会的信頼を獲得した。

1988
チリでサーモン養殖へ参入

チリのサケ養殖会社サルモネス・アンタルティカ社を買収し、南米サーモン養殖の礎を築く。グローバルな養殖バリューチェーンの原点となった。

1990
EPAで医薬の世界へ

魚油由来の高純度EPA医薬品原薬の供給を実現。水産資源から健康価値を生み出すファインケミカル事業へと発展し、世界トップクラスの原料サプライヤーとなった。

2022
社名を「ニッスイ」へ変更

2022年12月、創業111年を機に社名を日本水産株式会社から株式会社ニッスイへ変更。水産の枠を超えた総合食品企業としての姿勢を明確にした。

2026
過去最高益と南米サーモンの大型買収

チリのペスケラ・ヤドラン社を約206億円で完全子会社化し、南米サーモン養殖を2.5倍に拡大。2026年3月期は売上・各利益とも過去最高を更新し、営業利益は初の400億円台に到達した。

出来事の年表

2026年5月過去最高益

2026年3月期本決算で売上高・各段階利益とも過去最高を更新(営業利益は初の400億円台)。同日、自己株式716万4,875株(発行済株式の2.29%)の消却も発表しました。

2026年2月上方修正

第3四半期決算で通期予想を上方修正(経常利益355億円→410億円、約15%増額)。年間配当予想も28円から32円へ増額しました。

2026年1月買収完了

チリのサーモン養殖会社ペスケラ・ヤドラン社の完全子会社化が完了。南米サーモン養殖事業の規模を2.5倍に拡大し、2030年に年間8万トン強の生産体制を目指します。

2025年12月M&A発表

連結子会社SALMONES ANTARTICA社を通じ、チリのPESQUERA YADRAN社の全株式を約206億円(1.33億ドル)で取得すると発表しました。

2025年5月自己株TOB

自己株式の公開買付け(上限1,100万株・1株772円)を実施。みずほ銀行・福岡銀行・農林中央金庫など政策保有株主の売却の受け皿とし、資本効率の向上を図りました。

2025年4月新中計始動

中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」(2025〜2027年度)が始動。最終年度に売上高9,700億円・営業利益410億円・ROE10%を掲げます。

代表者プロフィール

田中 輝
田中 輝
代表取締役 社長執行役員 最高経営責任者(CEO)
養殖のプロ経営者
私たちは、海で培ったモノづくりの心と未知を切り拓く力で、健やかな生活とサステナブルな未来を実現する新しい「食」を創造していきます。中期経営計画GOOD FOODS Recipe2のもと、バリューチェーンを強靱化し、世界中の人々により良い食をお届けすることで、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。
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安心して投資できる?

財務・透明性・株主構成・リスクを点検

財務は安全?

やや注意が必要です
自己資本比率FY2026/3末時点)40.0%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%

※ 有利子負債・純資産はいずれもFY2026/3末時点

Interest-bearing Debt
2,639億円
借金(有利子負債)
Net Assets
3,099億円
会社の純資産

総資産は2026/03期に7,495億円(前期比+18.1%)へ拡大しました。ペスケラ・ヤドラン社の新規連結や国内外の新工場建設で有形・無形固定資産が増加し、社債100億円の発行と長期借入の積み増しにより有利子負債(借入金・社債ベース)は2,639億円へ増加しています。一方、利益の積み上げで純資産も3,099億円へ増え、自己資本比率は40.0%と健全な水準を維持(決算短信記載の公式値。2025/03期は43.6%)。中計では2027年度末のネットD/Eレシオ0.7〜0.8倍を目安に、成長投資と財務安全性の両立を図る方針です。

お金の流れは?

本業は稼げていますが投資が多めです
Operating CF
+532億円
本業で稼いだお金
Investing CF
-614億円
投資に使ったお金
Financing CF
+131億円
借入・返済など
Free CF
-81.6億円
手元に残ったお金
会計期営業CF投資CF財務CFFCF
2022/03期291億円▲173億円▲113億円119億円
2023/03期34.0億円▲226億円174億円▲192億円
2024/03期545億円▲377億円▲124億円168億円
2025/03期404億円▲304億円▲115億円99.9億円
2026/03期532億円▲614億円131億円▲81.6億円

営業キャッシュフローは2026/03期に532億円と本業の稼ぐ力が着実に拡大しています。投資キャッシュフローは614億円の支出と大幅に拡大しましたが、これは国内外の新工場建設など有形固定資産の取得(430億円)とペスケラ・ヤドラン社の株式取得(190億円)という成長投資によるものです。この結果2026/03期のフリーキャッシュフローは一時的にマイナスとなり、社債発行(100億円)や長期借入で資金を調達しました。投資回収が進む中計後半にかけてのキャッシュ創出力回復が注目点です。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 14名)
女性 3名(21.4% 男性 11
21%
79%
監査報酬
1億2,000万円
連結子会社数
70
設備投資額
117.3億円
平均勤続年数(従業員)
15.8
臨時従業員数
7957

監査役会設置会社で、2026年6月25日の定時株主総会後の役員体制は取締役10名(うち社外4名)・監査役4名(うち社外3名)の計14名、うち女性3名(21.4%)です。同総会で浜田晋吾会長らが取締役を退任し、田中輝社長CEOのもとCFO・CHROら執行役員を取締役に加えた新体制へ移行しました。連結子会社70社を擁するグローバル経営で、監査報酬は1億2,200万円(提出会社9,400万円+連結子会社分)、2026/03期の設備投資は442.8億円と過去最大級の成長投資を実行しています。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主46.5%
浮動株53.5%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関38.9%
事業法人等7.5%
外国法人等26.9%
個人その他24.3%
証券会社2.4%

信託銀行名義の機関投資家が中心で、特定の支配株主はいません。2025年の自己株TOBでみずほ銀行・福岡銀行・農林中央金庫など政策保有株主の売却が進み、株式保有構造の流動化が進んでいます。

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)(65,285,000株)21.5%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)(32,083,000株)10.56%
STATE STREET BANK AND  TRUST COMPANY 505223(常任代理人  株式会社みずほ銀行決済営業部)(8,252,000株)2.72%
持田製薬株式会社(8,000,000株)2.63%
野村信託銀行株式会社(投信口)(5,355,000株)1.76%
株式会社みずほ銀行(5,325,000株)1.75%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(5,102,000株)1.68%
JP MORGAN CHASE BANK 385781(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(4,269,000株)1.41%
ニチモウ株式会社(2,740,000株)0.9%
JUNIPER(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)(2,660,000株)0.88%

大株主は日本マスタートラスト信託銀行(21.5%)、日本カストディ銀行(10.56%)と信託銀行名義の機関投資家が上位を占め、創業家や特定個人の支配色は薄い構造です(2026年3月末時点)。事業法人ではEPA医薬品で協業関係にある持田製薬(2.63%)、漁網大手のニチモウ(0.9%)が上位に入ります。2025年5〜6月には自己株式の公開買付け(1株772円・上限1,100万株)を実施し、みずほ銀行・福岡銀行・損害保険ジャパン・キッコーマン・農林中央金庫・三井住友信託銀行が応募を予定して売却するなど、政策保有株式の縮減が進行。このTOBでは786万4,875株(約60.7億円)を取得し、うち716万4,875株が2026年5月28日に消却されました。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

1魚価・飼料等の原材料価格変動による収益圧迫リスク
2為替変動リスク(海外所在地売上高比率が約4割で円高局面は減益要因)
3気候変動・海洋環境変化による水産資源の減少リスク
4養殖事業における魚病・赤潮・海水温上昇等の自然リスク
5食品の安全・安心に関わる品質事故・商品回収リスク
6米国関税政策など通商環境の変化・地政学リスク
7成長投資に伴う有利子負債増加と金利上昇による負担増リスク

社員の給料はどのくらい?

平均年収
851万円
従業員数
1,489
平均年齢
42.8歳
平均年収従業員数前年比
2023/03期799万円1,485-
2025/03期836万円1,505-
2026/03期851万円1,489+1.8%

提出会社(単体)の平均年間給与は851万円(2026/03期、平均年齢42.8歳・平均勤続年数15.8年)と、食品業界では高水準です。単体従業員は1,489名で、連結ベースでは11,526名(ほかに臨時従業員約9,284名)が世界各地の漁撈・養殖・加工・販売の現場を支えています。2023/03期の799万円から3年で約50万円上昇しており、業績拡大に伴う処遇改善が進んでいます。

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株主リターン・投資成果

リターン・配当・市場データを確認

平均よりも稼げてる?

この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。

ニッスイのTSR(株主総利回り)は、2021/03期末を100とした5年間で274.3%と、配当込みTOPIX(202.2%)を大きく上回るアウトパフォームとなっています(有価証券報告書記載の公式値)。2024期に業績拡大と株主還元強化への評価から急伸し、2026期は過去最高益と上方修正を背景に一段高となりました。7期連続増配と自己株買い・消却という還元強化が、株価上昇と合わせて株主リターンを押し上げています。

※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。

配当・優待はもらえる?

少しもらえます
1株配当(最新期)
32
方針: 安定配当を基本とし、中計3年間の総還元性向40%以上を目指す
1株配当配当性向
2016/03期511.2%
2017/03期612.5%
2018/03期814.4%
2019/03期816.2%
2020/03期8.517.9%
2021/03期9.520.5%
2022/03期1425.2%
2023/03期1826.4%
2024/03期2431.3%
2025/03期2834.3%
2026/03期3235.5%
2027/03期(予想)3233.5%
7期連続増配
株主優待
あり
自社商品詰合せ(健康飲料または缶詰・びん詰セットから選択。500株以上3,000円相当、1,000株以上5,000円相当)
必要株数500株以上(約63万円)
金額相当3,000〜5,000円相当
権利確定月3月

配当は2020/03期の8.5円から2026/03期の32円まで7期連続増配と株主還元を大きく強化してきました(2026/03期は期初予想28円を第3四半期に32円へ増額)。2027/03期の予想は年32円(中間16円・期末16円)の据置です。中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」では安定配当を実現しつつ3年間の総還元性向40%以上を掲げ、2025年には自己株式の公開買付け(上限1,100万株)を実施して786万4,875株(約60.7億円)を取得しました。取得した自己株式のうち716万4,875株は2026年5月28日に消却され、発行済株式数は約2.3%減少しています。株主優待は3月末に500株以上で自社商品がもらえ、優待を含めた実質利回りは500株保有で約3.0%です。

もし5年前に投資していたら?

+
2022期初めに100万円を投資した場合
100万円が 274.3万円 になりました (174.3万円)
+174.3%
年度末時点評価額損益TSR
2022期105.6万円5.6万円5.6%
2023期108.1万円8.1万円8.1%
2024期191.0万円91.0万円91.0%
2025期185.5万円85.5万円85.5%
2026期274.3万円174.3万円174.3%

※ 株価と配当をもとに配当込みで試算したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。直近期は有価証券報告書が未提出のため株価から試算しています。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残230,900株
売り残76,500株
信用倍率3.02倍
2026年7月17日時点
今後の予定
2027年3月期 第1四半期決算発表2026年8月6日(予定)
2027年3月期 第2四半期決算発表2026年11月上旬(予定)

ニッスイの株価指標は、同業大手(Umios・極洋の平均)と比べてPER・PBRともに高めの評価を受けています。これは海外サーモン養殖やファインケミカルなど成長分野への投資が市場から評価されているためで、中計資料でも会社自身がPBR1倍前後からの向上を課題として掲げてきました。信用倍率は3.02倍と買い残がやや多いものの極端な偏りではなく、時価総額は3,822億円(自己株式消却後の発行済株式数ベース)。過去最高益と株主還元強化を背景に、株価は直近1年で約4割上昇しています。

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
2022/03期272億円88.1億円32.4%
2023/03期293億円72.6億円24.8%
2024/03期349億円102億円29.2%
2025/03期362億円90.2億円24.9%
2026/03期432億円136億円31.5%

税金等調整前当期純利益は2022/03期の271億円から2026/03期には431億円へ拡大し、法人税等の負担額も88億円から136億円へ増加しました。実効税率は25〜32%程度で推移しており、年度による振れは海外子会社の利益構成や税額控除、繰延税金の影響によるものです。グローバルに事業を展開しつつ、利益成長に応じた納税を国内外で行っています。

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ニッスイ まとめ

業績
好調
営業益 前年比↑(FY2026/3は売上高・各段階利益とも過去最高を更新し、営業利益は初の400億円台です)
配当
少なめ
1株 32円(FY2020/3以降7期連続増配(8.5円→32円)、FY2027/3予想は32円据置です)
安全性
普通
自己資本比率 40.0%(FY2026/3末時点)(サーモン養殖買収など成長投資で有利子負債は2,639億円へ増加も自己資本比率40.0%を維持)
稼ぐ力
普通
ROE 9.5%(FY2026/3実績)(ROE9.5%は中計目標10%に接近し、営業利益率も4.3%へ改善しました)
話題性
好評
ポジ 68%(過去最高益・大型買収・株主還元強化でポジティブな報道が中心です)

「『大きな大きな焼きおにぎり』のニッスイ、売上・利益とも過去最高。南米サーモン養殖の大型買収で世界の食卓へ攻める」

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最終更新: 2026/08/03 / データ提供: OSHIKABU